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031 環ちゃん人形高騰からの~
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1000個ある環ちゃん人形を一個一万円で販売したのが18歳から21歳の去年まで、それが今ではネットでびっくりする値段で取引されていたんだ。
一万円だったのが三万円に、環ちゃんの前掛けの裏にシリアルナンバーが入っているのだがゾロ目だと10万円の値段がついている、またシリアルナンバーが二桁だと20万以上、一桁だと状態問わず50万以上出してもいいと掲示板に書かれてもいる、俺があんなに必死になって売ったものが何倍にもなって売買されているのだ。
環ちゃんが人気なのはプリフォーのマスコットキャラとしてホームページやCDのジャケットにイラストが描かれていたりメンバーが環ちゃん人形を持っている写真を多数ネットにアップしていて知名度が上がったのもある。
高額で取引されているのは簡単な話どこにも売っていないからだ、需要に対し供給が間に合っていないとこうなるらしい、ところが社長はもう間もなくこの値段は大暴落すると予言した。
数日後、その言葉通り環ちゃん人形は暴落し定価同様1万円、状態が悪いと5千円で取引されるようになったのだ、シリアルナンバーがレアな奴も定価以上の値段ではあるが前ほど高値ではなくなっていた。
何故そうなったのか、また暴落するとわかったのはどうしてなのか社長に問うと俺に内緒で五千個の環ちゃん人形を作成し、売り出したとの事だ、市場に溢れたので暴落したわけだ、しかも今回の環ちゃん人形は1個二千円でネットでも購入可能なので欲しい人はほぼほぼ持っていることになる、三日で千個売り上げたようで、五千個全部売れたら再生産しようと考えているそうだ。
「あーあ、暴落する前に俺の環ちゃん人形シリアルナンバー1000のやつを売りに出せばよかった」
「安心しろ、今売り出している環ちゃん人形が売れれば売れるほど初期に作った1000個は価値が上がっていくぞ」
「え? 今暴落しているんですよね?」
「これは一時的なものだ、今売り出しているのは大きさ20センチで素材もナイロンなど化学繊維、海外で一括生産だからコストが抑えられ安価で提供できる、とはいえ、ちゃちな品ではなくユーフォーキャッチャーに置いてあるぬいぐるみ位の出来栄えではあるがな、ほらっこれだ」
今説明した環ちゃん人形を社長が渡してきた。
「確かに俺が売りまわったのに比べたら小さいし触り心地とか違いますね、人形というよりぬいぐるみと言う方が正確な感じかな」
「初期の1000個は大きさ30センチ、自然繊維でハンドメイド、前掛け裏に私のサイン入りでシリアルナンバー付き、この細かい作りは衣玖の裁縫の腕が無いと出来ない代物だ、前にも言ったがあれは一万円でも安いくらいなんだぞ」
「でも安くて変わりがあれば皆それを買うでしょう? だから暴落したわけで」
「それがこだわるやつは買うのだよ、マニア心ってのはお前には分からんだろうがな、今売っているのが出回り多くのファンが持ち出すと違うのが欲しくなる、その時に実は一万円で売られていた環ちゃんがあると知ったら探すだろう、しかも限定1000個となればなおさらな、先週までネットで高額で取引されていた金額以上の値が付くと私は思っているよ」
「それじゃあ俺のやつも凄い金額になるかも」
「売る売らないは自由だが私としては持っていて欲しいものだな」
「わかってます、冗談ですよ、俺の環ちゃんはお金じゃない、必死で売り回り完売、達成した証でもある、あれには相当な思い出が詰まってますからね」
社長の口角が微妙に上がったのがわかった。
一万円だったのが三万円に、環ちゃんの前掛けの裏にシリアルナンバーが入っているのだがゾロ目だと10万円の値段がついている、またシリアルナンバーが二桁だと20万以上、一桁だと状態問わず50万以上出してもいいと掲示板に書かれてもいる、俺があんなに必死になって売ったものが何倍にもなって売買されているのだ。
環ちゃんが人気なのはプリフォーのマスコットキャラとしてホームページやCDのジャケットにイラストが描かれていたりメンバーが環ちゃん人形を持っている写真を多数ネットにアップしていて知名度が上がったのもある。
高額で取引されているのは簡単な話どこにも売っていないからだ、需要に対し供給が間に合っていないとこうなるらしい、ところが社長はもう間もなくこの値段は大暴落すると予言した。
数日後、その言葉通り環ちゃん人形は暴落し定価同様1万円、状態が悪いと5千円で取引されるようになったのだ、シリアルナンバーがレアな奴も定価以上の値段ではあるが前ほど高値ではなくなっていた。
何故そうなったのか、また暴落するとわかったのはどうしてなのか社長に問うと俺に内緒で五千個の環ちゃん人形を作成し、売り出したとの事だ、市場に溢れたので暴落したわけだ、しかも今回の環ちゃん人形は1個二千円でネットでも購入可能なので欲しい人はほぼほぼ持っていることになる、三日で千個売り上げたようで、五千個全部売れたら再生産しようと考えているそうだ。
「あーあ、暴落する前に俺の環ちゃん人形シリアルナンバー1000のやつを売りに出せばよかった」
「安心しろ、今売り出している環ちゃん人形が売れれば売れるほど初期に作った1000個は価値が上がっていくぞ」
「え? 今暴落しているんですよね?」
「これは一時的なものだ、今売り出しているのは大きさ20センチで素材もナイロンなど化学繊維、海外で一括生産だからコストが抑えられ安価で提供できる、とはいえ、ちゃちな品ではなくユーフォーキャッチャーに置いてあるぬいぐるみ位の出来栄えではあるがな、ほらっこれだ」
今説明した環ちゃん人形を社長が渡してきた。
「確かに俺が売りまわったのに比べたら小さいし触り心地とか違いますね、人形というよりぬいぐるみと言う方が正確な感じかな」
「初期の1000個は大きさ30センチ、自然繊維でハンドメイド、前掛け裏に私のサイン入りでシリアルナンバー付き、この細かい作りは衣玖の裁縫の腕が無いと出来ない代物だ、前にも言ったがあれは一万円でも安いくらいなんだぞ」
「でも安くて変わりがあれば皆それを買うでしょう? だから暴落したわけで」
「それがこだわるやつは買うのだよ、マニア心ってのはお前には分からんだろうがな、今売っているのが出回り多くのファンが持ち出すと違うのが欲しくなる、その時に実は一万円で売られていた環ちゃんがあると知ったら探すだろう、しかも限定1000個となればなおさらな、先週までネットで高額で取引されていた金額以上の値が付くと私は思っているよ」
「それじゃあ俺のやつも凄い金額になるかも」
「売る売らないは自由だが私としては持っていて欲しいものだな」
「わかってます、冗談ですよ、俺の環ちゃんはお金じゃない、必死で売り回り完売、達成した証でもある、あれには相当な思い出が詰まってますからね」
社長の口角が微妙に上がったのがわかった。
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