キュートなSF、悪魔な親友

月那

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キュートなSF、悪魔な親友

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「…………」
 呆然とそれを見ていた山本が何も言えないでいると。
「ごめんね。俺、こっち側の人だから。中に、挿れたいんだ」
「…………あ……」
「抱いてくれるの、嬉しい。ちょっと解すから、そしたらいつも女の子抱いてるみたいにシて」
 言って、自分の指を舐める。
 潤滑油になるものが準備されていない以上、こうする他にないと指をちゅぷちゅぷとしゃぶっていると。
「……待って、かぐちゃん。俺がやるから」
 山本が鹿倉の手を取ると、そのまま押し倒すように寝かせた。
 そして自分の指を舐めると、その唾液で濡れた指を鹿倉の後孔へと持っていく。
「挿れるよ?」
 周囲をゆるゆると指で解きほぐすと、少しずつ中へと入れる。
「んあっ………」
「大丈夫? キツくない?」
 丁寧に、ゆっくりと。
 きっと女の子にもしてあげるように、優しく指を動かす。ただ、女の子みたいに自然と濡れてくるわけじゃないから。
 山本は鹿倉のモノの先端から溢れていた透明の液体を指に絡めた。
 唾液よりも滑りがあるから、今度はそれで解す。
 ふるふると震えている鹿倉のモノにも愛撫を加え、その先端から溢れる蜜を増やす。
 そうして、中指がずっぷりと入り込むようになると、中でその指を動かした。
「あんっ……!」
 鹿倉の声が上ずって、モノがびくっと硬さを増す。
「ああ、ココ、イイんだ?」
 鹿倉が山本の腕を掴んだ。
「あっ……っそ……ンっ……」
 くりくりとソコを重点的に指で弄る。鹿倉が眉根を寄せ、快感に喉を反らして山本の腕を握る手に力が入る。
 そんな鹿倉の様子に、山本は大きく息を吐くと、
「ごめん、ちょっとだけ待ってて」
 テレビボードの引き出しから小さなパッケージを取り出した。
 コンドームだけは常備していたので、手早く自分の猛りにそれを着ける。
「も、挿れたい」
「ん……俺も、欲しい」
 言って鹿倉の上に乗り、抱きしめて唇を重ねた。
 両脚を割って、孔に自身を押し当てる。
「ゆっくり挿れるから、怖がらないで」
 唇の間で言うと、ずぶ、と先端を中に挿れた。
「んああっ……はっ……」
 解されてはいたけれど、あまりにも太いソレが入り込む感覚はかなりの圧迫感で。
 鹿倉の息が止まる。
「ごめん……かぐちゃん、力、抜いて」
「はあっ……あっ……」
 少しずつ腰を揺らして、中へと進む。
 ゴムのジェルのおかげもあってある程度まで進むと、丁度頭の段差が鹿倉のイイ所を掠めた。
「んんっ!……ああんっ……」
「ココ? 気持ちイイ?」
 鹿倉が山本に絡みつくように腕を回していて、快感に溺れている様子がわかったから、その細い体をぎゅっと抱きしめる。
 体が密着することで、また、接合部が深くなり。
 そのまま腰を使って中を往復するように動かすと、鹿倉の喘ぎ声が大きくなった。
「ああっ……あっ……んんっ……イイっ……あっ」
 鹿倉の声が嬉しくて、腰の動きを速める。
 じゅぶじゅぶとその内壁の感覚を楽しむように腰を打ちつけると、よりそれを飲み込もうと鹿倉の腰も動くから。
「ああ……すごい……中、凄い……」
 自身に纏わりつく感覚が、当然だけれど今まで味わったことのない感覚で。
 山本は欲望に任せて腰を動かす。
 キュウっと締め付ける鹿倉の中は、吸い付くように奥へ奥へとモノを送り届ける。
 太い猛りが根本まで収まると、鹿倉は
「ああんっ!」
大きく声を上げてぎゅうっと山本にしがみついた。
「かぐちゃん、気持ちイイ?」
 問うと、小さく頷いて腕に力が入る。
「俺も、もう最高。……ものっそい気持ちイイ」
 自分にくっついて離れない鹿倉が愛おしくて、山本は腕の中の鹿倉をやわやわと抱きしめ、体ごと動かして腰を更に奥へと打ち付けた。
「あんっ……んっ……奥……すごい……イイ!」
 ずくずくと奥を突く山本の太い楔が、鹿倉の喘ぎを高める。
 密着した肌の間で鹿倉のモノが擦れて膨らむ。
 その刺激と、中に感じる熱の攻撃とで、鹿倉はもうイくことにだけ集中する。
「ああっ……っイイ……ソコ、いっぱい……んあっ」
 ずちゅずちゅと接合部が湿った音を立て、鹿倉の体が快感に震えると、
「あっ……あっ……い……イくっ!……ああっ」
 肌の間で射精した。そのことが嬉しくて、山本は脱力した鹿倉をぎゅっと抱きしめ、
「かぐちゃん……可愛い……大好きだよ」
そう言って腰の動きを速め、中でびくびくと全部を吐き出した。
 そのまま、荒い息を二人で感じながらずっと抱きしめ合っていたが。
「……ごめん、かぐちゃん……大丈夫?」
 くったりとしている鹿倉に、自分のやったことに少しずつ冷静さを取り戻した山本が、そっと目を見ながら訊いた。
 とろんとした目で、鹿倉はふわりと微笑む。
「だいじょぶ。きもち、良かったよ?」
 軽く、唇にキスをして。
「その…………俺、ほんとにかぐちゃんのこと、好きなんだ」
「あは……今更、何?」
 やることやっておいて、何を真剣に、と。鹿倉が笑う。
「だって……まさか。こんな、ほんとに抱けるなんて思ってなかったし」
 鹿倉は、絡めていた脚を下ろし、ころん、と山本の横に転がって正面からその目を見つめる。
「俺も。まさか、抱かれるなんて思ってなかったし」
 くふ、と笑って。山本の腕を枕にするように、身じろぎしてくっつく。
「大丈夫だった?」
「何が?」
「いや……何がというかその……」
「俺、男としかヤれないから。大丈夫かどうかっていうと、どっちかっつーとラッキー、みたいな?」
「え? どゆこと?」
「だってほら。普通、ないじゃん? しかももっさん、イケメンだから絶対男なんて抱かないと思ってたし」
「……もっさん、やだ」
「え?」
「二人でいる時は、律って呼んでよ」
 山本が鹿倉を抱きしめると、そう言って照れたように鹿倉の耳にキスをした。
「律」
 小さく呼ぶと、
「かぐちゃん……大好き」
 と抱きしめる手に力を込めた。
「ありがと」
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