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「また、えらく美人さんだねえ。お母さんといい、妹ちゃんといい。涼の周り、綺麗な女性ばっかじゃん」
「でしょお。きーちゃん、しかも中学校で生徒会長やってたんだよ。めっちゃカッコイイでしょ」
「なんでおまえがそんなドヤってんの?」
「自慢のイトコだもん。ねー」と笑いかけて。
涼の笑顔がケーキのようなスイーツ系だとしたら、彼女の笑顔は柑橘系の爽やかさ。一緒になって笑って首を傾げて。まるで姉妹のようである。
「きーちゃんね、四月になったらこっちに引っ越してくんの。今は県外にいるんだけど」
「へえ。冬休みだから遊びに来てるって聞いたけど」
「ん。もう学校も決まってるし、せっかくだからこっちの空気味わいたいなって思って」
ちょっと高いけれど、耳心地のいい声で。恵那とちゃんと真っすぐに目を合わせて喋るから、涼のように人見知りというわけではないらしい。
周りに男しかいない生活をしている恵那としては、久々に聴く女のコの声にちょっと感動してしまう。
「どこ、ガッコ」
「それがね、恵那。びっくりなんだよ」やたらと興奮した涼が割って入ってくる。
「M女子高校なんだって、あの!」
M女と言えば県大会で戦い、更に合同コンサートなんてした学校で。
顔面偏差値の高いM女だから、この目の前の美少女が入るのも納得できる。
というか。え?
「待って、中学生?」
「うん今中三」
えらく、オトナっぽいから。同い年だとばかり思っていた。
「まじか。涼、おまえ女子力で負けてるぞ?」
「そんなんで戦ってないし!」
涼が軽く拗ねる。のも、まあ可愛くて。
やっぱ負けてないな。
「恵那くんかー。キリのガッコにはね、えなちゃんがいるよ。笑顔の菜の花で笑菜ちゃん。おっとこまえなの。ちょークールだし」
見た目の雰囲気と違う、ちょっと甘ったれた喋り方に中学生だと納得。
「えなはおっとこまえだけど、クールとは程遠いもんねー」
「言ったな、涼。俺だって超クールだぜ? ほら」と、まだ外気で冷たい掌を涼の頬に当てた。
「冷たっ……もお、何すんのさ」
「外、寒かった。あっためて」涼の頬を掌でぐりぐりすると「もお、えなあ」いつもの甘えた笑顔を見せてくれる。
「あ」一瞬固まって手招きするから耳を寄せると。
「あのね。カレシってことはゆってないから。親友、だから」とコソっと言ってきた。
ま、そりゃそーだ。と思ってすぐに頷く。
「仲良しだねえ、涼ちゃんと恵那くん」
「一番仲良しだからねー、俺と涼は」
ボかしてマウント。イトコだろうが何だろうが、涼の一番傍にいるのは自分だ、と恵那が暗に主張して。
「恵那でいいよ、キリちゃん。くん、付くと気持ち悪い」
「キリ年下だけど、いいの?」
「可愛い女の子に呼び捨てされんのは、ちょっとトーサク的で良くね?」
「えな、きーちゃん口説かないでよね」
「口説かれてもキリ、恵那くん……あ、恵那はタイプじゃないよ」
「ええー、俺結構女子ウケいいと思ってんだけど? イケメンじゃね?」
「自分でゆっちゃうトコはどおかと思うけど? イケメンなのは認めるけど、キリ、もっとマッチョマンな方が好き」
「まじかよー。くっそーフラれた。涼、慰めて」
涼が鼻で笑って、でも一応よしよししてやる。
「そんなことより、きーちゃんはフルート吹きなんだよ。M女でも吹部、入るって決めてるんだって」
恵那がキリエを口説くのも、キリエにフラれるのも微妙にヤダと思った涼が話を変えた。
「あーそうなんだ? うん、イメージそんな感じ」
おしとやかに横笛を吹いている雰囲気があるから、恵那が頷く。
「ママがフルート吹いてたの。だから、キリも」
中学校に入って、すぐに吹奏楽部に入ることを決めたのも、母親の影響だと言う。
「そいえばきーちゃん、フルート持ってきてたよね?」
「ん、あるよー。毎日吹いてないと、すぐに音が出なくなるもん」
