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028 お兄ちゃんと呼ばせて その⑤
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「お兄ちゃんは妹や妹と呼べるような人はいないんだよね?」
「俺に兄弟はいないし従妹や親せきに年下の女の子は要るけど妹とは思わないからな」
「だったら妹は世界で私一人で間違いないんだよね? ね? お兄ちゃん」
「ああ、俺の妹はリア、お前だけだよ」
「良かった~、約束だよ、他に妹なんか作ったら許さないんだから」
「はいはい、分かってますよ」
「リアお兄ちゃんに頭ポンポンして欲しいな」
注文通り頭を撫でてやる、そういえば昔、小学生の頃、幼馴染の水ノ森環にも同じように観覧車の中で頭ポンポンしたことをふと思い出した。
「ねぇ、還流君、私たち同じ病院で生まれお互いの家を行き来する仲じゃない、ある意味兄弟の様でもあるよね、還流君が20分私より早く産まれたんだからお兄ちゃんになるんだよ、お兄ちゃんだから妹のわがままはちゃんと聞いてくれないといけないんだからね」
そう言って環ちゃんは頭を前に突き出した。
「環はよく頑張っているね、偉いよ、そう言って頭を優しくポンポンしなさい」
僕は言われるがままに優しく頭をポンポンする。
「えへへへ、還流お兄ちゃん、大好き」
彼女は最高の笑顔を僕に向けた。
その後、環ちゃんは父親から格闘技を本格的に習って腕っぷしも強くなり、妹と言うよりは姉のような存在で僕を引っ張って行くことになるんだけどね・・・・。
伊莉愛の頭をポンポンしながら思う。
「しかし本当にお兄ちゃんが俺でいいのか? リルの方が良いんじゃないの? 頼んでやろうか?」
「も~、本当にわかってないんだね、 リルさんは独り占めしていい存在じゃないんだよ、皆で崇めるようなそんな存在なの、お兄ちゃんだなんて恐れ多すぎます」
よくわからんがそういう事にしておくよ。
「しかし俺をお兄ちゃんになって欲しい理由は何? 悪いがリアの好きな作品のお兄ちゃんと違って頼りにならないぞ」
「そんなことないよ、さっき男の人に絡まれていた時助けてくれてありがとう、嬉しかったよ、すごくかっこ良かった」
「どういたしまして」
「それに以前シローさんに彗夏が追い詰められていた時助けていたよね、あの時もかっこよくて彗夏をうらやましく感じたの~」
そんなこともあったな。
「でも一番最初にお兄ちゃんの事いいなぁ~と思ったのは・・・・、いいや、これは秘密」
「おいおい気になるじゃないか」
伊莉愛はへへへと笑うだけで教えてくれなかった。
その後は伊莉愛の好きなアニメや漫画の話をたっぷり聞いて、絶叫マシーンやお化け屋敷など色んなアトラクション楽しみまくった。
途中リルには伊莉愛に会えたことや電話が繋がらなかったことなどは報告した、相変わらずガチガチだったが伊莉愛にもちゃんと直接リルと会話させた。
夕方、日も暮れたので帰る。
「お兄ちゃん、今日はありがとう、楽しかったよ、またデートしようね」
「そうだな、でもちゃんとプリフォーの活動はしっかりするんだぞ」
「わかってるよ~、それじゃあまた来週事務所でね、またねお兄ちゃん」
「ああ、またなリア」
伊莉愛のやつ、お兄ちゃんが本当に好きなんだな。
これが俺と伊莉愛の兄妹ごっこ? が始まったいきさつだ。
そして現在に戻る、轟和荘5号室、俺と伊莉愛の二人でいる。
「私はお兄ちゃんの妹として添い寝して欲しいだけ、臣ちゃんにしたように私にもして欲しいな~」
そう迫ってくる彼女に困惑しているとコンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。
「俺に兄弟はいないし従妹や親せきに年下の女の子は要るけど妹とは思わないからな」
「だったら妹は世界で私一人で間違いないんだよね? ね? お兄ちゃん」
「ああ、俺の妹はリア、お前だけだよ」
「良かった~、約束だよ、他に妹なんか作ったら許さないんだから」
「はいはい、分かってますよ」
「リアお兄ちゃんに頭ポンポンして欲しいな」
注文通り頭を撫でてやる、そういえば昔、小学生の頃、幼馴染の水ノ森環にも同じように観覧車の中で頭ポンポンしたことをふと思い出した。
「ねぇ、還流君、私たち同じ病院で生まれお互いの家を行き来する仲じゃない、ある意味兄弟の様でもあるよね、還流君が20分私より早く産まれたんだからお兄ちゃんになるんだよ、お兄ちゃんだから妹のわがままはちゃんと聞いてくれないといけないんだからね」
そう言って環ちゃんは頭を前に突き出した。
「環はよく頑張っているね、偉いよ、そう言って頭を優しくポンポンしなさい」
僕は言われるがままに優しく頭をポンポンする。
「えへへへ、還流お兄ちゃん、大好き」
彼女は最高の笑顔を僕に向けた。
その後、環ちゃんは父親から格闘技を本格的に習って腕っぷしも強くなり、妹と言うよりは姉のような存在で僕を引っ張って行くことになるんだけどね・・・・。
伊莉愛の頭をポンポンしながら思う。
「しかし本当にお兄ちゃんが俺でいいのか? リルの方が良いんじゃないの? 頼んでやろうか?」
「も~、本当にわかってないんだね、 リルさんは独り占めしていい存在じゃないんだよ、皆で崇めるようなそんな存在なの、お兄ちゃんだなんて恐れ多すぎます」
よくわからんがそういう事にしておくよ。
「しかし俺をお兄ちゃんになって欲しい理由は何? 悪いがリアの好きな作品のお兄ちゃんと違って頼りにならないぞ」
「そんなことないよ、さっき男の人に絡まれていた時助けてくれてありがとう、嬉しかったよ、すごくかっこ良かった」
「どういたしまして」
「それに以前シローさんに彗夏が追い詰められていた時助けていたよね、あの時もかっこよくて彗夏をうらやましく感じたの~」
そんなこともあったな。
「でも一番最初にお兄ちゃんの事いいなぁ~と思ったのは・・・・、いいや、これは秘密」
「おいおい気になるじゃないか」
伊莉愛はへへへと笑うだけで教えてくれなかった。
その後は伊莉愛の好きなアニメや漫画の話をたっぷり聞いて、絶叫マシーンやお化け屋敷など色んなアトラクション楽しみまくった。
途中リルには伊莉愛に会えたことや電話が繋がらなかったことなどは報告した、相変わらずガチガチだったが伊莉愛にもちゃんと直接リルと会話させた。
夕方、日も暮れたので帰る。
「お兄ちゃん、今日はありがとう、楽しかったよ、またデートしようね」
「そうだな、でもちゃんとプリフォーの活動はしっかりするんだぞ」
「わかってるよ~、それじゃあまた来週事務所でね、またねお兄ちゃん」
「ああ、またなリア」
伊莉愛のやつ、お兄ちゃんが本当に好きなんだな。
これが俺と伊莉愛の兄妹ごっこ? が始まったいきさつだ。
そして現在に戻る、轟和荘5号室、俺と伊莉愛の二人でいる。
「私はお兄ちゃんの妹として添い寝して欲しいだけ、臣ちゃんにしたように私にもして欲しいな~」
そう迫ってくる彼女に困惑しているとコンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。
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