6 / 38
6 髪を切ってやろう
しおりを挟む
目が覚めるとすでに昼近かった。ふかふかと柔らかいベッドの上で体を伸ばし、着替えるためにクローゼットを開ける。
昨晩から違和感があったが、このクローゼットは何かおかしい。
普通、客室に下着なんて置いていないはずだ。普段着や寝間着はともかく、数日泊まるだけの客なら自分の下着は用意するだろうから。
この部屋は何なのだろう。ジオルドが婚約者のために用意した部屋なんだろうか?
フォックス公爵に婚約者がいたなんて聞いたこともないけれど、用意だけはしていたのかもしれない。
だから何となく居心地が悪い。本来この部屋を使うべき人物の居場所を横取りしたみたいで。
わたしはクローゼットの中から白いブラウスと青色の長いスカートを取り出して身につけた。家に帰れないのだから、借りるぐらいは許されるだろう。
部屋から出ようとした所、見計らったようなタイミングでシュウがやって来た。
「おはようございます、ノア様」
「はぁ、どうも……」
シュウが用意した水で顔を洗い、部屋の中で朝食を取る。久しぶりのまともな食事だ。分厚く切られたベーコンに焼いた卵、木の実が入ったパン、新鮮なフルーツ……。わたしは夢中で食べた。
ああ美味しい。胃袋に染み渡るみたいだ。
それにしても、この屋敷の中は不思議と暑さを感じない。今は初秋とは言え昼間は気温が高くなるはずだし、窓も閉め切っているのに。
シュウに尋ねると、「屋敷内は魔術回路のおかげで年中心地よく過ごせるのです」との事だった。公爵家ともなると屋敷まるごと空調してしまうものなのか。
どこで制御しているんだろう。エネルギーは魔力結晶なんだろうか。わたしの専門は薬学だけど、魔術工学にも興味があるから見せてもらいたいな……。
食事を終えてお茶を飲んでいると、シュウはテーブルの上に本を三冊置いた。タイトルは全て同じで、『令嬢アレクサンドラの波乱万丈な生涯』。著者はフリードという名前の人物だ。どうやら続き物らしい。
「……なんですか、これは」
「ジオルド様からの伝言です。この本を読んでおけ、と」
どうせなら医学書か薬学書が良かった。なんでこんな若い女性向けの本をジオルドが持っているんだろう。タイトルからして奴の趣味から外れていると思うんだけど。
「分かりました。とりあえず読んでみます」
シュウは「失礼します」と言って部屋から出て行った。
わたしは本を読もうと表紙をめくってみた。でも数ページ読んだところで手は止まってしまった。気になる事が多すぎて、物語に集中できない。
モルダー伯爵から受けた今回の依頼は成功してから報酬を受け取る手はずだった。それに関しては別に問題ない。前金も受け取っていないのだから、違約金が発生することもないし。
でもわたしが住んでいた賃貸の部屋はどうなるんだろう。魔術薬や魔道具、大切な資料も置きっぱなしだ。服や家具なんかどうでもいいけど、父と母が残した研究資料だけは取りに戻りたい。
理由を話したら家に帰してもらえるだろうか。元婚約者のダリオは―――あてに出来ないだろうな。わたしの事なんか気にも留めずに仕事してそうだ。
部屋のドアを開けてみた。廊下はひっそりとしていて人の気配が全くない。こんなに広い屋敷なのに使用人の姿が無いのは不気味だ。
フォックス公爵が人間嫌いというのは首都でも有名な話だけど、シュウに家事をさせてるのかな。
せっかくの上位精霊に家事させるとか……。
「どこへ行く?」
「ひっ」
いつの間にか背後にジオルドが立っている。気配を消して忍び寄るのはやめて欲しい。
奴はわたしの背中を押して部屋に戻らせた。バタンとドアを閉じたあと、わたしの体を上から下まで舐めるように見ている。
「なんでそんな地味な服を着てるんだ」
「か、借り物なのにお洒落する訳にはいかないでしょう。それより公爵さま、いちど家に帰してもらえませんか?」
「なぜ?」
「わたしの部屋は借りているだけだし、大切な物を置いたままなんです。魔術薬とか魔道具とか……あと、両親が残してくれた研究資料も」
わたしは仕事で客と対面する時、そして外出する時に、老婆の姿に変わる魔術を仕込んだ指輪を使っていた。
『老婆の指輪』と呼んで大切にしていたのだ。あの指輪のお陰でお客さんに舐められずに済んだし、若い娘でも一人暮らしして来れたのだと思う。
それに、両親が残してくれた資料は命と同じぐらい大切だ。わたしにとって形見のような物だから。
「――分かった。お前の家に関しては俺が何とかしておく。荷物も全てこの屋敷に移そう」
「…………」
本当は自分で取りに戻りたかったけれど、やっぱり駄目だったな……。
俯いて床を見ているとジオルドの長い脚が視界に入った。脚は優雅に動いてわたしの目の前で止まり、次は大きな手が顔の方に伸びてくる。
