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5 迷い(ジオルド)
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ノアを部屋から追い出したのち、ジオルドはもう一度シュウを自室へ呼び戻した。
シュウの本来の姿は鷹であるが、執事として仕えるには不都合なので人間の姿に化けさせている。そのシュウは無表情でジオルドの目の前に立っていた。
「お前はノアが屋敷に忍び込んだことに気付いていたんだろう。なぜこの部屋まで通した?」
「ジオルド様のご執心の相手でしたし、動きがド素人だったので放置しました」
シュウはことも無げに言った。全く反省している様子が見られない。精霊には人の心の機微が理解できないのだ。
「……まぁ今回は大目に見よう。お前のおかげでノアに再会できたしな……」
「再会できたのに、なぜ殺さなかったのですか。嬲り殺しにしてやりたいと仰っていたでしょう」
「…………。俺は風呂に入る。ノアの傷を治してやってくれ」
ジオルドは回復魔術が得意ではない。それを知っているシュウは無表情のまま「はい」と返事をした。この精霊は風属性以外でも、簡単な術なら扱える。
ノアの頬や膝の傷も問題なく治癒できるだろう。ジオルドは寝室を出て同じ階にある浴室へ向かった。
体はだるく重かったが、精神はまだ高揚していた。
ノアに会えたのだ。ずっと会いたかった女に会えたのだ。
ジオルドは浴室で体を洗いながら過去を思い出していた。
幼い頃、なぜ父はほとんど家にいないのかと不思議だった。しかし他人の家を覗いたこともないジオルドは母の言葉を信じるしかなかった。「お父さまは忙しいから仕方ないのよ」という母の言葉を。
その言葉に嘘が混じっていると気付いたのは、学校に通うようになってからだ。他の学生たちの会話を聞いている内に、自分の両親は“政略結婚”という物をしたのだと知らされた。
貴族は好きでもない相手と家の都合で結婚しなければならないらしい。その話を聞いた瞬間、ジオルドは結婚というものに対して嫌悪感を持ち、なぜ自分の両親の仲が冷え切っているのかも理解した。
僕は絶対に結婚などしない。大人になったら養子を迎えよう―――。
わずか六歳にして彼はそう決心していた。
一年ぐらいはやる気もなく、気だるい毎日を過ごしていたように思う。ほとんど家にいないくせに「勉強しろ」と言う父と、黙って耐えている母。
馬鹿ばかしい。何のために生きているのか分からない。
家庭をほったらかしにしてまで父が執心している女はどれ程のものなんだ。僕が確かめてやろうじゃないか、と考えたのはさらに一年たった頃だ。
シュウに協力させて父を尾行し、場所をつきとめたジオルドは信じられないものを見た。
小さな診療所で患者の治療をしている美女と、彼女を愛しげに見つめている父。
何だ、あの顔は。僕と母の前ではそんな顔を見せたこともないくせに。
診療所の庭では小さな女の子が土いじりをして遊んでいた。艶のある黒髪に、真紅の瞳をもつ可愛らしい幼女だ。美女とよく似ている。あの女の娘に違いない。
僕が幼女をさらって自分の物にしたら父はどう思うだろう。悔しがるだろうか、それとも今までの事を後悔して謝ってくれるだろうか?
