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お前の部屋、今日泊まるわ
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バイトを終え、真尋がマンションに帰り着くと、エントランスの前に見覚えのある男が立っていた。
「……は?」
夕方の薄暗い街灯の下、玲央がスマホをいじりながら壁にもたれかかっている。
明らかに待ち伏せしていたようにしか見えない。
「お前、なんでここにいんの?」
真尋が訝しみながら声をかけると、玲央は顔を上げた。
「ん? 待ってた」
「だからなんでだよ」
「明日、久々のオフなんだよなー」
「……だから?」
玲央は軽く肩をすくめ、ポケットに手を突っ込んだまま歩み寄ってくる。
「俺、今日泊まるわ」
「は?」
一瞬、意味が理解できずに聞き返す。
「だから、お前ん家泊まる」
「いや、なんでそうなる」
「だって、俺ん家帰るのめんどくせぇし」
「めんどくさくねぇだろ、帰れ!!」
真尋が全力で拒否すると、玲央は悪びれる様子もなく、玄関のドアにもたれかかった。
「……俺と離れるの、寂しい?」
「はぁ!? ちげぇし!!」
思わず声が裏返る。
玲央はその反応を楽しむように、ゆるく笑う。
「じゃあ泊めろよ」
「どんな理屈だよ!」
「俺が帰りたくないって思うくらい、お前んとこが居心地いいってことじゃね?」
「うるせぇ、無理!」
「へぇ、無理なんだ」
玲央がゆっくり顔を近づけ、真尋の目をじっと覗き込む。
「お前、本当に俺が帰ってもいいの?」
「……っ」
そう言われると、妙に意識してしまう自分がいる。
いつものように適当にあしらえばいいのに、なぜか言葉に詰まる。
玲央はそれを見透かしたように微笑むと、すっと背筋を伸ばした。
「んじゃ、上がるわ」
「待て、誰が許可した」
「お前が考えてる間に決定した」
「してねぇよ!」
もはや何を言っても無駄な気がして、真尋は盛大にため息をついた。
「……勝手にしろ」
「最初からそう言えよ」
玲央は満足げに口元を上げると、そのまま真尋の部屋へとずかずかと入っていった。
こうして、強引な「お泊まり」が決定した。
「……は?」
夕方の薄暗い街灯の下、玲央がスマホをいじりながら壁にもたれかかっている。
明らかに待ち伏せしていたようにしか見えない。
「お前、なんでここにいんの?」
真尋が訝しみながら声をかけると、玲央は顔を上げた。
「ん? 待ってた」
「だからなんでだよ」
「明日、久々のオフなんだよなー」
「……だから?」
玲央は軽く肩をすくめ、ポケットに手を突っ込んだまま歩み寄ってくる。
「俺、今日泊まるわ」
「は?」
一瞬、意味が理解できずに聞き返す。
「だから、お前ん家泊まる」
「いや、なんでそうなる」
「だって、俺ん家帰るのめんどくせぇし」
「めんどくさくねぇだろ、帰れ!!」
真尋が全力で拒否すると、玲央は悪びれる様子もなく、玄関のドアにもたれかかった。
「……俺と離れるの、寂しい?」
「はぁ!? ちげぇし!!」
思わず声が裏返る。
玲央はその反応を楽しむように、ゆるく笑う。
「じゃあ泊めろよ」
「どんな理屈だよ!」
「俺が帰りたくないって思うくらい、お前んとこが居心地いいってことじゃね?」
「うるせぇ、無理!」
「へぇ、無理なんだ」
玲央がゆっくり顔を近づけ、真尋の目をじっと覗き込む。
「お前、本当に俺が帰ってもいいの?」
「……っ」
そう言われると、妙に意識してしまう自分がいる。
いつものように適当にあしらえばいいのに、なぜか言葉に詰まる。
玲央はそれを見透かしたように微笑むと、すっと背筋を伸ばした。
「んじゃ、上がるわ」
「待て、誰が許可した」
「お前が考えてる間に決定した」
「してねぇよ!」
もはや何を言っても無駄な気がして、真尋は盛大にため息をついた。
「……勝手にしろ」
「最初からそう言えよ」
玲央は満足げに口元を上げると、そのまま真尋の部屋へとずかずかと入っていった。
こうして、強引な「お泊まり」が決定した。
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