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抵抗と棄却
抵抗と棄却10
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確かに長男が家業を継ぐという話は、よく耳にする。それで百年も続いている店なんかは、凄いなと思った事もある。
けれど内田家は、別だ。代々受け継がれてきた仕事だと言えども、これは犯罪に手を染める職種だから。肉親だからと言って、簡単には頷けない。
母親に落とされた谷底へ、父親が巨大な岩石まで投げ込んできたけれど俺は負けない。爪を立てて登ってやる。
「……い、嫌だ」
「あん?」
俺がこれほどまで父親に逆らうなんて事、幼少期の記憶を辿っても皆無だ。
「俺は、高校生になりたい。平凡でも普通でもいいから、これから将来の夢とか見つけたい……」
そしてなによりも。
「大切な人や一般の人を傷つけることはしたくない!父さんは間違ってるよ!」
父親の職に不安を覚え、手助けをしてからずっと耐え、慣れる事に抗って、足枷を見ては手遅れかもと後悔していた。
「やりたいならひとりで仲間作ってやってろよ!俺等家族を巻き込むな!」
けれど沼にハマってしまった足はまだ抜ける。引き返すなら、今なんだ。
けれど内田家は、別だ。代々受け継がれてきた仕事だと言えども、これは犯罪に手を染める職種だから。肉親だからと言って、簡単には頷けない。
母親に落とされた谷底へ、父親が巨大な岩石まで投げ込んできたけれど俺は負けない。爪を立てて登ってやる。
「……い、嫌だ」
「あん?」
俺がこれほどまで父親に逆らうなんて事、幼少期の記憶を辿っても皆無だ。
「俺は、高校生になりたい。平凡でも普通でもいいから、これから将来の夢とか見つけたい……」
そしてなによりも。
「大切な人や一般の人を傷つけることはしたくない!父さんは間違ってるよ!」
父親の職に不安を覚え、手助けをしてからずっと耐え、慣れる事に抗って、足枷を見ては手遅れかもと後悔していた。
「やりたいならひとりで仲間作ってやってろよ!俺等家族を巻き込むな!」
けれど沼にハマってしまった足はまだ抜ける。引き返すなら、今なんだ。
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