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キュートなSF、悪魔な親友
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ちゅぷちゅぷという水音と鹿倉の喘ぎ声だけが静かに部屋に響く。
鹿倉の部屋のシングルベッドで仰向けになった鹿倉が田村の口にソレを含まれている状態で、二人指を絡めていた。
「んっ……あっ……ふっ……」
いつもと違う環境のせいか、ただ口で施されているだけなのに鹿倉のソレは硬く反応する。
「口でイく?」
「や……やだ……そっちだけでイくの、いや」
田村が唾液と先走りでびちょびちょになっている鹿倉を手で扱きながら、
「でも、後ろどうやって濡らす? 出したヤツ使えばいいかなって思ったんだけど」
横に寝転んで言った。
「いちお、あるよ」
掘り起こしてきた小箱を田村に渡す。
「ゴムと、オイルが入ってる」
「……持ってたんだ?」
「……深く訊かないでいいから。とりあえず、それ使って」
珍しく少し恥ずかしがっている鹿倉に、ひどく驚いた。
「なんだよ!」
「いや、別に。照れてるよっくん、可愛い」
言って田村がキスをすると、鹿倉は赤くなった素顔を隠すように手の甲で目を抑えた。そんな仕草さえもが可愛い。
ベッドが狭いからより密着できるので、そのまま抱きしめて暫く口腔内を舌で楽しむ。
飲み込みきれなくなった唾液が鹿倉の口の端から溢れて、少し苦しそうに唇を離した。
「なんか、いつもと違って興奮する」
「……ん」
「ココで一人でヌいたりしてる?」
「しない。そんな気になった時は大抵リュウんち行ってるし、自分でするより気持ちイイし」
「なんだ、つまんない。一人えっちしてるよっくん、想像したのに」
「すんなよ」
二人でくふくふ笑った。
「……リュウは? 俺いないと一人でシてんだろ? 一人でやってるトコ見たい。見して」
「はあ?」
「おまえ絶倫じゃん。一人で持て余してたらヌいてんだろ? 見せてよ」
「……まじか?」
急にオス感を出した鹿倉が、上半身を起こして田村の正面に座り込んだ。
「俺の裸じゃ、オカズになんない?」
首を傾げながら、目を細める。
そして、半開きにした唇に自分の親指を入れ、まるでその親指がモノであるかのようにちゅぷちゅぷとしゃぶって見せた。
「俺の口ん中に入ってるって思って」
言って、左手で自分のモノを扱く。口でしゃぶっている動作とシンクロさせているから、快感に目を潤ませている鹿倉の表情がこの上なく淫靡で。
田村は生唾を飲んで、自分のモノに手をかけた。
完全に勃起しているソレは、根元から握り込んで扱くと先端から透明な涎を垂らして。その滑りでぬちょぬちょと卑猥な音を立てる。
鹿倉の舌が親指の先端をチロチロと舐めると、田村のソレが反応してずくんと硬さを増した。
「っく……ふっ……」
横から舐め上げ、田村を見つめる瞳を潤ませる。
大きく口を開けて咥え込むと、わざとじゅぶじゅぶ音を立てながら口の中を出し入れして。飲み込むように奥まで入れると、じゅぽん、と引き抜いた。
それを見ながら田村は手を動かす。
「ふっ……あっ……」
今度は大きく脚を広げ、中指を舐めて濡らし自分の孔へと宛がう。唾液の滑りで孔の周囲をぐりぐりと撫で解すと、つぷりと指を中へと挿入した。
「あん……っイイ」
自分のモノを扱きながら、尚且つ指を中に入れて恍惚の表情を浮かべる鹿倉の様子が、完全に田村の沸点に達して。
「う……ダメ、出る!」
