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第2部 犯罪者競技の祭典・東京五輪2XXX
第21話
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エーイチとともに競技フィールドへのゲートに差し掛かると、ちょうど「On your marks」という声が聞こえてきた。
「――!?」
スタンド席に出ると、ハヤテの目が見開かれた。
そこからは、競技フィールドがよく見えた。
不審者が出たので避難を――という放送はもうなされていると聞いていた。
なのに……
何事もなかったかのように競技が継続されていた。
各国の選手たちが、陸上トラックに置かれたスターティングブロックでしゃがみこんでいる。
広いスタンドは観客の姿が皆無。スタンドを巡回する警備ロボットが数台見えるのみ。スポーツはアバター観戦が主流とはいっても、国内大会も国際大会もスタンド席には多少の観客がいるのが普通。すでに避難済みか。
中央に広がる緑の人工芝、それを取り囲む赤茶色のトラック。それ以外は、スタンド席も壁も、ただただ灰色。
ちょうど空に雲が広がってきていることもあり、一面灰色の世界になっていた。
ハヤテがワタルに少し見せてもらった『昔のオリンピックの映像』からは想像もつかない、無機質な景色だった。
「Set」の声がした。
上半身がシンプルな人型で、下半身に車輪を持つ形状のスターターロボットが右腕をあげていた。
そしてさらに号砲の音――。
選手たちが一斉にスタートを切り、陸上トラックを全力で走りだした。
「ど、どういうことだ? 不審者は?」
「不審者ならあそこにるよ」
あまりにも事件現場として違和感だらけの光景だったせいで、ハヤテは言われるまで気づかなかった。
陸上トラックの中央。そこに一人の少年、いや中学生くらいに見える子供が、あぐらで座っていた。
サラサラに輝く髪、緑のTシャツ、黒のハーフパンツ。そして夏の子供らしい、きれいに日焼けした肌。
すぐそばに置かれているのは、長く輝くもの。刀だ。
「なんだ? これは……。なんで普通に座ってんだ」
「さあ?」
「これ、世界中に中継されてるんだよな?」
「今やってるのは予選。中継はないよ」
「そうなのか? いや、それにしてもなんでプレーが続いてんだ?」
「観客には避難するよう放送があったみたいだけど、選手にはなかったみたいだよ。競技を中止しろという放送もね。AIの判断がそうだったんじゃないの? なら続けるでしょ。それが“ぼくたち”選手だよ」
「いや、おかしいだろ……って、突っ込んでる場合じゃなかった! 行ってくる! お前は避難してくれ。案内サンキューなっ」
ハヤテは一階スタンドの最前席からジャンプし、競技場へと降りた。
「みんな! 避難してくれ!」
選手たちに向けて叫んだハヤテだったが、数名が胡乱げにチラリと一瞥するのみ。反応は芳しくなかった。
誰も避難しようとしない。
『不審者侵入のため、競技の進行を中止します』
ここでようやくそんな放送が入ったが、ハヤテはこれにも違和感を覚えた。
遅すぎる。このタイミングならば放送の言う不審者というのはハヤテのことを指しており、眼前にいる子供は不審者扱いになっていない可能性が高い。やはりシステムはいじられていたのだ。
しかしこの放送、選手たちには効果があったようだ。座り込んで休んでいた選手たちも一斉に立ち上がり、避難を始める。ただし、きわめて緩慢に。
競技場のど真ん中にいる子供が、立ち上がった。
「やっときましたか」
まだ距離は離れているが、そんな言葉が聞こえた。
見かけどおり若い声だった。右手には刀。銃は所持しているように見えない。
ハヤテは電子警棒を構えながら、陸上トラックの内側へと向かった。
「お前は人間か?」
競技場のど真ん中に着くと、ハヤテは不審者に直球で質問した。
「そうですが?」
口角をあげた余裕のある笑顔とともに、彼が立ち上がった。
背はハヤテより明らかに低い。近くで見ても、やはり中学生になったばかりくらいの子供だ。
