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第33話 ディパーチャー
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ヴィトーリア姫は賊に襲撃されたが
奇跡的に一命をとりとめた
スパニア国には保安上の都合で
事後報告となった
姫の身柄は慎重かつ迅速にイリアスへ搬送
処置が実り死は免れた
襲撃した賊に関しては現在調査中
「竜爪の旅団」が最有力候補との発表
という形で今回の事件は決着となった
「まったく
隊長さんの胃に
穴が開かなきゃいいけどな」
新聞でその顛末を確認しながら
ナインは朝の食堂にいる
メンバーは
サイ
ティジャーン
マリー
そしてサッソだ
「さて
教えてもらおうかサッソ
Jの居場所を」
「居場所はわからないんですが
どこの組織にいるかは
もう見当がついてます」
「それは」
「スパニア軍です」
「国軍だと」
「そうです
そして
彼がたくらんでいる事は
『世界大戦』です」
「なんでいきなりスケールが大きくなる」
「何を言っているんですか
トランプ傭兵団が壊滅させられたのは
国軍に匹敵する力を持っていたから
しかも国軍とは違い
思想や立場で参戦をしない
とても読みづらく厄介だったからです」
「だけど団長は決して汚れた仕事は受けなかった」
「その線引きが無くなるのが
『世界大戦』なんです
各国それぞれが
それぞれの正義で戦う
だから世界規模の戦争はたちが悪い」
サッソはコーヒーを飲む
ナイン以外のメンバーは
じっと二人の会話を聞いている
「世界大戦だか何だか知らねーが
とにかく
俺はあいつをやりに行く」
「まさか
正面突破ではないですよね」
「ダメかよ」
「相手は国軍なんですよ
それに所在がはっきりしないで乗り込むなんて
ナンセンス極まりない
他のメンバーだって無駄死にします」
「他のメンバーは巻き込まない」
ナインはサイ達の方を向く
「という事で
お前たちとはここでお別れみたいだ」
「師匠
俺はついて行く」
「だめだサイ
国に戻れ
そして学校に行け
姉ちゃんの手伝いをしっかりしろ」
「私はついて行くよ」
「マリー
国軍相手は
これまで君が戦ってきた傭兵たちとは
事情が変わる
君の兄さんの仇は俺がとってくるから
君から預かってるこの銃でな」
ナインは腰からワイルドターキーを取り出し
マリーの前に出す
マリはそっとその銃に手を乗せる
「お願い
無理だけはしないで
関係をはっきりしないまま
死別なんてダメだからね」
「わかってる」
そしてナインはそっと銃をしまう
「さて
じゃあ行くかな」
「俺を忘れてるにゃー!」
ティジャーンが半泣きで突っ込む
「ああそうだった
お前もいたか
まあ
前みたいに気ままに暮らせよ
組織の残党には気をつけろよな」
「ナイン……」
「おい
いつもふざけてるお前が
しんみりすると
何か縁起が悪いだろ
景気よく笑って別れろよ」
「ああ
戻って来るんだぞ
お前は最高の
弾避けだからにゃ~」
「はは
そうだよ
お前はそうゆうやつだ」
ナインはゆっくりと出口に向かった
外で待っていたイザナミに乗り込むと
店からサッソが出て来た
「本当に正面突破を?」
「まさか
俺もそこまで馬鹿じゃないよ
まずは情報収集だ」
「ならお仲間と一緒にやれば」
「ダメだ
国が相手ともなると
もう巻き込めない」
各国には秘密裡に組織された
暗殺専門の組織がある
事殺しに限ればそれらのメンバーは
一人一人がナインの力に匹敵する
「俺一人なら
いざって時はどうにかなるが
仲間の命までは守り切れる自信がない」
「わかりました
スパニアの各ギルドにアルカディアとの
ホットラインを用意しておきます
何かあれば連絡ください」
「それは悪いな」
「大丈夫です
マイヤーさん経由で
全部ナインさんのツケにしておきますから」
「なんだよ
感謝損か」
「とにかく」
サッソが真顔になる
「アルカディアで
次の仕事を斡旋させてくださいよ