ジオルドの手の平は硬く、しっかりとした厚い皮膚に覆われていた。わたしを殺すために鍛錬した成果なのかもしれない。公爵さまはいつまでわたしを生かしておくんだろう。
長い指がわたしの顎をつかみ、ゆっくりと顔を上向かせた。濃紺の瞳と視線が合う。公爵は大真面目な顔で、わたしの顔を真正面から見たり横から見たりした。何を考えているのかよく分からない。
「髪の長さがバラバラだな。俺が切ってやろう」
「えっ? あ、ちょっと……」
ほとんど無理やりドレッサーの椅子に座らされた。奴の握力は半端ない。腕を掴まれるとびくともしないのだ。
「こ、公爵さま。髪ぐらい自分で切ります」
「俺を公爵と呼ぶな。ファーストネームで呼べ」
「……お願いします、ジオルド様」
「よろしい」
背後からぞくりとするような冷たい殺気が漂ってくる。もう大人しくしていよう。
刃物を持った危険人物がすぐ後ろに立っているのだ。不用意に動いたらすぱっと切られるかもしれない。後頭部とうなじ付近には生命の根幹が集中している。そんな場所をジオルドの眼前にさらすのは本当に怖かった。
わたしは青色のスカートを握りしめたまま、身じろぎもせずに散髪が終わるのをひたすら待った。背中の後ろからジョキジョキと音が聞こえ、足元に黒い髪の毛が落ちていく。
ジオルドは肩から少し下の辺りで切り揃えている様だった。鏡を見たら奴と視線が合いそうでいやだ。ドレッサーに置いてある櫛とか髪飾りでも見ていよう。
昨晩から違和感があったが、このクローゼットは何かおかしい。
普通、客室に下着なんて置いていないはずだ。普段着や寝間着はともかく、数日泊まるだけの客なら自分の下着は用意するだろうから。
この部屋は何なのだろう。ジオルドが婚約者のために用意した部屋なんだろうか?
フォックス公爵に婚約者がいたなんて聞いたこともないけれど、用意だけはしていたのかもしれない。
だから何となく居心地が悪い。本来この部屋を使うべき人物の居場所を横取りしたみたいで。
わたしはクローゼットの中から白いブラウスと青色の長いスカートを取り出して身につけた。家に帰れないのだから、借りるぐらいは許されるだろう。
部屋から出ようとした所、見計らったようなタイミングでシュウがやって来た。
「おはようございます、ノア様」
「はぁ、どうも……」
シュウが用意した水で顔を洗い、部屋の中で朝食を取る。久しぶりのまともな食事だ。分厚く切られたベーコンに焼いた卵、木の実が入ったパン、新鮮なフルーツ……。わたしは夢中で食べた。
ああ美味しい。胃袋に染み渡るみたいだ。
それにしても、この屋敷の中は不思議と暑さを感じない。今は初秋とは言え昼間は気温が高くなるはずだし、窓も閉め切っているのに。
シュウに尋ねると、「屋敷内は魔術回路のおかげで年中心地よく過ごせるのです」との事だった。公爵家ともなると屋敷まるごと空調してしまうものなのか。
どこで制御しているんだろう。エネルギーは魔力結晶なんだろうか。わたしの専門は薬学だけど、魔術工学にも興味があるから見せてもらいたいな……。
食事を終えてお茶を飲んでいると、シュウはテーブルの上に本を三冊置いた。タイトルは全て同じで、『令嬢アレクサンドラの波乱万丈な生涯』。著者はフリードという名前の人物だ。どうやら続き物らしい。
「……なんですか、これは」
「ジオルド様からの伝言です。この本を読んでおけ、と」
どうせなら医学書か薬学書が良かった。なんでこんな若い女性向けの本をジオルドが持っているんだろう。タイトルからして奴の趣味から外れていると思うんだけど。
「分かりました。とりあえず読んでみます」
シュウは「失礼します」と言って部屋から出て行った。
わたしは本を読もうと表紙をめくってみた。でも数ページ読んだところで手は止まってしまった。気になる事が多すぎて、物語に集中できない。
モルダー伯爵から受けた今回の依頼は成功してから報酬を受け取る手はずだった。それに関しては別に問題ない。前金も受け取っていないのだから、違約金が発生することもないし。
でもわたしが住んでいた賃貸の部屋はどうなるんだろう。魔術薬や魔道具、大切な資料も置きっぱなしだ。服や家具なんかどうでもいいけど、父と母が残した研究資料だけは取りに戻りたい。
理由を話したら家に帰してもらえるだろうか。元婚約者のダリオは―――あてに出来ないだろうな。わたしの事なんか気にも留めずに仕事してそうだ。
部屋のドアを開けてみた。廊下はひっそりとしていて人の気配が全くない。こんなに広い屋敷なのに使用人の姿が無いのは不気味だ。
フォックス公爵が人間嫌いというのは首都でも有名な話だけど、シュウに家事をさせてるのかな。
