6 / 12
最終話 あれから
しおりを挟む
目まぐるしい日々が過ぎ、僕は今日結婚する。
建設会社に就職するまでは、まさか自分がこうやってウェディングドレスに身を包み、結婚式を迎えるとは思ってもみなかった。
「もう大丈夫? 優ちゃん」
「はい、大丈夫です」
今、控室にいる。
隣で世話をしてくれているのは、母親だった。
最初は戸惑っていた母だったが、日に日に女の子に近づいていく僕をみて決心がついたようだ。
「まさか、こんな事になるとは思わなかったわ」
「僕もだよ」
2人で笑い合う。
僕には父親がいない。
でも、今はそんな事気にもしない。
だって…
「もう準備はできたか?」
ヤスさんが控室に現れた。
白の新婦の衣装を着ている。
僕の旦那さんになる人だ。
「うん、出来てるよ」
僕は椅子から立ち上がりヤスさんの方に向きを変えた。
するとヤスさんは
「綺麗だ」
と言葉をかけてくれた。
胸がドキッとした。
それが今までで1番嬉しい気持ちにさせた言葉だった。
「あの…」
母親がヤスさんに話かけている。
「何ですか、おかあさん」
「優の事、よろしくお願いします」
母は頭を深く下げた。
丹精込めて育てた息子を嫁に出す、親の姿だった。
「はい、任せて下さい」
ガシッとヤスさんは僕の肩を掴む。
「幸せにします」
ヤスさんは母にそう強く言った。
あぁ…僕は本当にお嫁に行くんだ。
そして、ヤスさんに幸せにしてもらうんだ…
母は泣いていた。
嬉し泣きだっただろう。
僕とヤスさんは母と言葉を交わした後、結婚式を行った。
職場の人達が祝ってくれる。
神父さんの前で、誓いの言葉を交わした。
そして、みんなが見ている前で男同士で誓いのキスをした。
ヒュー!!
皆んなが祝ってくれた。
今日僕は結婚して、正式にヤスさんの嫁になったのだった。
これからどうなるかわからない。
けれど、それはちょっと前まで見えてなかった未来に今いる。
だから、心配しても仕方ない。
未来はきっと…幸せな方に向かっているのだから。
建設会社に就職するまでは、まさか自分がこうやってウェディングドレスに身を包み、結婚式を迎えるとは思ってもみなかった。
「もう大丈夫? 優ちゃん」
「はい、大丈夫です」
今、控室にいる。
隣で世話をしてくれているのは、母親だった。
最初は戸惑っていた母だったが、日に日に女の子に近づいていく僕をみて決心がついたようだ。
「まさか、こんな事になるとは思わなかったわ」
「僕もだよ」
2人で笑い合う。
僕には父親がいない。
でも、今はそんな事気にもしない。
だって…
「もう準備はできたか?」
ヤスさんが控室に現れた。
白の新婦の衣装を着ている。
僕の旦那さんになる人だ。
「うん、出来てるよ」
僕は椅子から立ち上がりヤスさんの方に向きを変えた。
するとヤスさんは
「綺麗だ」
と言葉をかけてくれた。
胸がドキッとした。
それが今までで1番嬉しい気持ちにさせた言葉だった。
「あの…」
母親がヤスさんに話かけている。
「何ですか、おかあさん」
「優の事、よろしくお願いします」
母は頭を深く下げた。
丹精込めて育てた息子を嫁に出す、親の姿だった。
「はい、任せて下さい」
ガシッとヤスさんは僕の肩を掴む。
「幸せにします」
ヤスさんは母にそう強く言った。
あぁ…僕は本当にお嫁に行くんだ。
そして、ヤスさんに幸せにしてもらうんだ…
母は泣いていた。
嬉し泣きだっただろう。
僕とヤスさんは母と言葉を交わした後、結婚式を行った。
職場の人達が祝ってくれる。
神父さんの前で、誓いの言葉を交わした。
そして、みんなが見ている前で男同士で誓いのキスをした。
ヒュー!!
皆んなが祝ってくれた。
今日僕は結婚して、正式にヤスさんの嫁になったのだった。
これからどうなるかわからない。
けれど、それはちょっと前まで見えてなかった未来に今いる。
だから、心配しても仕方ない。
未来はきっと…幸せな方に向かっているのだから。
23
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!?
※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。
いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。
しかしまだ問題が残っていた。
その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。
果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか?
また、恋の行方は如何に。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・話の流れが遅い
・作者が話の進行悩み過ぎてる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる