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☆☆☆
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「あっ」
「いつもいつも、普段は櫂斗が俺のこと振り回してんだから。えっちん時くらい、俺にやらせて」
仰向けになって無防備な表情になった櫂斗に深く口づける。
舌を入れて中を掻きまわして。
奥歯の内側を擽って櫂斗の力を完全に抜き去ると、両脚を抱え上げて正面から最奥へと腰を打ち付ける。
「ああっ……はんっ……あんっ」
一番イイ場所を上も下も攻められてしまうから、櫂斗は身震いしてただただ喘ぐことしかできなくて。
押し寄せてくる快感に溺れそうになった手が空を掴みかけると、朋樹が優しく指を絡めた。
「櫂斗。俺だって櫂斗、大好きだよ」
「と……とも、さあんっ……あんっ……ああっ……あっ」
櫂斗の拙い動きも気持ちいいけれど、もうそれだけでは足りないから。
がつがつと思うままに櫂斗の中を愉しんで。
何度も何度も吐き出して、櫂斗がくったりと身動きもできないくらい脱力するまでその体を味わって。
朋樹はその小さな体を抱きしめた。
「櫂斗……櫂斗」
愛しくて愛しくて、でも小憎らしいこの存在がいつだって自分を翻弄してくれる。
その掌で転がされているのも楽しくて幸せだけれど、こうして腕の中に収まってくれるこの瞬間、やっと自分のものだって安心できる。
そう、これは俺のだ、と。
世界中に向かって叫びたくなる。
まあ、そんなことしなくても、櫂斗の耳元にそっと呟くだけでも構わないけれど。
本当にそう、言い聞かせてやりたい。
これ以外の一体どこにこの愛情が向かうというのか。
こんなにも自分のベクトルはこの腕の中の存在にしか向かっていないのに、どれだけ言ったら観念するだろうか。
「櫂斗……もお、ほんとに……」
好きだと、大好きだという気持ちを込めて抱きしめて。
「トモさん、苦しい」
腕を上げるのさえもおっくうだというように、ゆっくりと櫂斗がその手を朋樹の頬に当てた。
「櫂斗」
「んふ……トモさん、だいすき」
櫂斗の手がキスをねだったのがわかって。
そっとキスして。
腕の中に抱きしめたまま、朋樹も脱力した。
「明日、遊ぶだけの体力は残しておいてよお」
「大丈夫だろ? 櫂斗、子供だし」
「違うよ。トモさんの体力、だよ? 俺抱き潰して、朝起きらんなかったらほのかにどつかれるよ?」
またそうやって、生意気なことを。
「あんまりそういうことばっか言ってると、本気で抱き潰すよ?」
軽く腰を動かして、まだまだ全然ヤれるってことをアピったら、
「う。ごめんなさい」可愛く櫂斗が謝って来た。
から。
二人して笑ってしまう。
「トモさん、明日プールでまた勃ったらどーする?」
「じゃあそんなことにならないくらい、今からもっかいヤろっか?」
「うー。だめだ。えっちしてるとトモさん強気だなあ」
絶倫お化けめー、と口を尖らせる。
「櫂斗が俺の腕の中にいるって思うと、それだけで何も怖くなくなる」
「なん、それ?」
「俺にとって、櫂斗は無敵アイテムってこと、かな」
櫂斗が擽ったそうに破顔するから、可愛くて仕方がなくなって。
あー、こういうこと、なのかなーと朋樹も何となく理解する。
櫂斗が自分を“可愛い”と言いながらちょっとした意地悪発言をしてくるのは。
愛しいって気持ちをぶつけると、こんなに可愛い表情を見せてくれるのならば、いくらでも伝えてあげたいと思う。
「トモさん」
「ん?」
「ココ、いいね」
「ん?」
「しーずかなトコで、トモさんの心臓の音ずっと聴いてるの、幸せ過ぎる」
自然に囲まれた山の中、川の流れる音くらいしか聴こえてこない場所だから、吐息のような声で会話してお互いの鼓動を確かめ合って。
激しく体を求め合っているのも勿論幸せだけれど、こんな風にただ抱き合っているだけのこの柔らかな時間がこの上なく温かくて。
「あーもう、帰りたくない」
「いやいやまだ明日があるから」
「明日も楽しいのわかってるけど、今この瞬間なんてもう二度とないじゃん。こんなん、俺今死んでも絶対笑ってるもん」
「怖い怖い怖い」
「腹上死って、幸せの極みだね」
「櫂斗お。おま、何縁起でもないことを」
「ま、無敵なトモさんいるから俺、何があっても大丈夫だろうしね」
何となく、櫂斗がわけのわからないことを言っているのは照れ隠しかな、なんて思って。
その顔を覗き込むと。
「ん? 何?」
「櫂斗、可愛い」
「ほのかより?」
「世界中で一番」
言われたことを、そのまま返してみた。
すると耳まで赤くして目を逸らすから。
堪らない、と思う。
ぎゅ、と抱きしめる腕に力を込めて。
「も、トモさん、ずるい」
「何が?」
いつも櫂斗がくふくふふざけて笑うから、仕返しのようににまにまと嗤っていると。
「そういうのは俺が言うから、トモさんはダメ。イケメントモさん、発動しちゃ、ダメ」
いつだって人のことをポンコツ扱いするナマイキな口を、とりあえずキスで塞いで。
「言ったろ。櫂斗が俺の腕ん中いる時は俺、無敵だって」
あーだめだ。やっぱりもっかいヤっとかないと明日また、半裸の櫂斗で勃つかも。
そう思って、照れ照れに照れてへろへろしている櫂斗を組み敷く。
「え?」
「ごめん、もっかい、ヤらせて?」
「ええー」
「櫂斗が可愛すぎて俺、自制利かない」
「なん、それー?」
笑って「もお、ほんっとトモさん、絶倫なんだから」とキスで許可。
櫂斗のそれを合図に再び交わった。
もう、夜もかなり深い時間だったけれど、今この瞬間の幸せは二度とないから。
明日は明日の風が吹く、というヤツだから。
体力配分なんてオトナなこと、できないし。
二人して欲望を心ゆくまで堪能した夜だった。
「いつもいつも、普段は櫂斗が俺のこと振り回してんだから。えっちん時くらい、俺にやらせて」
仰向けになって無防備な表情になった櫂斗に深く口づける。
舌を入れて中を掻きまわして。
奥歯の内側を擽って櫂斗の力を完全に抜き去ると、両脚を抱え上げて正面から最奥へと腰を打ち付ける。
「ああっ……はんっ……あんっ」
一番イイ場所を上も下も攻められてしまうから、櫂斗は身震いしてただただ喘ぐことしかできなくて。
押し寄せてくる快感に溺れそうになった手が空を掴みかけると、朋樹が優しく指を絡めた。
「櫂斗。俺だって櫂斗、大好きだよ」
「と……とも、さあんっ……あんっ……ああっ……あっ」
櫂斗の拙い動きも気持ちいいけれど、もうそれだけでは足りないから。
がつがつと思うままに櫂斗の中を愉しんで。
何度も何度も吐き出して、櫂斗がくったりと身動きもできないくらい脱力するまでその体を味わって。
朋樹はその小さな体を抱きしめた。
「櫂斗……櫂斗」
愛しくて愛しくて、でも小憎らしいこの存在がいつだって自分を翻弄してくれる。
その掌で転がされているのも楽しくて幸せだけれど、こうして腕の中に収まってくれるこの瞬間、やっと自分のものだって安心できる。
そう、これは俺のだ、と。
世界中に向かって叫びたくなる。
まあ、そんなことしなくても、櫂斗の耳元にそっと呟くだけでも構わないけれど。
本当にそう、言い聞かせてやりたい。
これ以外の一体どこにこの愛情が向かうというのか。
こんなにも自分のベクトルはこの腕の中の存在にしか向かっていないのに、どれだけ言ったら観念するだろうか。
「櫂斗……もお、ほんとに……」
好きだと、大好きだという気持ちを込めて抱きしめて。
「トモさん、苦しい」
腕を上げるのさえもおっくうだというように、ゆっくりと櫂斗がその手を朋樹の頬に当てた。
「櫂斗」
「んふ……トモさん、だいすき」
櫂斗の手がキスをねだったのがわかって。
そっとキスして。
腕の中に抱きしめたまま、朋樹も脱力した。
「明日、遊ぶだけの体力は残しておいてよお」
「大丈夫だろ? 櫂斗、子供だし」
「違うよ。トモさんの体力、だよ? 俺抱き潰して、朝起きらんなかったらほのかにどつかれるよ?」
またそうやって、生意気なことを。
「あんまりそういうことばっか言ってると、本気で抱き潰すよ?」
軽く腰を動かして、まだまだ全然ヤれるってことをアピったら、
「う。ごめんなさい」可愛く櫂斗が謝って来た。
から。
二人して笑ってしまう。
「トモさん、明日プールでまた勃ったらどーする?」
「じゃあそんなことにならないくらい、今からもっかいヤろっか?」
「うー。だめだ。えっちしてるとトモさん強気だなあ」
絶倫お化けめー、と口を尖らせる。
「櫂斗が俺の腕の中にいるって思うと、それだけで何も怖くなくなる」
「なん、それ?」
「俺にとって、櫂斗は無敵アイテムってこと、かな」
櫂斗が擽ったそうに破顔するから、可愛くて仕方がなくなって。
あー、こういうこと、なのかなーと朋樹も何となく理解する。
櫂斗が自分を“可愛い”と言いながらちょっとした意地悪発言をしてくるのは。
愛しいって気持ちをぶつけると、こんなに可愛い表情を見せてくれるのならば、いくらでも伝えてあげたいと思う。
「トモさん」
「ん?」
「ココ、いいね」
「ん?」
「しーずかなトコで、トモさんの心臓の音ずっと聴いてるの、幸せ過ぎる」
自然に囲まれた山の中、川の流れる音くらいしか聴こえてこない場所だから、吐息のような声で会話してお互いの鼓動を確かめ合って。
激しく体を求め合っているのも勿論幸せだけれど、こんな風にただ抱き合っているだけのこの柔らかな時間がこの上なく温かくて。
「あーもう、帰りたくない」
「いやいやまだ明日があるから」
「明日も楽しいのわかってるけど、今この瞬間なんてもう二度とないじゃん。こんなん、俺今死んでも絶対笑ってるもん」
「怖い怖い怖い」
「腹上死って、幸せの極みだね」
「櫂斗お。おま、何縁起でもないことを」
「ま、無敵なトモさんいるから俺、何があっても大丈夫だろうしね」
何となく、櫂斗がわけのわからないことを言っているのは照れ隠しかな、なんて思って。
その顔を覗き込むと。
「ん? 何?」
「櫂斗、可愛い」
「ほのかより?」
「世界中で一番」
言われたことを、そのまま返してみた。
すると耳まで赤くして目を逸らすから。
堪らない、と思う。
ぎゅ、と抱きしめる腕に力を込めて。
「も、トモさん、ずるい」
「何が?」
いつも櫂斗がくふくふふざけて笑うから、仕返しのようににまにまと嗤っていると。
「そういうのは俺が言うから、トモさんはダメ。イケメントモさん、発動しちゃ、ダメ」
いつだって人のことをポンコツ扱いするナマイキな口を、とりあえずキスで塞いで。
「言ったろ。櫂斗が俺の腕ん中いる時は俺、無敵だって」
あーだめだ。やっぱりもっかいヤっとかないと明日また、半裸の櫂斗で勃つかも。
そう思って、照れ照れに照れてへろへろしている櫂斗を組み敷く。
「え?」
「ごめん、もっかい、ヤらせて?」
「ええー」
「櫂斗が可愛すぎて俺、自制利かない」
「なん、それー?」
笑って「もお、ほんっとトモさん、絶倫なんだから」とキスで許可。
櫂斗のそれを合図に再び交わった。
もう、夜もかなり深い時間だったけれど、今この瞬間の幸せは二度とないから。
明日は明日の風が吹く、というヤツだから。
体力配分なんてオトナなこと、できないし。
二人して欲望を心ゆくまで堪能した夜だった。
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