ナイン・スペード」
「ああ
朗報を待っていろ
ジョーカー・サッソ・リンクス」
二人は拳を合わせる
そして
ナインの合図でイザナミが走り出した
奇跡的に一命をとりとめた
スパニア国には保安上の都合で
事後報告となった
姫の身柄は慎重かつ迅速にイリアスへ搬送
処置が実り死は免れた
襲撃した賊に関しては現在調査中
「竜爪の旅団」が最有力候補との発表
という形で今回の事件は決着となった
「まったく
隊長さんの胃に
穴が開かなきゃいいけどな」
新聞でその顛末を確認しながら
ナインは朝の食堂にいる
メンバーは
サイ
ティジャーン
マリー
そしてサッソだ
「さて
教えてもらおうかサッソ
Jの居場所を」
「居場所はわからないんですが
どこの組織にいるかは
もう見当がついてます」
「それは」
「スパニア軍です」
「国軍だと」
「そうです
そして
彼がたくらんでいる事は
『世界大戦』です」
「なんでいきなりスケールが大きくなる」
「何を言っているんですか
トランプ傭兵団が壊滅させられたのは
国軍に匹敵する力を持っていたから
しかも国軍とは違い
思想や立場で参戦をしない
とても読みづらく厄介だったからです」
「だけど団長は決して汚れた仕事は受けなかった」
「その線引きが無くなるのが
『世界大戦』なんです
各国それぞれが
それぞれの正義で戦う
だから世界規模の戦争はたちが悪い」
サッソはコーヒーを飲む
ナイン以外のメンバーは
じっと二人の会話を聞いている
「世界大戦だか何だか知らねーが
とにかく
俺はあいつをやりに行く」
「まさか
正面突破ではないですよね」
「ダメかよ」
「相手は国軍なんですよ
それに所在がはっきりしないで乗り込むなんて
ナンセンス極まりない
他のメンバーだって無駄死にします」
「他のメンバーは巻き込まない」
ナインはサイ達の方を向く
「という事で
お前たちとはここでお別れみたいだ」
「師匠
俺はついて行く」
「だめだサイ
国に戻れ
そして学校に行け
姉ちゃんの手伝いをしっかりしろ」
「私はついて行くよ」
「マリー
国軍相手は
これまで君が戦ってきた傭兵たちとは
事情が変わる
君の兄さんの仇は俺がとってくるから
君から預かってるこの銃でな」
ナインは腰からワイルドターキーを取り出し
マリーの前に出す
マリはそっとその銃に手を乗せる
「お願い
無理だけはしないで
関係をはっきりしないまま
死別なんてダメだからね」
「わかってる」
そしてナインはそっと銃をしまう
「さて
じゃあ行くかな」
「俺を忘れてるにゃー!」
ティジャーンが半泣きで突っ込む
「ああそうだった
お前もいたか
まあ
前みたいに気ままに暮らせよ
組織の残党には気をつけろよな」
「ナイン……」
「おい
いつもふざけてるお前が
しんみりすると
何か縁起が悪いだろ
景気よく笑って別れろよ」
「ああ
戻って来るんだぞ
お前は最高の
弾避けだからにゃ~」
「はは
そうだよ
お前はそうゆうやつだ」
ナインはゆっくりと出口に向かった
外で待っていたイザナミに乗り込むと
店からサッソが出て来た
「本当に正面突破を?」
「まさか
俺もそこまで馬鹿じゃないよ
まずは情報収集だ」
「ならお仲間と一緒にやれば」
「ダメだ
国が相手ともなると
もう巻き込めない」
各国には秘密裡に組織された
暗殺専門の組織がある
事殺しに限ればそれらのメンバーは
一人一人がナインの力に匹敵する
「俺一人なら
いざって時はどうにかなるが
仲間の命までは守り切れる自信がない」
「わかりました
スパニアの各ギルドにアルカディアとの
ホットラインを用意しておきます
何かあれば連絡ください」
「それは悪いな」
「大丈夫です
マイヤーさん経由で
全部ナインさんのツケにしておきますから」
「なんだよ
感謝損か」
「とにかく」
サッソが真顔になる
「アルカディアで
次の仕事を斡旋させてくださいよ
ナイン・スペード」
「ああ
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