ぐちゅぐちゅと手を動かすと、そのまま空へと精を放った。が、鹿倉がそのまま指で感じている様は田村のソレを萎えさせることはなく、箱からゴムを出して素早く装着すると、鹿倉の指を抜いた。
「やん、イイとこなのに」
「挿れたい」
堪らなくなって一言だけ言うと、鹿倉を押し倒した田村はさっきまで指で解されていたその場所に先ほど鹿倉の素肌に放った自身の精液で湿りを追加すると、ずぶっと自身を挿入した。
「あ……んっ……」
太さが自分の指とは全然違うから圧迫感に声が上がる。
「はあ……すごい、熱い……よっくんの中、すげえ気持ちイイ」
自分の手なんて比べものにならないその感触は、無意識に腰を突き動かす。
奥へと進める度に上がる鹿倉の喘ぎ声が、耳元に吐息と共に届いて。どんどん硬さを増す猛りが、鹿倉の中を抉る。
「ふ……んっ……んあ……ああ……イイ……ソコ……もっと」
接合部がぬぷぬぷと音を立てて擦れる。その感覚をより味わうべく、田村が腰を打ち付ける。
「んっ……あっ……ああんっ……や、あ、……あ、イ……イくっ」
中を突かれる感覚と同時に左手で自身を扱いていた鹿倉が、耐えられなくなってその場に放った。が、田村の動きは止まらない。
「あんっ……あんっ……やっ……はんっ……」
「まだまだ、中にいたい」
「ふあ……あっ……あっ」
射精したせいでくったりした鹿倉の体から一度抜き出す。力の入らない鹿倉を俯せにすると、腰を浮かせて尻だけを引き寄せた。バックから再び挿入し、半分萎えている鹿倉のモノを握った。
「やっ……んっ……や……」
逃げようとする鹿倉の腰を左手でぐっと抱き寄せ、背中に舌を這わせた。腰に近い部分の窪みを舐めると、
「はんっ……」
と、モノに熱が入る。と同時に上半身が少し上を向き、必然的に田村のモノが奥へと進む。
「……っんあっ……あっ……」
そのままずぷずぷとそこを突くと、手の中の鹿倉がびくびくと震えた。
「あっ……イイ……イイっ……んっ」
「中、絡みついてきてすごい気持ちい……ココ、イイ?」
大きく引き抜いて再び激しく突き上げる。
「はあんっ!……んあっ……あっ」
鹿倉を善がらせる為に鍛えているような腹筋が、ここぞとばかりに激しい動きを助ける。
既に掠れてしまっている鹿倉の喘ぎ声が、突き上げる度に大きな吐息になる。
「ちょっとこっちに向けるね?」
田村は鹿倉を抱き上げると、そのまま胡坐をかき、その上に鹿倉を乗せた。鹿倉の全体重が接続部に乗り、その深い繋がりに鹿倉が快感で仰け反った。後ろから鹿倉のモノを右手で扱き、仰け反った鹿倉の白い首に左手の指を這わせて撫で上げる。半開きの鹿倉の口の中に中指を入れた。
その指を鹿倉がしゃぶる。さっき、自分の親指を舐めていたようにじゅぶじゅぶとしゃぶり、下の口が感じている感覚を指へと伝える。
激しくはないが、腰を揺らしながら鹿倉の中を掻き回すと、喉の奥が締まって指が吸い込まれる。
「すげ……めっちゃエロい」
鹿倉を握っていた手を放し、その手で体重を支えるようにすると、下からずんっと突き上げた。
「ああんっ……や……あっ……奥っ、……おく、凄いっ」
「奥、きもちい?」
ずくずくと突き上げながら問うと、快感に溺れた鹿倉が涙を流してカクカクと頷いた。そして屹立している自身に手を伸ばし、その先を握り込む。
「や……あっ……ダメ……イ、イっちゃう……ソコ……あっ」
鹿倉が自身を扱いてイったけれど、田村はまだ動くのをやめない。何度もイかされることで力が入らなくなった鹿倉がぐったりと田村に寄りかかる。そのまま後ろから抱きしめて繋がったまま横になると、激しくは動かさないけれど中を感じながら鹿倉の素肌をやわやわと撫でる。
