9 / 13
九鍋目。温室の外
しおりを挟む
――ラーユが、攫われた。
肉屋でお世話になった、その次の日の朝だった。
妙な人影が横切った気がして起きてみたら、ラーユがいなくなっていた。モモも、見当たらない。
「……追いかけないと!」
頭の中が真っ白だ。
(気づかなかった。いつ部屋に入ってきたの?)
(鍵を閉めたはずなのに、なんで?)
(なんで?)
私はタンスに仕舞ってあった長剣を手に取った。
埃っぽい。そういえばラーユが家に来てから、剣を振っていない。
「ラーユ、待ってて」
とりあえず、物置小屋を出た。一通り見たが、何も荒らされていないようだ。本当に、ラーユだけが目的なのかもしれない。
――それならなおさら、必死に探さないと。
ドアの前で、立ち止まる私。
考えないと。誘拐犯がいったい、どの方向に進んだのか。
探してみたが、足跡が残っていない。掠った痕跡すら残していない。よほど、こういう仕事に慣れているらしい。
考えろ。
頭を動かさなきゃ。
動かさなきゃ――。
「あのぅ」
女性の声に、私が振り返った。
貴族のお世話係のような、身を整えたメイドだった。
「もしかして、誰かお探しですかぁ」
「はい。人さらいに会ってしまいまして」
「それなら今さっき見ましたぁ!黒いマントを被った人が、女の子を抱えて……」
「えっ⁉どの方面ですか!」
「ええっと、確か――」
――森の、ずっと奥。
私は一つ礼を言うと、メイドが指さした方向へと駆け出した。
ラーユ、モモ、今すぐ助けに行くから。
・・・
整頓された石畳の道。
並木に飾られた異質なランプ。
まるで私をおびき寄せるかのように、まだ見ぬ遠くへと続いている。
濃厚な霧が顔にかかる。妙に呼吸がしづらい。
私が歩を進めるたびに、むせるような息苦しさが増していった。
……そしてついに、道が途絶えた。
「……っ、あれは!」
見上げるほどの巨躯を持つ、古びた館。まるで一つの巨大な生き物――そう、ドラゴンを思わせるような造形だった。
朝方だというのに曇天は重々しく、三角屋根にのしかかっている。
窒息するほどのミストだけが、図々しく空気を占領していた。
――異界。
これほどのご近所に、こんな場所があったとは。
そういう場合ではないとわかっていつつも、私は息をのんだ。
「……いた!」
ふと、私の視界は人影を捉えた。
重厚な鉄柵のゲートの向こう側。私に背を向けているのは一つのマント姿。
その影は私の方へとやや顔を向けると、あざ笑うようにして屋敷の奥へと足を運んだ。
「待って!」
私は無意識のうちに声を張った。
――トン。
「……え」
肉体に衝撃が響くまで、私は認識することすらできなかった。
私の胸をまっすぐ貫く、一本の朽ちた長剣。先の曲がった長剣。
すぐさま引き抜かれた。
バランスを崩し、私は必死になって鉄柵を握った。
辛うじて振り返る。
黒いマントだ。手に握っているのは、私が持ってきたはずの長剣。
――視線誘導をして、背後に忍び込み、正中線を狙った鋭い刺突。
どれもありきたりだけれど、できる人など一握りだ。
「……あなたが、ラーユを攫ったのですか」
「……」
返事はない。
シロではなさそうだ。
「使いなさい」
「え」
懐から一本の剣を引っ張り出すと、ご親切にも私に手渡した。
え。なんで。
私を殺したいわけじゃないの。
「……立ちなさい」
言われた通りにするのはなんだか気が乗らないが、立ち上がるほかない。
剣を構え、相手と距離を取った。
……まあ、何にしろ。
「ラーユを返してもらうよ」
私は脇を引き締め、低姿勢になって薙ぎ払った。
「『ナビゲーターたるもの、常に冷静であるべき』」
「ぐっ」
すでに、相手は横にやってきていた。
何をされたかもわからないまま、私は膝から落ちた。
「『自分より格上に、背中を取られてはいけない』」
「『正中線に弱点が集まる』……これはゾンビでも同じこと」
私は額に手を触れた。
若干の隙間がある。……もしかして、さっきの一瞬で斬られたの?
