彼女たちをトップアイドルに育てるのが俺が生まれた大きな理由の一つだったりするわけであり。

てたまろ

文字の大きさ
上 下
52 / 78

052 類&キララ登場

しおりを挟む
 数日後、教えてリル先生で活躍していた類とキララが二人で事務所に顔を出してきた、事務所には俺、リル、臣が居て臣は二人に会うなり懐かしがって話している。

 ネット配信での教えてリル先生は当時人気のあった臣とこの二人が中心となって話を回していく、今日はその打ち合わせも兼ねて来てくれたのだ。

 いつも年上に囲まれている臣は自分と同じ年の二人の前では少し違う表情に見える。


 「キララも類もドラマや映画で活躍しているね!」

 「まあね、キララのマネージャーは優秀だからいい仕事取ってくるのよ」

 自分の事を名前で呼ぶツインテールで八重歯が特徴的な少女キララが自慢げな顔をする。

 「お前リル先生が終わってからテレビ全然出ないからちょっとだけ心配していたんだぞ」

 つり目で生意気なガキ、同世代の女の子からやたら人気がある類が臣を気遣う。

 「類はまた新しい映画決まったんでしょう? 絶対見るよ」

 「俺の事は良いんだよ、何でお前もっと表に出ないんだ? リル先生で一番人気あったお前が引っ込んでいる状態だと納得できないんだよ」

 「そうそう、キララも同じ意見よ」

 類とキララが揃って俺を睨みつける、えっ? 何? 俺が悪いの? 臣がメディアに出ないのは仕事を取ってこない俺のせいだと思っている?

 「二人とも変わらず元気そうだね、活躍ぶり見ているよ」

 「リル先生、こんにちは、ご無沙汰しております」

 二人が揃って頭を下げ挨拶をする。

 「先生って付けなくていいよ、さん付けで読んでくれて良いから」

 「いえ、リル先生はずっと俺の先生です」

 リルは少々困った顔をしている。

 「臣ちゃんと同じこと言ってるよ」

 「キララもリル先生の言葉で励まされたこと今でも覚えています、学校のどの先生より尊敬しています、一生先生と呼ばせて頂きますね」

 そう言われる親友を誇らしく思い嬉しくなるが俺との扱いがあまりに違うので自然とムスッとした表情になっていた、何せ久しぶりに顔を合わせたと思ったら二人してそっけない態度だぜ、類のやつは二年生の時子役としてやっていくのが自信なくなったとかで落ち込んでいる時に飯おごったり話聞いてやっているうちに元気になって気付いたら俺の事を兄貴兄貴って慕っていたし、キララも他の現場の失敗を引きずってリル先生でも上手くいかずしょげていた時に励ましてやったりしていたら還流にいにいって言ってなついていたってのによ、売れてきたからなのかやたら偉そうになっちまって、あ~やだやだ。


 そのまま自分の机で仕事をする傍らでリル、臣、類、キララの四人はソファーに腰掛け昔話に花を咲かせていた、その後はネット配信の教えてリル先生の内容や進行など真剣に話している。

 「先生役の僕も入れて全員で19名、番組終了時のメンバー18名、その内現在中学に上がった子が6名だね、時間は一時間だから一人一人に余り時間は使えないけど楽しく出来ればいいなと思っているよ」

 「リル先生が居れば安心です、臣、キララ絶対良いものにしような」

 「リル先生と私たち三人がいるんだし、成功するに違ないわね」

 「類とキララとまたお仕事できるの今から凄く楽しみだよ」

 終始笑顔で話し終えた後、リルと臣は客人二人を駅まで見送りに行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

元虐げられ料理人は、帝都の大学食堂で謎を解く

逢汲彼方
キャラ文芸
 両親がおらず貧乏暮らしを余儀なくされている少女ココ。しかも弟妹はまだ幼く、ココは家計を支えるため、町の料理店で朝から晩まで必死に働いていた。  そんなある日、ココは、偶然町に来ていた医者に能力を見出され、その医者の紹介で帝都にある大学食堂で働くことになる。  大学では、一癖も二癖もある学生たちの悩みを解決し、食堂の収益を上げ、大学の一大イベント、ハロウィーンパーティでは一躍注目を集めることに。  そして気づけば、大学を揺るがす大きな事件に巻き込まれていたのだった。

フユノホタル〜色と光と音の交響曲(シンフォ二ー)〜

すずねこ脚本リスト
青春
すずねここと梦原すずの脚本家デビュー作。 当作品舞台化回数2回。 2度目は某都立総合高校の演劇部が大会用に起用して下さり、年齢等を高校生に合わせ、キャラクターの数も増やしました。 当て書き仕様ののもあり 今回はちょうどその中間に当たる脚本を公開します。 〜あらすじ〜 将来像に悩む藍の心とは裏腹に 夢に向かい爆走する合唱サークルはひとつのすれ違いをキッカケに空中分解を始める。間違いに気づいた者から欠片を拾い集めていく。『知らない心を知るために』。 色と光と音が織り成す人間模様。 未熟ながらも歩く未来は どんな色に光り輝いているのだろうか。

下弦に冴える月

和之
青春
恋に友情は何処まで寛容なのか・・・。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

魔王降臨 ~100人の美女を従え、大魔王となる俺の物語~

猫野 にくきゅう
キャラ文芸
冴えない普通の高校生『池野面太』が、魔王の力に覚醒して、ハーレムを作る物語────

処理中です...