55 / 56
第四章 目覚める才能
第11話 ゲーマー
しおりを挟む
「石園健斗、通称・ケン。31歳。2019年、2022年世界格闘ゲーム大会チャンピオン、小学生の頃から鍛え上げた格ゲーのセンスは本物。今や格ゲー界隈で彼の右に出るものはいないと言わしめる程の実力者。25歳から日本随一のプロゲーミングチーム『SQUAD』に加入、そこから一気にチームの戦績は右肩上がりへまっしぐら。しかし3年前、彼は突然格ゲー界から姿を消した。『SQUAD』への出入りも止まった。それと入れ替わるように、彼の一番大好きなネットゲーム、『メテオスマッシュファイターズ』に超極悪なチーターが現れた。スキンはいつも同じだが、マッチングするごとに名前を変えるため、詳細は掴めず、プレーヤーは彼の仕組まれた圧倒的なパワーに屈するしか無かった。当然今も続いている。どころかやることがどんどんひどくなっていってる。つい先日日本格闘ゲーム協会がこの事態を大問題と捉えて動き出し、全国級のプロゲーマーを招集し行われた集会に、石園さんは出席しなかった。このことから石園さんが犯人の可能性があるとして、事務所から謹慎を言い渡された。それが昨日のことだ」
「はあ」
ヴァンさんが某ネットの百科事典内の石園さんのページを開きながら、私達に彼の概要を説明してくれた。しかし聞いたことのないチームや協会の名前がいっぱいで、なんだか頭がパンクしそうだ。前回言った通り格闘ゲームはやるにはやるのだが、ネット対戦は飽きるのでほとんど触れていない。ゲーム実況も、『OWNBUILD』をゆっくり進めていく、というような緩い系の動画なので、いくら日本ですごいプレーヤーと言えども、私にとっては初耳だった。
「それで、どうして怪魔の発見がされたんですか?」
私が頭を休ませている間に、由紀ちゃんが会長に問う。
「偶然なんだが・・・。昨日東京の練馬の支部から連絡があって、近くに怪魔の気配があるから巡視隊を派遣して欲しいと言われた。そうしたら、とある住宅街で怪魔の痕跡が確認された。それを追ってみると、小さなアパートにたどり着いた。もしかたらこのアパートの住人を乗っ取っているのでは。そう思ったパトロール隊はどこの部屋からか来ているのか探していた。その時一人の隊員が、石園さんが何やら難しいコードをパソコンに書き込んで、なんらかのプログラムを変更させている姿を目撃した。そして怪魔スコープで観察した結果、ビンゴだった、というわけ」
「なるほどねえ」
由紀ちゃんは体を背中側に倒し、天井を仰ぐ。私は石園さんのことより気になることを聞いた。
「というか、幻魔って人間界に拠点持ってるんですか?」
「ああ、地球の至る所にね。けれども幻魔にしか見えないから、人間の開発の邪魔にはなってないし、存在を知られることはない。実際、今の今まで君達も知らなかったわけだしね。そこでいつも、不必要に幻魔や怪魔が人間界に干渉しないかを見張っているんだ」
「幻魔も?」
少し意外だ。幻魔は大抵、人間界とのバランスを取るために生活しているかと思ったから。
「幻魔もいいやつだけとは限らないんだよ、何しろ複雑な感情を持つ人間から生まれる生き物だからね。それに怪魔はあくまで強い思念のかたまり。ただ具現化に至るまでにはそれが抱えきれなくなるくらい長い時間、もしくは忘れらないほどの大きな感情を必要だ。突発的なものでは生まれない。逆に悪い幻魔は突発的なものから生まれている。いくら短いとはいえ、それを感じたのは事実だからね。それが形となって出てくるわけだ。まあ要するに、幻魔になりきれない幻魔、ということさ」
「ふーん・・・」
「少し難しい話だね、本題に戻ろう。情報捜査部のデータを元に石園さんを分析し、彼が乗っ取られたということは確実になった。さっき言った消息不明になった時期と、幻魔に取り込まれたと予測される時期が重なっていた。そして招集会議の日も引きこもってたのは、一日中プログラムのコードを変えていたから。小さい飛行カメラに映ったゲーム画面の表示名と、チーターとマッチングして負けたと報告した人の試合のプレーヤー名も一致、ちゃんと時刻も同じだ。間違いはないだろう」
その証拠に、左下にアナログの字体の時計のついた、モニタールームで見るような動画が送られてくる。確かに二つの動画の時間が同じだ。しかもちゃんとゲーム画面が拡大されていてありがたい。送られてきた動画は、私と同年代ぐらいの男の子との対戦だった。小さく映るプレーヤーランクは109。かなりやり込んだ猛者だろう。そこで私は見ることになる。彼のチートの恐ろしさを。
画面内に『FIGHT!』という字幕が現れ、試合が始まる。しかし次の瞬間、『GAMESET!』の字幕が現れる。相手方のHPがもはや光速レベルで0になってしまったのだ。ゲームキャラクターが画面の隅で倒れている。男の子は呆然として天を仰いだ。少しは応戦できそうだったのに出来ず、どころかまだ何も押してないのに負けてしまったのである。これはもはや悔しいの域を通り越している。顔から表情が抜けていた。
隣で同じ動画を見ていた由紀ちゃんも、あっけに取られて何も言えなくなっていた。
「確かにほぼ確実だ。これだけそろってて違うという方が変だよ」
私はあえて話題を任務の方へ戻し、自分を落ち着かせる。
「そうだね、僕もそう思う。で、君に相談しに来たんだ」
前回千代ちゃんがボスが怪しい術を使ってくるから、という理由で抜擢された。なら私は・・・。
「戦闘民族だから格闘に強いと思って?」
「正解!」
「そんなことだろうと思いました。・・・分かりました、やらせてください」
「話が早いね。助かるよ。エアにはもう言ってあるから、明日の10時まで準備をしておくんだよ」
「はーい」
「長電話失礼したね、僕はもうじき切るよ。何か聞いておきたいことは?」
「あ、一つだけ」
「何だい?」
「なぜ怪魔は石園さんを狙ったんですか?」
「・・・・・」
私は考えていた。どうして石園さんが呪われてしまったのか。彼の経歴を聞く限り、特に怪魔に乗っ取られるような弱みや暗い感情を見せた部分はなかった。まあ、プライベートの部分まで考えているかと言われればそうではないけれど。これは聞いてはいけなかったのだろう。会長の小さな呼吸音しか聞こえなくなってしまった。口を開いた会長は、こう言った。
「それは僕も分からないんだ。そればかりは調べても出てこなかった・・・。君も思ったかもしれないが、彼の人格そのものに悪い場所はなかった。経歴を探っても、大きな事件は起こっていない」
「・・・・そうですか」
「・・・」
隣の由紀ちゃんも何か考えているのか静かだった。
「でも今回、君はそこまで調べなくても大丈夫。そもそも任務のルール外だしね」
私達怪魔討伐部隊には、大まかに3つの原則がある。それは以下の通り。
・戦闘中は怪魔に如何なる慈悲もかけてはならない
・余計な被害を出してはならない。特に浄化任務では細心の注意を払うこと
・任務を完遂した後は、被害者や任務地の事情に不必要に干渉してはならない
もし石園さんに関わるなら、3つ目の規則を破ることになる。ルールを破った場合、仕事量や給料が減ったり出勤を禁止されたり、最悪クビになる可能性もあるという。これらの処分は、私達の上司、つまり討伐隊の隊長が決める。松ノ殿や会長はともかく、まだ会ったこともない上司に自分の未来を左右されたくはない。それに私達はまだ他の同僚にすら会っていない。だから部内での私達の評価について、何も知らない。1度幻魔協会に行ったけどその時だって部署の中には入ってない。これから先勤め先に行くことはあるのだろうか。そして他の同僚と話すことはあるのだろうか。まあヴァンさんが言うには討伐隊のメンバーは皆一匹狼で人付き合いが得意ではないらしい。行けたとしても話が弾む可能性は薄いかもしれない。
「あの鉄男を落とすのは難しいしねw」
「鉄男?」
「君達の上司だよ。第17代怪魔完全討伐部隊隊長・鋼塚鉄夫」
それが私達の上司の名前。
「もう名前から強キャラ感出てるな」
「すごい防御力高そう」
名前からだけのイメージを勝手に言い合う。
「多分君達のイメージ通りだと思うよ。すごい頑固なやつでね、僕が2~3時間懇々と説得してようやく折れるくらいなんだ。話題によっては全く折れる様子が見えない時もある。でも討伐隊一の実力を持っていて、教えを乞おうとする若者が後を絶たない」
私の予想では一日かかってもダメだと思っていたので、2~3時間は意外だった。
「うわー絶対スパルタだ」
「いや実は意外とそうでもないらしいよ。1人1人にあった無理のないトレーニングメニューを自作しているそうで、一定の効果もちゃんとあるみたいだ。実際彼が輩出した隊員は皆優秀だ」
「へー!」
「合宿みたいなのがあったら参加してみたいかも・・・」
由紀ちゃんならメニューこなせそうだな・・・。だってこの子、何度も言うけど様々なスポーツ系の習い事に通っている。辞めたものやそもそも短期だったと言うものもいくつかあるけど代表的なものを挙げると、野球、サッカー、体操、水泳、合気道、柔道、剣道、そしてヒップホップダンス。当然、私達4人の中で一番フィジカル面で強い。ちなみに最下位は私です、はい。
「ああ、もう3時か。もうすぐ僕は会議があるからもう切るけど、他の質問はないかい?」
「・・・大丈夫です」
「判った。じゃあ夕方に任務の手配書を送るからちゃんと確認するんだよ」
「はい」
「じゃあまたね」
向こうが電話を切って、スマホがホーム画面に戻る。私はふーっと深呼吸をして、いつの間にか固まっていた肩の筋肉を緩める。天井を見上げる。するとライトのヒモのすぐそばで黒い何かが漂っていた。ホコリだろうか。
「あ、蚊だ!スプレー持ってくる!」
「・・・え?!」
確かによく見ると足や針のような黒い点が見える。ブーンと羽を鳴らす音もする。もしかして電話している時にもいたのか?全然気づかなかった。その時、右の二の腕がじわじわとかゆみを覚える。まさかと思って腕を捻って見ると、案の定皮膚が膨れていた。はあ、とため息を1回ついて、かゆみ止めを探しに腰を上げた。
シューっと天井に殺虫剤が放たれる。
「あ、待て!」
どうやら外したらしく、少し右にずれながら追っている。今度はシュッと短く力強い発射音が鳴る。また彼女の唸りがしたので、外したんだろう。
私はと言うと、先程二の腕に見つけた蚊に刺された痕の上からかゆみ止めを塗っていた。
「う~ヒリヒリする~」
傷跡に水をつけるのと同じくらいジワジワと痛みが皮膚に響く。こういう時こそかきたくなるのは私だけじゃないと思う。フタを閉めた次の瞬間、プシュっと音がしてすぐによし!と隣で声がする。ヒラヒラと黒い何かが落下して、由紀ちゃんの足元に落ちる。ようやく仕留めたらしい。
「ティッシュ」
「ん」
すかさずテーブルの上にあったティッシュをまとめて2枚渡す。受け取ってすぐにその場にしゃがみ、蚊を捕えると部屋の角に置かれたゴミ箱に放り投げた。
「加奈、大丈夫?」
振り返ってから声をかけてくれる。私は苦笑いを含めてこう返した。
「いや、盛大にやられたよ。ほら」
そして刺されたところを彼女に見せた。
「うわーホントだ。かゆいでしょ?」
「そりゃね。由紀ちゃんは?」
「今のところ大丈夫だと思うけど・・・もしかしたら後から来るかも。かゆみ止め、しばらくこの部屋に置いておいてくれる?」
「うん」
私はかゆみ止めをテーブルの上に置く。確かに蚊に刺されたことってその瞬間じゃなくて、少し経ってからかゆみを感じてようやく気づく。由紀ちゃんもしばらくしたらかゆくなってくるかもしれない。
「ねえ」
その由紀ちゃんがおそらく私に向けて呼びかけてくる。
「ん?」
「どう思う?」
「何が?」
「明日の任務の・・・ケンさん」
「ああ、健斗さんか。・・・・そうだね、まだ判らないな」
「・・・・」
「何より私今回が初めての仕事だし。話を聞こうにも聞く人もいないからさ」
「そうじゃないよ、どうしてケンさんが呪われたのかだよ」
「そっち?ああ。・・・・・でもそれも判らない」
「そっか」
「やっぱり由紀ちゃんも気になるの?」
「そうだね・・・ちょっと不思議だなって」
私はいつか松ノ殿がしてくれた説明を思い出した。
修行期間中のことだった。松ノ殿は怪魔の生まれる仕組みについて私に解説してくれた。
「怪魔は強い悪の思念から生まれたいわば霊みたいな存在だ。例えば君が兄妹におやつを奪われたとしよう。少しイライラするかもしれないが、流石に彼ら自体が憎いとは思わないだろう?そんな時は怪魔は生まれたとしても弱くてすぐに消えてしまう。それよりももっと強い感情、それこそあいつが憎くて仕方ない、できるなら殺したい、と思うくらいの強さが必要なんだ。もちろん憎しみだけではなく、人生を左右する場面で失敗した後悔、時には狂った愛からも生まれる」
なるほど。じゃあ普段の生活ではあまり怪魔は生まれないってことか。じゃあどうして今怪魔が多くなっているんだろう?
「前にも言ったけど、幻魔が全ての怪魔を把握できてないことが1つの理由だな。それから他にも最近の情勢だな。最近はどうやら人間は活字離れが増えているらしいな」
「ええ、聞いたことはあります。でも私本好きですよ」
「それでいい。そうでなきゃお前達は生まれないんだからな。・・・新聞からネットニュース、漫画や小説はウェブアプリや出版社サイトでの閲覧、おまけに最近勢いをあげているSNSやネットゲーム、携帯ゲームの終わらぬブームによって想像力を育む機会が少なくなっている。だからそもそもの幻魔の数も年々減ってきている。由緒ある家系が途絶えた情報を何度仕入れたことか・・・」
「そんな・・・・」
「若者はいるが、君達8人の13歳が最年少だ。君達が死んだら、もう幻魔界は消えると言っても過言ではない」
「!!」
「だが怪魔側から願ったり叶ったりの状況だ。当然だ。長い間戦いをしているライバルがついに倒れると言うんだから。君達が生まれてから更に彼らは力を増し、いつの間にか日本中、いや世界中に見えないだけで沢山の怪魔がはびこるようになってしまった」
「・・・・」
「怪魔は強い思念ほど人を操る力が強く、時には命を奪って自らが人に偽装して生活に溶け込むこともする」
「それって、もしかしたら私達の周りにも怪魔がいるってこと・・・・?」
「可能性は十分にある。人間界とは言え絶対油断するなよ」
「・・・!」
「それでも彼らにも限度というのがある。もちろん自分の力量に合わなければ自爆する。逆に自分の力に合った感情を持った人間なら自由に扱うことが出来る。でも純粋な善人、1回も怪魔の仕業以外に悪の心を持ったことのない人、鋼メンタルを持っている人には絶対呪わない。いくら怪魔とはいえ、悪の心への対策法を知っている人には敵わないんだよ」
「つまり怪魔が呪うのは何かの理由があるってことですか」
「そうだ。怪魔が自身の近くで負の感情を持った人を感知すると、すかさずその人の中へ入っていく。そういうところにはすごく敏感なんだよな・・・」
「はは」
「まあだから、純粋な善人を呪うというのはかなりのレアケースだ。もしそれに遭遇したとしたら、必ず私に言ってくれ」
「そんなにも?」
「全ての人間が怪魔に呪われたりしたら、世界は壊れてしまう。レアケースは早急に対処しなければ」
「・・・じゃあ松ノ殿に言った方がいいのかな」
「うん、一応あの人も神様だしアドバイスはくれると思う」
「一応ってなんだ、一応って」
私の背後で艶のある若々しい声がする。振り返ると思ったとおり、松ノ殿がいた。もちろん青年の姿だ。どこから聞いてたんだ?
「今ヴァンから連絡が来た。矢代、初めての任務だな」
「はい」
私は気合を入れて返事をする。その後彼は私達に、スマホの中の『SQUAD』のメンバーの一覧表を見せながら言った。
「しかし石園ってやつはすごいな。2度も『メテスマ』の世界チャンピオンになってるなんて」
「私達は初めて聞きましたが、すごいですね」
言葉の割には本当にすごいと思ってないような言い方だ。
「ゲームばかりしてるのに?」
彼女がまた神に応えた。今度はゲームぐらい良いでしょ、と言いたげな顔である。
「私達が遊んでるのは別のジャンルなんです」
「・・・私はゲームについてよく判らないが、色々な種類があるのか?」
「そうですよ。街づくりとかRPGとかシューティングとか」
すると少し食い気味に言葉を被せ、珍しくにっこり笑って自慢げに言う。そういえば彼の微笑みはよく見るが、満面の笑顔は初めて見る。
「ああ、RPGは知ってるぞ!今スマホに『ソードクエスト』入れて、たまに遊んでる」
え、マジで?!
「松ノ殿様もスマホでゲームするの!?」
私は無意識に半歩ほど後ろに下がった。彼にはいつも神としての仕事が多くて忙しいイメージがあったので、ゲームで遊んでるなんて思いもよらなかった。
「本当に時々だけどな。なんだ、そんなにびっくりした顔は」
「いやだって、神様だから忙しくてゲームやる時間ないんじゃなかって・・・」
「まあ確かに忙しいさ。だから一週間に一回、仕事が全部終わった後に少しやる。そういえば最近放置系のゲームが流行ってるらしいから、これから調べて一番良かったものを入れるつもりだ」
由紀ちゃんがこっそり私に耳打ちした。
「もし女子系のやつ入れたら笑ってやろw」
「ええ・・・w」
「何話してるんだ?」
まずい。
「「いえ、何も!!」」
二人いっぺんに言わないほうが良かったかもしれない。更に怪しむ表情をされた。
「ま、いいや。雑談はこれくらいにして、本題に入ろう」
「!」
「・・・矢代、近衛。判っていると思うが今回は、ただの任務じゃない。現実世界での、浄化任務だ」
「・・・・」
「・・・少しこっちに来い」
向けられた黒い背中をじっと見つめながら、私はゆっくりと彼の後ろを歩き出した。
