幻魔少女物語〜神様の失敗で人間から異界人になった8人の話〜

campanella

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第四章 目覚める才能

第10話 自由人の休息

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 ガラガラ。図書室の重い扉を開け、中に入る。今日は休日、おまけに日々のトレーニングも済んだので、ここから午後はずっとヒマだ。昼食を終わらせ、夜ご飯までのヒマつぶしに選んだのは、読書だ。私はここに始めてきた時から、この図書室の本を1日1冊ずつ読んでいくと決めていた。流石にコンプリートは難しいが、自分の無理ない範囲で読破していこうと思って立てた目標である。今日は数日前から読み始めている、ある作家の作品集の5冊目を読もうと思っている。
 ガタッとハシゴをかけ、スイスイと登っていく。作家の頭文字は「あ」なので、この図書室の中では一番上にある設計になっているのだが、これが大変なのだ。なぜならここは天井が高く、大の大人7人を上に重ねたぐらいの高さである。自分は中学生の平均身長より少し下なので、更に床についている時の行動範囲が低いのだ。
 ともあれ1番の上の棚へ手を伸ばせるくらいの高さまでくることが出来た。
「あ」
 小さい呟きと一緒に気がついた。目当ての本より少し遠く、ハシゴを置いてしまった。手で・・・・ギリ届くか?いや怪しいな。一応伸ばして・・・・・。
「んっ・・・・」
 かろうじて読みたい本に届きそうだ。慎重に体を横にずらし、少しでも近づこうとする。中指が本のてっぺんに
引っかかる。一本だけでゆっくり引き、手のひらが背表紙を捕らえてから、本をがっしりと掴み直した。手を戻す時、少しだけグラついた。
 下りるのは簡単だ。飛び降りればいい。非常に危ない画でハシゴから足を外し、バランスを取って難なく着地。もちろん、真似しないでください。普通に危険なので。
 ようやく落ち着いて本が読める。表紙が見えるように手をひねり、そこからまた持ち変える。自然とタイトルを読んでいた。
『或阿呆の一生』
 何ともおかしな題名だ。彼の作品は今日まで6個ほど読んできたが、これほど自分的に引っかかったタイトルはないと思った。この本には、いくつかの短編が収められているが、まず私は表題作を読むことにした。主人公が本屋で海外の作家の本を探している。時間が経ってもそれをやめない。
 ふと本棚から見える店員や他のお客さんを眺めていると、ある言葉が浮かんできたらしい。
 ________人生は一行のボオドレエルにも若かない。
 ボオドレエル?ボオドレエルってなんだ?たまらずスマホで調べてみる。
 ボードレールは、フランスの詩人らしい。悪の華という詩集が有名だそうだ。ついでにこの言葉の意味も検索してみた。
 一つの考察として、ボードレールが詩を書いていたのと、若かないというのは昔の言葉で及ばないとのことから、人生は一行の詩にもならないくらい薄っぺらい、と言う意味だ、みたいなものを見つけた。
 薄っぺらい?
 この人にとって人生とは何だったのか?それだけ味気のないのない人生だったのか?
 本を読む上で一番楽しい時間を頭をフルに使って過ごす。ただ結局、それについての答えは出なかったので、私は物語を進めることにした。彼の先生の危篤の報せを受け取るところも奥さんに小言を言った部分も過ぎた。そもそもこの物語は、一章ごとがびっくりするほど短く、一行に満たない章もある。そのおかげで私は気楽に読み進めることが出来たのだが。
 主人公が不眠症などに苦しめられている場所まで来て、私は一度顔を上げた。数多くの本の背表紙によって、モノトーンの文章に慣れていた目がじんわりと色彩の美しさを思い出す。1秒のうちに何回も瞬きをする。どうやら集中し過ぎて瞬きすら忘れていたようだ。人は1分間に20回ほど瞬きをするらしい。でもその回数が減ると、肩こりやストレスの原因になるそうだ。でも私はそういうことで疲れたりしたことは一度もない。どのくらいが限度なんだろう?