「……も、ダメ……」
「いいよ。そのままゆっくり感じてて。俺もよっくんの中、楽しんでるから」
「……ほんと、絶倫……」
「誉め言葉?」
田村が笑いながらずんっと突いて言った。
「んっ……もう……ばーか」
それ以上突っ込むだけの気力もない鹿倉が大人しく田村の腕の中で息を整える。
普段ああ言えばこう言う鹿倉が黙ってされるがままになっているのが可愛くて、優しく鹿倉の頭を撫でていると。
「そいえば……」
「ん?」
まだ後ろに感じている熱のせいでとろんとした瞳だけれど、鹿倉は意識をリアルに戻しながら言う。
「志麻さんってめっちゃ可愛いね」
この状況、この状態でその名前を出すか! と田村が鹿倉の目を見た。
「あんま、二人で喋ることないから、知らなかったけど」
まだ繋がっているという、行為の最中にとんでもない話を持ち出してきた鹿倉に、田村は声も出せないでいると。
「抱きたくなる気持ち、ちょっとわかった」
「おい。おい、こら!」
もはや何から突っ込んでいいかわからないから、とりあえず、抜いて正面を向かせた。
「やん。そのまま、動いててよ」
「おま……何ゆってんだよ!」
「だって気持ちーもん。中、好き」
「違う!」
感情がとっ散らかってしまったせいで、半分萎えてしまった田村のソレを鹿倉が握った。
「いやいや、いやいやいやいや、そっちじゃなくて」
「いいよ、俺今全然勃たないけど、中入ってるのを楽しんでるから」
「じゃなくて!」
「なんだよお。口でおっきくして欲しいの?」
的外れにソッチの方向にしか話を進めない鹿倉の目を見つめると、唇の端でいつものようにくふくふと笑ってふざけていて。
またそれか、と田村が小さくため息を吐くと、鹿倉の手から逃げるように腰を引き、少し考えて訊いてみた。
「…………好きになった?」
「どうでしょー?」
くるりと背を向ける。
「こら」
そんな鹿倉の肩を引いて向き直らせた。
「そこまで節操無しじゃねーよ」
ニヤニヤ嗤いの鹿倉がそう言って、軽くキス。
「でもえっちは良さそうだから試してみたいけどねー」
「はあ?」
いつも通りくふくふと鼻の奥で笑って、今度はしっかりと唇を重ねてくる。
「うっそ。ちゃんとおまえのこと、応援するよ」
「……でも……」
「何? 俺が志麻さんのことスキになったら、おまえは諦めんの?」
口ではそんな話をしながら、けれども鹿倉の手が田村の胸を弄っていて。
「そりゃ……志麻さんがよっくんのこと好きになって、よっくんも志麻さんのこと好きだってんなら、俺には口出す権利ないし」
「おいおい、そんな弱腰でどーするよ? 力づくでも志麻さん奪い取るとか、言いなよ」
しゅんとしている田村の上に乗って、鹿倉が田村の唇を甘噛みする。
「よっくん、可愛いから。志麻さんが抱きたいって思うのは全然、なくないし」
「おーい、いつまでその妄想で突っ走んてんのさ」
すっかり切り替えて臨戦態勢に入っている鹿倉なのに、いつまでもグズグズと口を尖らせている田村のソレは完全に萎えていて。
「だってそうじゃん。よっくん、その気になったら誰だってオとせるじゃん」
「んなわけあるかい。そんなこと真剣に悩んでるおまえのがよっぽど可愛いわ」
仕方ないから田村のモノをやわやわと握り込む。根元から扱くと。
「ちょい待て。何してんのさ?」
「も、どーでもいいから、続きヤろ」
「ちがくない? 話振ったのよっくんじゃん」
「おまえがわけわかんねーこと言い出しただけ」