「はあ」
ヴァンさんが某ネットの百科事典内の石園さんのページを開きながら、私達に彼の概要を説明してくれた。しかし聞いたことのないチームや協会の名前がいっぱいで、なんだか頭がパンクしそうだ。前回言った通り格闘ゲームはやるにはやるのだが、ネット対戦は飽きるのでほとんど触れていない。ゲーム実況も、『OWNBUILD』をゆっくり進めていく、というような緩い系の動画なので、いくら日本ですごいプレーヤーと言えども、私にとっては初耳だった。
「それで、どうして怪魔の発見がされたんですか?」
私が頭を休ませている間に、由紀ちゃんが会長に問う。
「偶然なんだが・・・。昨日東京の練馬の支部から連絡があって、近くに怪魔の気配があるから巡視隊を派遣して欲しいと言われた。そうしたら、とある住宅街で怪魔の痕跡が確認された。それを追ってみると、小さなアパートにたどり着いた。もしかたらこのアパートの住人を乗っ取っているのでは。そう思ったパトロール隊はどこの部屋からか来ているのか探していた。その時一人の隊員が、石園さんが何やら難しいコードをパソコンに書き込んで、なんらかのプログラムを変更させている姿を目撃した。そして怪魔スコープで観察した結果、ビンゴだった、というわけ」
「なるほどねえ」
由紀ちゃんは体を背中側に倒し、天井を仰ぐ。私は石園さんのことより気になることを聞いた。
「というか、幻魔って人間界に拠点持ってるんですか?」
「ああ、地球の至る所にね。けれども幻魔にしか見えないから、人間の開発の邪魔にはなってないし、存在を知られることはない。実際、今の今まで君達も知らなかったわけだしね。そこでいつも、不必要に幻魔や怪魔が人間界に干渉しないかを見張っているんだ」
「幻魔も?」
少し意外だ。幻魔は大抵、人間界とのバランスを取るために生活しているかと思ったから。
「幻魔もいいやつだけとは限らないんだよ、何しろ複雑な感情を持つ人間から生まれる生き物だからね。それに怪魔はあくまで強い思念のかたまり。ただ具現化に至るまでにはそれが抱えきれなくなるくらい長い時間、もしくは忘れらないほどの大きな感情を必要だ。突発的なものでは生まれない。逆に悪い幻魔は突発的なものから生まれている。いくら短いとはいえ、それを感じたのは事実だからね。それが形となって出てくるわけだ。まあ要するに、幻魔になりきれない幻魔、ということさ」
「ふーん・・・」
「少し難しい話だね、本題に戻ろう。情報捜査部のデータを元に石園さんを分析し、彼が乗っ取られたということは確実になった。さっき言った消息不明になった時期と、幻魔に取り込まれたと予測される時期が重なっていた。そして招集会議の日も引きこもってたのは、一日中プログラムのコードを変えていたから。小さい飛行カメラに映ったゲーム画面の表示名と、チーターとマッチングして負けたと報告した人の試合のプレーヤー名も一致、ちゃんと時刻も同じだ。間違いはないだろう」
その証拠に、左下にアナログの字体の時計のついた、モニタールームで見るような動画が送られてくる。確かに二つの動画の時間が同じだ。しかもちゃんとゲーム画面が拡大されていてありがたい。送られてきた動画は、私と同年代ぐらいの男の子との対戦だった。小さく映るプレーヤーランクは109。かなりやり込んだ猛者だろう。そこで私は見ることになる。彼のチートの恐ろしさを。
画面内に『FIGHT!』という字幕が現れ、試合が始まる。しかし次の瞬間、『GAMESET!』の字幕が現れる。相手方のHPがもはや光速レベルで0になってしまったのだ。ゲームキャラクターが画面の隅で倒れている。男の子は呆然として天を仰いだ。少しは応戦できそうだったのに出来ず、どころかまだ何も押してないのに負けてしまったのである。これはもはや悔しいの域を通り越している。顔から表情が抜けていた。
隣で同じ動画を見ていた由紀ちゃんも、あっけに取られて何も言えなくなっていた。
「確かにほぼ確実だ。これだけそろってて違うという方が変だよ」
私はあえて話題を任務の方へ戻し、自分を落ち着かせる。
「そうだね、僕もそう思う。で、君に相談しに来たんだ」
前回千代ちゃんがボスが怪しい術を使ってくるから、という理由で抜擢された。なら私は・・・。
「戦闘民族だから格闘に強いと思って?」
「正解!」
「そんなことだろうと思いました。・・・分かりました、やらせてください」
「話が早いね。助かるよ。エアにはもう言ってあるから、明日の10時まで準備をしておくんだよ」
「はーい」
「長電話失礼したね、僕はもうじき切るよ。何か聞いておきたいことは?」
「あ、一つだけ」
「何だい?」
「なぜ怪魔は石園さんを狙ったんですか?」
「・・・・・」
私は考えていた。どうして石園さんが呪われてしまったのか。彼の経歴を聞く限り、特に怪魔に乗っ取られるような弱みや暗い感情を見せた部分はなかった。まあ、プライベートの部分まで考えているかと言われればそうではないけれど。これは聞いてはいけなかったのだろう。会長の小さな呼吸音しか聞こえなくなってしまった。口を開いた会長は、こう言った。
「それは僕も分からないんだ。そればかりは調べても出てこなかった・・・。君も思ったかもしれないが、彼の人格そのものに悪い場所はなかった。経歴を探っても、大きな事件は起こっていない」
「・・・・そうですか」
「・・・」
隣の由紀ちゃんも何か考えているのか静かだった。
「でも今回、君はそこまで調べなくても大丈夫。そもそも任務のルール外だしね」
私達怪魔討伐部隊には、大まかに3つの原則がある。それは以下の通り。
・戦闘中は怪魔に如何なる慈悲もかけてはならない
・余計な被害を出してはならない。特に浄化任務では細心の注意を払うこと
・任務を完遂した後は、被害者や任務地の事情に不必要に干渉してはならない
もし石園さんに関わるなら、3つ目の規則を破ることになる。ルールを破った場合、仕事量や給料が減ったり出勤を禁止されたり、最悪クビになる可能性もあるという。これらの処分は、私達の上司、つまり討伐隊の隊長が決める。松ノ殿や会長はともかく、まだ会ったこともない上司に自分の未来を左右されたくはない。それに私達はまだ他の同僚にすら会っていない。だから部内での私達の評価について、何も知らない。1度幻魔協会に行ったけどその時だって部署の中には入ってない。これから先勤め先に行くことはあるのだろうか。そして他の同僚と話すことはあるのだろうか。まあヴァンさんが言うには討伐隊のメンバーは皆一匹狼で人付き合いが得意ではないらしい。行けたとしても話が弾む可能性は薄いかもしれない。
「あの鉄男を落とすのは難しいしねw」
「鉄男?」
「君達の上司だよ。第17代怪魔完全討伐部隊隊長・鋼塚鉄夫」
それが私達の上司の名前。
「もう名前から強キャラ感出てるな」
「すごい防御力高そう」
名前からだけのイメージを勝手に言い合う。
「多分君達のイメージ通りだと思うよ。すごい頑固なやつでね、僕が2~3時間懇々と説得してようやく折れるくらいなんだ。話題によっては全く折れる様子が見えない時もある。でも討伐隊一の実力を持っていて、教えを乞おうとする若者が後を絶たない」
私の予想では一日かかってもダメだと思っていたので、2~3時間は意外だった。
「うわー絶対スパルタだ」
「いや実は意外とそうでもないらしいよ。1人1人にあった無理のないトレーニングメニューを自作しているそうで、一定の効果もちゃんとあるみたいだ。実際彼が輩出した隊員は皆優秀だ」
「へー!」
「合宿みたいなのがあったら参加してみたいかも・・・」
由紀ちゃんならメニューこなせそうだな・・・。だってこの子、何度も言うけど様々なスポーツ系の習い事に通っている。辞めたものやそもそも短期だったと言うものもいくつかあるけど代表的なものを挙げると、野球、サッカー、体操、水泳、合気道、柔道、剣道、そしてヒップホップダンス。当然、私達4人の中で一番フィジカル面で強い。ちなみに最下位は私です、はい。
「ああ、もう3時か。もうすぐ僕は会議があるからもう切るけど、他の質問はないかい?」
「・・・大丈夫です」
「判った。じゃあ夕方に任務の手配書を送るからちゃんと確認するんだよ」
「はい」
「じゃあまたね」
向こうが電話を切って、スマホがホーム画面に戻る。私はふーっと深呼吸をして、いつの間にか固まっていた肩の筋肉を緩める。天井を見上げる。するとライトのヒモのすぐそばで黒い何かが漂っていた。ホコリだろうか。
「あ、蚊だ!スプレー持ってくる!」
「・・・え?!」
確かによく見ると足や針のような黒い点が見える。ブーンと羽を鳴らす音もする。もしかして電話している時にもいたのか?全然気づかなかった。その時、右の二の腕がじわじわとかゆみを覚える。まさかと思って腕を捻って見ると、案の定皮膚が膨れていた。はあ、とため息を1回ついて、かゆみ止めを探しに腰を上げた。
シューっと天井に殺虫剤が放たれる。
「あ、待て!」
どうやら外したらしく、少し右にずれながら追っている。今度はシュッと短く力強い発射音が鳴る。また彼女の唸りがしたので、外したんだろう。
私はと言うと、先程二の腕に見つけた蚊に刺された痕の上からかゆみ止めを塗っていた。
「う~ヒリヒリする~」
傷跡に水をつけるのと同じくらいジワジワと痛みが皮膚に響く。こういう時こそかきたくなるのは私だけじゃないと思う。フタを閉めた次の瞬間、プシュっと音がしてすぐによし!と隣で声がする。ヒラヒラと黒い何かが落下して、由紀ちゃんの足元に落ちる。ようやく仕留めたらしい。
「ティッシュ」
「ん」
すかさずテーブルの上にあったティッシュをまとめて2枚渡す。受け取ってすぐにその場にしゃがみ、蚊を捕えると部屋の角に置かれたゴミ箱に放り投げた。
「加奈、大丈夫?」
振り返ってから声をかけてくれる。私は苦笑いを含めてこう返した。
「いや、盛大にやられたよ。ほら」
そして刺されたところを彼女に見せた。
「うわーホントだ。かゆいでしょ?」
「そりゃね。由紀ちゃんは?」
「今のところ大丈夫だと思うけど・・・もしかしたら後から来るかも。かゆみ止め、しばらくこの部屋に置いておいてくれる?」
「うん」
私はかゆみ止めをテーブルの上に置く。確かに蚊に刺されたことってその瞬間じゃなくて、少し経ってからかゆみを感じてようやく気づく。由紀ちゃんもしばらくしたらかゆくなってくるかもしれない。
「ねえ」
その由紀ちゃんがおそらく私に向けて呼びかけてくる。
「ん?」
「どう思う?」
「何が?」
「明日の任務の・・・ケンさん」
「ああ、健斗さんか。・・・・そうだね、まだ判らないな」
「・・・・」
「何より私今回が初めての仕事だし。話を聞こうにも聞く人もいないからさ」
「そうじゃないよ、どうしてケンさんが呪われたのかだよ」
「そっち?ああ。・・・・・でもそれも判らない」
「そっか」
「やっぱり由紀ちゃんも気になるの?」
「そうだね・・・ちょっと不思議だなって」
私はいつか松ノ殿がしてくれた説明を思い出した。
修行期間中のことだった。松ノ殿は怪魔の生まれる仕組みについて私に解説してくれた。
「怪魔は強い悪の思念から生まれたいわば霊みたいな存在だ。例えば君が兄妹におやつを奪われたとしよう。少しイライラするかもしれないが、流石に彼ら自体が憎いとは思わないだろう?そんな時は怪魔は生まれたとしても弱くてすぐに消えてしまう。それよりももっと強い感情、それこそあいつが憎くて仕方ない、できるなら殺したい、と思うくらいの強さが必要なんだ。もちろん憎しみだけではなく、人生を左右する場面で失敗した後悔、時には狂った愛からも生まれる」
なるほど。じゃあ普段の生活ではあまり怪魔は生まれないってことか。じゃあどうして今怪魔が多くなっているんだろう?
「前にも言ったけど、幻魔が全ての怪魔を把握できてないことが1つの理由だな。それから他にも最近の情勢だな。最近はどうやら人間は活字離れが増えているらしいな」
「ええ、聞いたことはあります。でも私本好きですよ」
「それでいい。そうでなきゃお前達は生まれないんだからな。・・・新聞からネットニュース、漫画や小説はウェブアプリや出版社サイトでの閲覧、おまけに最近勢いをあげているSNSやネットゲーム、携帯ゲームの終わらぬブームによって想像力を育む機会が少なくなっている。だからそもそもの幻魔の数も年々減ってきている。由緒ある家系が途絶えた情報を何度仕入れたことか・・・」
「そんな・・・・」
「若者はいるが、君達8人の13歳が最年少だ。君達が死んだら、もう幻魔界は消えると言っても過言ではない」
「!!」
「だが怪魔側から願ったり叶ったりの状況だ。当然だ。長い間戦いをしているライバルがついに倒れると言うんだから。君達が生まれてから更に彼らは力を増し、いつの間にか日本中、いや世界中に見えないだけで沢山の怪魔がはびこるようになってしまった」
「・・・・」
「怪魔は強い思念ほど人を操る力が強く、時には命を奪って自らが人に偽装して生活に溶け込むこともする」
「それって、もしかしたら私達の周りにも怪魔がいるってこと・・・・?」
「可能性は十分にある。人間界とは言え絶対油断するなよ」
「・・・!」
「それでも彼らにも限度というのがある。もちろん自分の力量に合わなければ自爆する。逆に自分の力に合った感情を持った人間なら自由に扱うことが出来る。でも純粋な善人、1回も怪魔の仕業以外に悪の心を持ったことのない人、鋼メンタルを持っている人には絶対呪わない。いくら怪魔とはいえ、悪の心への対策法を知っている人には敵わないんだよ」
「つまり怪魔が呪うのは何かの理由があるってことですか」
「そうだ。怪魔が自身の近くで負の感情を持った人を感知すると、すかさずその人の中へ入っていく。そういうところにはすごく敏感なんだよな・・・」
「はは」
「まあだから、純粋な善人を呪うというのはかなりのレアケースだ。もしそれに遭遇したとしたら、必ず私に言ってくれ」
「そんなにも?」
「全ての人間が怪魔に呪われたりしたら、世界は壊れてしまう。レアケースは早急に対処しなければ」
「・・・じゃあ松ノ殿に言った方がいいのかな」
「うん、一応あの人も神様だしアドバイスはくれると思う」
「一応ってなんだ、一応って」
私の背後で艶のある若々しい声がする。振り返ると思ったとおり、松ノ殿がいた。もちろん青年の姿だ。どこから聞いてたんだ?
