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2章。学園編〜それは、蝕まれた憧れ・上
57。キツネの独白〜無効〜
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~キツネ side~
実習から半日が経ちました。
始まったときはあんなにも緊張していたのに、あっという間ですね。
私たちのグループは六人組ーーーだったはずなのですが、今は五人組です。
……もう一人は昨夜、襲われて家で休養することになったそうです。
みんなは口々に、
「せっかく成績を出すいい機会なのに」
「かわいそう」
と言っていました。が、少なくとも私はそう思えません。
ーーーだって彼は、メルティちゃんを襲って返り討ちに遭っただけですから。
今朝、ノーソリューション先生にお話を伺いました。
メルティちゃんが、お馬鹿な貴族たちの「見栄え争い」に巻き込まれて、夜襲を受けたこと。それを聞いた時、私は心配でした。
……あ、もちろんメルティちゃんが危ないかもしれない、と言うわけではありません。
ああいう貴族程度で、メルティちゃんが傷つけられるはずもありませんから。
……むしろ私は、やり過ぎないか不安だったのです。
貴族の世界は、「メンツ」の世界です。
もし今回の件でメルティちゃんが目をつけられたらーーーややもすれば「メルティ・イノセントに襲われた」という噂が独り歩してしまう……なんてこともあり得ない話ではありません。
……まあ、そこのところはご安心を。
今回のことは、全部、お父さんに伝わっていますから。
ええ。
安心してください。国王様のお耳に風の噂が届くだけです。
……メルティちゃんが今回のことで、貴族が全部嫌いになったーーーなんてことにならないことを、祈るばかりです。
「……ちゃん。キツネちゃん?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと考え事していたんです」
今、カジュという子と二人で巡回を行なっています。
本名、カジュ・リードバルーン。
魔術科一年です。
カジュちゃんはちんまりとしたの女の子です。
俗に言う、「小動物系」というものでしょうか。
別にもふもふ、という感じではありませんが、それでも膝に乗せたくなるタイプの子です。お腹わしゃわしゃしたら、「ちうちう」と反応してくれそうです。
……浮気?
浮気なんてしていませんよ。
メルティちゃんが一番なのは変わりませんから、ええ。
「そそそういえば、モンスターあんまりいない、ね?」
「お昼に狼の群れがありましたが、それっきりですもんね」
「おお狼さんから、いただいた核は点数には入るのか、な」
「多分、入らないと思いますよ。横着防止にマークをつけて識別しているはずです」
そんなたわいない会話。
私としてはーーーきっとカジュちゃんとしても、平和に実習が終わればそれでいいと思っています。
メルティちゃんとの共同作業で指名依頼を受け、おかげで森には多少慣れてきましたが、それでも長居はしたくありません。
ーーーと、そんな時でした。
明日はどうするか、なんて話していると、やや遠くからイヤな気配がしてきました。
「……っ!」
私はとっさにカジュの前に立ち、彼女の口に手を添えました。
「きき、キツネちゃん……?」
「静かに、です」
ざわざわと、無数の手のような枝葉の房が、風に撫でられ踊っています。
踏みしめる地面ですらなんだかいつもより、不安定で緩く感じてきました。
「カジュちゃん、先に戻ってください」
「そそそれは、いやっ!」
案外頑なな彼女に、私はたじろぎました。
始まって半日、彼女はずっと核を持って逃げ回っていました。
私は別行動だったので聞いた話なのですが、「泣きっぱなし」だったそうです。
たしかに真剣振り回して追いかけてくるのは、例え相手が生徒であっても怖いものです。それに逃げ回りつつあれだけの核をキープできるのは、すごいと思います。
だからこそ、ここは逃げてもらったほうがいいと思って、前に出たのですがーーー。
「ここから先は危険ですよ。……私自身もそんなに大胆ではありませんし、すごく強いわけではないのです」
「だだだったら、なおさらだ、よ? キツネちゃんが帰って来なくなるのは、や!」
「ええっと……」
「じじ自分の身は、自分で守るから。安心し、て? こう見えて赤ちゃんの頃はすっごく大きかった、よ? えっへん」
