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嫉妬と接近
嫉妬と接近4
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俺と芽衣のシャボン玉写真は、3人が腹を抱えて大爆笑するくらい俺が半目で、ダメージを受けた。
「うっちゃん面白すぎっ」
涙を拭い笑う彼女が幸せならばいいかとも一瞬思ったけれど、やっぱりちゃんとした写真が欲しかった。
「次はあれやりたいな。前は混んでて出来なかったから」
「あれ?あれってなに?」
「サイクリング。発電体験できるみたいっ」
「ああ、あれな。うん、行こうよ」
芽衣はまたすぐに目的を忘却し、勇吾と会話をし出す。
「琴ちゃん行こーっ」
いや、べつにそうでもないか。彼女はなるべく琴音と勇吾が側になるように歩幅を変えているし、ランチタイムもふたり1組の対抗戦も、俺の隣だ。
なのにどうしてだろう。葉が散り落ちるほどのたった一瞬でも、芽衣の人生の中に勇吾が入れば俺の心は疼く。一気に崖の淵に立たされて、海深くに落ちて行ってしまいそうになる。
独り、物案じに沈んでしまうのは、過去の現実を吹っ切れない己のせいだ。
芽衣は俺の彼女。
そんな現前の事実を置き去りに、過ぎし日に執着する。なんて憐れなのだろう。
「うっちゃん面白すぎっ」
涙を拭い笑う彼女が幸せならばいいかとも一瞬思ったけれど、やっぱりちゃんとした写真が欲しかった。
「次はあれやりたいな。前は混んでて出来なかったから」
「あれ?あれってなに?」
「サイクリング。発電体験できるみたいっ」
「ああ、あれな。うん、行こうよ」
芽衣はまたすぐに目的を忘却し、勇吾と会話をし出す。
「琴ちゃん行こーっ」
いや、べつにそうでもないか。彼女はなるべく琴音と勇吾が側になるように歩幅を変えているし、ランチタイムもふたり1組の対抗戦も、俺の隣だ。
なのにどうしてだろう。葉が散り落ちるほどのたった一瞬でも、芽衣の人生の中に勇吾が入れば俺の心は疼く。一気に崖の淵に立たされて、海深くに落ちて行ってしまいそうになる。
独り、物案じに沈んでしまうのは、過去の現実を吹っ切れない己のせいだ。
芽衣は俺の彼女。
そんな現前の事実を置き去りに、過ぎし日に執着する。なんて憐れなのだろう。
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