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第一部 そのモフモフは無自覚に世界を救う?
56 なんで霊山にこんな物が?
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「要するに、巨大な蓋による蒸し料理ってことなのペエ。ホットプレートみたいだペエ」
「簡単なようだが実はかなり難しいんだ。蝙蝠が死ぬ瞬間が一秒でもずれると残ったのがまた増えるし、プロクスの魔力が尽きたらこの作戦は使えなくなる。かなりの出力で魔法を放つ必要があるんだ。以前この蝙蝠に出会った時は、三人の魔法士で一気に魔法を放ってもらった」
「うへぇ……。蝙蝠がいる空間を、一秒以内にまんべんなく高温にしないといけないのか。めちゃくちゃ難しそう」
「この結界から外側の結界までは……およそ296.283ですね。探知完了しました。多少の誤差は出るかもですが、一秒以内なら何とかなるでしょう」
「じゃあ行くぞ。三、二、一……」
ゼロ、の言葉と同時にネネさんが結界の一部に杖を突っ込んだ。杖が突き刺さった部分だけジェルのようにぶよっと盛り上がっている。
「爆ぜろ、業火よ。燃やし尽くせ!」
ネネさんが唱えた途端、杖からカッと閃光が走った。周囲の温度が一気に上昇し、視界のすべてが真紅に染まる。マグマの中に落ちたのかと錯覚してしまう光景だ。
そしてほんの一瞬で炎は消え、焼け野原だけが残された。蒸し料理なんて可愛いものじゃなかった。爽真が呆然と呟いている。
「すげえ……。一瞬で黒こげだ」
相当な高温だったのか、幹の太い大木以外は炭も残っていなかった。黒焦げになった木だけがぽつん、ぽつんと寂しそうに立つだけだ。
作戦どおり蝙蝠は全滅したようだけど、焼け野原になった森を見てネネさんがばつの悪そうな顔をしている。
「少しやりすぎたでしょうか。あまり燃やすと、土砂崩れの原因になると先生にも注意を受けたのですが……」
「心配しなくていい。ここは霊山だからな」
ハル様は軽い口調で言い、降りてきたプロクスの頭を撫でている。しかもプロクスが帰ったあとは、気にする事もなく黒焦げの野原を歩き出した。霊山だからな、ってどういう意味だろう。
私たちも不思議に思いつつ後に続いたけど、その変化はすぐに始まった。
「え……ええ? 嘘だろ?」
「爽真、どうしたペ?」
「足元から、草が……」
草? 草なんか枯れたんじゃなかったの?
爽真と同じように地面を見下ろすと、緑色の点が無数に散らばっていた。点はあっという間に大きくなり、ようやく植物の芽だと気づいたころには爽真の膝ぐらいまで木が伸びている。
歩いている数分の内に小さな木は爽真を追い越し、とうとう元通りの大きさにまで生長してしまった。再生した森を見たネネさんが興奮している。
「これは凄いレポートが書けそうですよ……! さすが霊山です! 恐るべき再生力!」
「こういうの見ると、本当に神様がいるのかと思うペエ」
「マジで地球じゃない……。何の神が支配してんのかな。もののけ的な奴?」
「まだ春先なせいか、すでに日が傾いてるな。日没する前に山小屋へ行こう」
前を歩いていたハル様が足を止めて、変なことを言い出した。山小屋ってそんな馬鹿な。ここは怖い聖獣(私だけど)がいる霊山なのに。
「公爵様……。山小屋なんて本当にあるんすか? ここは霊山なのに?」
「それがあるんだ。本当に」
「あ、私もその山小屋の話を本で読みました。昔、著名な登山家デニス・コッポラ氏が霊山オンブラフルに山小屋を作らせてくれと、各国の王に呼びかけたんだそうです。なんでそんなに山に登りたいのかと王に聞かれた彼は、ただひと言――『山が呼んでいるからだ』と答えたそうで」
「どっかで聞いた話ペエ……」
「でもこの島って、本当は魔物が多いんだろ。俺達が普通に歩いてるのは聖獣と一緒だからだよな。聖獣なしで山登りなんか無理なんじゃ……」
「それが不思議な事に、登山家は聖獣の保護を受けて無事に山に登ったそうなんですよ。その時の様子を詳しく記した本が残っています。でも霊山は標高が高すぎるので、六合目付近で諦めて帰ってきたとか」
「聖獣って何を考えてるのか分からないペエ」
「今はおまえがその聖獣じゃねぇか。…………はっ!」
ふと視線を上げれば、またハル様がじっとりした目で爽真と私を見ている。爽真が小声で「やばっ」と呟いた。
