73 / 78
073 大儀であった!
しおりを挟む
俺は直ぐに社長に駆け寄ると今日の一連の流れを説明した。
「三島さん、今回も手を貸してくれてありがとう」
「何言ってんだよキルト社長、こちらの方がいつも世話になっているってのに」
「兄さん!」
先程迄ファンの方々とお喋りをしていたリルが近づいて来た。
「宗さんと逢っていたんでしょう、どうだったの?」
えっ! 神谷宗男と会っていただって・・・・。
「いや~、宗さんの慌てふためく顔はお前達にも見せてやりたかったぜ」
「キルト、宗さんと会っていたのか?」
「ああ、ミッシーが見たら爆笑していたと思うぞ、宗さんのあの顔、最後の最後で『お前その口髭似合ってないぞ』だって、もっと面白い事言ってみろってんだ、負け惜しみ乙!」
社長の高笑いが会場に響き渡る、この言動を見ると結構酔っているな、しかしさっきまで他人行儀だったのに急に三島さんをミッシーって・・・・。
神谷宗男の捨て台詞を言う際の顔と声真似は結構似ていて笑えた。
「だったらキルトよ写真の一枚位撮っとけよなぁ」
社長と三島さんは笑い合う、俺の知る限り距離を置いて付き合っている感じだったけど今の二人を見ると昔はこんな感じで笑い合ったりしていたんだろうなぁ。
そんなことをしみじみ考えていたらバタバタとデリバリーが来る、俺は何も注文した記憶はないぞ?
「今日は皆大儀であった! 私のおごりだ、大いに食べてくれ」
社長が注文した寿司や高級な刺身や天ぷら、ジュース、アルコール類の飲み物がどんどんテーブルに並べられる、今日かかわってくれた方全員に振る舞われ歓喜の声が上がる。
「あー、やっと解放されたー」
彗夏が伸びをする、サイン会が終わって自由になったプリフォーが揃って社長に挨拶を交わす。
「お前達もよくやってくれたな、今日はジャンジャン食ってくれ」
「有難うございます、さっそく頂きます」
臣は類やキララ、子供たちが集まっている場所で一緒に食事をする。
「臣、お疲れ、プリフォーのステージ最高だったよ、キララ感激しちゃった」
「俺も正直ここまで凄いとは思ってなかったよ、新曲最高だったぜ」
キララと類に褒められ少女はシシシと笑顔で応える、続けて類は質問する。
「ところであの気前のいい金髪で髭のおっさん誰? この場を支配して妙なオーラ漂わせているけど」
「あの人内の社長だよ」
えー! 類、キララ、肉山、近藤と目を丸くして驚愕する。
「リル先生のお兄さんでもある」
ええー!! 更に四人は絶句する。
「俺人生で三秒以内に二度驚いたのは初めてだ」
キララも、同じく、右に同じ、三人が類の言葉に頷き続けて言った。
会場は温かい雰囲気の中時間が過ぎていく。
「しかし何だったかなぁ? 生放送が無事終わったら真っ先に何か言おうと思っていたんだけど思い出せないんだよなぁ」
「彗夏さんもですか? 私も何か大切な事忘れている気がするんですよね・・・・」
彗夏と心が食事しながら忘れたことを思い出そうとしている。
「二人共~今は無事終わったことを喜んで美味しくご飯を食べようよ~」
「美味しく頂いているって、だけどなぁ、何だったかな、結構重要な事だったような気がするんだ」
伊莉愛は何かを思い出そうとする二人に対して話題を変えようとしている。
「それもこれもステージが終わった直後に還流さんが抱き着いて来たからですよ、突然すぎて頭が真っ白になってしまいました」
「そうそう、ふいにハグは無いよなぁ、ステージ後で汗かいてるし還流さんもそういう所気にして欲しいというか」
二人とも言葉の内容とは異なり表情は緩んでいる。
「あれ? 心ってマネージャーの事還流さんって呼んでいたっけ?」
「そういう彗夏さんも還流さんって呼んでましたか?」
「二人の時は名前で呼ばせてもらっていたよ」
「私もです」
彗夏と心の間に沈黙が入る。
「なるほどね、まぁ別に良いんだけど、ん? 呼び名・・何か引っかかるな?」
「はい、私も忘れているのを思い出しそうな気がします」
「彗夏も心ちゃんも今は目の前のご馳走を楽しも~よ~」
尚も二人は忘れていたことを思い出そうと考え込む中突然会場が真っ暗になる。
「はーはっはっはっはっ、はーはっはっはっはっ、はーはっはっはっはっ!」
三段笑いの後でステージにスポットライトが当たりマイクを持った社長が現れるとその姿に全員が注目する。
「今日の皆の活躍は大いに素晴らしかった! その中の一名に俺からMVP賞、金一封を差し上げる事に決めた!」
宝城キルトは懐から茶封筒を取り出し高らかと掲げた。
「三島さん、今回も手を貸してくれてありがとう」
「何言ってんだよキルト社長、こちらの方がいつも世話になっているってのに」
「兄さん!」
先程迄ファンの方々とお喋りをしていたリルが近づいて来た。
「宗さんと逢っていたんでしょう、どうだったの?」
えっ! 神谷宗男と会っていただって・・・・。
「いや~、宗さんの慌てふためく顔はお前達にも見せてやりたかったぜ」
「キルト、宗さんと会っていたのか?」
「ああ、ミッシーが見たら爆笑していたと思うぞ、宗さんのあの顔、最後の最後で『お前その口髭似合ってないぞ』だって、もっと面白い事言ってみろってんだ、負け惜しみ乙!」
社長の高笑いが会場に響き渡る、この言動を見ると結構酔っているな、しかしさっきまで他人行儀だったのに急に三島さんをミッシーって・・・・。
神谷宗男の捨て台詞を言う際の顔と声真似は結構似ていて笑えた。
「だったらキルトよ写真の一枚位撮っとけよなぁ」
社長と三島さんは笑い合う、俺の知る限り距離を置いて付き合っている感じだったけど今の二人を見ると昔はこんな感じで笑い合ったりしていたんだろうなぁ。
そんなことをしみじみ考えていたらバタバタとデリバリーが来る、俺は何も注文した記憶はないぞ?
「今日は皆大儀であった! 私のおごりだ、大いに食べてくれ」
社長が注文した寿司や高級な刺身や天ぷら、ジュース、アルコール類の飲み物がどんどんテーブルに並べられる、今日かかわってくれた方全員に振る舞われ歓喜の声が上がる。
「あー、やっと解放されたー」
彗夏が伸びをする、サイン会が終わって自由になったプリフォーが揃って社長に挨拶を交わす。
「お前達もよくやってくれたな、今日はジャンジャン食ってくれ」
「有難うございます、さっそく頂きます」
臣は類やキララ、子供たちが集まっている場所で一緒に食事をする。
「臣、お疲れ、プリフォーのステージ最高だったよ、キララ感激しちゃった」
「俺も正直ここまで凄いとは思ってなかったよ、新曲最高だったぜ」
キララと類に褒められ少女はシシシと笑顔で応える、続けて類は質問する。
「ところであの気前のいい金髪で髭のおっさん誰? この場を支配して妙なオーラ漂わせているけど」
「あの人内の社長だよ」
えー! 類、キララ、肉山、近藤と目を丸くして驚愕する。
「リル先生のお兄さんでもある」
ええー!! 更に四人は絶句する。
「俺人生で三秒以内に二度驚いたのは初めてだ」
キララも、同じく、右に同じ、三人が類の言葉に頷き続けて言った。
会場は温かい雰囲気の中時間が過ぎていく。
「しかし何だったかなぁ? 生放送が無事終わったら真っ先に何か言おうと思っていたんだけど思い出せないんだよなぁ」
「彗夏さんもですか? 私も何か大切な事忘れている気がするんですよね・・・・」
彗夏と心が食事しながら忘れたことを思い出そうとしている。
「二人共~今は無事終わったことを喜んで美味しくご飯を食べようよ~」
「美味しく頂いているって、だけどなぁ、何だったかな、結構重要な事だったような気がするんだ」
伊莉愛は何かを思い出そうとする二人に対して話題を変えようとしている。
「それもこれもステージが終わった直後に還流さんが抱き着いて来たからですよ、突然すぎて頭が真っ白になってしまいました」
「そうそう、ふいにハグは無いよなぁ、ステージ後で汗かいてるし還流さんもそういう所気にして欲しいというか」
二人とも言葉の内容とは異なり表情は緩んでいる。
「あれ? 心ってマネージャーの事還流さんって呼んでいたっけ?」
「そういう彗夏さんも還流さんって呼んでましたか?」
「二人の時は名前で呼ばせてもらっていたよ」
「私もです」
彗夏と心の間に沈黙が入る。
「なるほどね、まぁ別に良いんだけど、ん? 呼び名・・何か引っかかるな?」
「はい、私も忘れているのを思い出しそうな気がします」
「彗夏も心ちゃんも今は目の前のご馳走を楽しも~よ~」
尚も二人は忘れていたことを思い出そうと考え込む中突然会場が真っ暗になる。
「はーはっはっはっはっ、はーはっはっはっはっ、はーはっはっはっはっ!」
三段笑いの後でステージにスポットライトが当たりマイクを持った社長が現れるとその姿に全員が注目する。
「今日の皆の活躍は大いに素晴らしかった! その中の一名に俺からMVP賞、金一封を差し上げる事に決めた!」
宝城キルトは懐から茶封筒を取り出し高らかと掲げた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ヤンデレ男の娘の取り扱い方
下妻 憂
キャラ文芸
【ヤンデレ+男の娘のブラックコメディ】
「朝顔 結城」
それが僕の幼馴染の名前。
彼は彼であると同時に彼女でもある。
男でありながら女より女らしい容姿と性格。
幼馴染以上親友以上の関係だった。
しかし、ある日を境にそれは別の関係へと形を変える。
主人公・夕暮 秋貴は親友である結城との間柄を恋人関係へ昇華させた。
同性同士の負い目から、どこかしら違和感を覚えつつも2人の恋人生活がスタートする。
しかし、女装少年という事を差し引いても、結城はとんでもない爆弾を抱えていた。
――その一方、秋貴は赤黒の世界と異形を目にするようになる。
現実とヤミが混じり合う「恋愛サイコホラー」
本作はサークル「さふいずむ」で2012年から配信したフリーゲーム『ヤンデレ男の娘の取り扱い方シリーズ』の小説版です。
※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています。
※第三部は書き溜めが出来た後、公開開始します。
こちらの評判が良ければ、早めに再開するかもしれません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
あやかし学園
盛平
キャラ文芸
十三歳になった亜子は親元を離れ、学園に通う事になった。その学園はあやかしと人間の子供が通うあやかし学園だった。亜子は天狗の父親と人間の母親との間に生まれた半妖だ。亜子の通うあやかし学園は、亜子と同じ半妖の子供たちがいた。猫またの半妖の美少女に人魚の半妖の美少女、狼になる獣人と、個性的なクラスメートばかり。学園に襲い来る陰陽師と戦ったりと、毎日忙しい。亜子は無事学園生活を送る事ができるだろうか。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる