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「涼ちゃん、恵那が大好きなんだね」
「……うん、大好き」
「じゃあ、恵那にフられちゃったんだ」
キリエの言葉に、素直に頷く。
そうだ。僕は、えなにフられたんだ。
傍にいてくれるから気付かなかったけど。
でも、本当ならあの時、泣きながら“好き”と告白した時にフられていたハズだったのだ。
優しい恵那は涼を泣かせないように、涼が傷付かないように、ただ涼を護る為に、あの時気持ちを受け入れてくれた。
だから。
本来ならばあの時に味わうハズだった失恋の痛みを今、こうして感じているのだと理解できた。
「きーちゃん……辛いよお」
前にキリエが泣いていたのを思い出す。
「うん……うん、涼ちゃん。辛いね」
辛い。
辛いけど、でも恵那との関係をなかったことになんてしたくなくて。
大好きな恵那と、これからもずっとずっと友達でいたくて。
「辛いけど、おんなじだよ。みんな、同じ。キリもしんどかったし、きっと今、恵那も辛いよ?」
涼ちゃんが恵那を好きだったように、恵那だってちゃんと涼ちゃんのこと好きだったハズだよ。
キリエが言う。
「恵那、涼ちゃんを嫌いになったわけじゃないでしょ?」
「……うん。多分。友達に戻るだけだって、これからもずっと涼は俺のモノだって言ってくれた」
「そっか……」
友達から恋人になった関係だったから、そこからまた友達に戻ることが可能なのかなんて、全然わからない。
それはキリエにも涼にもわからないけれど。
でも。
今日恵那がまるで涼から逃げるような発言をしていたという事実に、キリエも恵那の辛さを理解した。
「きーちゃん、ごめんね。幸せいっぱいなタイミングなのにこんな話聞かせちゃって」
「そんなの、涼ちゃんが謝ることじゃないよお」
「僕、響ときーちゃんが付き合うってなったの、すっごい嬉しいんだ。響、すっごいいいヤツだし、きーちゃんのこと絶対幸せにしてくれると思う」
今は、自分の話なんてしたくない。
キリエと響の幸せいっぱいな話を聞かせてほしいと思って。
涼はその後恵那の名前を出すことなく、キリエの惚気話を聞いていた。
「……うん、大好き」
「じゃあ、恵那にフられちゃったんだ」
キリエの言葉に、素直に頷く。
そうだ。僕は、えなにフられたんだ。
傍にいてくれるから気付かなかったけど。
でも、本当ならあの時、泣きながら“好き”と告白した時にフられていたハズだったのだ。
優しい恵那は涼を泣かせないように、涼が傷付かないように、ただ涼を護る為に、あの時気持ちを受け入れてくれた。
だから。
本来ならばあの時に味わうハズだった失恋の痛みを今、こうして感じているのだと理解できた。
「きーちゃん……辛いよお」
前にキリエが泣いていたのを思い出す。
「うん……うん、涼ちゃん。辛いね」
辛い。
辛いけど、でも恵那との関係をなかったことになんてしたくなくて。
大好きな恵那と、これからもずっとずっと友達でいたくて。
「辛いけど、おんなじだよ。みんな、同じ。キリもしんどかったし、きっと今、恵那も辛いよ?」
涼ちゃんが恵那を好きだったように、恵那だってちゃんと涼ちゃんのこと好きだったハズだよ。
キリエが言う。
「恵那、涼ちゃんを嫌いになったわけじゃないでしょ?」
「……うん。多分。友達に戻るだけだって、これからもずっと涼は俺のモノだって言ってくれた」
「そっか……」
友達から恋人になった関係だったから、そこからまた友達に戻ることが可能なのかなんて、全然わからない。
それはキリエにも涼にもわからないけれど。
でも。
今日恵那がまるで涼から逃げるような発言をしていたという事実に、キリエも恵那の辛さを理解した。
「きーちゃん、ごめんね。幸せいっぱいなタイミングなのにこんな話聞かせちゃって」
「そんなの、涼ちゃんが謝ることじゃないよお」
「僕、響ときーちゃんが付き合うってなったの、すっごい嬉しいんだ。響、すっごいいいヤツだし、きーちゃんのこと絶対幸せにしてくれると思う」
今は、自分の話なんてしたくない。
キリエと響の幸せいっぱいな話を聞かせてほしいと思って。
涼はその後恵那の名前を出すことなく、キリエの惚気話を聞いていた。
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