「『戦闘中は怪我の状態を気にするより、まずは避難をすること』」
「『立ち止まる場所を判断すること』」
腹を抉るような一突き。
私はそのまま為すすべもなく、柵に叩きつけられた。
「『立ち回りに気を付けること』……以上、全部教科書にも載る内容。その一方実践できる人などほとんどいないのも事実」
「……いったい、一体なんなのですか!」
私は感情の訴えるままに言い放った。
おかしい。コントロールが聞かない。焦りと無力感だけが先走って、剣を握る手の感覚がなくなっている。
目の前の人が言っていることは、どれも正しい。
どれも認めざるを得ない事実だ。
……その分、私の精神へのダメージはとてつもなく重かった。
「一つだけ答えてください。あなたが、ラーユを攫ったのですか」
「……あの子、ラーユと言うのですね。着ぐるみ、可愛かったですね」
「……っ」
「そんなことより続きをしましょうか――アンズちゃん」
何事もなかったかのように。
まるでラーユを攫ったことなど当たり前かのように、彼女は剣を悠々と構えた。
おかしい。彼女が持っているのは私の手入れをしていない剣なのに、なぜこんなにも鋭い攻撃が繰り出せるのだろう。
――それに。
「……なぜ私の名前を知っているのですか。なぜそんなに、上から目線なのですか。……私が経験した苦しみも、嫌なことも、経験したことなんてないくせに!」
自分でもびっくりするくらいの大声が出た。私ってこんなに怒れるんだな、と感じた。
ううん、怒りだけじゃない。
苦いトラウマの反芻。
酸味の強い屈辱感。
甘くて中毒性のある思い出。
……そして、塩辛い現実。
見れば見るほど惨めで、考えれば考えるほど理不尽で。
そのまま聖魔法かなにかで消し去ってくれたら、どれほど楽かと思ってしまうほどに。
私はもう、前が見えていなかった。
「いいえ、あなたと同じ道を進んできたから、言っているのですよ。アンズちゃん」
「嘘つき」
剣を高く構え、体重を乗せて振り下ろす。
しかし力は簡単に流され、相手の肌に届きもしなかった。
反応が鈍く、カウンターに気付くこともなく私は地面に転がった。
起き上がる間もなく私の心臓は貫かれた。ゾンビとはいえ体には限界がある。すでに体の治りが遅くなってきている。
「ぐぅ……っ」
「ラーユちゃん、と言うのでしたっけ。あの子は確かに、あなたの支えになったのだと思います。――けれど、ラーユちゃんを温室にしてはいけません」
彼女の言葉は続いた。
「確かに、アンデッドが過ごしにくい世の中かもしれません。ですがそれは、あなたが頑張るのをやめる理由には、なりませんよ」
「……っ」
妙に温かみのある言葉なだけに、実物の剣よりも何倍も殺傷力があった。脳がぐつぐつと加熱されているようで、少し気が緩めば感情が決壊してしまいそうだ。
せめてもの反抗に、私は声を震わせて言った。
「……頑張っています。あなたが見えていないところで、ずっと――」
「嘘はよくありませんよ、アンズちゃん」
「……っ」
「人員募集の紙飛行機。最近、飛ばしていませんね。もう、メンバーは足りたのでしょうか?それに、剣の鍛錬もそう。ナビゲーターのお勉強もそう。……ラーユちゃんが来て、安堵したのは理解ができます。けれど、一気に安心してしまって、もう苦しみを味わう勇気を封印してしまったのでしょうね」
自分のことだ。
判っていないわけがない。
むしろ私の方がずっとずっと、ラーユに甘えていたことくらい。
もう部屋に閉じこもって、ずっといい世界だけを見ていたくなったことくらい。
ただ、それをいざ突っつかれると怒涛のように恥ずかしさが沸きあがってきて、堰き止められなくなっていくのだ。
「アンズちゃん。よく、覚えておいていなさい。習慣を作ることはとても時間がかかります。ですが――その習慣を壊すのは、一瞬だけでいいのですよ」