「今ヴァンから連絡が来た。矢代、初めての任務だな」
「はい」
私は気合を入れて返事をする。その後彼は私達に、スマホの中の『SQUAD』のメンバーの一覧表を見せながら言った。
「しかし石園ってやつはすごいな。2度も『メテスマ』の世界チャンピオンになってるなんて」
「私達は初めて聞きましたが、すごいですね」
言葉の割には本当にすごいと思ってないような言い方だ。
「ゲームばかりしてるのに?」
彼女がまた神に応えた。今度はゲームぐらい良いでしょ、と言いたげな顔である。
「私達が遊んでるのは別のジャンルなんです」
「・・・私はゲームについてよく判らないが、色々な種類があるのか?」
「そうですよ。街づくりとかRPGとかシューティングとか」
すると少し食い気味に言葉を被せ、珍しくにっこり笑って自慢げに言う。そういえば彼の微笑みはよく見るが、満面の笑顔は初めて見る。
「ああ、RPGは知ってるぞ!今スマホに『ソードクエスト』入れて、たまに遊んでる」
え、マジで?!
「松ノ殿様もスマホでゲームするの!?」
私は無意識に半歩ほど後ろに下がった。彼にはいつも神としての仕事が多くて忙しいイメージがあったので、ゲームで遊んでるなんて思いもよらなかった。
「本当に時々だけどな。なんだ、そんなにびっくりした顔は」
「いやだって、神様だから忙しくてゲームやる時間ないんじゃなかって・・・」
「まあ確かに忙しいさ。だから一週間に一回、仕事が全部終わった後に少しやる。そういえば最近放置系のゲームが流行ってるらしいから、これから調べて一番良かったものを入れるつもりだ」
由紀ちゃんがこっそり私に耳打ちした。
「もし女子系のやつ入れたら笑ってやろw」
「ええ・・・w」
「何話してるんだ?」
まずい。
「「いえ、何も!!」」
二人いっぺんに言わないほうが良かったかもしれない。更に怪しむ表情をされた。
「ま、いいや。雑談はこれくらいにして、本題に入ろう」
「!」
「・・・矢代、近衛。判っていると思うが今回は、ただの任務じゃない。現実世界での、浄化任務だ」
「・・・・」
「・・・少しこっちに来い」
向けられた黒い背中をじっと見つめながら、私はゆっくりと彼の後ろを歩き出した。
1
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
【完結】アシュリンと魔法の絵本
秋月一花
児童書・童話
田舎でくらしていたアシュリンは、家の掃除の手伝いをしている最中、なにかに呼ばれた気がして、使い魔の黒猫ノワールと一緒に地下へ向かう。
地下にはいろいろなものが置いてあり、アシュリンのもとにビュンっとなにかが飛んできた。
ぶつかることはなく、おそるおそる目を開けるとそこには本がぷかぷかと浮いていた。
「ほ、本がかってにうごいてるー!」
『ああ、やっと私のご主人さまにあえた! さぁあぁ、私とともに旅立とうではありませんか!』
と、アシュリンを旅に誘う。
どういうこと? とノワールに聞くと「説明するから、家族のもとにいこうか」と彼女をリビングにつれていった。
魔法の絵本を手に入れたアシュリンは、フォーサイス家の掟で旅立つことに。
アシュリンの夢と希望の冒険が、いま始まる!
※ほのぼの~ほんわかしたファンタジーです。
※この小説は7万字完結予定の中編です。
※表紙はあさぎ かな先生にいただいたファンアートです。
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
ぼくの家族は…内緒だよ!!
まりぃべる
児童書・童話
うちの家族は、ふつうとちょっと違うんだって。ぼくには良く分からないけど、友だちや知らない人がいるところでは力を隠さなきゃならないんだ。本気で走ってはダメとか、ジャンプも手を抜け、とかいろいろ守らないといけない約束がある。面倒だけど、約束破ったら引っ越さないといけないって言われてるから面倒だけど仕方なく守ってる。
それでね、十二月なんて一年で一番忙しくなるからぼく、いやなんだけど。
そんなぼくの話、聞いてくれる?
☆まりぃべるの世界観です。楽しんでもらえたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる