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【4】Crystal
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成親はベッドの中でうずくまっていた。
眠れなくて。
眠いのに、どうしても目が冴えてしまう。
あの日から翔とは一切連絡が取れていない。
こっちからも、向こうからも。
けれど彬からは何度か会いたいとラインが入って来た。
それに、何も返事はできないでいる。
既読スルーするから、電話もかかってきたけれど、出なかった。
正確には、出られなかった。
だって、話せない。
自分の中で何も整理がつかなくて、ぐちゃぐちゃな感情が彬への返答を留めるから。
傷の舐め合いがしたいわけじゃないし、翔への想いをぶつけたいわけじゃない。
何か明確な理由があって彬と会えないわけではないし、だから会いたくないという返事すら、できないから。
だから、ただ返事をペンディングしているだけだけど。
そんな中、今日、征人に話ができたことが一番嬉しかった。
燻っていたのは、翔への想いだったのが、わかったから。
翔が誰を好きでもいい。
翔が自分を見てくれなくてもいい。
だって、それでも自分は翔が好きだから。
翔が自分のことを好きだと言ってくれるから、だから好きになった。そう、思っていた。
でも違った。
そんなの、関係なくて。
初めて出逢った時からずっと、好きだったから。
そのことを思い出したから。
成美という、自分なんか較べものにもならないくらい、翔にはお似合いの可愛い姉が自分の傍にいて。
きっと翔は成美のことが好きなんだろうって、思っていた。
でも、それでも自分は翔の傍にいたいと思ったし、翔のことが好きだった。
翔が好きで、振り向かせたくて。
やっと気持ちを伝えることができたら、翔がそれに答えてくれた。
答えてくれるなんて思ってなかったのに、答えてくれた。
だからずっと甘えてた。その幸せの中にずっといられるって、甘えてたから。
翔の気持ちが離れてしまったのは、きっと自分のせい。
甘え過ぎて、調子こいて、翔ならずっと傍にいてくれると思い込んでいただけだった。
その油断から、翔が離れてしまったんだから。
じゃあ、これからやることは一つ。
取り戻すってこと、だけ。
もう一度、振り向かせるだけ。
征人と話したことで、それがわかった。
“想い続けてればいいよ”って征人が言ってくれたから。
そうする。
翔がまた、自分に向かって優しく“なる”って呼んでくれるように。
どうすればまた“なる”って呼んでくれるか。
それを、考えるだけ。
やっと、開き直ることができた。
ベッドの中で、拳を握りしめる。
まずは、情報収集だ。
彬に、会う。
彬なら翔に繋がるだろうから。
現状、こっちから翔にコンタクトを取ろうとしてもきっと避けられるのはわかっているから。
だから、彬を使おう。
せっかく“会いたい”って言ってくれてるんだから、ぐちゃぐちゃの感情では上手く伝えられなかったことも、きっと今なら。
こうして、はっきりと道が見えた今なら伝えらえるはず。
成親はそれに思い至り、やっと眠ることができた。
眠れなくて。
眠いのに、どうしても目が冴えてしまう。
あの日から翔とは一切連絡が取れていない。
こっちからも、向こうからも。
けれど彬からは何度か会いたいとラインが入って来た。
それに、何も返事はできないでいる。
既読スルーするから、電話もかかってきたけれど、出なかった。
正確には、出られなかった。
だって、話せない。
自分の中で何も整理がつかなくて、ぐちゃぐちゃな感情が彬への返答を留めるから。
傷の舐め合いがしたいわけじゃないし、翔への想いをぶつけたいわけじゃない。
何か明確な理由があって彬と会えないわけではないし、だから会いたくないという返事すら、できないから。
だから、ただ返事をペンディングしているだけだけど。
そんな中、今日、征人に話ができたことが一番嬉しかった。
燻っていたのは、翔への想いだったのが、わかったから。
翔が誰を好きでもいい。
翔が自分を見てくれなくてもいい。
だって、それでも自分は翔が好きだから。
翔が自分のことを好きだと言ってくれるから、だから好きになった。そう、思っていた。
でも違った。
そんなの、関係なくて。
初めて出逢った時からずっと、好きだったから。
そのことを思い出したから。
成美という、自分なんか較べものにもならないくらい、翔にはお似合いの可愛い姉が自分の傍にいて。
きっと翔は成美のことが好きなんだろうって、思っていた。
でも、それでも自分は翔の傍にいたいと思ったし、翔のことが好きだった。
翔が好きで、振り向かせたくて。
やっと気持ちを伝えることができたら、翔がそれに答えてくれた。
答えてくれるなんて思ってなかったのに、答えてくれた。
だからずっと甘えてた。その幸せの中にずっといられるって、甘えてたから。
翔の気持ちが離れてしまったのは、きっと自分のせい。
甘え過ぎて、調子こいて、翔ならずっと傍にいてくれると思い込んでいただけだった。
その油断から、翔が離れてしまったんだから。
じゃあ、これからやることは一つ。
取り戻すってこと、だけ。
もう一度、振り向かせるだけ。
征人と話したことで、それがわかった。
“想い続けてればいいよ”って征人が言ってくれたから。
そうする。
翔がまた、自分に向かって優しく“なる”って呼んでくれるように。
どうすればまた“なる”って呼んでくれるか。
それを、考えるだけ。
やっと、開き直ることができた。
ベッドの中で、拳を握りしめる。
まずは、情報収集だ。
彬に、会う。
彬なら翔に繋がるだろうから。
現状、こっちから翔にコンタクトを取ろうとしてもきっと避けられるのはわかっているから。
だから、彬を使おう。
せっかく“会いたい”って言ってくれてるんだから、ぐちゃぐちゃの感情では上手く伝えられなかったことも、きっと今なら。
こうして、はっきりと道が見えた今なら伝えらえるはず。
成親はそれに思い至り、やっと眠ることができた。
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