目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落

文字の大きさ
上 下
5 / 5

第5話

しおりを挟む
「赤坂」
「はい?」

 呼吸が整った中野ハヤトは、赤坂ミノルに話しかけてきた。

「これで『付き合わない』というのはないよな?」

 ミノルは既に下着を着て横で座っていたが、ハヤトはまだ全裸。布団の上にあおむけのまま、そして右前腕を顔の上に乗せていた。

「んー、そうですね。何日か考えさせてもらってからの返事でもいいですか?」
「お前、ここまでやっといてそれか。いい加減に覚悟決めろっての」

 ハヤトの体はすっかり弛緩しており、一つ大きく息を吐いたことが腹部の動きでよくわかった。

「まあまあ。あ、それより先輩」
「ん?」
「朝の音声アラーム、今さっきの先輩のあえぎ声に変更しますけどいいですよね? フィニッシュのドデカイやつで」

 ハヤトが顔に乗せていた右腕をずらしながら頭を上げ、ミノルを見る。
 そのミノルの右手には、ICレコーダー。

「いつのまに録ってたんだよ」
「さっき途中でウエットティッシュ取りに行くときに、こっそりICレコーダーも持ってきてまして」
「……」
「いいってことでいいですね?」

 ハヤトはまた息を吐きながら、頭を布団に落下させた。

「いいけど親バレしても知らんぞ」



(終わり)
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

兄弟がイケメンな件について。

どらやき
BL
平凡な俺とは違い、周りからの視線を集めまくる兄弟達。 「関わりたくないな」なんて、俺が一方的に思っても"一緒に居る"という選択肢しかない。 イケメン兄弟達に俺は今日も翻弄されます。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

地味で冴えない俺の最高なポディション。

どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。 オマケに丸い伊達メガネ。 高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。 そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。 あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。 俺のポディションは片隅に限るな。

周りが幼馴染をヤンデレという(どこが?)

ヨミ
BL
幼馴染 隙杉 天利 (すきすぎ あまり)はヤンデレだが主人公 花畑 水華(はなばた すいか)は全く気づかない所か溺愛されていることにも気付かずに ただ友達だとしか思われていないと思い込んで悩んでいる超天然鈍感男子 天利に恋愛として好きになって欲しいと頑張るが全然効いていないと思っている。 可愛い(綺麗?)系男子でモテるが天利が男女問わず牽制してるためモテない所か自分が普通以下の顔だと思っている 天利は時折アピールする水華に対して好きすぎて理性の糸が切れそうになるが、なんとか保ち普段から好きすぎで悶え苦しんでいる。 水華はアピールしてるつもりでも普段の天然の部分でそれ以上のことをしているので何しても天然故の行動だと思われてる。 イケメンで物凄くモテるが水華に初めては全て捧げると内心勝手に誓っているが水華としかやりたいと思わないので、どんなに迫られようと見向きもしない、少し女嫌いで女子や興味、どうでもいい人物に対してはすごく冷たい、水華命の水華LOVEで水華のお願いなら何でも叶えようとする 好きになって貰えるよう努力すると同時に好き好きアピールしているが気づかれず何年も続けている内に気づくとヤンデレとかしていた 自分でもヤンデレだと気づいているが治すつもりは微塵も無い そんな2人の両片思い、もう付き合ってんじゃないのと思うような、じれ焦れイチャラブな恋物語

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

チョコは告白じゃありませんでした

佐倉真稀
BL
俺は片桐哲哉。大学生で20歳の恋人いない歴が年齢の男だ。寂しくバレンタインデ―にチョコの販売をしていた俺は売れ残りのチョコを買った。たまたま知り合ったイケメンにそのチョコをプレゼントして…。 残念美人と残念イケメンの恋の話。 他サイトにも掲載。

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...