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068 激昂と微笑み
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薄暗いBAR、貸し切っているのだろう、俺の隣には神谷宗男、正面にバーテンダーが一名、後は神谷のボディーガード数名が居るだけで他は誰もいない、そんな中、カウンター席正面にある二つのモニターから音が響きわたる。
俺は顔を上げることが出来ないでいた、リルの事だ、たとえ少人数だとしても何とか番組を成立させることは出来るだろう、だが俺の求めるそれとは違う、またしても俺はこの男に負けるのか・・・・。
「何だと、馬鹿な! いったいどうなっている?」
隣に座る男の動揺する声が気になり正面を向くと教えてリル先生が映し出されるモニターを見て驚愕と共に自然と声が出た。
「生徒が全員そろっているではないか・・・・」
神谷宗男は俺のセリフ、表情を見てこの事に関して何も知らないと悟ると直ぐにモニターに顔を戻す。
リルと臣、他は神谷の言うように類、キララが居るのは確認出来る、肉山と近藤と言ったかな、この二人は見覚えあるが他は誰だ? 見たことが無い、弟の生徒ではない者たちが何故席に座っている? 嫌、この際その点に関してはどうでもいい、教室内が生徒達で埋め尽くされる、俺が求めていた大の意識空間とはこの事だ、良くは分からんがやってくれたのだな、 還流よ!
神谷の表情に余裕が一切なくなっているのがわかる。
「ふざけるな! あいつらはいったい・・・・子供達を集めるにしても時間なんてなかったはずだ、どうやったというんだ?」
画面の右側には視聴者からのコメントが映し出されてきてどんどん書き込まれているのが確認できる。
『二年ぶり? だっけ、リル先生お帰りなさい』
『お~、このイントロ懐かしい』
『臣ちゃん大きくなってる! 相変わらず可愛い』
『臣ちゃん、類君、キララちゃんって今5年生?』
『あっ! 肉山いる、芸能界辞めたんだよな?』
『隣に座る近藤さんもね』
『所で宝城リルって男? 女?』
『女っぽい男w』
『あの人見てると女辞めたくなるわw』
『ってか見たことない生徒多いけど誰?』
『今回限りの生徒なんじゃない?』
『観覧者募集していたのは知っているが・・・・』
『いいなぁ~私もリルさんの授業受けたい』
『前の席のおチビちゃん達面白い』
『肉山にやたら絡んでいるけど怖くないのかな?』
『臣ちゃんの表情見てみ、彼女が仕掛け人w』
『肉山大人しい・・つまらんw』
『肉山大人になったな、昔は臣ちゃんと取っ組み合いの喧嘩してなかったか?』
『あの神回は何十回と見た』
『おっ類君良いこと言うね』
『類君後十年もしたらかなりのイケメンになると思われ』
『今でもイケメン』
『類臣キララの成長が楽しみだ』
『新入生? の子達も将来性のある子チラホラいそう』
『肉山に絡んでいるチビ二人は人気出そう』
『確かに、可愛いし』
『後ろに座っているJCの二人も可愛い人気出るな』
『リル先生の持っている人形なんかいいな』
『環ちゃんだよ、知らないの?』
『プリフォーのマスコットキャラクターだろ?』
『?』
『プリミアムフォー略してプリフォー=臣ちゃんが居るアイドルグループ』
『説明乙』
『アイドルやっているのは聞いたことあるけどどんな?』
『かなり好き、ちなみにこれ終わったら新曲歌うよ』
『マジ? 楽しみや』
『キララちゃん相変わらずの毒舌炸裂w』
『臣派多い中俺はキララ派』
『近藤さん安定のフォロー』
『山田さんが居たら面白かったね』
『近藤山田コンビも意外と受け良かったな』
『旧メンバーもっと見たかったかも』
『本当は同窓会風にする予定だったとか何とか』
『マジか? それはそれで見たかったが』
『今回はこれでいいから次回希望』
『教えてリル先生のこの雰囲気良いね』
『子供たちの笑顔に癒される~』
『おっ真面目な話はじめた』
『リルさんの腹話術改めて見るとパネェな』
『そうなんだよね、口閉じて声質変えて喋ってるってマジ神技』
『天は二物を与えずって嘘やん』
『で、彼は男? 女?』
『彼なので男ではw』
『ちびちゃんズいいなぁ~』
『もう残り10分早くない?』
『マジでか!?』
『これを機に定期的にやって欲しい』
『毎週が無理なら月一隔月季節ごとにとかね』
『肉山キレたぞw』
『あれ演技だろw』
『クラス全員が笑うだけでこっちも自然と笑ってしまう』
『わかる』
『臣ちゃんの笑顔とびきりカワエエ~』
『臣は将来俺の嫁』
『は? 俺の嫁だし』
『お前らキモイw』
『プリフォーの新曲早よ、でもリル先生ずっと見ていたい』
『昔の映像また見たくなった』
『DVD出てないから見れん、録画していたやついたらネットにうpよろ』
『45分あっという間だったな』
『皆お疲れ~、またやってくれ!』
『リル先生を婿に欲しい』
『このクラスの笑顔守りたい』
『8888888888888888888888888888888888888888888888888888888』
____________________________________
「はーはっはっはっはっ、でかしたぞ還流! 視聴者のハートを一気に掴んだではないか!」
BARの中はキルトの笑い声に包まれた。
「キッキルトー!」
神谷宗男は席を立ちキルトを睨み付ける。
「まぁまぁ宗さん落ち着いて、お楽しみはまだまだ続きますから座ってください」
宝城キルトは微かな笑みを浮かべて隣で激昂する男に言い放った。
俺は顔を上げることが出来ないでいた、リルの事だ、たとえ少人数だとしても何とか番組を成立させることは出来るだろう、だが俺の求めるそれとは違う、またしても俺はこの男に負けるのか・・・・。
「何だと、馬鹿な! いったいどうなっている?」
隣に座る男の動揺する声が気になり正面を向くと教えてリル先生が映し出されるモニターを見て驚愕と共に自然と声が出た。
「生徒が全員そろっているではないか・・・・」
神谷宗男は俺のセリフ、表情を見てこの事に関して何も知らないと悟ると直ぐにモニターに顔を戻す。
リルと臣、他は神谷の言うように類、キララが居るのは確認出来る、肉山と近藤と言ったかな、この二人は見覚えあるが他は誰だ? 見たことが無い、弟の生徒ではない者たちが何故席に座っている? 嫌、この際その点に関してはどうでもいい、教室内が生徒達で埋め尽くされる、俺が求めていた大の意識空間とはこの事だ、良くは分からんがやってくれたのだな、 還流よ!