「違いますよぉ! 今のはただの友人の会話です! ただの! 友人!」
「……とにかく山小屋に行こう。野宿するよりずっといいはずだ。ネネリム殿だって、魔力が尽きかけているだろう」
「バレちゃいましたか。まぁ秘密兵器を飲めば魔力は回復するんですが、体の疲れはさすがに取れませんからね。そろそろ休みたいですね」
「もう少しで着くはずだ。あぁほら、見えてきた」
ハル様が指差す丘の上に、小さな山小屋がある。木で作られた普通の山小屋だ。よくこんな怖い山に小屋なんか作ったなあと逆に感心してしまう。
丘を登るうちにだんだん坂がきつくなったけれど、私たちは自然と早歩きになり、うきうきした気持ちで山小屋に到着した。
「着いたぁー! ……ぐへっ! ぶしゅっ!」
勢いよくドアを開けた爽真は内部の埃を吸って派手なくしゃみを連発したものの、ふいっと手を振って掃除を済ませてしまった。信じられなくて二度見状態。
「爽真、魔法が使えるペエ?」
「賢者レゲに習ったんだ。簡単な魔法ぐらいは俺も使わないとな」
ぐぬぬぅ、悔しい。でも背中を借りてる身としては大人しくするしかない。ずっとおんぶしてもらってたし。
歯軋りしている間にネネさんが山小屋に結界を張り、ハル様は収納魔法から薪を出して隅に置かれた薪ストーブにくべている。
部屋の広さは十畳か十二畳ぐらいで、中央に木製のテーブルセットがあり、壁には二段ベッドが二つ作られていた。登山家は四人のチームで山登りしたんだろうか。確かに霊山に一人で来るのは無謀すぎる。
私は爽真の背中から降ろしてもらい、ハル様の方へペタペタと近寄った。
「寒くないか?」
「大丈夫ですペエ。お疲れさまですペエ」
ちょっと背伸びしてハル様の背中をさすってあげていると、ネネさんが鍋を持ってきて薪ストーブの上に置く。いい匂いがする鍋だ。
「ブルギーニュのコックが作ってくれた料理です。あとは温めるだけで食べられますよ」
「わぁい、ご飯だペ! ありがとペエ!」
「俺もコックから大量のパンを持たされたんだ。ペペに食わせて欲しいという伝言つきで」
ハル様は私を抱っこして椅子に座らせると、テーブルにナプキンを広げて収納魔法からごろごろと大量のパンを出した。私の大好きなクルミ入りのパンもある。
さらに皿や食器も並べられ、ストーブで温められたスープが食卓にやってきた。お楽しみの食事の時間だ。もうお腹ぺこぺこだ。
「簡単なようだが実はかなり難しいんだ。蝙蝠が死ぬ瞬間が一秒でもずれると残ったのがまた増えるし、プロクスの魔力が尽きたらこの作戦は使えなくなる。かなりの出力で魔法を放つ必要があるんだ。以前この蝙蝠に出会った時は、三人の魔法士で一気に魔法を放ってもらった」
「うへぇ……。蝙蝠がいる空間を、一秒以内にまんべんなく高温にしないといけないのか。めちゃくちゃ難しそう」
「この結界から外側の結界までは……およそ296.283ですね。探知完了しました。多少の誤差は出るかもですが、一秒以内なら何とかなるでしょう」
「じゃあ行くぞ。三、二、一……」
ゼロ、の言葉と同時にネネさんが結界の一部に杖を突っ込んだ。杖が突き刺さった部分だけジェルのようにぶよっと盛り上がっている。
「爆ぜろ、業火よ。燃やし尽くせ!」
ネネさんが唱えた途端、杖からカッと閃光が走った。周囲の温度が一気に上昇し、視界のすべてが真紅に染まる。マグマの中に落ちたのかと錯覚してしまう光景だ。
そしてほんの一瞬で炎は消え、焼け野原だけが残された。蒸し料理なんて可愛いものじゃなかった。爽真が呆然と呟いている。
「すげえ……。一瞬で黒こげだ」
相当な高温だったのか、幹の太い大木以外は炭も残っていなかった。黒焦げになった木だけがぽつん、ぽつんと寂しそうに立つだけだ。
作戦どおり蝙蝠は全滅したようだけど、焼け野原になった森を見てネネさんがばつの悪そうな顔をしている。
「少しやりすぎたでしょうか。あまり燃やすと、土砂崩れの原因になると先生にも注意を受けたのですが……」
「心配しなくていい。ここは霊山だからな」
ハル様は軽い口調で言い、降りてきたプロクスの頭を撫でている。しかもプロクスが帰ったあとは、気にする事もなく黒焦げの野原を歩き出した。霊山だからな、ってどういう意味だろう。
私たちも不思議に思いつつ後に続いたけど、その変化はすぐに始まった。
「え……ええ? 嘘だろ?」
「爽真、どうしたペ?」
「足元から、草が……」
草? 草なんか枯れたんじゃなかったの?