「そ、そんなこと……」
だめ。
やめて。
もう、いわないで。
「……あなたの行動が見たくて、ラーユちゃんという温室を取り除いてみましたが、案の定でしたね」
「あ、ぁ、ぁぁ……」
我慢できない。
頭の中がまるで感情の闇鍋のようになって、混ざり合って、沸騰していた。
ゾンビだから、ゾンビだから、ゾンビだから。
そうやって決めつけていたのは、自分かもしれない。
タフになろうとすればするほど、心の奥底が脆くなって。
ちょっと炙られただけで、すぐにボロボロに崩れてしまう。
――私、ばかみたい。
その後は記憶すら残っていなかった。
ただ、きっとずっと地面にへばりついたまま、赤ちゃんみたいに泣きじゃくっていたのだと思う。
世界で一番、醜い顔をしていたのかもしれない。
ああ、もう。
――さっさと生まれ変われたらいいのに。
肉屋でお世話になった、その次の日の朝だった。
妙な人影が横切った気がして起きてみたら、ラーユがいなくなっていた。モモも、見当たらない。
「……追いかけないと!」
頭の中が真っ白だ。
(気づかなかった。いつ部屋に入ってきたの?)
(鍵を閉めたはずなのに、なんで?)
(なんで?)
私はタンスに仕舞ってあった長剣を手に取った。
埃っぽい。そういえばラーユが家に来てから、剣を振っていない。
「ラーユ、待ってて」
とりあえず、物置小屋を出た。一通り見たが、何も荒らされていないようだ。本当に、ラーユだけが目的なのかもしれない。
――それならなおさら、必死に探さないと。
ドアの前で、立ち止まる私。
考えないと。誘拐犯がいったい、どの方向に進んだのか。
探してみたが、足跡が残っていない。掠った痕跡すら残していない。よほど、こういう仕事に慣れているらしい。
考えろ。
頭を動かさなきゃ。
動かさなきゃ――。
「あのぅ」
女性の声に、私が振り返った。
貴族のお世話係のような、身を整えたメイドだった。
「もしかして、誰かお探しですかぁ」
「はい。人さらいに会ってしまいまして」
「それなら今さっき見ましたぁ!黒いマントを被った人が、女の子を抱えて……」
「えっ⁉どの方面ですか!」
「ええっと、確か――」
――森の、ずっと奥。
私は一つ礼を言うと、メイドが指さした方向へと駆け出した。
ラーユ、モモ、今すぐ助けに行くから。
・・・
整頓された石畳の道。
並木に飾られた異質なランプ。
まるで私をおびき寄せるかのように、まだ見ぬ遠くへと続いている。
濃厚な霧が顔にかかる。妙に呼吸がしづらい。
私が歩を進めるたびに、むせるような息苦しさが増していった。
……そしてついに、道が途絶えた。
「……っ、あれは!」
見上げるほどの巨躯を持つ、古びた館。まるで一つの巨大な生き物――そう、ドラゴンを思わせるような造形だった。
朝方だというのに曇天は重々しく、三角屋根にのしかかっている。
窒息するほどのミストだけが、図々しく空気を占領していた。
――異界。
これほどのご近所に、こんな場所があったとは。
そういう場合ではないとわかっていつつも、私は息をのんだ。
「……いた!」
ふと、私の視界は人影を捉えた。
重厚な鉄柵のゲートの向こう側。私に背を向けているのは一つのマント姿。
その影は私の方へとやや顔を向けると、あざ笑うようにして屋敷の奥へと足を運んだ。
「待って!」
私は無意識のうちに声を張った。
――トン。
「……え」
肉体に衝撃が響くまで、私は認識することすらできなかった。
私の胸をまっすぐ貫く、一本の朽ちた長剣。先の曲がった長剣。
すぐさま引き抜かれた。
バランスを崩し、私は必死になって鉄柵を握った。
辛うじて振り返る。
黒いマントだ。手に握っているのは、私が持ってきたはずの長剣。
――視線誘導をして、背後に忍び込み、正中線を狙った鋭い刺突。
どれもありきたりだけれど、できる人など一握りだ。