「あ、最後まで読まなきゃ」
 手に持っていた本の感触を思い出して、またしばらく読み進めていく。ページをめくる手は思ったよりも早く進み、私は読書というものの本当の快感を覚える。これだよこれ、視界に映されている文字が目に入って、それが脳内で解されて風景の一部になって溶けていくこの感覚。これだから読書は気持ちいいんだ。あっという間にクライマックスを駆け抜ける。
 物語は、『言わば刃こぼれしてしまった、細い剣を杖にしながら』という一文で締めくくられた。
 私は再び顔を上げ、今度は物語の余韻に浸る。難しい言葉遣いも多いが、それでも楽しく読めるものだったと私は思う。ただどうも物語全体から、暗い雰囲気が終始漂っていた。どうも日常感があり過ぎて、逆に自分達の日常が非日常に感じてしまう。そんな怖さを持った作品だ。綺麗事が書かれた伝記ではなく、一切の嘘や誇張が無くなった日記のような体裁。それでいて第三者視点。やはりこのは面白い。
「もっとこの人の話が読みたい」
 思う前に呟いていた。次は何を読もうかと、目次に遡る。あ、なんか『歯車』は今のやつと同じ系統だって聞いたことあるな・・・。それにしようかな?
「かーな」
「うわあっ!!」
 なんだ由紀ちゃんか・・・。今のはマジでびっくりした。足音も全然しなかったし。それは私が本に集中してたからかな?
「加奈、驚きすぎ」
「いやマジでびっくりしたよ~。どうしたの?」
「私も今日のトレーニング終わったから、一緒に遊びたいなーって」
「ああいいよ」
「やった!」
「何する?」
「んーそうだな・・・人生ゲームはこないだしたし・・・・」
「クイッチ持ってきてないよね?」
「うん」
「やっぱり、うーんどうしよう?」
「将棋は?」
「あ、それいい!来週私おじいちゃん行くからやっときたい!」
「ああーおじいさん将棋好きって言ってたねー。いつもやってるの?」
「ううん、たまに。でもいつも負けちゃうから、練習はしておきたいね」
「オッケー、じゃ出してこよう」
「うん」
 私は本はそのまま部屋に持って行くことにして、彼女と一緒に図書室を出た。入ったのは遊具室だ。松ノ殿が取り揃えた数多くのカードゲームやボードゲームなどが部屋いっぱいにしまってある。その中で将棋はとてもわかりやすい。大きな字で『将棋』と書かれているからだ。
「これね」
「そうそう」
 右に将棋、左に本を持ち、リビングに向かう。廊下の途中で、私は思い出す。
「あ、おやついる?」
「そうじゃん、いる!」
「じゃあこれ持ってて。取ってくる」
「おねがーい」
 そう言って私は自室に戻る。いつも私の休憩は、午前中、そして夕方ぐらいまでトレーニングし夕食まで自分の部屋でおやつを食べながらゲームするか、図書室で本を読むかの2択である。常に自分の部屋におやつをストックしてあるのだ。今日はポテチの中でも選りすぐりのフレーバーを3種持っていくことにする。
 すぐに彼女の元に戻る。駒が規則正しく並べてあり、もう対局の準備は出来ていた。持ってきたおやつの袋を見せる。
「おーポテチー」
「のり塩、バター醤油、サワークリームです!」
「えーどれも絶対美味しいじゃん!何食べる?」
「なんでもいいよ、どれも好きだし」
「えーじゃあ・・・・」
 どれにしようかなと言いながら順々に指を動かしていく。・・・いう通り!で指を止めた時、のり塩で止まった。
「じゃあのり塩」
「はいはーい」
 グッと袋の口に力を入れると、すぐにパリッと大きくひらけた。テーブルの上に置き、彼女と向き合う。
「「じゃんけんぽん!」」
 私が勝ったので、私が先攻だ。お願いします、と丁寧に挨拶し、勝負スタート。
 とりあえず最前列の歩兵を動かすところからだ。私の推しは飛車だから、飛車が動かしやすいようにその駒の手前の歩兵を動かしておく。ちなみに理由は名前がかっこいいから、以上。
「・・・・」
 由紀ちゃんも歩兵を動かす。だけど彼女は私目線で左の香車の手前のものだ。まっすぐ突っ切るつもりだろうか?このまま歩兵同士を進めたら私が駒を奪えるが、多分想定されているだろう。彼女は賢い。それに歩兵を取ったところで、香車を塞ぐものがなくなるから、次のターンに歩兵どころか自分の香車も取られてしまう。しかも敵陣に入ると変身して、成香になってしまう。そうなると金将と同じで、斜め後ろ以外は全部進めることになってしまう。隣は桂馬、その次が銀将なので対処できず金将に近づかれる。もちろん金は左右1マス動かすことが出来るので食い止めるし、その前に角行で取ってしまえばいい。でもそんな単純な流れじゃ勝負は面白くない。自分から見た角行の手前の歩を前に押し出した。
「・・・・」
 この間当然ながら私達は一言も交わしていない。持ってきたポテチもほとんど減っていない。それだけ集中して盤面に向き合っている。彼女の飛車が動き始めた。私の角行を狙っている。ただ私も飛車を使うので、角行はとりあえず時間稼ぎ要員だ。しかし私はあえて角を動かし、使うつもりでいるように見せかけた。

 大幅にカットして、15分後。もうお互いの駒がほとんどなくなっている。盤面はガラ空きのマスでいっぱいだ。
 もう目の前には彼女の飛車が私の王将の前に構えており、斜め左も角行がスタンバッている。やばい。取られそう。どうしよう。幸い、次は私のターンだった。飛車と角行の間は縦1列ガラ空きだ。ここに逃げて時間を稼ぐしかない。私はスッと隣の1マスに移動する。その次の瞬間。
「勝った」
 由紀ちゃんが小さく呟いた。
「え?」
 その時由紀ちゃんが進めたのは、飛車でも角行でもなく、金でも銀でもなく、2マス先に置かれた桂馬だった。桂馬は前に横1マス、縦2マス進める。ちょうどそれの進む先に、私の王将がある。しまった、完全にノーマークだった!案の定駒は進み、王将が取られてしまった。
「あああーーーーマージかー!!」
 ばったり後ろに倒れ、顔を手で塞ぐ。この結末は予想していなかった。正直桂馬に関して、動ける範囲が狭いからあまり警戒していなかったのだ。それに行動範囲が広い2つに気を取られていたせいで、他の駒のことが見えていなかった。うわー完全敗北ー。これは悔しい。
「加奈、全然桂馬見てなかったでしょ?」
「うん、見てなかった。何も考えとらんかった」
「やっぱり」
「マジで油断した・・・・」
「・・・・加奈さ、たまに周りが見えてないよね」
「?」
「何だろう、見た目的強いものだけ見えるからパワーでだと得意だけど、作戦負けしやすいっていうか。釣られやすいっていうか」
「うーん確かに今の試合に関連して言えば、桂が行動範囲が狭いから大丈夫だと思って飛と角だけしかマークしてなかったから、裏を突かれて桂にトドメを刺された・・・・。みくびっていたから自滅した・・・ってことかな」
「自己分析出来てるじゃん、めずらし」
「私だってたまには反省会するよ」
「でも今のままだと、怪魔にあっさりと負けちゃうよ。松ノ殿も言ってたでしょ?怪魔は頭もいいって」
「そうだね、私だけ作戦負けして早くもリタイアとか嫌だな。それか自爆特攻」
「まあかく言う私も、最後にはゴリ押しちゃう気がするけどねー。いくらこっちが考えようが、見破られたらそれまでだし。まだ臨機応変に作戦を考えられるような脳の速さでもないし」
「でも由紀ちゃん、誘拐犯が呪われた時すぐに対応して千代ちゃんのサポート出来てたじゃん」
「あれはまだ怪魔が弱くて、余裕があったからだよ。きっとこれから戦う奴らはレベチ。考える隙もくれないって」
「もしかしたら本当に本陣に突っ込むだけになりそう・・・w」
「かもねw」
「でも、由紀ちゃんがさっき言った私が作戦に釣られそうって言うのは、あながち間違いじゃないよ。私それでアーケードゲーム負けたこといっぱいあるもん」
「え、そんなんあったっけ、ゲーセンに」
「お兄ちゃんいるじゃん」
「うん」
「私が小学・・・1か2年の時かな。龍神伝説ゴッドオブドラゴンっていう漫画流行ったでしょ?」
「あーあったあった、懐かしー!晴馬も好きだったなー。そういえば並んでたなー。カード配布日とか、新弾初稼働日とか。一緒に行って遊んだわ。覚えてるよ。草太郎さんもやってたんだ」
「うん。あれ今になって振り返ると結構頭使うものだったんだなーって」
「あーカードの裏にスキルとか書いてあるもんね。でもどうして今?てかあれ今もやってんの?」
「うん。こないだね、夏美とゲーセン行ったんだけど、他にやるゲームなくて。それで久々にやったんだけど、今日みたいな感じで負けた。まあ、あの運ゲーが鈍ってたのと、昔使ってたデッキ持ってなかったのはあるけどね」
「あーあれね、ゲージのね」
「そうそう」
「あれむずいよね」
「本当にむずい!!どこでボタン押せばいいのか分かんないもん」
「ここ!ってとこで押したらそこで止まるんじゃなくて、ちょっと進んでたりね」
「あるある!あれが嫌で難易度低いやつしかクリアしてないもん」
「それで、何で今日みたいな負けなの?」
「敵のパーティーの中に普通ならモブっぽい兵士がいてね。そいつ途中まで全然攻撃して来なかったの。でも中盤になって前線に出てきて、でそいつにコテンパンにやられた」
「なんで?」
「そいつが持ってたのは体力温存系のスキルで、奇数ターン目にパワーとガードが3倍だって」
「いつ負けたの?」
「3ターン目」
「あーそゆことね」
「本当にノーマークだったよ、マジで」
「ちな難易度は」
「星2」
「ははっ、弱w」
「誰が?」
「加奈が」
「~~~~~っ!!」
  いじられたのですかさず、わざとらしく拳を握って怒ってみせる。それを由紀ちゃんがニヤニヤしながら見ている。本当に日常って素晴らしい。学校でもプライベートでもこんなことばっかりだが、何故だか全く飽きた覚えはない。むしろどんどんやりたくなるまである。由紀ちゃんもきっとそうなんだろう。だから毎日、お互いがお互いをイジリ、笑い合うのだ。あー今日もこんな平和な時間だけで終わればいいのにー。でもあることがあれば、その日常は一旦忘れられる。それは・・・。
 ヴンヴーン!ヴンヴーン!
 テーブルの上のスマホが大きな振動を起こす。私達はビックリして一瞬目を合わせるが、すぐに私がスマホを手に取り裏返していた画面を戻した。
 ああ、やっぱり。日常が一旦お休みになる時が来てしまった。私はもう一度画面の文字を読んで確認してから、緑の応答をスライドした。
「お久しぶりです」
『あ、出た出た。やっほー』
 24歳だからか?美声なのにものすごいチャラい言い方だな。
『これは加奈ちゃんの電話で合ってるかな?』
「はい、そうです」
『良かった良かった。今時間いいかい?』
「はい大丈夫です。というか急ぎの用ですよね?」
『それもそうだね。何しろ今回は一刻を争う状況だから』
「そんなにも?」
 向かい側からいつの間にか隣に座っていた由紀ちゃんが声を出す。
『あ、由紀ちゃんもいたんだね』
「ああすみません、お久しぶりです」
『残念だけど今日は君ではないよ』
「・・・そうですか」
 その言い方はちょっとどうかと思った。一瞬にして彼女の表情が暗くなった。でも一刻を争うなら、この話題は口にするべきではない。
「何があったんですか?」
『二人とも、格ゲーってやったことある?』
「格ゲー・・・・?」
「もしかして、メテスマみたいなやつ・・・・?」
 私が手のひらで頭を抱えながら呟く。私と由紀ちゃんが共通で持っているソフトの中に、『メテオスマッシュファイターズ』というものがある。略して『メテスマ』。流行ってるからという単純な理由で、お小遣いを使って買ったが、実際はほとんど触っていない。由紀ちゃんは弟さんがいるから、度々遊んでいるらしい。
『そうそうそうそう、それ。でもその反応からして、あんまりやったことはなさそうだね』
「やる機会は少ないね」
「うん」
『そっか~~・・・・。じゃあ知らないかもな~。1から説明するか~・・・・』
「「??」」
『OK、分かった。少し長くなるけど、ついてきて』
「えっと・・・どういうこと・・・?」
『今回はただの怪魔討伐じゃない。人間が怪魔に呪われた』
「「!!」」
『被害者は石園健斗さん。怪魔に操られて行ったチート行為が全国に広まり、もうすぐ警察が家に入ってくる』
「でもそれって・・・」
『そう。だけどがやったわけじゃない。君がやってもらうことはただ1つ。彼に潜む怪魔を祓うことだ。だがその前に石園さんについて知る必要がある』
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