同時に、彼が右手に持った刃物が光る。
片刃で長い。今ではほとんど見られなくなった日本刀だ。
これほどのサイズの刃物は、一部の人間を除き、法で所持が禁止されている。この子供はその一部の人間であるか、もしくは今回の事件を起こすために調達したのだろう。
子供のすぐ横には、男性の老人が一人、両手を後ろで縛られた上体で座り込んでいた。選手だとは思えないので、スタンド席で捕まえた人間だろうか。
「その爺さんは人質か?」
「それ以外に見えるなら、あなたの目は節穴なんでしょうね」
日本刀の切っ先を床に向けたまま、ゆっくりとハヤテに答えを返してくる。
「お前が人間なら警察に引き渡すことになっている。とりあえず武器を捨ててくれ」
「もちろんお断りします」
「俺の仕事は、獣機と戦って人間を守ることだ。人間を力ずくで取り押さえたりはしたくない。言うとおりにしてくれ」
「ですから、お断りします。まあでも、こっちの要求を聞いてくれたみたいですから、人質は解放してもいいですかね」
子供は老人の縄を解くと、やや乱暴に立たせ、放り投げるように背中を押した。
ハヤテは老人を受け止めると、避難するように促した。
老人はやや危なげな足取りながら、出入り口のほうへと離れていく。
「要求とはなんのことだ?」
「あれ? 聞いてなかったのでしょうか? ボクが警察に要求したのです。人質を解放してほしかったら担当のヒーローを現地にお願いします、とね」
「なんでだ?」
「それは――」
またニコっと笑う子供。
「普段なかなか機会がないものですから、一度ヒーローと遊んでみたくて、ですねッ」
言い終わるや否や、日本刀を構えながら突進してきた。
速い。
「っ!」
真向斬りを電子警棒で受ける。
見かけは人間の子供。なのに、今まで戦ってきた人型獣機にひけをとらないほどの力を感じた。受けた瞬間の衝撃が、痺れとなって体の奥に響く。
斬撃は一撃だけで終わらず、続けざまに繰り出された。
ハヤテはなんとかそれを受け続ける。
「どうしましたか? 初っ端から防戦一方みたいですが」
余裕のある表情のまま日本刀を振るう子供。一方、ハヤテはヘルメットの奥で顔をしかめながら、ジリジリと後ろに後退していった。
「くっ……」
受け続けて、少しだけ目が慣れてきた。
振り下ろされた日本刀をいなすことに成功すると、電子警棒を突き出す。
ところが、子供の対応は素早かった。
否、ハヤテの突きに躊躇が見られ、鋭さが欠けていた。
電子警棒のスタンガン機能は電圧を抑えた対人用モードにもできるが、そもそもハヤテの仕事は人間相手に戦うことではない。
「遅いですね」
簡単に見切られた。
子供は突きをひらりとかわすと、伸びきったハヤテの右腕めがけて、日本刀をコンパクトに振り下ろした。
「ぅあっ!」
ハヤテの声とともに、その密着型特殊戦闘ボディスーツの右上腕から火花が散った。このボディスーツの内部には、ごく薄いが回路部分がある。切られた部分がショートしたのだ。
シールド部分の奥で苦悶の表情を浮かべ、左手で右腕を押さえた。高い防御力を誇るボディスーツであるが、右腕にすさまじい衝撃があり、危うく電子警棒を落とすところだった。
「そのヒーロースーツ、薄そうなのにずいぶん頑丈なんですね」
なおも上段から斬りかかってくる。
右腕のダメージが抜けきらないハヤテは、両手で必死に電子警棒を支えて受けた。
そして再度上段に構えた子供は、そこからまっすぐ振り下ろさず、薙ぎ払いの一撃を放つ。
「ああっ!」
腹部からも火花が散った。
高い防御力を誇るボディスーツではあるが、奥へ響くダメージは抑えられない。内臓に強い衝撃を受け、ハヤテの体はくの字に折れ曲がった。
そして苦痛に耐えながら態勢を戻した瞬間――。
「突きはこうやるんです」
「うあああっ!!」
その鋭い一刺しは、胸部に命中した。小爆発音とハヤテの声が、競技場に響く。
ボディスーツがまだ耐えられているため、串刺しにされることはなかった。
が、強烈な一撃を鳩尾に受けては踏ん張れず、飛ばされた。人工芝の上で体がバウンドし、仰向けに倒れる。
「……ぁっ……あぁ……」
両手で胸を押さえ、ハヤテは悶えながら体をくねらせた。
(続く)
「――!?」
スタンド席に出ると、ハヤテの目が見開かれた。
そこからは、競技フィールドがよく見えた。
不審者が出たので避難を――という放送はもうなされていると聞いていた。
なのに……
何事もなかったかのように競技が継続されていた。
各国の選手たちが、陸上トラックに置かれたスターティングブロックでしゃがみこんでいる。
広いスタンドは観客の姿が皆無。スタンドを巡回する警備ロボットが数台見えるのみ。スポーツはアバター観戦が主流とはいっても、国内大会も国際大会もスタンド席には多少の観客がいるのが普通。すでに避難済みか。
中央に広がる緑の人工芝、それを取り囲む赤茶色のトラック。それ以外は、スタンド席も壁も、ただただ灰色。
ちょうど空に雲が広がってきていることもあり、一面灰色の世界になっていた。
ハヤテがワタルに少し見せてもらった『昔のオリンピックの映像』からは想像もつかない、無機質な景色だった。
「Set」の声がした。
上半身がシンプルな人型で、下半身に車輪を持つ形状のスターターロボットが右腕をあげていた。
そしてさらに号砲の音――。
選手たちが一斉にスタートを切り、陸上トラックを全力で走りだした。
「ど、どういうことだ? 不審者は?」
「不審者ならあそこにるよ」
あまりにも事件現場として違和感だらけの光景だったせいで、ハヤテは言われるまで気づかなかった。
陸上トラックの中央。そこに一人の少年、いや中学生くらいに見える子供が、あぐらで座っていた。
サラサラに輝く髪、緑のTシャツ、黒のハーフパンツ。そして夏の子供らしい、きれいに日焼けした肌。
すぐそばに置かれているのは、長く輝くもの。刀だ。
「なんだ? これは……。なんで普通に座ってんだ」
「さあ?」
「これ、世界中に中継されてるんだよな?」
「今やってるのは予選。中継はないよ」
「そうなのか? いや、それにしてもなんでプレーが続いてんだ?」
「観客には避難するよう放送があったみたいだけど、選手にはなかったみたいだよ。競技を中止しろという放送もね。AIの判断がそうだったんじゃないの? なら続けるでしょ。それが“ぼくたち”選手だよ」
「いや、おかしいだろ……って、突っ込んでる場合じゃなかった! 行ってくる! お前は避難してくれ。案内サンキューなっ」
ハヤテは一階スタンドの最前席からジャンプし、競技場へと降りた。
「みんな! 避難してくれ!」
選手たちに向けて叫んだハヤテだったが、数名が胡乱げにチラリと一瞥するのみ。反応は芳しくなかった。
誰も避難しようとしない。
『不審者侵入のため、競技の進行を中止します』
ここでようやくそんな放送が入ったが、ハヤテはこれにも違和感を覚えた。
遅すぎる。このタイミングならば放送の言う不審者というのはハヤテのことを指しており、眼前にいる子供は不審者扱いになっていない可能性が高い。やはりシステムはいじられていたのだ。
しかしこの放送、選手たちには効果があったようだ。座り込んで休んでいた選手たちも一斉に立ち上がり、避難を始める。ただし、きわめて緩慢に。
競技場のど真ん中にいる子供が、立ち上がった。
「やっときましたか」
まだ距離は離れているが、そんな言葉が聞こえた。
見かけどおり若い声だった。右手には刀。銃は所持しているように見えない。
ハヤテは電子警棒を構えながら、陸上トラックの内側へと向かった。
「お前は人間か?」
競技場のど真ん中に着くと、ハヤテは不審者に直球で質問した。
「そうですが?」
口角をあげた余裕のある笑顔とともに、彼が立ち上がった。
背はハヤテより明らかに低い。近くで見ても、やはり中学生になったばかりくらいの子供だ。
同時に、彼が右手に持った刃物が光る。
片刃で長い。今ではほとんど見られなくなった日本刀だ。
これほどのサイズの刃物は、一部の人間を除き、法で所持が禁止されている。この子供はその一部の人間であるか、もしくは今回の事件を起こすために調達したのだろう。