神谷の表情に余裕が一切なくなっているのがわかる。
「ふざけるな! あいつらはいったい・・・・子供達を集めるにしても時間なんてなかったはずだ、どうやったというんだ?」
画面の右側には視聴者からのコメントが映し出されてきてどんどん書き込まれているのが確認できる。
『二年ぶり? だっけ、リル先生お帰りなさい』
『お~、このイントロ懐かしい』
『臣ちゃん大きくなってる! 相変わらず可愛い』
『臣ちゃん、類君、キララちゃんって今5年生?』
『あっ! 肉山いる、芸能界辞めたんだよな?』
『隣に座る近藤さんもね』
『所で宝城リルって男? 女?』
『女っぽい男w』
『あの人見てると女辞めたくなるわw』
『ってか見たことない生徒多いけど誰?』
『今回限りの生徒なんじゃない?』
『観覧者募集していたのは知っているが・・・・』
『いいなぁ~私もリルさんの授業受けたい』
『前の席のおチビちゃん達面白い』
『肉山にやたら絡んでいるけど怖くないのかな?』
『臣ちゃんの表情見てみ、彼女が仕掛け人w』
『肉山大人しい・・つまらんw』
『肉山大人になったな、昔は臣ちゃんと取っ組み合いの喧嘩してなかったか?』
『あの神回は何十回と見た』
『おっ類君良いこと言うね』
『類君後十年もしたらかなりのイケメンになると思われ』
『今でもイケメン』
『類臣キララの成長が楽しみだ』
『新入生? の子達も将来性のある子チラホラいそう』
『肉山に絡んでいるチビ二人は人気出そう』
『確かに、可愛いし』
『後ろに座っているJCの二人も可愛い人気出るな』
『リル先生の持っている人形なんかいいな』
『環ちゃんだよ、知らないの?』
『プリフォーのマスコットキャラクターだろ?』
『?』
『プリミアムフォー略してプリフォー=臣ちゃんが居るアイドルグループ』
『説明乙』
『アイドルやっているのは聞いたことあるけどどんな?』
『かなり好き、ちなみにこれ終わったら新曲歌うよ』
『マジ? 楽しみや』
『キララちゃん相変わらずの毒舌炸裂w』
『臣派多い中俺はキララ派』
『近藤さん安定のフォロー』
『山田さんが居たら面白かったね』
『近藤山田コンビも意外と受け良かったな』
『旧メンバーもっと見たかったかも』
『本当は同窓会風にする予定だったとか何とか』
『マジか? それはそれで見たかったが』
『今回はこれでいいから次回希望』
『教えてリル先生のこの雰囲気良いね』
『子供たちの笑顔に癒される~』
『おっ真面目な話はじめた』
『リルさんの腹話術改めて見るとパネェな』
『そうなんだよね、口閉じて声質変えて喋ってるってマジ神技』
『天は二物を与えずって嘘やん』
『で、彼は男? 女?』
『彼なので男ではw』
『ちびちゃんズいいなぁ~』
『もう残り10分早くない?』
『マジでか!?』
『これを機に定期的にやって欲しい』
『毎週が無理なら月一隔月季節ごとにとかね』
『肉山キレたぞw』
『あれ演技だろw』
『クラス全員が笑うだけでこっちも自然と笑ってしまう』
『わかる』
『臣ちゃんの笑顔とびきりカワエエ~』
『臣は将来俺の嫁』
『は? 俺の嫁だし』
『お前らキモイw』
『プリフォーの新曲早よ、でもリル先生ずっと見ていたい』
『昔の映像また見たくなった』
『DVD出てないから見れん、録画していたやついたらネットにうpよろ』
『45分あっという間だったな』
『皆お疲れ~、またやってくれ!』
『リル先生を婿に欲しい』
『このクラスの笑顔守りたい』
『8888888888888888888888888888888888888888888888888888888』
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「はーはっはっはっはっ、でかしたぞ還流! 視聴者のハートを一気に掴んだではないか!」
BARの中はキルトの笑い声に包まれた。
「キッキルトー!」
神谷宗男は席を立ちキルトを睨み付ける。
「まぁまぁ宗さん落ち着いて、お楽しみはまだまだ続きますから座ってください」
宝城キルトは微かな笑みを浮かべて隣で激昂する男に言い放った。
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