12 / 76
海神コンビ結成
海神コンビ結成12
しおりを挟む
ぴかぴか光る男の頭。腕時計より金歯より、夜空に浮かぶカシオペヤ座よりも眩かった。
「で、電球頭だとお~……?」
わりと理に適った命名をしてあげたのにもかかわらず、男の頭頂部からは湯気が出ていた。
海が俺をぎろりと睨む。
「おい怒らせんなよ……」
「大丈夫だ。俺等にはあやとりがある」
「あやとりでどうやって勝つんだよ」
「けっこう長めで丈夫な紐なんだ。それでさくっと合体しちゃお」
「はあ?」
「海は電球頭から逃げまくるだけでいい。その間に俺がやる」
そう言って、パンツポケットから取り出した黄色い紐。海の頭から順にその輪へ通し、腹部で止める。
「なに、これ」
「いいからほれ、後ろ向けっ」
解せぬ顔した海への詳しい説明は後回し。百聞は一見に如かずだ。
海が反転すれば、そこには大きなブレザーが広がった。海は広いな大きいなを鼻で奏でながら、俺の身も背中合わせで輪の中へ。フックのように曲げた両足を片方ずつ彼の足へと絡ませれば、俺は宙に浮いた。
「お。安定~」
これで合体は完了だ。俺の胸部と海の腹部がしっかりと紐で繋がっているから、俺は逃げる体力を消耗することなく、攻撃だけに専念できる。
プスプスと、電球から蒸気が出続けていたことに気が付いたのは、それからすぐのこと。
「お前達、おちょくってんのか……?なんだその気色わりいおんぶは……」
プス、プス。プスプスプス。
大噴火する前には始めておこう。
「ごめんおっちゃん待たせた。さ、やろやろ」
「んあ~?てめえ、まじでその格好でいいんだな?」
「うん。むしろこれが最終形態。一番強えやつ」
「後悔させてやるわああぁあ!!」
ドッカンと爆発した男は、弓矢の如く引いた拳を俺等に向けてきた。
「海!走れ!」
俺の合図で、海は風を切る。
「で、電球頭だとお~……?」
わりと理に適った命名をしてあげたのにもかかわらず、男の頭頂部からは湯気が出ていた。
海が俺をぎろりと睨む。
「おい怒らせんなよ……」
「大丈夫だ。俺等にはあやとりがある」
「あやとりでどうやって勝つんだよ」
「けっこう長めで丈夫な紐なんだ。それでさくっと合体しちゃお」
「はあ?」
「海は電球頭から逃げまくるだけでいい。その間に俺がやる」
そう言って、パンツポケットから取り出した黄色い紐。海の頭から順にその輪へ通し、腹部で止める。
「なに、これ」
「いいからほれ、後ろ向けっ」
解せぬ顔した海への詳しい説明は後回し。百聞は一見に如かずだ。
海が反転すれば、そこには大きなブレザーが広がった。海は広いな大きいなを鼻で奏でながら、俺の身も背中合わせで輪の中へ。フックのように曲げた両足を片方ずつ彼の足へと絡ませれば、俺は宙に浮いた。
「お。安定~」
これで合体は完了だ。俺の胸部と海の腹部がしっかりと紐で繋がっているから、俺は逃げる体力を消耗することなく、攻撃だけに専念できる。
プスプスと、電球から蒸気が出続けていたことに気が付いたのは、それからすぐのこと。
「お前達、おちょくってんのか……?なんだその気色わりいおんぶは……」
プス、プス。プスプスプス。
大噴火する前には始めておこう。
「ごめんおっちゃん待たせた。さ、やろやろ」
「んあ~?てめえ、まじでその格好でいいんだな?」
「うん。むしろこれが最終形態。一番強えやつ」
「後悔させてやるわああぁあ!!」
ドッカンと爆発した男は、弓矢の如く引いた拳を俺等に向けてきた。
「海!走れ!」
俺の合図で、海は風を切る。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

片桐くんはただの幼馴染
ベポ田
BL
俺とアイツは同小同中ってだけなので、そのチョコは直接片桐くんに渡してあげてください。
藤白侑希
バレー部。眠そうな地味顔。知らないうちに部屋に置かれていた水槽にいつの間にか住み着いていた亀が、気付いたらいなくなっていた。
右成夕陽
バレー部。精悍な顔つきの黒髪美形。特に親しくない人の水筒から無断で茶を飲む。
片桐秀司
バスケ部。爽やかな風が吹く黒髪美形。部活生の9割は黒髪か坊主。
佐伯浩平
こーくん。キリッとした塩顔。藤白のジュニアからの先輩。藤白を先輩離れさせようと努力していたが、ちゃんと高校まで追ってきて涙ぐんだ。



悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる