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第24話 スロッピー・プラン
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情報を得るために金が必要になり
ナインたちはランサース首都の傭兵ギルドにいた
生憎とイリアスの言葉の分かる職員がいないので
交渉係はティジャーンが勤める事となった
遠目に見てナインとサイは
「ウイウイムシュー」
しか言ってないぞあいつ
と気付いていた
トランプ傭兵団は
各国を渡り仕事をするので
主要国の基本会話くらいは皆できる
中でもダイヤの連中は交渉担当なので
ほぼ完全に多国語話せるが
ナインはイリアスの言葉と他を少しだけ
語学の授業は大嫌いだったのだ
よく教師のマイヤーに怒られた
時間と地図が描かれた紙を持って
ティジャーンが戻って来た
「仕事ゲットなのニャ~」
オープンカフェに場所を移し
依頼内容を確認する
「鼠掃除だってニャ」
鼠は野盗の隠語でよく使われる
「まぁ
さっさと片づけるか」
ナインはコーヒーを飲みながら言った
時間になったので指示された場所に行く
そこは下水道の入口だった
そこには市の職員と思しき男が待っていた
どうやら道具は自由に使っていいとの事
見ると
ネズミ捕り
トング
ゴミ袋
が用意されていた
「おいティジャーン
これ言葉通り
『害虫駆除』じゃねーのか」
「ハハハ」
「ハハハじゃねー」
仕方がないのでナインたちは
鼠を駆除していく
「これ弾代の方が高くつくんじゃねーのか」
今回は命の危険が無さそうなので
サイはトレーニングを兼ねて参加
愛用の銃カンパリで
次々に鼠を仕留めていく
射撃のセンスはそう悪くはないらしい
罰としてティジャーンが鼠の死体を袋につめる係
しかし駆除しても駆除しても
次から次にと湧いて出てくる
「あー
これ
永遠に終わらねー」
ナインがボヤく
何かを思いついたティジャーン
「いい考えがあるニャ」
すると少し奥でごそごそといた後
何かをまきながら戻って来た
そしてライターでそのまいてきた線に
火をつけた
「まさかお前!」
「ん?
ダイナマイトだニャ」
「アホ―!」
大爆発
続けざまに大規模な崩落
「お前
この下水の修理費で
俺たち破産だろうが」
「あー
しまったー」
「しまったじゃねーこのアホ!」
カチリ
少し離れた場所で撃鉄をあげる音に気付くナイン
「サイ
クロンの後ろに下がれ」
ナインはサイを音の反対側の飛竜クロンの後ろに誘導した
銃声
サイがいた場所に銃弾の筋が走る
「誰だ!」
ナインの問いに奥から答えた
「賞金首の俺たちアンサンセ盗賊団を
狙うとは命知らずだな」
(え
賞金首が自分たちで名乗ってくれた
バカなの?
バカの子なの?)
ナインそう思いながらもある思惑がひらめき
返した
「爆破で俺たちをけん制するなんて
なかなかの腕だな!」
少し間があく
なんか奥で仲間内で会話をしているらしい
「お前ら
日ごろから言ってるだろ
ここで爆薬使うなって
危ないでしょうが」
よし
これであいつらが爆破犯との既成事実が出来た
ナインは心の中でガッツポーズをとる
後はこいつらを捕らえるだけだが
(めんどくさいなー)
と内心思う
賞金首の捕獲には2種類ある
・生きて捕らえる
・生死不問
大体の場合が余罪確認などがあるため
生きて捕らえろとのオーダーが多いのだが
考えてる中
ティジャーンがいきなり銃撃を開始する
「おい
打つな!」
「なんで?
やられたらやり返すでしょう」
すると
奥から盗賊団が
「生死問わずの俺たち相手には容赦無しか!」
こいつら本当
バカで助かる
再び心の中でガッツポーズ
ナインは銃を両手に構え
「おいティジャーン
もういいぞ
皆殺しだ
サイを狙う奴を生かしては帰れない」
(そして
死人に口なしだ)
サイは「師匠ー」とうるんだ目でこちらを見ている
やめろ
これから
全ての責任をこいつらにかぶせて
皆殺しに向かおうとしてる中
そんな純粋なまなざしを俺に向けてくるな
ナインとティジャーン
腕利きの二人の傭兵の前に
あっけなく壊滅した
ナインは丁寧に各死体の頭を撃ち抜いて行った
ギルド
今度はちゃんとイリアスの言葉が分かる職員
ナインが交渉
「報酬の件ですが
現場の下水道が大破しているので
申し訳ありませんが
そのほぼ全ては修繕に回されます」
ナインが返す
「しょうがないさ
奴らの爆破を止められなかったのは
俺たちだからな」
ティジャーンが口をはさむ
「えーくたびれ儲けなのニャ~」
「お前は黙っとけ」
ナインが釘を刺していると職員が続ける
「さすがに0というはアレなので
微々たるものですが
これくらはお支払いをします」
ナインが額面を確認する
弾代くらいにはなるかという額
「ありがとう」
ナインは思った
ティジャーンが同行してから
ろくでもない事態が2連続で続いてる
こいつ
疫病神なんじゃねーのか
ナインがいぶかしげにティジャーンを見ると
ティジャーンは笑顔で返して来た
ナインたちはランサース首都の傭兵ギルドにいた
生憎とイリアスの言葉の分かる職員がいないので
交渉係はティジャーンが勤める事となった
遠目に見てナインとサイは
「ウイウイムシュー」
しか言ってないぞあいつ
と気付いていた
トランプ傭兵団は
各国を渡り仕事をするので
主要国の基本会話くらいは皆できる
中でもダイヤの連中は交渉担当なので
ほぼ完全に多国語話せるが
ナインはイリアスの言葉と他を少しだけ
語学の授業は大嫌いだったのだ
よく教師のマイヤーに怒られた
時間と地図が描かれた紙を持って
ティジャーンが戻って来た
「仕事ゲットなのニャ~」
オープンカフェに場所を移し
依頼内容を確認する
「鼠掃除だってニャ」
鼠は野盗の隠語でよく使われる
「まぁ
さっさと片づけるか」
ナインはコーヒーを飲みながら言った
時間になったので指示された場所に行く
そこは下水道の入口だった
そこには市の職員と思しき男が待っていた
どうやら道具は自由に使っていいとの事
見ると
ネズミ捕り
トング
ゴミ袋
が用意されていた
「おいティジャーン
これ言葉通り
『害虫駆除』じゃねーのか」
「ハハハ」
「ハハハじゃねー」
仕方がないのでナインたちは
鼠を駆除していく
「これ弾代の方が高くつくんじゃねーのか」
今回は命の危険が無さそうなので
サイはトレーニングを兼ねて参加
愛用の銃カンパリで
次々に鼠を仕留めていく
射撃のセンスはそう悪くはないらしい
罰としてティジャーンが鼠の死体を袋につめる係
しかし駆除しても駆除しても
次から次にと湧いて出てくる
「あー
これ
永遠に終わらねー」
ナインがボヤく
何かを思いついたティジャーン
「いい考えがあるニャ」
すると少し奥でごそごそといた後
何かをまきながら戻って来た
そしてライターでそのまいてきた線に
火をつけた
「まさかお前!」
「ん?
ダイナマイトだニャ」
「アホ―!」
大爆発
続けざまに大規模な崩落
「お前
この下水の修理費で
俺たち破産だろうが」
「あー
しまったー」
「しまったじゃねーこのアホ!」
カチリ
少し離れた場所で撃鉄をあげる音に気付くナイン
「サイ
クロンの後ろに下がれ」
ナインはサイを音の反対側の飛竜クロンの後ろに誘導した
銃声
サイがいた場所に銃弾の筋が走る
「誰だ!」
ナインの問いに奥から答えた
「賞金首の俺たちアンサンセ盗賊団を
狙うとは命知らずだな」
(え
賞金首が自分たちで名乗ってくれた
バカなの?
バカの子なの?)
ナインそう思いながらもある思惑がひらめき
返した
「爆破で俺たちをけん制するなんて
なかなかの腕だな!」
少し間があく
なんか奥で仲間内で会話をしているらしい
「お前ら
日ごろから言ってるだろ
ここで爆薬使うなって
危ないでしょうが」
よし
これであいつらが爆破犯との既成事実が出来た
ナインは心の中でガッツポーズをとる
後はこいつらを捕らえるだけだが
(めんどくさいなー)
と内心思う
賞金首の捕獲には2種類ある
・生きて捕らえる
・生死不問
大体の場合が余罪確認などがあるため
生きて捕らえろとのオーダーが多いのだが
考えてる中
ティジャーンがいきなり銃撃を開始する
「おい
打つな!」
「なんで?
やられたらやり返すでしょう」
すると
奥から盗賊団が
「生死問わずの俺たち相手には容赦無しか!」
こいつら本当
バカで助かる
再び心の中でガッツポーズ
ナインは銃を両手に構え
「おいティジャーン
もういいぞ
皆殺しだ
サイを狙う奴を生かしては帰れない」
(そして
死人に口なしだ)
サイは「師匠ー」とうるんだ目でこちらを見ている
やめろ
これから
全ての責任をこいつらにかぶせて
皆殺しに向かおうとしてる中
そんな純粋なまなざしを俺に向けてくるな
ナインとティジャーン
腕利きの二人の傭兵の前に
あっけなく壊滅した
ナインは丁寧に各死体の頭を撃ち抜いて行った
ギルド
今度はちゃんとイリアスの言葉が分かる職員
ナインが交渉
「報酬の件ですが
現場の下水道が大破しているので
申し訳ありませんが
そのほぼ全ては修繕に回されます」
ナインが返す
「しょうがないさ
奴らの爆破を止められなかったのは
俺たちだからな」
ティジャーンが口をはさむ
「えーくたびれ儲けなのニャ~」
「お前は黙っとけ」
ナインが釘を刺していると職員が続ける
「さすがに0というはアレなので
微々たるものですが
これくらはお支払いをします」
ナインが額面を確認する
弾代くらいにはなるかという額
「ありがとう」
ナインは思った
ティジャーンが同行してから
ろくでもない事態が2連続で続いてる
こいつ
疫病神なんじゃねーのか
ナインがいぶかしげにティジャーンを見ると
ティジャーンは笑顔で返して来た
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