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キュートなSF、悪魔な親友
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ソファを背もたれにして、ラグに両脚を投げ出してぺたんと座り、鹿倉がテレビを見ている。
来てすぐシャワーを浴びて、洗い晒しの髪が乾いてフワフワしていて。
手持ち無沙汰に、長めの袖を指先まで伸ばしてその袖を弄んで。
律がシャワーを浴びて出てくると、そんな鹿倉が振り返った。
「お待たせ」と声をかけると、ふわりと笑う。
何だ、これは。
ほんとに、何なんだ、この可愛い生物は。
律は足早に歩み寄るとソファと鹿倉の間に割り込んだ。
「ええー、この広い部屋で、そこ来るー?」
ぎゅうっと後ろから抱きしめると、くふくふと笑いながらそんな可愛い苦情を言って。
「くっつきたい」
腕の中に収まる鹿倉の首筋に鼻を埋める。
ボディソープの甘い匂いがして、思わずそこを舐めてしまう。
「くすぐったいんだけど」
「でも、キスマークは付けちゃダメ、だろ?」
ちゃんと、弁えているということを主張する。
鹿倉はそれには応えない。
けれど、回していた腕にそっと手を置いた。
「ここでスる?」
「いや。今日は負けない」
やわやわと抱きしめながらも、意思表明。
鹿倉が小さく「ん?」と問う。
「も。かぐちゃん抱けるって、それ思うだけで俺、獣になっちゃってたろ?」
酒を飲みながら、テレビを観ながら、いつだってこのリビングで鹿倉の体温を感じた瞬間から理性が飛んでしまうから、そのまま押し倒してただただその体を貪って。
結局、脱力しきった鹿倉を抱いてベッドに連れて行って眠るだけ、なんて。
二人きりの時間をそんな欲望に任せて過ごすだけなんて、あまりにも自分らしくないと、律は思っていて。
「今日は、ちゃんとスマートにかぐちゃんを楽しみたい」
言うと鹿倉がいつものようにくふくふと笑った。
「俺、動物的に求められんの、嫌じゃないけど」
「大人として、少しはカッコよく決めさせてくれ」
「律はいつでもカッコイイよ?」
「かぐちゃんに言われると、凄い嬉しい」
思わず、抱きしめる手に力が入る。
「で? ベッド、行く?」
「ん、連れてく」
リビングから引戸を開けると寝室があるから、ベッドまではほんの数メートル。
律は鹿倉を横抱きにして連れて行った。
「さすがマッチョ。俺、女子よりは重いと思うんだけど」
「かぐちゃんは軽いよ。もうちょっと栄養採らせないとって、不安になるくらい」
そんな会話だけでベッドに着くから、そっと鹿倉を下ろした。
「あー、失敗」
「え?」
「ベッドカバー、捲っとけばよかった。スマートじゃねーな」
本当はそのままベッドに横たわらせたかったから、律が口を尖らせた。
「そんなことにまで気を配る?」
「ムード、大事にしたかったんだけど」
言って、寝室の照明を間接照明の淡いオレンジ色に切り替えた。
「えっと……じゃ、音楽も流す?」
「かぐちゃんがその方がいいなら、そうするよ?」
「えっちな声が聞こえない方がよければ」
「それはヤだな。かぐちゃん、啼かせたい」
鹿倉がくふ、と鼻の奥で笑って、律の肩へと腕を回す。
それに応えるようにキスをすると、そっとベッドへと押し倒した。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて啄むようなキスが続き、鹿倉がくふくふと笑う。
「え、何で笑うの?」
「律、可愛い」
「可愛いのはかぐちゃんの方だろ」
反論すると、鹿倉は唇を開いて噛みつくようなキスをしてきた。
そのまま舌が割って入ってくる。
歯列をなぞり、くちゅくちゅと舌を絡ませて官能的なキスをしてきたから、下半身に熱が灯る。
「こーゆーキス、されると思ってたから」
唇の間で鹿倉が言って、挑発的な目で見つめてくる。
「……煽るねえ」
今度は律から情熱的なキスをお返しする。
息も吐けないように荒々しく舌を吸い、唇ごと飲み込んでしまいそうに包み込んで。
「んんっ……」
そのまま、律の手が鹿倉の胸を弄る。薄い膨らみを掌で揉み、親指で突起を擦る。
そうして鹿倉の声を上げさせると、そのまま掌を下腹部へと下げ。
鹿倉のズボンとパンツをぐっと押し下げると一気に脱がせた。
唇を離し、微笑みかけると上着も脱がせる。
全裸にして、もう一度抱きしめて。
「律も、脱いで」
言われて、自分も全裸になると、再び素肌を重ねた。
来てすぐシャワーを浴びて、洗い晒しの髪が乾いてフワフワしていて。
手持ち無沙汰に、長めの袖を指先まで伸ばしてその袖を弄んで。
律がシャワーを浴びて出てくると、そんな鹿倉が振り返った。
「お待たせ」と声をかけると、ふわりと笑う。
何だ、これは。
ほんとに、何なんだ、この可愛い生物は。
律は足早に歩み寄るとソファと鹿倉の間に割り込んだ。
「ええー、この広い部屋で、そこ来るー?」
ぎゅうっと後ろから抱きしめると、くふくふと笑いながらそんな可愛い苦情を言って。
「くっつきたい」
腕の中に収まる鹿倉の首筋に鼻を埋める。
ボディソープの甘い匂いがして、思わずそこを舐めてしまう。
「くすぐったいんだけど」
「でも、キスマークは付けちゃダメ、だろ?」
ちゃんと、弁えているということを主張する。
鹿倉はそれには応えない。
けれど、回していた腕にそっと手を置いた。
「ここでスる?」
「いや。今日は負けない」
やわやわと抱きしめながらも、意思表明。
鹿倉が小さく「ん?」と問う。
「も。かぐちゃん抱けるって、それ思うだけで俺、獣になっちゃってたろ?」
酒を飲みながら、テレビを観ながら、いつだってこのリビングで鹿倉の体温を感じた瞬間から理性が飛んでしまうから、そのまま押し倒してただただその体を貪って。
結局、脱力しきった鹿倉を抱いてベッドに連れて行って眠るだけ、なんて。
二人きりの時間をそんな欲望に任せて過ごすだけなんて、あまりにも自分らしくないと、律は思っていて。
「今日は、ちゃんとスマートにかぐちゃんを楽しみたい」
言うと鹿倉がいつものようにくふくふと笑った。
「俺、動物的に求められんの、嫌じゃないけど」
「大人として、少しはカッコよく決めさせてくれ」
「律はいつでもカッコイイよ?」
「かぐちゃんに言われると、凄い嬉しい」
思わず、抱きしめる手に力が入る。
「で? ベッド、行く?」
「ん、連れてく」
リビングから引戸を開けると寝室があるから、ベッドまではほんの数メートル。
律は鹿倉を横抱きにして連れて行った。
「さすがマッチョ。俺、女子よりは重いと思うんだけど」
「かぐちゃんは軽いよ。もうちょっと栄養採らせないとって、不安になるくらい」
そんな会話だけでベッドに着くから、そっと鹿倉を下ろした。
「あー、失敗」
「え?」
「ベッドカバー、捲っとけばよかった。スマートじゃねーな」
本当はそのままベッドに横たわらせたかったから、律が口を尖らせた。
「そんなことにまで気を配る?」
「ムード、大事にしたかったんだけど」
言って、寝室の照明を間接照明の淡いオレンジ色に切り替えた。
「えっと……じゃ、音楽も流す?」
「かぐちゃんがその方がいいなら、そうするよ?」
「えっちな声が聞こえない方がよければ」
「それはヤだな。かぐちゃん、啼かせたい」
鹿倉がくふ、と鼻の奥で笑って、律の肩へと腕を回す。
それに応えるようにキスをすると、そっとベッドへと押し倒した。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて啄むようなキスが続き、鹿倉がくふくふと笑う。
「え、何で笑うの?」
「律、可愛い」
「可愛いのはかぐちゃんの方だろ」
反論すると、鹿倉は唇を開いて噛みつくようなキスをしてきた。
そのまま舌が割って入ってくる。
歯列をなぞり、くちゅくちゅと舌を絡ませて官能的なキスをしてきたから、下半身に熱が灯る。
「こーゆーキス、されると思ってたから」
唇の間で鹿倉が言って、挑発的な目で見つめてくる。
「……煽るねえ」
今度は律から情熱的なキスをお返しする。
息も吐けないように荒々しく舌を吸い、唇ごと飲み込んでしまいそうに包み込んで。
「んんっ……」
そのまま、律の手が鹿倉の胸を弄る。薄い膨らみを掌で揉み、親指で突起を擦る。
そうして鹿倉の声を上げさせると、そのまま掌を下腹部へと下げ。
鹿倉のズボンとパンツをぐっと押し下げると一気に脱がせた。
唇を離し、微笑みかけると上着も脱がせる。
全裸にして、もう一度抱きしめて。
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