「……あなたが、ラーユを攫ったのですか」
「……」
返事はない。
シロではなさそうだ。
「使いなさい」
「え」
懐から一本の剣を引っ張り出すと、ご親切にも私に手渡した。
え。なんで。
私を殺したいわけじゃないの。
「……立ちなさい」
言われた通りにするのはなんだか気が乗らないが、立ち上がるほかない。
剣を構え、相手と距離を取った。
……まあ、何にしろ。
「ラーユを返してもらうよ」
私は脇を引き締め、低姿勢になって薙ぎ払った。
「『ナビゲーターたるもの、常に冷静であるべき』」
「ぐっ」
すでに、相手は横にやってきていた。
何をされたかもわからないまま、私は膝から落ちた。
「『自分より格上に、背中を取られてはいけない』」
「『正中線に弱点が集まる』……これはゾンビでも同じこと」
私は額に手を触れた。
若干の隙間がある。……もしかして、さっきの一瞬で斬られたの?
「『戦闘中は怪我の状態を気にするより、まずは避難をすること』」
「『立ち止まる場所を判断すること』」
腹を抉るような一突き。
私はそのまま為すすべもなく、柵に叩きつけられた。
「『立ち回りに気を付けること』……以上、全部教科書にも載る内容。その一方実践できる人などほとんどいないのも事実」
「……いったい、一体なんなのですか!」
私は感情の訴えるままに言い放った。
おかしい。コントロールが聞かない。焦りと無力感だけが先走って、剣を握る手の感覚がなくなっている。
目の前の人が言っていることは、どれも正しい。
どれも認めざるを得ない事実だ。
……その分、私の精神へのダメージはとてつもなく重かった。
「一つだけ答えてください。あなたが、ラーユを攫ったのですか」
「……あの子、ラーユと言うのですね。着ぐるみ、可愛かったですね」
「……っ」
「そんなことより続きをしましょうか――アンズちゃん」
何事もなかったかのように。
まるでラーユを攫ったことなど当たり前かのように、彼女は剣を悠々と構えた。
おかしい。彼女が持っているのは私の手入れをしていない剣なのに、なぜこんなにも鋭い攻撃が繰り出せるのだろう。
――それに。
「……なぜ私の名前を知っているのですか。なぜそんなに、上から目線なのですか。……私が経験した苦しみも、嫌なことも、経験したことなんてないくせに!」
自分でもびっくりするくらいの大声が出た。私ってこんなに怒れるんだな、と感じた。
ううん、怒りだけじゃない。
苦いトラウマの反芻。
酸味の強い屈辱感。
甘くて中毒性のある思い出。
……そして、塩辛い現実。
見れば見るほど惨めで、考えれば考えるほど理不尽で。
そのまま聖魔法かなにかで消し去ってくれたら、どれほど楽かと思ってしまうほどに。
私はもう、前が見えていなかった。
「いいえ、あなたと同じ道を進んできたから、言っているのですよ。アンズちゃん」
「嘘つき」
剣を高く構え、体重を乗せて振り下ろす。
しかし力は簡単に流され、相手の肌に届きもしなかった。
反応が鈍く、カウンターに気付くこともなく私は地面に転がった。
起き上がる間もなく私の心臓は貫かれた。ゾンビとはいえ体には限界がある。すでに体の治りが遅くなってきている。
「ぐぅ……っ」
「ラーユちゃん、と言うのでしたっけ。あの子は確かに、あなたの支えになったのだと思います。――けれど、ラーユちゃんを温室にしてはいけません」
彼女の言葉は続いた。
「確かに、アンデッドが過ごしにくい世の中かもしれません。ですがそれは、あなたが頑張るのをやめる理由には、なりませんよ」
「……っ」
妙に温かみのある言葉なだけに、実物の剣よりも何倍も殺傷力があった。脳がぐつぐつと加熱されているようで、少し気が緩めば感情が決壊してしまいそうだ。
せめてもの反抗に、私は声を震わせて言った。
「……頑張っています。あなたが見えていないところで、ずっと――」