結局その日は何もせずに屋敷へ戻ったが、その後も暇を見つけては診療所へ通い、幼女の姿を観察した。どうやらノアという名前らしい。
ノアか。ノア、早く学校へ来い。僕がお前を可愛がってやろう。
翌年の秋にノアはようやく小等部に入学してきた。ジオルドは親の仇に出会えたような、あるいは自分だけの玩具を手に入れたような興奮を味わっていた。
この少女は僕の物だ。僕だけが好きにしていい特別な女なんだ―――周囲の学生たちにもそう伝わるように振る舞ってきた。
ノアが入学して以来、ジオルドの日々は色彩を取り戻し、生きていると言う実感があった。毎日が楽しかった。
ふっと目を開けると、浴室の明かりが水面に反射してゆらゆらと揺れている。ジオルドは浴槽の中でそれをぼんやりと見つめた。
母は心労がたたって死んでしまったが、死の直前、ジオルドに「あなたは幸せに生きて」と言い残している。それからずっと自分の幸せは何なのかと考えて来た。今でも母の言葉は頭の隅にこびり付いている。
母の死の原因となった親子に復讐することが自分の幸せなのだろうかと思ったこともある。しかしそれを決定づけるだけの勇気を持てないのだ。本当にノアを殺してしまっていいのだろうか。
14歳で母を亡くしてからジオルドは女遊びに耽った。どうせ父は家にいないのだし、散々浮気していた男に咎められる筋合いはないのだから。
だがどれだけ女を抱いたところで心は晴れなかった。柔らかな体に触れれば男として反応はするが、心は冷え切っていて全然興奮しない。自分は病気なのかと思った程だ。
その疑いが消えたのは娼婦を抱きながらノアを思い出した時だった。凪いでいた心が嘘のように沸き立ち、体は如実に反応した。娼婦は自分がジオルドを本気にさせたのだと喜んでいたので何も言わなかったが。
娼婦にノアの面影を重ねないと行為を楽しめない事実など認めたくはない。しかし今夜“本物”に再会したことでジオルドは打ちのめされていた。
もう一度会えたら今度こそ殺してやろうと思っていたのに、侵入者がノアだと分かった瞬間、体の奥底から震えるような歓喜を感じたのだ。
いっその事、本当に閨の相手をさせれば良かった。そうすれば満足して殺す気になったかもしれないのに。
俺はノアをどうしたいのだろう?
恨みを晴らすために、殺してしまいたいのか。
それとも愛を与えて慈しみたいのか。
先ほどシュウはノアの事を「ジオルド様のご執心の相手」と言っていたが正にそうだと思う。
俺はノアに執着している。ノアを見失った三年間は焦燥で気が狂いそうだった。
ならばすぐには殺さずにいてやろう。せいぜい手元で可愛がって、飽きたら捨ててしまえばいい。
ジオルドは浴槽から上がり、布で体をおざなりに拭き、その布を腰に巻きつけたまま廊下に出た。
公爵家の屋敷内は魔術回路が張り巡らされているため、冬だろうと夏だろうと一定の温度と湿度を保っている。風邪を引く心配もない。
自室に戻ってきたジオルドは倒れ込むようにベッドに体を沈めた。明日は何の予定も無い、一日中ノアを構い倒してやろうと思いながら。
シュウの本来の姿は鷹であるが、執事として仕えるには不都合なので人間の姿に化けさせている。そのシュウは無表情でジオルドの目の前に立っていた。
「お前はノアが屋敷に忍び込んだことに気付いていたんだろう。なぜこの部屋まで通した?」
「ジオルド様のご執心の相手でしたし、動きがド素人だったので放置しました」
シュウはことも無げに言った。全く反省している様子が見られない。精霊には人の心の機微が理解できないのだ。
「……まぁ今回は大目に見よう。お前のおかげでノアに再会できたしな……」
「再会できたのに、なぜ殺さなかったのですか。嬲り殺しにしてやりたいと仰っていたでしょう」
「…………。俺は風呂に入る。ノアの傷を治してやってくれ」
ジオルドは回復魔術が得意ではない。それを知っているシュウは無表情のまま「はい」と返事をした。この精霊は風属性以外でも、簡単な術なら扱える。
ノアの頬や膝の傷も問題なく治癒できるだろう。ジオルドは寝室を出て同じ階にある浴室へ向かった。
体はだるく重かったが、精神はまだ高揚していた。
ノアに会えたのだ。ずっと会いたかった女に会えたのだ。
ジオルドは浴室で体を洗いながら過去を思い出していた。
幼い頃、なぜ父はほとんど家にいないのかと不思議だった。しかし他人の家を覗いたこともないジオルドは母の言葉を信じるしかなかった。「お父さまは忙しいから仕方ないのよ」という母の言葉を。
その言葉に嘘が混じっていると気付いたのは、学校に通うようになってからだ。他の学生たちの会話を聞いている内に、自分の両親は“政略結婚”という物をしたのだと知らされた。
貴族は好きでもない相手と家の都合で結婚しなければならないらしい。その話を聞いた瞬間、ジオルドは結婚というものに対して嫌悪感を持ち、なぜ自分の両親の仲が冷え切っているのかも理解した。
僕は絶対に結婚などしない。大人になったら養子を迎えよう―――。
わずか六歳にして彼はそう決心していた。
一年ぐらいはやる気もなく、気だるい毎日を過ごしていたように思う。ほとんど家にいないくせに「勉強しろ」と言う父と、黙って耐えている母。
馬鹿ばかしい。何のために生きているのか分からない。
家庭をほったらかしにしてまで父が執心している女はどれ程のものなんだ。僕が確かめてやろうじゃないか、と考えたのはさらに一年たった頃だ。
シュウに協力させて父を尾行し、場所をつきとめたジオルドは信じられないものを見た。
小さな診療所で患者の治療をしている美女と、彼女を愛しげに見つめている父。
何だ、あの顔は。僕と母の前ではそんな顔を見せたこともないくせに。
診療所の庭では小さな女の子が土いじりをして遊んでいた。艶のある黒髪に、真紅の瞳をもつ可愛らしい幼女だ。美女とよく似ている。あの女の娘に違いない。
僕が幼女をさらって自分の物にしたら父はどう思うだろう。悔しがるだろうか、それとも今までの事を後悔して謝ってくれるだろうか?
結局その日は何もせずに屋敷へ戻ったが、その後も暇を見つけては診療所へ通い、幼女の姿を観察した。どうやらノアという名前らしい。
ノアか。ノア、早く学校へ来い。僕がお前を可愛がってやろう。
翌年の秋にノアはようやく小等部に入学してきた。ジオルドは親の仇に出会えたような、あるいは自分だけの玩具を手に入れたような興奮を味わっていた。
この少女は僕の物だ。僕だけが好きにしていい特別な女なんだ―――周囲の学生たちにもそう伝わるように振る舞ってきた。
ノアが入学して以来、ジオルドの日々は色彩を取り戻し、生きていると言う実感があった。毎日が楽しかった。
ふっと目を開けると、浴室の明かりが水面に反射してゆらゆらと揺れている。ジオルドは浴槽の中でそれをぼんやりと見つめた。
母は心労がたたって死んでしまったが、死の直前、ジオルドに「あなたは幸せに生きて」と言い残している。それからずっと自分の幸せは何なのかと考えて来た。今でも母の言葉は頭の隅にこびり付いている。
母の死の原因となった親子に復讐することが自分の幸せなのだろうかと思ったこともある。しかしそれを決定づけるだけの勇気を持てないのだ。本当にノアを殺してしまっていいのだろうか。
14歳で母を亡くしてからジオルドは女遊びに耽った。どうせ父は家にいないのだし、散々浮気していた男に咎められる筋合いはないのだから。
だがどれだけ女を抱いたところで心は晴れなかった。柔らかな体に触れれば男として反応はするが、心は冷え切っていて全然興奮しない。自分は病気なのかと思った程だ。
その疑いが消えたのは娼婦を抱きながらノアを思い出した時だった。凪いでいた心が嘘のように沸き立ち、体は如実に反応した。娼婦は自分がジオルドを本気にさせたのだと喜んでいたので何も言わなかったが。
娼婦にノアの面影を重ねないと行為を楽しめない事実など認めたくはない。しかし今夜“本物”に再会したことでジオルドは打ちのめされていた。
もう一度会えたら今度こそ殺してやろうと思っていたのに、侵入者がノアだと分かった瞬間、体の奥底から震えるような歓喜を感じたのだ。
いっその事、本当に閨の相手をさせれば良かった。そうすれば満足して殺す気になったかもしれないのに。
俺はノアをどうしたいのだろう?
恨みを晴らすために、殺してしまいたいのか。
それとも愛を与えて慈しみたいのか。
先ほどシュウはノアの事を「ジオルド様のご執心の相手」と言っていたが正にそうだと思う。
俺はノアに執着している。ノアを見失った三年間は焦燥で気が狂いそうだった。
ならばすぐには殺さずにいてやろう。せいぜい手元で可愛がって、飽きたら捨ててしまえばいい。
ジオルドは浴槽から上がり、布で体をおざなりに拭き、その布を腰に巻きつけたまま廊下に出た。
公爵家の屋敷内は魔術回路が張り巡らされているため、冬だろうと夏だろうと一定の温度と湿度を保っている。風邪を引く心配もない。
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