言って、部屋を出て行くと、茶色いダックスフントのぬいぐるみを抱えて戻って来た。
「でしょお。きーちゃん、しかも中学校で生徒会長やってたんだよ。めっちゃカッコイイでしょ」
「なんでおまえがそんなドヤってんの?」
「自慢のイトコだもん。ねー」と笑いかけて。
涼の笑顔がケーキのようなスイーツ系だとしたら、彼女の笑顔は柑橘系の爽やかさ。一緒になって笑って首を傾げて。まるで姉妹のようである。
「きーちゃんね、四月になったらこっちに引っ越してくんの。今は県外にいるんだけど」
「へえ。冬休みだから遊びに来てるって聞いたけど」
「ん。もう学校も決まってるし、せっかくだからこっちの空気味わいたいなって思って」
ちょっと高いけれど、耳心地のいい声で。恵那とちゃんと真っすぐに目を合わせて喋るから、涼のように人見知りというわけではないらしい。
周りに男しかいない生活をしている恵那としては、久々に聴く女のコの声にちょっと感動してしまう。
「どこ、ガッコ」
「それがね、恵那。びっくりなんだよ」やたらと興奮した涼が割って入ってくる。
「M女子高校なんだって、あの!」
M女と言えば県大会で戦い、更に合同コンサートなんてした学校で。
顔面偏差値の高いM女だから、この目の前の美少女が入るのも納得できる。
というか。え?
「待って、中学生?」
「うん今中三」
えらく、オトナっぽいから。同い年だとばかり思っていた。
「まじか。涼、おまえ女子力で負けてるぞ?」
「そんなんで戦ってないし!」
涼が軽く拗ねる。のも、まあ可愛くて。
やっぱ負けてないな。
「恵那くんかー。キリのガッコにはね、えなちゃんがいるよ。笑顔の菜の花で笑菜ちゃん。おっとこまえなの。ちょークールだし」
見た目の雰囲気と違う、ちょっと甘ったれた喋り方に中学生だと納得。
「えなはおっとこまえだけど、クールとは程遠いもんねー」
「言ったな、涼。俺だって超クールだぜ? ほら」と、まだ外気で冷たい掌を涼の頬に当てた。
「冷たっ……もお、何すんのさ」
「外、寒かった。あっためて」涼の頬を掌でぐりぐりすると「もお、えなあ」いつもの甘えた笑顔を見せてくれる。
「あ」一瞬固まって手招きするから耳を寄せると。
「あのね。カレシってことはゆってないから。親友、だから」とコソっと言ってきた。
ま、そりゃそーだ。と思ってすぐに頷く。
「仲良しだねえ、涼ちゃんと恵那くん」
「一番仲良しだからねー、俺と涼は」
ボかしてマウント。イトコだろうが何だろうが、涼の一番傍にいるのは自分だ、と恵那が暗に主張して。
「恵那でいいよ、キリちゃん。くん、付くと気持ち悪い」
「キリ年下だけど、いいの?」
「可愛い女の子に呼び捨てされんのは、ちょっとトーサク的で良くね?」
「えな、きーちゃん口説かないでよね」
「口説かれてもキリ、恵那くん……あ、恵那はタイプじゃないよ」
「ええー、俺結構女子ウケいいと思ってんだけど? イケメンじゃね?」
「自分でゆっちゃうトコはどおかと思うけど? イケメンなのは認めるけど、キリ、もっとマッチョマンな方が好き」
「まじかよー。くっそーフラれた。涼、慰めて」
涼が鼻で笑って、でも一応よしよししてやる。
「そんなことより、きーちゃんはフルート吹きなんだよ。M女でも吹部、入るって決めてるんだって」
恵那がキリエを口説くのも、キリエにフラれるのも微妙にヤダと思った涼が話を変えた。
「あーそうなんだ? うん、イメージそんな感じ」
おしとやかに横笛を吹いている雰囲気があるから、恵那が頷く。
「ママがフルート吹いてたの。だから、キリも」
中学校に入って、すぐに吹奏楽部に入ることを決めたのも、母親の影響だと言う。
「そいえばきーちゃん、フルート持ってきてたよね?」
「ん、あるよー。毎日吹いてないと、すぐに音が出なくなるもん」
言って、部屋を出て行くと、茶色いダックスフントのぬいぐるみを抱えて戻って来た。
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