Treasure of life

月那

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【5】Tiger’s-eye

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 予想以上に手こずっている、と彬は少し歯噛みしていた。
 あれだけの傷を与えれば、恐らく自分を頼ってくるだろうと予想していたから。
 そうなれば成親が自分のものになるのは確実だと。彬の中では決まっていたのに。

 ただそんな中、皇が思った以上に翔への興味を持たなかったから、可愛い翔を手元に置いて愉しむことができるのは嬉しい誤算だが、肝心の成親が手に入らないのは、少し歯がゆい。

 何度かメッセージを送り、慰めてやるつもりでいたのに完全にスルーされ、電話をしたけれど出ない。
 いっそのこととっ捕まえてやろうかとも思ったが、それはプライドが許さなかったから。
 暫くは待つしかない、と。
 待つ間に愉しむ相手には翔がいるし、肩の力を抜いてこっちを味わうことにした。

「しょおくん、ココ、気持ちイイ?」
 問いながらぐちゅぐちゅと指でソコを弄ってやると、腕を伸ばして頭を引き寄せてキスを強請る。
 薬を飲ませれば素直にその快感を追うから、翔を存分に啼かせる。
 最初の頃の抵抗なんて嘘のように、翔は彬のモノをしっかりと咥えて腰を振る。
 その快感を享受する。
 誘えば必ず、抱かれに来る。

 なのに、この人は絶対に勉強だけは怠らない。
 抱かれる前に最低限の勉強だけはするし、補講だって必ず受講している。
 自分のルーティンを崩さず、それでも彬の要求には応じているという切り替え方が。
 彬には面白くて。

 トップを狙うという意識が彬にはないから、ある程度すべきことだけやって現状だけキープしておけばちょくちょくサボる。それは当たり前に。
 だからこんな風にきっちりと高みを目指して努力を惜しまない翔の姿は新鮮だった。

「自学しろとは言わない。でも、サボるのは赦さない」
 なんて言われるから、最近は全然補講をサボることもなく。
 そうなると余る時間が限られてくるから、とりあえず傍にいてくれる翔と愉しむだけで。
 こちらから連絡を取らないでいたら、遊びで付き合っている連中からの連絡は途絶えた。
 だからと言ってそれを惜しいと思うこともない。ただ、それだけの付き合いだっただけだし、自分に絶対に必要な人間だとは、ハナから思ってない。

 時々皇からは“ヒマ?”と問われるから、そういう時には皇と寝る。
 そんな日々が暫く続き、欲望に素直になってきた翔が面白くて、そろそろ三人でヤろうかと思っていると、成親からのラインが入った。

 “話したいけど、会える?”

 短い文章だったけれど、やっと捕獲できたことにニヤリと嗤って。
 “もちろん。夕方、うちに来いよ”
 けれど、その誘いには乗って来なかった。
 まあ、まだいいだろう。

 代わりに近くのファミレスを指定され、仕方なくOKのメッセージを返した。
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