海神アオハル

華子

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完全復活

完全復活04

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「つまりはー、神人と海くんがデキてるんじゃないかって疑い出した海くんのお母さんに私を紹介して、安心させようって魂胆こんたんだったのね?」

 おおよその説明は海から聞かされているのか、美咲は飲み込みが早かった。俺と海は陳謝するのみ。

「美咲、まじでごめん……お前の気持ち、蔑ろにしてた……」
「神人のことは恋の協力者だと思って感謝してたのにっ」
「ごめんなさい……」

 チュウッとドリンクを吸って、冷たい目を向けてくる美咲。俺はひたすら頭を下げた。

「海くんは私にキスした時、どんな気持ちだったの?」

 冷ややかな視線が俺の隣へ移動すると、今度は海が頭を下げる。

「じ、神と違ってぷるぷるしているなあと、思いました……」

 それには俺がツッコんだ。

「おい」
「神と違って、柔らかくて潤ってて……」
「おい、ちょ待てコラ」
「甘くて、とても美味しかったです……」
「君は気狂きちがいかい?」

 顔を上げた海は続ける。

「美咲は、俺にはもったいねえくらい可憐で魅力的で、素敵な女性だ。俺なんかよりもっといい男と幸せになって欲しい。俺なんかには、ここにいるチビガキで十分なんだよ」
「コラ、ガキっておい」
「ガサツですぐ喧嘩して、いつか背ぇ伸びんだろって期待して未だにぶかぶかの制服着て、みっともなくて」
「俺ってみっともねえの?」
「一生チビなくせしてさ、なに期待膨らませちゃってんだよっていう。背なんか遺伝なんだよ、無駄に牛乳飲んで牛に迷惑かけんなよっていう」
「だからさ海くん、君は気狂いかい?」
「でも」

 コホンと喉を整えて、真っ直ぐ美咲を見つめる海。

「でも、だからこそこいつには俺しかいない。美咲には本当に悪いことをしたと思ってる。だけど俺はこいつを捨てられない。俺はそっちにいけない、ここにいたい。女を愛せなかった俺を笑ってくれ。そうすりゃきっと、俺となんか別れられてよかったって、そう思うよ」
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