せっかくの上位精霊に家事させるとか……。
「どこへ行く?」
「ひっ」
いつの間にか背後にジオルドが立っている。気配を消して忍び寄るのはやめて欲しい。
奴はわたしの背中を押して部屋に戻らせた。バタンとドアを閉じたあと、わたしの体を上から下まで舐めるように見ている。
「なんでそんな地味な服を着てるんだ」
「か、借り物なのにお洒落する訳にはいかないでしょう。それより公爵さま、いちど家に帰してもらえませんか?」
「なぜ?」
「わたしの部屋は借りているだけだし、大切な物を置いたままなんです。魔術薬とか魔道具とか……あと、両親が残してくれた研究資料も」
わたしは仕事で客と対面する時、そして外出する時に、老婆の姿に変わる魔術を仕込んだ指輪を使っていた。
『老婆の指輪』と呼んで大切にしていたのだ。あの指輪のお陰でお客さんに舐められずに済んだし、若い娘でも一人暮らしして来れたのだと思う。
それに、両親が残してくれた資料は命と同じぐらい大切だ。わたしにとって形見のような物だから。
「――分かった。お前の家に関しては俺が何とかしておく。荷物も全てこの屋敷に移そう」
「…………」
本当は自分で取りに戻りたかったけれど、やっぱり駄目だったな……。
俯いて床を見ているとジオルドの長い脚が視界に入った。脚は優雅に動いてわたしの目の前で止まり、次は大きな手が顔の方に伸びてくる。
ジオルドの手の平は硬く、しっかりとした厚い皮膚に覆われていた。わたしを殺すために鍛錬した成果なのかもしれない。公爵さまはいつまでわたしを生かしておくんだろう。
長い指がわたしの顎をつかみ、ゆっくりと顔を上向かせた。濃紺の瞳と視線が合う。公爵は大真面目な顔で、わたしの顔を真正面から見たり横から見たりした。何を考えているのかよく分からない。
「髪の長さがバラバラだな。俺が切ってやろう」
「えっ? あ、ちょっと……」
ほとんど無理やりドレッサーの椅子に座らされた。奴の握力は半端ない。腕を掴まれるとびくともしないのだ。
「こ、公爵さま。髪ぐらい自分で切ります」
「俺を公爵と呼ぶな。ファーストネームで呼べ」
「……お願いします、ジオルド様」
「よろしい」
背後からぞくりとするような冷たい殺気が漂ってくる。もう大人しくしていよう。
刃物を持った危険人物がすぐ後ろに立っているのだ。不用意に動いたらすぱっと切られるかもしれない。後頭部とうなじ付近には生命の根幹が集中している。そんな場所をジオルドの眼前にさらすのは本当に怖かった。
わたしは青色のスカートを握りしめたまま、身じろぎもせずに散髪が終わるのをひたすら待った。背中の後ろからジョキジョキと音が聞こえ、足元に黒い髪の毛が落ちていく。
ジオルドは肩から少し下の辺りで切り揃えている様だった。鏡を見たら奴と視線が合いそうでいやだ。ドレッサーに置いてある櫛とか髪飾りでも見ていよう。
11
お気に入りに追加
1,218
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
心を病んだ魔術師さまに執着されてしまった
あーもんど
恋愛
“稀代の天才”と持て囃される魔術師さまの窮地を救ったことで、気に入られてしまった主人公グレイス。
本人は大して気にしていないものの、魔術師さまの言動は常軌を逸していて……?
例えば、子供のようにベッタリ後を付いてきたり……
異性との距離感やボディタッチについて、制限してきたり……
名前で呼んでほしい、と懇願してきたり……
とにかく、グレイスを独り占めしたくて堪らない様子。
さすがのグレイスも、仕事や生活に支障をきたすような要求は断ろうとするが……
「僕のこと、嫌い……?」
「そいつらの方がいいの……?」
「僕は君が居ないと、もう生きていけないのに……」
と、泣き縋られて結局承諾してしまう。
まだ魔術師さまを窮地に追いやったあの事件から日も浅く、かなり情緒不安定だったため。
「────私が魔術師さまをお支えしなければ」
と、グレイスはかなり気負っていた。
────これはメンタルよわよわなエリート魔術師さまを、主人公がひたすらヨシヨシするお話である。
*小説家になろう様にて、先行公開中*
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない
斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。
襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……!
この人本当に旦那さま?
って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる