キュートなSF、悪魔な親友

月那

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キュートなSF、悪魔な親友

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 世の中の、浮気をしている男はどういうタイミングで愛人を抱くのだろうか。
 鹿倉はその日、田村の部屋に向かいながら電車の中で腕組みしながら考えていた。
 鹿倉の休日をほぼほぼ把握している律は、必ずその前日に鹿倉を家に呼ぶ。
 これはもう、殆どルーティンのようになってきていて。自分が翌日休みじゃなくても、とにかく鹿倉を抱き潰さずにはいられないらしい律が、当たり前のように朝までヤりまくるのだ。
 一方田村は。
 鹿倉に栄養を採らせることこそ正義と思っている節があるようで、「とにかくウチにメシを食いに来い」と三日に一度はラインが入るようになり。
 食欲と性欲は同時に。というこれまでのルーティンがあだになり、当然田村の部屋を訪れる、イコール泊まって夜はセックスという流れになるわけで。
 嫌いじゃない方ではある。
 いや、はっきり言ってしまえば、えっちは好きである。
 特殊な人間だということは自覚しているから、そうそうデキるわけじゃない人生を送ってきていたし、そんな中で今やばかみたいにやたらとえっちしまくる日々なんて、半分天国じゃねーかよ、と我ながらツッコミを入れたくなる状況ではある。
 けど。
 背徳感も、同時にあるわけで。
 今も。ラインでは律から次の休日前についてのお誘いが入っていて。
 こんな、どっかの悪女みたいなこと、続くわけがない。
 そう、ちゃんと覚悟は決めているけれど。
 “ごめん。うち来るついでに牛乳買ってきて”
 おまえは嫁か! とツッコミたくなるラインが田村から入り。
 “何食わしてくれんの?”
 “来てからのお楽しみ”
 えっらい可愛い答えが返ってきて、鹿倉は小さくため息を吐くと電車を降りた。
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