「嘘はよくありませんよ、アンズちゃん」
「……っ」
「人員募集の紙飛行機。最近、飛ばしていませんね。もう、メンバーは足りたのでしょうか?それに、剣の鍛錬もそう。ナビゲーターのお勉強もそう。……ラーユちゃんが来て、安堵したのは理解ができます。けれど、一気に安心してしまって、もう苦しみを味わう勇気を封印してしまったのでしょうね」
自分のことだ。
判っていないわけがない。
むしろ私の方がずっとずっと、ラーユに甘えていたことくらい。
もう部屋に閉じこもって、ずっといい世界だけを見ていたくなったことくらい。
ただ、それをいざ突っつかれると怒涛のように恥ずかしさが沸きあがってきて、堰き止められなくなっていくのだ。
「アンズちゃん。よく、覚えておいていなさい。習慣を作ることはとても時間がかかります。ですが――その習慣を壊すのは、一瞬だけでいいのですよ」
「そ、そんなこと……」
だめ。
やめて。
もう、いわないで。
「……あなたの行動が見たくて、ラーユちゃんという温室を取り除いてみましたが、案の定でしたね」
「あ、ぁ、ぁぁ……」
我慢できない。
頭の中がまるで感情の闇鍋のようになって、混ざり合って、沸騰していた。
ゾンビだから、ゾンビだから、ゾンビだから。
そうやって決めつけていたのは、自分かもしれない。
タフになろうとすればするほど、心の奥底が脆くなって。
ちょっと炙られただけで、すぐにボロボロに崩れてしまう。
――私、ばかみたい。
その後は記憶すら残っていなかった。
ただ、きっとずっと地面にへばりついたまま、赤ちゃんみたいに泣きじゃくっていたのだと思う。
世界で一番、醜い顔をしていたのかもしれない。
ああ、もう。
――さっさと生まれ変われたらいいのに。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。

完結 愛のない結婚ですが、何も問題ありません旦那様!
音爽(ネソウ)
恋愛
「私と契約しないか」そう言われた幼い貧乏令嬢14歳は頷く他なかった。
愛人を秘匿してきた公爵は世間を欺くための結婚だと言う、白い結婚を望むのならばそれも由と言われた。
「優遇された契約婚になにを躊躇うことがあるでしょう」令嬢は快く承諾したのである。
ところがいざ結婚してみると令嬢は勤勉で朗らかに笑い、たちまち屋敷の者たちを魅了してしまう。
「奥様はとても素晴らしい、誰彼隔てなく優しくして下さる」
従者たちの噂を耳にした公爵は奥方に興味を持ち始め……
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで
みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める
婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様
私を愛してくれる人の為にももう自由になります
アシュレイの桜
梨香
ファンタジー
『魔法学校の落ちこぼれ』のフィンの祖先、アシュレイの物語。
流行り病で両親を亡くしたアシュレイは山裾のマディソン村の祖父母に引き取られる。
ある冬、祖母が病に罹り、アシュレイは山に薬草を取りに行き、年老いた竜から卵を託される。
この竜の卵を孵す為にアシュレイは魔法使いの道を歩んでいく。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。
しかも、定番の悪役令嬢。
いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。
ですから婚約者の王子様。
私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる