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33 ダリオの証言
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ひと月たった。わたしは大学の食堂から紅葉した木々を見ている。研究も落ち着き、考え事をする余裕も出てきた。
ジオルドはロザンヌへ宣告した通り、モルダー伯爵家への融資を打ち切ったらしい。金の流れが止まった伯爵家は転がり落ちるように没落し、屋敷も今は別の人間が管理している。モルダー伯爵の領地はジオルドのものになったので、彼は信用できる配下を遣わして領地経営を任せたのだ。
モルダー伯爵の一族がどうなったのか詳しくは知らないが、ロザンヌによく似た女性と太った男が下町で働く姿を見たという人もいる。
ジオルドは屋敷に来たディアン様と「うまく行ったな」と話していた。モルダー伯爵はジオルドの父の代から繋がりがあったらしいが、借金を積みかさね続ける伯爵がジオルドには邪魔だったのだ。
これで残るはノイドール伯爵だけだな、と楽しそうに笑っていた。
なんて恐ろしい男たちだろう。バレン様とは全然ちがう。彼にはあんなドロドロした世界は似合わない。やっぱり医師になった方がいいと思う。
「なに考えてるの?」
わたしの隣にマーガレットが飲み物を持って座った。今日はバレン様は大学を休んでいる。王位継承権を放棄する手続きを進めるために、貴族たちへ挨拶しに行ったらしい。何の反発もなく継承権を棄てるには根回しが必要なのだ。
「貴族も王族も大変だよね……」
しみじみ言うと、マーガレットはうんうんと頷いた。
「先月、バレンの祝宴があったでしょ」
「うん」
「あの時もね、バレンはずっと貴族へ挨拶回りしてたよ。私は後ろでニコニコしてただけだけど、バレンすっごく大変そうだった」
「やっぱりねえ」
「公爵さまも大変そうだったよ」
「えっ何が?」
急に話がジオルドの事になったので、思わずマーガレットのくりくりした目を見つめてしまう。
「公爵さま、ノアと別れてからダンスしっぱなしだったよ。次から次へと女性が集まってきて、休む暇もなく踊らされてる感じでさ。公爵さまって美形だし、まだ若くて未婚だからね……」
「へ、へえ」
だから助けに来るのが遅れたのかな。
マーガレットは何かを思い出したのか、ふふっと笑っている。
「でもね、面白いの。ノアと踊っている時は笑ってたのに、他の女性と踊ってる間はすごい無愛想な顔してらっしゃって。ハイ次、ハイ次、って流れ作業みたいに踊ってたよ」
確かに面白そうな光景だ。わたしも見たかったな。
マーガレットはふと真面目な顔になり、わたしの方へ向き合った。
「だから、ノア」
「は、はい?」
「ちゃんと公爵さまを捕まえておかないとさ。ノアももう貴族だし、二人を遮るものは何もないんだよ。公爵さまモテモテだから、ほっといたら誰かと結婚しちゃうかも。ノアと公爵さまって相思相愛に見えるのに、どうして婚約も結婚もしてないの?」
「…………わたしにも分かりません」
“相思相愛”の言葉がガツンと頭に響いた。相思相愛。そうしそうあい?
誰と誰が―――わたしとジオルド?
この一ヶ月、ずっと同じ事を考えている。ジオルドはわたしの事をどう思ってるのかな、とか。わたしは彼とどうなりたいのかな、とか。
ジオルドが本当にわたしを好きなら、婚約でも何でもしているはずでしょ。でも彼はわたしに対して何も言ってこない。という事は、ジオルドはわたしの事なんか好きでも何でもないのだ。
昼休憩が終わり、マーガレットは講義に行ってしまった。わたしは空き時間なので、まだ食堂でぼーっとしている。
本当はジオルドに聞くべきなのかも。あなたはわたしを自由にする気があるのかと。結婚願望があるわけじゃないけど、今みたいな中途半端な状態がずっと続くのは嫌だな……。
窓の向こうでは誰かが大きな箱を運んでいる。わたしは慌てて立ち上がり、食堂を出て駆け出した。
「ダリオ!」
「うっ、ノア……なんだよ」
「ちょっと話したい事があるの。少しでいいから」
「わ、分かったよ」
ダリオは職場の先輩に一声かけてからわたしの方へ戻ってきた。植え込みの傍にある石のベンチに並んで座る。お尻が冷たいけど少しの我慢だ。
「あんた、前にわたしの最後の仕事を気にしてたよね。どうして知ってるの? あの仕事は依頼人しか知らないはずなのに」
ダリオはきょろきょろと周囲の様子を伺い、小さな声でわたしに言った。
「誰にも言うなよ。あの仕事、実は俺がモルダー伯爵に持ちかけたんだ」
「はあ? ど、どういう事!?」
「しっ、声が大きい。あの怖い男がどっかで聞いてたらどうすんだよ」
「怖い男って誰よ。まあいいわ、どうしてあんたが伯爵と繋がってたわけ?」
「いや、あの……お前との婚約を勝手に破棄したから、そのお詫びになるかと思って……」
さっきから全然わたしを見ようともしない。そわそわと落ち着きもないし、どうも様子がおかしい。
「ねえ、なんで婚約を破棄したの?」
ダリオの体がびくりと大きく震えた。ようやくわたしの方を見た彼の顔は青ざめていて、何かに怯えているような様子だった。
「誰にも言わないから、教えてよ」
「…………。お前と婚約してからも、俺はときどき娼館に遊びに行ってたんだ。お、怒るなよ。今では悪かったと思ってるからさ。で、そこで俺の婚約者はノアっていう少し変わった名前なんだ、という話を他の客にしたんだよ」
―――娼館。まさか……。
「そしたら客の一人が、いきなり俺の胸倉を掴んで路地裏に引きずり込んでさ。ノアと言ったな、その女は今どこにいる?って脅してきたんだ。ものすごい風魔術の使い手で、ギリギリ急所を外すみたいな斬り方をされた」
「その男、プラチナブロンドじゃなかった? 瞳は黒に近い紺色で……」
「そっそうそう! なんだ、知り合いなのかよ。とにかく、そんな危ねえ奴にお前の居場所は教えられないだろ。だから俺も言えねえ、ってそいつに言ったんだ。本気で死ぬかと思ったぜ」
「その男に、婚約破棄しろって言われたの?」
「うん。命は助けてやるから、婚約を破棄しろと。そして、モルダー伯爵にお前のことを紹介しろと言われた。伯爵は惚れ薬を欲しがっているからちょうどいいだろう、って。めちゃくちゃ美形な男だったけど、あれは間違いなくどっか切れてるぜ。でもまあ、お前も無事みたいでよかったよ」
その出来事を思い出したのか、ダリオはぶるっと身を震わせて自分の体を抱きしめた。わたしは彼にお礼を言って立ち上がり、建物へ向かって歩き出す。ダリオもわたしに「気をつけろよ」と告げ、仕事に戻っていった。
ジオルドはロザンヌへ宣告した通り、モルダー伯爵家への融資を打ち切ったらしい。金の流れが止まった伯爵家は転がり落ちるように没落し、屋敷も今は別の人間が管理している。モルダー伯爵の領地はジオルドのものになったので、彼は信用できる配下を遣わして領地経営を任せたのだ。
モルダー伯爵の一族がどうなったのか詳しくは知らないが、ロザンヌによく似た女性と太った男が下町で働く姿を見たという人もいる。
ジオルドは屋敷に来たディアン様と「うまく行ったな」と話していた。モルダー伯爵はジオルドの父の代から繋がりがあったらしいが、借金を積みかさね続ける伯爵がジオルドには邪魔だったのだ。
これで残るはノイドール伯爵だけだな、と楽しそうに笑っていた。
なんて恐ろしい男たちだろう。バレン様とは全然ちがう。彼にはあんなドロドロした世界は似合わない。やっぱり医師になった方がいいと思う。
「なに考えてるの?」
わたしの隣にマーガレットが飲み物を持って座った。今日はバレン様は大学を休んでいる。王位継承権を放棄する手続きを進めるために、貴族たちへ挨拶しに行ったらしい。何の反発もなく継承権を棄てるには根回しが必要なのだ。
「貴族も王族も大変だよね……」
しみじみ言うと、マーガレットはうんうんと頷いた。
「先月、バレンの祝宴があったでしょ」
「うん」
「あの時もね、バレンはずっと貴族へ挨拶回りしてたよ。私は後ろでニコニコしてただけだけど、バレンすっごく大変そうだった」
「やっぱりねえ」
「公爵さまも大変そうだったよ」
「えっ何が?」
急に話がジオルドの事になったので、思わずマーガレットのくりくりした目を見つめてしまう。
「公爵さま、ノアと別れてからダンスしっぱなしだったよ。次から次へと女性が集まってきて、休む暇もなく踊らされてる感じでさ。公爵さまって美形だし、まだ若くて未婚だからね……」
「へ、へえ」
だから助けに来るのが遅れたのかな。
マーガレットは何かを思い出したのか、ふふっと笑っている。
「でもね、面白いの。ノアと踊っている時は笑ってたのに、他の女性と踊ってる間はすごい無愛想な顔してらっしゃって。ハイ次、ハイ次、って流れ作業みたいに踊ってたよ」
確かに面白そうな光景だ。わたしも見たかったな。
マーガレットはふと真面目な顔になり、わたしの方へ向き合った。
「だから、ノア」
「は、はい?」
「ちゃんと公爵さまを捕まえておかないとさ。ノアももう貴族だし、二人を遮るものは何もないんだよ。公爵さまモテモテだから、ほっといたら誰かと結婚しちゃうかも。ノアと公爵さまって相思相愛に見えるのに、どうして婚約も結婚もしてないの?」
「…………わたしにも分かりません」
“相思相愛”の言葉がガツンと頭に響いた。相思相愛。そうしそうあい?
誰と誰が―――わたしとジオルド?
この一ヶ月、ずっと同じ事を考えている。ジオルドはわたしの事をどう思ってるのかな、とか。わたしは彼とどうなりたいのかな、とか。
ジオルドが本当にわたしを好きなら、婚約でも何でもしているはずでしょ。でも彼はわたしに対して何も言ってこない。という事は、ジオルドはわたしの事なんか好きでも何でもないのだ。
昼休憩が終わり、マーガレットは講義に行ってしまった。わたしは空き時間なので、まだ食堂でぼーっとしている。
本当はジオルドに聞くべきなのかも。あなたはわたしを自由にする気があるのかと。結婚願望があるわけじゃないけど、今みたいな中途半端な状態がずっと続くのは嫌だな……。
窓の向こうでは誰かが大きな箱を運んでいる。わたしは慌てて立ち上がり、食堂を出て駆け出した。
「ダリオ!」
「うっ、ノア……なんだよ」
「ちょっと話したい事があるの。少しでいいから」
「わ、分かったよ」
ダリオは職場の先輩に一声かけてからわたしの方へ戻ってきた。植え込みの傍にある石のベンチに並んで座る。お尻が冷たいけど少しの我慢だ。
「あんた、前にわたしの最後の仕事を気にしてたよね。どうして知ってるの? あの仕事は依頼人しか知らないはずなのに」
ダリオはきょろきょろと周囲の様子を伺い、小さな声でわたしに言った。
「誰にも言うなよ。あの仕事、実は俺がモルダー伯爵に持ちかけたんだ」
「はあ? ど、どういう事!?」
「しっ、声が大きい。あの怖い男がどっかで聞いてたらどうすんだよ」
「怖い男って誰よ。まあいいわ、どうしてあんたが伯爵と繋がってたわけ?」
「いや、あの……お前との婚約を勝手に破棄したから、そのお詫びになるかと思って……」
さっきから全然わたしを見ようともしない。そわそわと落ち着きもないし、どうも様子がおかしい。
「ねえ、なんで婚約を破棄したの?」
ダリオの体がびくりと大きく震えた。ようやくわたしの方を見た彼の顔は青ざめていて、何かに怯えているような様子だった。
「誰にも言わないから、教えてよ」
「…………。お前と婚約してからも、俺はときどき娼館に遊びに行ってたんだ。お、怒るなよ。今では悪かったと思ってるからさ。で、そこで俺の婚約者はノアっていう少し変わった名前なんだ、という話を他の客にしたんだよ」
―――娼館。まさか……。
「そしたら客の一人が、いきなり俺の胸倉を掴んで路地裏に引きずり込んでさ。ノアと言ったな、その女は今どこにいる?って脅してきたんだ。ものすごい風魔術の使い手で、ギリギリ急所を外すみたいな斬り方をされた」
「その男、プラチナブロンドじゃなかった? 瞳は黒に近い紺色で……」
「そっそうそう! なんだ、知り合いなのかよ。とにかく、そんな危ねえ奴にお前の居場所は教えられないだろ。だから俺も言えねえ、ってそいつに言ったんだ。本気で死ぬかと思ったぜ」
「その男に、婚約破棄しろって言われたの?」
「うん。命は助けてやるから、婚約を破棄しろと。そして、モルダー伯爵にお前のことを紹介しろと言われた。伯爵は惚れ薬を欲しがっているからちょうどいいだろう、って。めちゃくちゃ美形な男だったけど、あれは間違いなくどっか切れてるぜ。でもまあ、お前も無事みたいでよかったよ」
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