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第3部 遺された漁港・銚子

第46話

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 コンクリート床に崩れ落ちたハヤテ。
 変身は解除されており、生肌むき出しの両腕や両脚は電撃のダメージで痙攣していた。

 そこにゆっくりと近づいてくる、人間に擬態したKCCの足音。

「……ぐ……」

 音は聞こえていた。
 だが起き上がることはできない。
 口からは食いしばる声が漏れ、手は落ちていた小さなコンクリート片を虚しくつかむだけだった。

「うぐっ」

 KCCがうつ伏せでもがくハヤテの側腹部を蹴り、半回転させる。
 苦悶の声や表情を満足そうに眺めると、インナーシャツ一枚の腹部めがけて足を落とした。

「あがっ!」

 ハヤテの手が動き、めり込んだスニーカーを押さえる。しかし力は入っていなかった。
 KCCはその手をどかすと、一度足をあげ、さらに強く足を落とす。

「はぁあっ!!」

 それを繰り返した。

「はぐぅっ!! ぐっはぁっ! はあっ……! ぁっ……」

 残っていた力も急速に奪われていく。
 やがて声がほとんど出なくなっていくと、今度はKCCはハヤテの腹の上に腰を落とし、馬乗りの体勢となった。
 人間の皮膚を再現したコーティングをしているだけで、中はメタルの体。普通の人間の子供に比べ重い体重で、ハヤテの体はロックされた。

「……」

 KCCがハヤテの顔、首、インナーシャツに覆われた肩や胸を見ていく。
 やがて、シャツの袖から先、露出している二の腕を両手でつかんだ。

「やはり人間の体は柔らかくて弾力があるもんですね」

 肩やデコルテを撫でながら手を体幹部に戻していき、鍛えられた胸の上で、とめた。

「うらやましいことです。ボクの皮膚は人間のそれを模したものですが、どんなに精巧に作られた皮膚でも、やはり中は金属の体。まったく同じ触り心地にはなりません」

 KCCは一つ、まるで人間のようなため息をつくと、インナーシャツの上で指先を滑らせる。
 二つの突起を探し当てると、撫でた。

「……」

 ハヤテの眉間のシワが、わずかに深くなった。

「苦しそうですね」

 撫でるだけでなく、転がし、つまんでいく動作を混ぜていく。
 やがて突起の硬度が増していった。

「もう体力もないでしょうに。それでも硬くはなるんですか。人間は面白いもんです」

 そしてKCCはお尻を少し浮かせ、座る位置を腹部から膝の上に変更した。

「ん、何やら少し光ってますね」

 スパッツに包まれたハヤテの陰部。
 そこにやや光沢を認めたKCCは、顔を近づけて確認する。

「排泄物ではないようですが……。あれ、これは精液が乾いた感じですか。いや、完全に乾いてはないですね」

 KCCの小さな右手が、スパッツ越しにハヤテの股間を揉む。

「……っ……」

 ハヤテの口からは、声にならない息が漏れるだけ。
 そのままKCCは揉み続けるが、その手の中のボリュームに変化は現れなかった。

「勃たない……誰かに出させられた後だったんですかね?」

 ふーん、と一声挟むと、苦しそうに息をするハヤテに告げた。

「ちょっと気が変わりました。絞らせてもらいます」

 スパッツ越しに陰茎をつまんだ小さな手が、ウイーンと唸る。
 揉まずに、バイブレーションさせたのである。

「うっ……」

 さすがに口から声が出たが、やはり弱い。
 まだ痙攣が残るハヤテの手が、限りなくスローモーションで伸びる。もちろんまったく力はなく、あえなくKCCに振り払われてしまう。

「あっ……ぁあっ……」

 振動音と苦悶の顔は続く。

「お、やっと大きくなりましたね」

 手に感じる陰茎のボリューム増大を感じ、KCCが満足そうに言う。
 なおも振動を続ける。
 ハヤテの首がやや振れ、大粒の汗玉が流れていった。

「……うっ……ぁぁっ…………ぁぁあっ……」
「そろそろですか」
「ううっ! あ゛あッ!」

 ハヤテの体が痙攣し、KCCが指でつまんだ箇所の少し上……スパッツのふくらみの先っぽから、白い液体が一度、二度と、噴き出た。

「体力ゼロの状態での射精はどんな気分です?」

 そしてなおも陰茎に当てた右手は外さない。

「まだまだいきますよ。同じ刺激では慣れてしまうでしょうから、次は少し強めにね」
「ぁぁっ……ぅぁ……」

 一段と振動音が強まる。
 今度はハヤテの陰茎は勃起しなかった。
 それでもかまわずKCCは刺激を続ける。

「ぅ……ぐ…………ぁあっ…………!」

 やがてまた、ハヤテの体全体が、今度は小さく痙攣した。
 スパッツから白い液体が、今度は一回だけ噴き出す。

「へえ。今度は勃ってないのにイキましたね。まだまだいきますよ」

 さらに強まる振動音。
 だがハヤテの反応は、次第に弱くなっていった。



(続く)
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