子供のすぐ横には、男性の老人が一人、両手を後ろで縛られた上体で座り込んでいた。選手だとは思えないので、スタンド席で捕まえた人間だろうか。
「その爺さんは人質か?」
「それ以外に見えるなら、あなたの目は節穴なんでしょうね」
日本刀の切っ先を床に向けたまま、ゆっくりとハヤテに答えを返してくる。
「お前が人間なら警察に引き渡すことになっている。とりあえず武器を捨ててくれ」
「もちろんお断りします」
「俺の仕事は、獣機と戦って人間を守ることだ。人間を力ずくで取り押さえたりはしたくない。言うとおりにしてくれ」
「ですから、お断りします。まあでも、こっちの要求を聞いてくれたみたいですから、人質は解放してもいいですかね」
子供は老人の縄を解くと、やや乱暴に立たせ、放り投げるように背中を押した。
ハヤテは老人を受け止めると、避難するように促した。
老人はやや危なげな足取りながら、出入り口のほうへと離れていく。
「要求とはなんのことだ?」
「あれ? 聞いてなかったのでしょうか? ボクが警察に要求したのです。人質を解放してほしかったら担当のヒーローを現地にお願いします、とね」
「なんでだ?」
「それは――」
またニコっと笑う子供。
「普段なかなか機会がないものですから、一度ヒーローと遊んでみたくて、ですねッ」
言い終わるや否や、日本刀を構えながら突進してきた。
速い。
「っ!」
真向斬りを電子警棒で受ける。
見かけは人間の子供。なのに、今まで戦ってきた人型獣機にひけをとらないほどの力を感じた。受けた瞬間の衝撃が、痺れとなって体の奥に響く。
斬撃は一撃だけで終わらず、続けざまに繰り出された。
ハヤテはなんとかそれを受け続ける。
「どうしましたか? 初っ端から防戦一方みたいですが」
余裕のある表情のまま日本刀を振るう子供。一方、ハヤテはヘルメットの奥で顔をしかめながら、ジリジリと後ろに後退していった。
「くっ……」
受け続けて、少しだけ目が慣れてきた。
振り下ろされた日本刀をいなすことに成功すると、電子警棒を突き出す。
ところが、子供の対応は素早かった。
否、ハヤテの突きに躊躇が見られ、鋭さが欠けていた。
電子警棒のスタンガン機能は電圧を抑えた対人用モードにもできるが、そもそもハヤテの仕事は人間相手に戦うことではない。
「遅いですね」
簡単に見切られた。
子供は突きをひらりとかわすと、伸びきったハヤテの右腕めがけて、日本刀をコンパクトに振り下ろした。
「ぅあっ!」
ハヤテの声とともに、その密着型特殊戦闘ボディスーツの右上腕から火花が散った。このボディスーツの内部には、ごく薄いが回路部分がある。切られた部分がショートしたのだ。
シールド部分の奥で苦悶の表情を浮かべ、左手で右腕を押さえた。高い防御力を誇るボディスーツであるが、右腕にすさまじい衝撃があり、危うく電子警棒を落とすところだった。
「そのヒーロースーツ、薄そうなのにずいぶん頑丈なんですね」
なおも上段から斬りかかってくる。
右腕のダメージが抜けきらないハヤテは、両手で必死に電子警棒を支えて受けた。
そして再度上段に構えた子供は、そこからまっすぐ振り下ろさず、薙ぎ払いの一撃を放つ。
「ああっ!」
腹部からも火花が散った。
高い防御力を誇るボディスーツではあるが、奥へ響くダメージは抑えられない。内臓に強い衝撃を受け、ハヤテの体はくの字に折れ曲がった。
そして苦痛に耐えながら態勢を戻した瞬間――。
「突きはこうやるんです」
「うあああっ!!」
その鋭い一刺しは、胸部に命中した。小爆発音とハヤテの声が、競技場に響く。
ボディスーツがまだ耐えられているため、串刺しにされることはなかった。
が、強烈な一撃を鳩尾に受けては踏ん張れず、飛ばされた。人工芝の上で体がバウンドし、仰向けに倒れる。
「……ぁっ……あぁ……」
両手で胸を押さえ、ハヤテは悶えながら体をくねらせた。
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