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中学三年生、春の頃4
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「ねえねえお母さんお父さんっ。あそこの雑貨屋さんって新しくできたの?」
翌日、いとこの結婚式に参加し終えた帰り道。夕方のビーチ沿いを車で走っていると、可愛らしい雑貨屋さんを発見した。
車窓から見えた目新しい一軒家風のお店を見て、お母さんが言う。
「たしかに去年来た時は見かけなかったわねえ。もしかしたらオープンしたばかりかも」
「ちょっと寄っていかない?」
「なに、誰かへのお土産?それならここじゃなくても、明日家へ帰る時のサービスエリアで買えるわよ?今日はせっかくホテルをとってもらったんだから、そこでゆっくりしましょうよ」
「そんなテキトーなやつじゃなくて、ちゃんとしたのをあげたいのーっ!」
「あー、なにその反応。わかった、例の彼氏ねっ」
「か、彼氏じゃないってば!」
わたしとお母さんの会話にひとりついてこられないお父さんは、「彼氏」という単語にそわそわしていたけれど、お願いお願いと駄々をこねれば、その雑貨屋さんに車を停めてくれた。
翌日、いとこの結婚式に参加し終えた帰り道。夕方のビーチ沿いを車で走っていると、可愛らしい雑貨屋さんを発見した。
車窓から見えた目新しい一軒家風のお店を見て、お母さんが言う。
「たしかに去年来た時は見かけなかったわねえ。もしかしたらオープンしたばかりかも」
「ちょっと寄っていかない?」
「なに、誰かへのお土産?それならここじゃなくても、明日家へ帰る時のサービスエリアで買えるわよ?今日はせっかくホテルをとってもらったんだから、そこでゆっくりしましょうよ」
「そんなテキトーなやつじゃなくて、ちゃんとしたのをあげたいのーっ!」
「あー、なにその反応。わかった、例の彼氏ねっ」
「か、彼氏じゃないってば!」
わたしとお母さんの会話にひとりついてこられないお父さんは、「彼氏」という単語にそわそわしていたけれど、お願いお願いと駄々をこねれば、その雑貨屋さんに車を停めてくれた。
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