爽真と同じように地面を見下ろすと、緑色の点が無数に散らばっていた。点はあっという間に大きくなり、ようやく植物の芽だと気づいたころには爽真の膝ぐらいまで木が伸びている。
歩いている数分の内に小さな木は爽真を追い越し、とうとう元通りの大きさにまで生長してしまった。再生した森を見たネネさんが興奮している。
「これは凄いレポートが書けそうですよ……! さすが霊山です! 恐るべき再生力!」
「こういうの見ると、本当に神様がいるのかと思うペエ」
「マジで地球じゃない……。何の神が支配してんのかな。もののけ的な奴?」
「まだ春先なせいか、すでに日が傾いてるな。日没する前に山小屋へ行こう」
前を歩いていたハル様が足を止めて、変なことを言い出した。山小屋ってそんな馬鹿な。ここは怖い聖獣(私だけど)がいる霊山なのに。
「公爵様……。山小屋なんて本当にあるんすか? ここは霊山なのに?」
「それがあるんだ。本当に」
「あ、私もその山小屋の話を本で読みました。昔、著名な登山家デニス・コッポラ氏が霊山オンブラフルに山小屋を作らせてくれと、各国の王に呼びかけたんだそうです。なんでそんなに山に登りたいのかと王に聞かれた彼は、ただひと言――『山が呼んでいるからだ』と答えたそうで」
「どっかで聞いた話ペエ……」
「でもこの島って、本当は魔物が多いんだろ。俺達が普通に歩いてるのは聖獣と一緒だからだよな。聖獣なしで山登りなんか無理なんじゃ……」
「それが不思議な事に、登山家は聖獣の保護を受けて無事に山に登ったそうなんですよ。その時の様子を詳しく記した本が残っています。でも霊山は標高が高すぎるので、六合目付近で諦めて帰ってきたとか」
「聖獣って何を考えてるのか分からないペエ」
「今はおまえがその聖獣じゃねぇか。…………はっ!」
ふと視線を上げれば、またハル様がじっとりした目で爽真と私を見ている。爽真が小声で「やばっ」と呟いた。
「違いますよぉ! 今のはただの友人の会話です! ただの! 友人!」
「……とにかく山小屋に行こう。野宿するよりずっといいはずだ。ネネリム殿だって、魔力が尽きかけているだろう」
「バレちゃいましたか。まぁ秘密兵器を飲めば魔力は回復するんですが、体の疲れはさすがに取れませんからね。そろそろ休みたいですね」
「もう少しで着くはずだ。あぁほら、見えてきた」
ハル様が指差す丘の上に、小さな山小屋がある。木で作られた普通の山小屋だ。よくこんな怖い山に小屋なんか作ったなあと逆に感心してしまう。
丘を登るうちにだんだん坂がきつくなったけれど、私たちは自然と早歩きになり、うきうきした気持ちで山小屋に到着した。
「着いたぁー! ……ぐへっ! ぶしゅっ!」
勢いよくドアを開けた爽真は内部の埃を吸って派手なくしゃみを連発したものの、ふいっと手を振って掃除を済ませてしまった。信じられなくて二度見状態。
「爽真、魔法が使えるペエ?」
「賢者レゲに習ったんだ。簡単な魔法ぐらいは俺も使わないとな」
ぐぬぬぅ、悔しい。でも背中を借りてる身としては大人しくするしかない。ずっとおんぶしてもらってたし。
歯軋りしている間にネネさんが山小屋に結界を張り、ハル様は収納魔法から薪を出して隅に置かれた薪ストーブにくべている。
部屋の広さは十畳か十二畳ぐらいで、中央に木製のテーブルセットがあり、壁には二段ベッドが二つ作られていた。登山家は四人のチームで山登りしたんだろうか。確かに霊山に一人で来るのは無謀すぎる。
私は爽真の背中から降ろしてもらい、ハル様の方へペタペタと近寄った。
「寒くないか?」
「大丈夫ですペエ。お疲れさまですペエ」
ちょっと背伸びしてハル様の背中をさすってあげていると、ネネさんが鍋を持ってきて薪ストーブの上に置く。いい匂いがする鍋だ。
「ブルギーニュのコックが作ってくれた料理です。あとは温めるだけで食べられますよ」
「わぁい、ご飯だペ! ありがとペエ!」
「俺もコックから大量のパンを持たされたんだ。ペペに食わせて欲しいという伝言つきで」
ハル様は私を抱っこして椅子に座らせると、テーブルにナプキンを広げて収納魔法からごろごろと大量のパンを出した。私の大好きなクルミ入りのパンもある。
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