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「やだ!」
起き上がりながら涼が怯えた顔で見て来た。
「やだ、じゃねえよ。おまえ、いい加減にしろ」
「…………」
「ごめんけど、一人で寝てな。俺、ちょっと頭冷やしてくるから」
涙目で自分を見ている涼に、一気に冷や水をぶっかけられたような気がして。
恵那はすっと立ち上がると、それだけ言って部屋を出た。
そして、誰もいないリビングのソファに沈み込む。
ダメだ。
今のは自分が悪い。
絶対に、やってはいけないことを、した。反省している。
冷静な自分はそう、わかっている。
でも。
本音を言わせて貰えるならば。
あの状況であんなセリフを聞いて、それでも何もしないでいられる程自分はオトナじゃない。
涼が求めている、ただただ甘やかして抱っこして寝てくれる存在は、今の自分には無理ゲーでしかない。
可愛くて可愛くて、可愛すぎて憎たらしい。
きっと涼の思い描いている、されてもいい“ナニ”ってのは、きっと裸で体をくっつけて眠るくらいのことだろう。多少勃起したソレがぶつかり合ったとしても、ただそれだけのこと。
ぎゅっと抱きしめられて眠るという事実が、ただ裸になっただけのことって認識しか、ない。
そんな甘々な涼が、今の自分のこの“犯したい”という欲求なんてわかるわけがない。
好きか、嫌いか。
そんなの好きに決まってる。
そんでもって好きなヤツに煽られて、抱かずにいられるわけが、ないじゃないか。
……いや、でも。
こんな想いを涼にぶつけるのは、多分違くて。
好きだから抱きたい、えっちしたい、なんて。そんなの男の勝手な欲求でしかない。
好きなだけ甘やかしてやりたい、それこそが男の中の男だ。
自分の目指す理想の“漢”は、それだから。
可愛いを振り撒かれて、煽られて、それで勝手に欲情して興奮して、襲い掛かるなんて。
愚の骨頂、だ。
大事にしたいんだ。
一番、大切にしたい存在なんだ。
自分の中の涼という人間は、純粋無垢で誰よりも透き通っているから。それを護ることこそ自分の使命。
だから。
やってはいけないことを、してしまった。
耐えなければいけない状況を、一時の欲望に煽られて押し流されてしまった。
ああ、涼。
ごめん。
ほんとに、自分が悪い。
反省するから。
だから……ごめん、一回だけ抜いてくるから、ちょっと待っててくれ。
ソファで落ち着こうにも涼の感触が消えてくれなくて。
仕方がないからトイレに駆け込んだ。
起き上がりながら涼が怯えた顔で見て来た。
「やだ、じゃねえよ。おまえ、いい加減にしろ」
「…………」
「ごめんけど、一人で寝てな。俺、ちょっと頭冷やしてくるから」
涙目で自分を見ている涼に、一気に冷や水をぶっかけられたような気がして。
恵那はすっと立ち上がると、それだけ言って部屋を出た。
そして、誰もいないリビングのソファに沈み込む。
ダメだ。
今のは自分が悪い。
絶対に、やってはいけないことを、した。反省している。
冷静な自分はそう、わかっている。
でも。
本音を言わせて貰えるならば。
あの状況であんなセリフを聞いて、それでも何もしないでいられる程自分はオトナじゃない。
涼が求めている、ただただ甘やかして抱っこして寝てくれる存在は、今の自分には無理ゲーでしかない。
可愛くて可愛くて、可愛すぎて憎たらしい。
きっと涼の思い描いている、されてもいい“ナニ”ってのは、きっと裸で体をくっつけて眠るくらいのことだろう。多少勃起したソレがぶつかり合ったとしても、ただそれだけのこと。
ぎゅっと抱きしめられて眠るという事実が、ただ裸になっただけのことって認識しか、ない。
そんな甘々な涼が、今の自分のこの“犯したい”という欲求なんてわかるわけがない。
好きか、嫌いか。
そんなの好きに決まってる。
そんでもって好きなヤツに煽られて、抱かずにいられるわけが、ないじゃないか。
……いや、でも。
こんな想いを涼にぶつけるのは、多分違くて。
好きだから抱きたい、えっちしたい、なんて。そんなの男の勝手な欲求でしかない。
好きなだけ甘やかしてやりたい、それこそが男の中の男だ。
自分の目指す理想の“漢”は、それだから。
可愛いを振り撒かれて、煽られて、それで勝手に欲情して興奮して、襲い掛かるなんて。
愚の骨頂、だ。
大事にしたいんだ。
一番、大切にしたい存在なんだ。
自分の中の涼という人間は、純粋無垢で誰よりも透き通っているから。それを護ることこそ自分の使命。
だから。
やってはいけないことを、してしまった。
耐えなければいけない状況を、一時の欲望に煽られて押し流されてしまった。
ああ、涼。
ごめん。
ほんとに、自分が悪い。
反省するから。
だから……ごめん、一回だけ抜いてくるから、ちょっと待っててくれ。
ソファで落ち着こうにも涼の感触が消えてくれなくて。
仕方がないからトイレに駆け込んだ。
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