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12 神託
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そして空間は元の真っ白な世界へと変わった。
セイラは俯いて、視線を自分の足元へ落とした。
「…………」
何の言葉も出てこない。
クロノスと知り合ったのはつい昨日のことだけど、彼が楽しそうに笑っている時でさえ、その瞳には何の感情も浮かんでいないのが怖かった。
なんでこの人の目はこんなに空っぽなんだろうと不思議だった。
そっと目を閉じると、八歳のクロノスの顔が見えてくる。
見開いた目に、ナイフと血を流して倒れる母だけを映した彼の顔が……。
〈クロノスは恐らく、いまだに母の愛を求めています。彼が女性に対して異常な執着を見せるのは、愛されたいと思う心の裏返しなのでしょう〉
「そう……でしょうね。最後までお母さんに愛されたいと思っていたでしょうから……」
その母を自分が殺すことになるとは想像もしていなかっただろう。
「わたし……旦那さまの傍にいます。この気持ちは同情なのかもしれないけど、それでも……少しでも旦那さまの心を癒してあげたい。彼を愛したいです……」
自分はクロノスに同情している。それは疑いようもない真実だ。
でも、ここから気持ちを育てることもできるんじゃないかと思うのだ。
〈ありがとう、セイラ。この夢から覚めたら大神官に法具をもらってください。それがあなたの道しるべとなるはずです〉
「法具? どんなものなんですか?」
〈鎖の付いた水晶なのですが、二人の愛の深さによって色が変わります。最初は青、そして緑になり、黄緑、黄色……二人が心から愛し合うことが出来たとき、真っ白に変わります。それに呼応するように、結界も少しずつ元に戻ります〉
「分かりました。ありがとうございます」
〈クロノスがあなたを心配しているようですから、そろそろ戻った方がいいでしょう。結界がもつのはあと一年程です。なるべく急いでください……では、健闘を祈ります〉
「えっ、一年!? ちょ、待ってくださ……」
セイラが女神に向かって伸ばした手も虚しく、パチン!としゃぼん玉が弾けるような音がして目が覚めた。
目の前に、嫌になるぐらい綺麗な顔がある。長い銀の睫毛を数えられそうなほど近い。
「うわっ」
「……うわって、君ね……。ずい分うなされてたから心配したのに」
「す、すみません」
うなされてたのは、あなたの過去を見てたからなんですけども。
セイラは改めてクロノスを見た。八歳の彼は少女のように見えたけど、今はどこから見ても立派な成人男性だ。がっしりした肩や厚い胸板からは、あの小さなクロノスを感じ取ることはできない。
でも八歳のクロノスは確かに今の彼に繋がっている。どれだけ体が成長しても、彼の空虚な瞳は同じだから。
じっと見ているセイラをどう思ったのか、クロノスはいきなり口付けてきた。
「んんっ…………ちょ、ちょっと旦那さま! ここ神殿の中ですよ!」
「いや、じっと見てくるからキスして欲しいのかと思って」
「違います!」
ああ、この人を愛そうと誓ったばかりなのに。
先が思いやられる。
はあ、と溜め息をついて顔を上げると、大神官と若い神官が顔を赤らめて気まずそうにしているのが見えた。
すみません、本当にすみません。
セイラは気を取り直して言った。
「あのう、女神さまから法具のことを聞いたのですが……」
「おお、やはりですか! 伝記の通りだ!」
大神官は壁際のテーブルまで行くと、その上にあった木箱を持って戻ってきた。
そしてセイラに見せるように木箱を開ける。
中には白いハンカチに包まれた水晶のネックレスが入っていた。
「これが法具なのですか? 大神官さまが仰ってた伝記というのは何でしょう?」
「三百年前に現れた巫女さまは伝記を残してくださったのです。それにはこの法具のことも書いてありまして、青い水晶が真っ白になった時に結界が戻ったと……そのように記されております。ただ、どうして色が変わるのかは何故か書かれていないのです」
「そ、そうですか……。女神さまは、聖なる力が高まると色が変わると仰ってたような気がします」
まさか愛の力です、なんて言えない。
そんなことを言ったらクロノスに全ての事情を話すことになってしまう。
義務のような愛はいやだ。そんなものは真実の愛とは言えない。
何も知らないままセイラを好きになってほしいのだから。
セイラは法具を手に取り、頭から鎖を通した。青い水晶が胸元できらきら光っている。
「へえ。すごく綺麗だね。君の髪と瞳の色にも合ってる」
ひとの胸元に堂々と手を伸ばして、水晶をいじくっているクロノス。少しは遠慮してほしい。この人はセイラのことを完全に自分の物だと思っている。
「そろそろ城に戻ろう。君もお腹が空いただろう?」
「あ、はい。そうですね」
寝ていただけとは言え、女神の空間ではかなり精神に負担があったと思う。疲れたし、お腹がぺこぺこだ。
セイラはクロノスの腕の中で馬に揺られながら、黒い森をもう一度見回した。
「眠りの森も旦那さまの領地なのですか?」
「いいや。眠りの森は国王の直轄地になっている。でもその隣は俺の領地だから、陛下は君の世話を俺に命じたんだよ。俺なら君をすぐに神殿に連れてってやれるからね」
「ああ、だから……」
コルバルの王はきっと最初から巫女をクロノスの妻にするつもりだったに違いない。
夫婦でなんとかしろと言われている気がする。
どのみちセイラが失敗すればコルバルもシュレフも……世界中の国に魔物が溢れてしまう。
そうなる前にクロノスに愛してもらわなければ。
わたしはこの人を好きになれそうなんだけどなあ。
今のクロノスは恐らく、セイラをお気に入りの玩具かペットのようにしか思っていない。対等の相手として自分を愛してもらうにはどうすればいいんだろう。
女神さまはクロノスに関して、いまだに母の愛を求めている、と言っていた。
まずはその気持ちを満たしてあげればいいんだろうか?
セイラは俯いて、視線を自分の足元へ落とした。
「…………」
何の言葉も出てこない。
クロノスと知り合ったのはつい昨日のことだけど、彼が楽しそうに笑っている時でさえ、その瞳には何の感情も浮かんでいないのが怖かった。
なんでこの人の目はこんなに空っぽなんだろうと不思議だった。
そっと目を閉じると、八歳のクロノスの顔が見えてくる。
見開いた目に、ナイフと血を流して倒れる母だけを映した彼の顔が……。
〈クロノスは恐らく、いまだに母の愛を求めています。彼が女性に対して異常な執着を見せるのは、愛されたいと思う心の裏返しなのでしょう〉
「そう……でしょうね。最後までお母さんに愛されたいと思っていたでしょうから……」
その母を自分が殺すことになるとは想像もしていなかっただろう。
「わたし……旦那さまの傍にいます。この気持ちは同情なのかもしれないけど、それでも……少しでも旦那さまの心を癒してあげたい。彼を愛したいです……」
自分はクロノスに同情している。それは疑いようもない真実だ。
でも、ここから気持ちを育てることもできるんじゃないかと思うのだ。
〈ありがとう、セイラ。この夢から覚めたら大神官に法具をもらってください。それがあなたの道しるべとなるはずです〉
「法具? どんなものなんですか?」
〈鎖の付いた水晶なのですが、二人の愛の深さによって色が変わります。最初は青、そして緑になり、黄緑、黄色……二人が心から愛し合うことが出来たとき、真っ白に変わります。それに呼応するように、結界も少しずつ元に戻ります〉
「分かりました。ありがとうございます」
〈クロノスがあなたを心配しているようですから、そろそろ戻った方がいいでしょう。結界がもつのはあと一年程です。なるべく急いでください……では、健闘を祈ります〉
「えっ、一年!? ちょ、待ってくださ……」
セイラが女神に向かって伸ばした手も虚しく、パチン!としゃぼん玉が弾けるような音がして目が覚めた。
目の前に、嫌になるぐらい綺麗な顔がある。長い銀の睫毛を数えられそうなほど近い。
「うわっ」
「……うわって、君ね……。ずい分うなされてたから心配したのに」
「す、すみません」
うなされてたのは、あなたの過去を見てたからなんですけども。
セイラは改めてクロノスを見た。八歳の彼は少女のように見えたけど、今はどこから見ても立派な成人男性だ。がっしりした肩や厚い胸板からは、あの小さなクロノスを感じ取ることはできない。
でも八歳のクロノスは確かに今の彼に繋がっている。どれだけ体が成長しても、彼の空虚な瞳は同じだから。
じっと見ているセイラをどう思ったのか、クロノスはいきなり口付けてきた。
「んんっ…………ちょ、ちょっと旦那さま! ここ神殿の中ですよ!」
「いや、じっと見てくるからキスして欲しいのかと思って」
「違います!」
ああ、この人を愛そうと誓ったばかりなのに。
先が思いやられる。
はあ、と溜め息をついて顔を上げると、大神官と若い神官が顔を赤らめて気まずそうにしているのが見えた。
すみません、本当にすみません。
セイラは気を取り直して言った。
「あのう、女神さまから法具のことを聞いたのですが……」
「おお、やはりですか! 伝記の通りだ!」
大神官は壁際のテーブルまで行くと、その上にあった木箱を持って戻ってきた。
そしてセイラに見せるように木箱を開ける。
中には白いハンカチに包まれた水晶のネックレスが入っていた。
「これが法具なのですか? 大神官さまが仰ってた伝記というのは何でしょう?」
「三百年前に現れた巫女さまは伝記を残してくださったのです。それにはこの法具のことも書いてありまして、青い水晶が真っ白になった時に結界が戻ったと……そのように記されております。ただ、どうして色が変わるのかは何故か書かれていないのです」
「そ、そうですか……。女神さまは、聖なる力が高まると色が変わると仰ってたような気がします」
まさか愛の力です、なんて言えない。
そんなことを言ったらクロノスに全ての事情を話すことになってしまう。
義務のような愛はいやだ。そんなものは真実の愛とは言えない。
何も知らないままセイラを好きになってほしいのだから。
セイラは法具を手に取り、頭から鎖を通した。青い水晶が胸元できらきら光っている。
「へえ。すごく綺麗だね。君の髪と瞳の色にも合ってる」
ひとの胸元に堂々と手を伸ばして、水晶をいじくっているクロノス。少しは遠慮してほしい。この人はセイラのことを完全に自分の物だと思っている。
「そろそろ城に戻ろう。君もお腹が空いただろう?」
「あ、はい。そうですね」
寝ていただけとは言え、女神の空間ではかなり精神に負担があったと思う。疲れたし、お腹がぺこぺこだ。
セイラはクロノスの腕の中で馬に揺られながら、黒い森をもう一度見回した。
「眠りの森も旦那さまの領地なのですか?」
「いいや。眠りの森は国王の直轄地になっている。でもその隣は俺の領地だから、陛下は君の世話を俺に命じたんだよ。俺なら君をすぐに神殿に連れてってやれるからね」
「ああ、だから……」
コルバルの王はきっと最初から巫女をクロノスの妻にするつもりだったに違いない。
夫婦でなんとかしろと言われている気がする。
どのみちセイラが失敗すればコルバルもシュレフも……世界中の国に魔物が溢れてしまう。
そうなる前にクロノスに愛してもらわなければ。
わたしはこの人を好きになれそうなんだけどなあ。
今のクロノスは恐らく、セイラをお気に入りの玩具かペットのようにしか思っていない。対等の相手として自分を愛してもらうにはどうすればいいんだろう。
女神さまはクロノスに関して、いまだに母の愛を求めている、と言っていた。
まずはその気持ちを満たしてあげればいいんだろうか?
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