道理恋慕

華子

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守護と殺人

守護と殺人23

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 部屋には遺体が2体。全身返り血を浴びた俺の手には、犯行に使用したと思われる凶器が1丁。女達は怯えている。

「動くな!武器を捨てろ!」

 現場に駆け付けた警察官に撃たれて死んでもいいと思ったが、桜子の憔悴しきった表情を見てやめた。これ以上は悲しませたくない。

 真っ先に犯人だと疑われて銃を向けられた俺は、両手を頭の後ろに回して彼等を見つめる。なんて冷たい視線で、俺を見るのだろう。

 静かな怒りはふつふつと湧いて出たが、それは鉛のような唾と一緒に飲み込んだ。

 結局これだけ人がボロボロに傷ついて、逮捕できるのはたったの俺ひとりだけかよって。
 同情してやるよ、日出ひいずる国、日本に。
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