「わかんなくないし。志麻さんよっくんのこと好きかも、だし」
むー、と口をへの字に曲げた田村を見て、鹿倉は鼻で大きく息を吐くと。
「はいはい、わかりました。じゃあ、俺今度志麻さんに抱かれてくるわ」
「はあ?」
「志麻さん、俺のこと好きなんでしょ? 俺も志麻さんなら全然抱かれるし、丁度いいから楽しんでくる」
「やだ!」
「うるせえ」
「やだってば。よっくんが志麻さんに抱かれんのもヤだし、志麻さんがよっくん抱くのもヤだ!」
田村が起き上がって不貞腐れる。言ってる内容もバカ丸出しになってるのが、面白すぎて。
「……じゃあ、田村が志麻さんに抱かれるのは?」
唇の端で笑いながら鹿倉が提案すると。
「……それは、ちょっとだけ、ヤ、かも……あでも、アリ?」
少し考えて答えた田村のその発言に、鹿倉が吹き出した。そのままふはふはと爆笑する。
「ほんと、まじ可愛すぎ。何なんそれ? おまえよく俺に可愛い可愛い言うけど、実際のトコ一番可愛いのおまえだからな?」
「ええ? 何で?」
「しょーがないなあ。得意じゃないけど、やっぱこーゆー状況だと俺が入れる方がアリな気がするよなー」
「やだやだやだやだ! ない! それだけはない!」
「今なら俺、全然抱けるよ? なんか、襲っちゃいたい気分」
「やだってば」
にやりと悪い顔をした鹿倉が、田村の孔に触れる。
「やめろやー」
「いいじゃん、コッチで感じちゃいなよー」
「触んなってば」
鹿倉の腕を掴んで抵抗した田村が、ぼすっと体勢を変えて仰向けに鹿倉を転がせて上からのしかかった。
「……重い」
「重くない。体重かけてない」
下から見上げる鹿倉の顔は、ふにゃふにゃと笑っていて。
「襲うよ」
ちょっとだけ怒った顔で言うと、
「優しくしてね」
両手を握って口元に持ってくるという、古からのぶりっこポーズをしながら、きゅるんと瞳を輝かせて鹿倉が返した。
鹿倉の部屋のシングルベッドで仰向けになった鹿倉が田村の口にソレを含まれている状態で、二人指を絡めていた。
「んっ……あっ……ふっ……」
いつもと違う環境のせいか、ただ口で施されているだけなのに鹿倉のソレは硬く反応する。
「口でイく?」
「や……やだ……そっちだけでイくの、いや」
田村が唾液と先走りでびちょびちょになっている鹿倉を手で扱きながら、
「でも、後ろどうやって濡らす? 出したヤツ使えばいいかなって思ったんだけど」
横に寝転んで言った。
「いちお、あるよ」
掘り起こしてきた小箱を田村に渡す。
「ゴムと、オイルが入ってる」
「……持ってたんだ?」
「……深く訊かないでいいから。とりあえず、それ使って」
珍しく少し恥ずかしがっている鹿倉に、ひどく驚いた。
「なんだよ!」
「いや、別に。照れてるよっくん、可愛い」
言って田村がキスをすると、鹿倉は赤くなった素顔を隠すように手の甲で目を抑えた。そんな仕草さえもが可愛い。
ベッドが狭いからより密着できるので、そのまま抱きしめて暫く口腔内を舌で楽しむ。
飲み込みきれなくなった唾液が鹿倉の口の端から溢れて、少し苦しそうに唇を離した。
「なんか、いつもと違って興奮する」
「……ん」
「ココで一人でヌいたりしてる?」
「しない。そんな気になった時は大抵リュウんち行ってるし、自分でするより気持ちイイし」
「なんだ、つまんない。一人えっちしてるよっくん、想像したのに」
「すんなよ」
二人でくふくふ笑った。
「……リュウは? 俺いないと一人でシてんだろ? 一人でやってるトコ見たい。見して」
「はあ?」
「おまえ絶倫じゃん。一人で持て余してたらヌいてんだろ? 見せてよ」
「……まじか?」
急にオス感を出した鹿倉が、上半身を起こして田村の正面に座り込んだ。
「俺の裸じゃ、オカズになんない?」
首を傾げながら、目を細める。
そして、半開きにした唇に自分の親指を入れ、まるでその親指がモノであるかのようにちゅぷちゅぷとしゃぶって見せた。
「俺の口ん中に入ってるって思って」
言って、左手で自分のモノを扱く。口でしゃぶっている動作とシンクロさせているから、快感に目を潤ませている鹿倉の表情がこの上なく淫靡で。
田村は生唾を飲んで、自分のモノに手をかけた。
完全に勃起しているソレは、根元から握り込んで扱くと先端から透明な涎を垂らして。その滑りでぬちょぬちょと卑猥な音を立てる。
鹿倉の舌が親指の先端をチロチロと舐めると、田村のソレが反応してずくんと硬さを増した。
「っく……ふっ……」
横から舐め上げ、田村を見つめる瞳を潤ませる。
大きく口を開けて咥え込むと、わざとじゅぶじゅぶ音を立てながら口の中を出し入れして。飲み込むように奥まで入れると、じゅぽん、と引き抜いた。
それを見ながら田村は手を動かす。
「ふっ……あっ……」
今度は大きく脚を広げ、中指を舐めて濡らし自分の孔へと宛がう。唾液の滑りで孔の周囲をぐりぐりと撫で解すと、つぷりと指を中へと挿入した。
「あん……っイイ」
自分のモノを扱きながら、尚且つ指を中に入れて恍惚の表情を浮かべる鹿倉の様子が、完全に田村の沸点に達して。
「う……ダメ、出る!」
ぐちゅぐちゅと手を動かすと、そのまま空へと精を放った。が、鹿倉がそのまま指で感じている様は田村のソレを萎えさせることはなく、箱からゴムを出して素早く装着すると、鹿倉の指を抜いた。
「やん、イイとこなのに」
「挿れたい」
堪らなくなって一言だけ言うと、鹿倉を押し倒した田村はさっきまで指で解されていたその場所に先ほど鹿倉の素肌に放った自身の精液で湿りを追加すると、ずぶっと自身を挿入した。
「あ……んっ……」
太さが自分の指とは全然違うから圧迫感に声が上がる。
「はあ……すごい、熱い……よっくんの中、すげえ気持ちイイ」
自分の手なんて比べものにならないその感触は、無意識に腰を突き動かす。
奥へと進める度に上がる鹿倉の喘ぎ声が、耳元に吐息と共に届いて。どんどん硬さを増す猛りが、鹿倉の中を抉る。
「ふ……んっ……んあ……ああ……イイ……ソコ……もっと」
接合部がぬぷぬぷと音を立てて擦れる。その感覚をより味わうべく、田村が腰を打ち付ける。
「んっ……あっ……ああんっ……や、あ、……あ、イ……イくっ」
中を突かれる感覚と同時に左手で自身を扱いていた鹿倉が、耐えられなくなってその場に放った。が、田村の動きは止まらない。
「あんっ……あんっ……やっ……はんっ……」
「まだまだ、中にいたい」
「ふあ……あっ……あっ」
射精したせいでくったりした鹿倉の体から一度抜き出す。力の入らない鹿倉を俯せにすると、腰を浮かせて尻だけを引き寄せた。バックから再び挿入し、半分萎えている鹿倉のモノを握った。
「やっ……んっ……や……」
逃げようとする鹿倉の腰を左手でぐっと抱き寄せ、背中に舌を這わせた。腰に近い部分の窪みを舐めると、
「はんっ……」
と、モノに熱が入る。と同時に上半身が少し上を向き、必然的に田村のモノが奥へと進む。
「……っんあっ……あっ……」
そのままずぷずぷとそこを突くと、手の中の鹿倉がびくびくと震えた。
「あっ……イイ……イイっ……んっ」
「中、絡みついてきてすごい気持ちい……ココ、イイ?」
大きく引き抜いて再び激しく突き上げる。
「はあんっ!……んあっ……あっ」
鹿倉を善がらせる為に鍛えているような腹筋が、ここぞとばかりに激しい動きを助ける。
既に掠れてしまっている鹿倉の喘ぎ声が、突き上げる度に大きな吐息になる。
「ちょっとこっちに向けるね?」
田村は鹿倉を抱き上げると、そのまま胡坐をかき、その上に鹿倉を乗せた。鹿倉の全体重が接続部に乗り、その深い繋がりに鹿倉が快感で仰け反った。後ろから鹿倉のモノを右手で扱き、仰け反った鹿倉の白い首に左手の指を這わせて撫で上げる。半開きの鹿倉の口の中に中指を入れた。
その指を鹿倉がしゃぶる。さっき、自分の親指を舐めていたようにじゅぶじゅぶとしゃぶり、下の口が感じている感覚を指へと伝える。
激しくはないが、腰を揺らしながら鹿倉の中を掻き回すと、喉の奥が締まって指が吸い込まれる。
「すげ……めっちゃエロい」
鹿倉を握っていた手を放し、その手で体重を支えるようにすると、下からずんっと突き上げた。
「ああんっ……や……あっ……奥っ、……おく、凄いっ」
「奥、きもちい?」
ずくずくと突き上げながら問うと、快感に溺れた鹿倉が涙を流してカクカクと頷いた。そして屹立している自身に手を伸ばし、その先を握り込む。
「や……あっ……ダメ……イ、イっちゃう……ソコ……あっ」
鹿倉が自身を扱いてイったけれど、田村はまだ動くのをやめない。何度もイかされることで力が入らなくなった鹿倉がぐったりと田村に寄りかかる。そのまま後ろから抱きしめて繋がったまま横になると、激しくは動かさないけれど中を感じながら鹿倉の素肌をやわやわと撫でる。
「……も、ダメ……」
「いいよ。そのままゆっくり感じてて。俺もよっくんの中、楽しんでるから」
「……ほんと、絶倫……」
「誉め言葉?」
田村が笑いながらずんっと突いて言った。
「んっ……もう……ばーか」
それ以上突っ込むだけの気力もない鹿倉が大人しく田村の腕の中で息を整える。
普段ああ言えばこう言う鹿倉が黙ってされるがままになっているのが可愛くて、優しく鹿倉の頭を撫でていると。
「そいえば……」
「ん?」
まだ後ろに感じている熱のせいでとろんとした瞳だけれど、鹿倉は意識をリアルに戻しながら言う。
「志麻さんってめっちゃ可愛いね」
この状況、この状態でその名前を出すか! と田村が鹿倉の目を見た。
「あんま、二人で喋ることないから、知らなかったけど」
まだ繋がっているという、行為の最中にとんでもない話を持ち出してきた鹿倉に、田村は声も出せないでいると。
「抱きたくなる気持ち、ちょっとわかった」
「おい。おい、こら!」
もはや何から突っ込んでいいかわからないから、とりあえず、抜いて正面を向かせた。
「やん。そのまま、動いててよ」
「おま……何ゆってんだよ!」
「だって気持ちーもん。中、好き」
「違う!」
感情がとっ散らかってしまったせいで、半分萎えてしまった田村のソレを鹿倉が握った。
「いやいや、いやいやいやいや、そっちじゃなくて」
「いいよ、俺今全然勃たないけど、中入ってるのを楽しんでるから」
「じゃなくて!」
「なんだよお。口でおっきくして欲しいの?」
的外れにソッチの方向にしか話を進めない鹿倉の目を見つめると、唇の端でいつものようにくふくふと笑ってふざけていて。
またそれか、と田村が小さくため息を吐くと、鹿倉の手から逃げるように腰を引き、少し考えて訊いてみた。
「…………好きになった?」
「どうでしょー?」
くるりと背を向ける。
「こら」
そんな鹿倉の肩を引いて向き直らせた。
「そこまで節操無しじゃねーよ」
ニヤニヤ嗤いの鹿倉がそう言って、軽くキス。
「でもえっちは良さそうだから試してみたいけどねー」
「はあ?」
いつも通りくふくふと鼻の奥で笑って、今度はしっかりと唇を重ねてくる。
「うっそ。ちゃんとおまえのこと、応援するよ」
「……でも……」
「何? 俺が志麻さんのことスキになったら、おまえは諦めんの?」
口ではそんな話をしながら、けれども鹿倉の手が田村の胸を弄っていて。
「そりゃ……志麻さんがよっくんのこと好きになって、よっくんも志麻さんのこと好きだってんなら、俺には口出す権利ないし」
「おいおい、そんな弱腰でどーするよ? 力づくでも志麻さん奪い取るとか、言いなよ」
しゅんとしている田村の上に乗って、鹿倉が田村の唇を甘噛みする。
「よっくん、可愛いから。志麻さんが抱きたいって思うのは全然、なくないし」
「おーい、いつまでその妄想で突っ走んてんのさ」
すっかり切り替えて臨戦態勢に入っている鹿倉なのに、いつまでもグズグズと口を尖らせている田村のソレは完全に萎えていて。
「だってそうじゃん。よっくん、その気になったら誰だってオとせるじゃん」
「んなわけあるかい。そんなこと真剣に悩んでるおまえのがよっぽど可愛いわ」
仕方ないから田村のモノをやわやわと握り込む。根元から扱くと。
「ちょい待て。何してんのさ?」
「も、どーでもいいから、続きヤろ」
「ちがくない? 話振ったのよっくんじゃん」
「おまえがわけわかんねーこと言い出しただけ」
「わかんなくないし。志麻さんよっくんのこと好きかも、だし」
むー、と口をへの字に曲げた田村を見て、鹿倉は鼻で大きく息を吐くと。
「はいはい、わかりました。じゃあ、俺今度志麻さんに抱かれてくるわ」
「はあ?」
「志麻さん、俺のこと好きなんでしょ? 俺も志麻さんなら全然抱かれるし、丁度いいから楽しんでくる」
「やだ!」
「うるせえ」
「やだってば。よっくんが志麻さんに抱かれんのもヤだし、志麻さんがよっくん抱くのもヤだ!」
田村が起き上がって不貞腐れる。言ってる内容もバカ丸出しになってるのが、面白すぎて。
「……じゃあ、田村が志麻さんに抱かれるのは?」
唇の端で笑いながら鹿倉が提案すると。
「……それは、ちょっとだけ、ヤ、かも……あでも、アリ?」
少し考えて答えた田村のその発言に、鹿倉が吹き出した。そのままふはふはと爆笑する。
「ほんと、まじ可愛すぎ。何なんそれ? おまえよく俺に可愛い可愛い言うけど、実際のトコ一番可愛いのおまえだからな?」
「ええ? 何で?」
「しょーがないなあ。得意じゃないけど、やっぱこーゆー状況だと俺が入れる方がアリな気がするよなー」
「やだやだやだやだ! ない! それだけはない!」
「今なら俺、全然抱けるよ? なんか、襲っちゃいたい気分」
「やだってば」
にやりと悪い顔をした鹿倉が、田村の孔に触れる。
「やめろやー」
「いいじゃん、コッチで感じちゃいなよー」
「触んなってば」
鹿倉の腕を掴んで抵抗した田村が、ぼすっと体勢を変えて仰向けに鹿倉を転がせて上からのしかかった。
「……重い」
「重くない。体重かけてない」
下から見上げる鹿倉の顔は、ふにゃふにゃと笑っていて。
「襲うよ」
ちょっとだけ怒った顔で言うと、
「優しくしてね」
両手を握って口元に持ってくるという、古からのぶりっこポーズをしながら、きゅるんと瞳を輝かせて鹿倉が返した。
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