胸を張ってアピールする彼女ですが、一体それはアピールポイントになっているのでしょうか。
ただ、彼女の気持ちはなんとなくわかります。
私だってメルティちゃんの迷惑になると思いながらも、ついていった覚えがありますから。
本当に、懐かしいことです。
私はこくりと肯いて、カジュちゃんの手を取りました。
暖かかったです。
ーーー・ーーー・ーーー
違和感の元に、徐々に近づいていきます。
カジュちゃんの顔色が悪いです。
休む意味でも、それ以上は危ないという意味でも、私たちは立ち止まりました。
振り返ります。焚き火の光が見えません。
ぼんやりと、カーテンのような霧がかかっているだけです。
「……き、キツネちゃん」
「どうしましたか」
「あ、あれ」
彼女が指差すのは数十メートル離れた先。
淡い光が見えます。
けれど、なんだか様子がおかしいです。
ゆらゆらと、人影が蠢いています。笑い声まで聞こえてきます。
酒乱でしょうか。
若干鼻をつくアルコール臭がします。
私はカジュちゃんに目配せをしました。
それから忍足で十歩ほど進み、私たちは薮の後ろに身を隠しました。
ーーーそこで見たもの。
それは一生、忘れることのできないものでした。
大男が一人。
その体躯はまるで大樹のよう。
儀式を行うごとくロウソクの群れに囲まれ、酒を煽っていました。
(な、なんですかこの屍のような匂いは……)
しかしなによりも悍ましいのは、彼が抱えている酒瓶でした。
正直、ここで紹介するのも気分が悪いようなものです。
ーーー赤子。
聞き間違えではありません。赤ちゃんです。
おそらくヒトのものでは無いのでしょうけど、それでも四肢ある生き物の赤子。
どうやって作ったかは、わかりません。
というか、知りたくありません。
ですがその大男は間違いなく、赤子を縫い合わせて作った酒樽を掴んでいました。泥酔した様子で浴びるほど飲んでいました。
(うっ……)
隠しきれない腐肉臭と、甘い果実酒の芳香が混在しています。
同じ空間にいるだけで、腹の奥から酸がせりあがって来ます。
口元にハンカチを当てたまま、カジュちゃんを横目で見ました。
「……カジュちゃん……??」
彼女は小刻みに震えながら、大粒の涙を零していました。
唇は微かに動き、今にも突進していきそうな体勢です。
このままではまずいです。
アレは感情論で倒せる相手ではありません。
カジュちゃんの手をぎゅっと包むと、彼女は縋るようにして、私の耳にこう囁きました。
「……あ、あそこに……トルが……」
トル。
本名、トルジャン・リードバルーン。
同じく一年で、カジュちゃんの双子の弟にあたります。
カジュちゃんに言われたとおりに、首をまわすとーーー。
「……うそ……」
ちょうど、その大男が立ち上がったところでした。
樹冠に手を伸ばし、何かを唸りながらガサゴソと探りーーーやがて取り出すのは、一人の少年。
顔はカジュちゃんとそっくりで、もし服さえ破れていなかったら、カジュちゃんが瞬間移動したと思ってしまうほど瓜二つです。
ーーーと気休めする暇もなく彼はその少年、トルジャン君を地面に投げ捨てました。
どしゃり。
私とカジュが、同時に跳ね上がりました。
「ぁあぁ……かわいそうな……かわいそうな……子よ……赤子のままであったら……なんと可愛らしかったことか……ぁあぁ……我を、【鏡】を、導いてくれまいか……」
まるで感情の規制が効かなくなったかのように、滂沱の涙を流していました。
そして饅頭をつまむようにしてトルジャン君を持ち上げると、再び地面にーーー。
「「だめっっ!!」」
ーーー反射的に、私たちは叫んでしまいました。
ピタリと、男の動きは止まりました。
しかしそれは……私たちを認識してしまったとも言えます。
ぐりん。
ありえない方向に向かって曲がる首。
トルジャン君を片手に握ったまま、私たちが身を潜めている薮へと一歩、また一歩とじりじり近づいてきました。
「ひ、【氷結】っ」
カジュちゃんが唱えます。霜は腐葉土を這い、そして男の足をとらえました。
ナイスです。
逃げるチャンスです。
「「あっ」」
足が動きません。
私たちは足元を見ました。
氷が薄く、表面に張り付いていました。
うまく力が出せません。
(魔法を真似されたのでしょうか?)
ずしり。
また一歩、大きな影がにじり寄ってきました。
ピンチです。
致し方ありません。
私はいつもの青いパネルを開き、男を追跡させました。
(よし、捕まえました……!)
相手が魔法を真似する前に、仕留めるしかありません。
一か八かです。
「ーーー【人格・凍結】……です!」
禁止マークが、一瞬にして大男を拘束しました。
先生が言っていたように、私はこの世界を「そしゃげ」なるものと同じように魔法が使えます。
そして「そしゃげ」の管理人になりつつある私は、他人の「アカウント」を拘束することができます。
アカウント。
つまりその人の人格。
捕まえてしまえば、人格がある限り、私に束縛できない人はいません。
……。
いない、はずでした。
「え……」
私は固まってしまいました。
なんと、その男はさも何もなかったかのように、あたりをキョロキョロし始めたのです。
なんで……?
人格のある相手なら、万能なんじゃなかったのですか、先生⁉
実習から半日が経ちました。
始まったときはあんなにも緊張していたのに、あっという間ですね。
私たちのグループは六人組ーーーだったはずなのですが、今は五人組です。
……もう一人は昨夜、襲われて家で休養することになったそうです。
みんなは口々に、
「せっかく成績を出すいい機会なのに」
「かわいそう」
と言っていました。が、少なくとも私はそう思えません。
ーーーだって彼は、メルティちゃんを襲って返り討ちに遭っただけですから。
今朝、ノーソリューション先生にお話を伺いました。
メルティちゃんが、お馬鹿な貴族たちの「見栄え争い」に巻き込まれて、夜襲を受けたこと。それを聞いた時、私は心配でした。
……あ、もちろんメルティちゃんが危ないかもしれない、と言うわけではありません。
ああいう貴族程度で、メルティちゃんが傷つけられるはずもありませんから。
……むしろ私は、やり過ぎないか不安だったのです。
貴族の世界は、「メンツ」の世界です。
もし今回の件でメルティちゃんが目をつけられたらーーーややもすれば「メルティ・イノセントに襲われた」という噂が独り歩してしまう……なんてこともあり得ない話ではありません。
……まあ、そこのところはご安心を。
今回のことは、全部、お父さんに伝わっていますから。
ええ。
安心してください。国王様のお耳に風の噂が届くだけです。
……メルティちゃんが今回のことで、貴族が全部嫌いになったーーーなんてことにならないことを、祈るばかりです。
「……ちゃん。キツネちゃん?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと考え事していたんです」
今、カジュという子と二人で巡回を行なっています。
本名、カジュ・リードバルーン。
魔術科一年です。
カジュちゃんはちんまりとしたの女の子です。
俗に言う、「小動物系」というものでしょうか。
別にもふもふ、という感じではありませんが、それでも膝に乗せたくなるタイプの子です。お腹わしゃわしゃしたら、「ちうちう」と反応してくれそうです。
……浮気?
浮気なんてしていませんよ。
メルティちゃんが一番なのは変わりませんから、ええ。
「そそそういえば、モンスターあんまりいない、ね?」
「お昼に狼の群れがありましたが、それっきりですもんね」
「おお狼さんから、いただいた核は点数には入るのか、な」
「多分、入らないと思いますよ。横着防止にマークをつけて識別しているはずです」
そんなたわいない会話。
私としてはーーーきっとカジュちゃんとしても、平和に実習が終わればそれでいいと思っています。
メルティちゃんとの共同作業で指名依頼を受け、おかげで森には多少慣れてきましたが、それでも長居はしたくありません。
ーーーと、そんな時でした。
明日はどうするか、なんて話していると、やや遠くからイヤな気配がしてきました。
「……っ!」
私はとっさにカジュの前に立ち、彼女の口に手を添えました。
「きき、キツネちゃん……?」
「静かに、です」
ざわざわと、無数の手のような枝葉の房が、風に撫でられ踊っています。
踏みしめる地面ですらなんだかいつもより、不安定で緩く感じてきました。
「カジュちゃん、先に戻ってください」
「そそそれは、いやっ!」
案外頑なな彼女に、私はたじろぎました。
始まって半日、彼女はずっと核を持って逃げ回っていました。
私は別行動だったので聞いた話なのですが、「泣きっぱなし」だったそうです。
たしかに真剣振り回して追いかけてくるのは、例え相手が生徒であっても怖いものです。それに逃げ回りつつあれだけの核をキープできるのは、すごいと思います。
だからこそ、ここは逃げてもらったほうがいいと思って、前に出たのですがーーー。
「ここから先は危険ですよ。……私自身もそんなに大胆ではありませんし、すごく強いわけではないのです」
「だだだったら、なおさらだ、よ? キツネちゃんが帰って来なくなるのは、や!」
「ええっと……」
「じじ自分の身は、自分で守るから。安心し、て? こう見えて赤ちゃんの頃はすっごく大きかった、よ? えっへん」
胸を張ってアピールする彼女ですが、一体それはアピールポイントになっているのでしょうか。
ただ、彼女の気持ちはなんとなくわかります。
私だってメルティちゃんの迷惑になると思いながらも、ついていった覚えがありますから。
本当に、懐かしいことです。
私はこくりと肯いて、カジュちゃんの手を取りました。
暖かかったです。
ーーー・ーーー・ーーー
違和感の元に、徐々に近づいていきます。
カジュちゃんの顔色が悪いです。
休む意味でも、それ以上は危ないという意味でも、私たちは立ち止まりました。
振り返ります。焚き火の光が見えません。
ぼんやりと、カーテンのような霧がかかっているだけです。
「……き、キツネちゃん」
「どうしましたか」
「あ、あれ」
彼女が指差すのは数十メートル離れた先。
淡い光が見えます。
けれど、なんだか様子がおかしいです。
ゆらゆらと、人影が蠢いています。笑い声まで聞こえてきます。
酒乱でしょうか。
若干鼻をつくアルコール臭がします。
私はカジュちゃんに目配せをしました。
それから忍足で十歩ほど進み、私たちは薮の後ろに身を隠しました。
ーーーそこで見たもの。
それは一生、忘れることのできないものでした。
大男が一人。
その体躯はまるで大樹のよう。
儀式を行うごとくロウソクの群れに囲まれ、酒を煽っていました。
(な、なんですかこの屍のような匂いは……)
しかしなによりも悍ましいのは、彼が抱えている酒瓶でした。
正直、ここで紹介するのも気分が悪いようなものです。
ーーー赤子。
聞き間違えではありません。赤ちゃんです。
おそらくヒトのものでは無いのでしょうけど、それでも四肢ある生き物の赤子。
どうやって作ったかは、わかりません。
というか、知りたくありません。
ですがその大男は間違いなく、赤子を縫い合わせて作った酒樽を掴んでいました。泥酔した様子で浴びるほど飲んでいました。
(うっ……)
隠しきれない腐肉臭と、甘い果実酒の芳香が混在しています。
同じ空間にいるだけで、腹の奥から酸がせりあがって来ます。
口元にハンカチを当てたまま、カジュちゃんを横目で見ました。
「……カジュちゃん……??」
彼女は小刻みに震えながら、大粒の涙を零していました。
唇は微かに動き、今にも突進していきそうな体勢です。
このままではまずいです。
アレは感情論で倒せる相手ではありません。
カジュちゃんの手をぎゅっと包むと、彼女は縋るようにして、私の耳にこう囁きました。
「……あ、あそこに……トルが……」
トル。
本名、トルジャン・リードバルーン。
同じく一年で、カジュちゃんの双子の弟にあたります。
カジュちゃんに言われたとおりに、首をまわすとーーー。
「……うそ……」
ちょうど、その大男が立ち上がったところでした。
樹冠に手を伸ばし、何かを唸りながらガサゴソと探りーーーやがて取り出すのは、一人の少年。
顔はカジュちゃんとそっくりで、もし服さえ破れていなかったら、カジュちゃんが瞬間移動したと思ってしまうほど瓜二つです。
ーーーと気休めする暇もなく彼はその少年、トルジャン君を地面に投げ捨てました。
どしゃり。
私とカジュが、同時に跳ね上がりました。
「ぁあぁ……かわいそうな……かわいそうな……子よ……赤子のままであったら……なんと可愛らしかったことか……ぁあぁ……我を、【鏡】を、導いてくれまいか……」
まるで感情の規制が効かなくなったかのように、滂沱の涙を流していました。
そして饅頭をつまむようにしてトルジャン君を持ち上げると、再び地面にーーー。
「「だめっっ!!」」
ーーー反射的に、私たちは叫んでしまいました。
ピタリと、男の動きは止まりました。
しかしそれは……私たちを認識してしまったとも言えます。
ぐりん。
ありえない方向に向かって曲がる首。
トルジャン君を片手に握ったまま、私たちが身を潜めている薮へと一歩、また一歩とじりじり近づいてきました。
「ひ、【氷結】っ」
カジュちゃんが唱えます。霜は腐葉土を這い、そして男の足をとらえました。
ナイスです。
逃げるチャンスです。
「「あっ」」
足が動きません。
私たちは足元を見ました。
氷が薄く、表面に張り付いていました。
うまく力が出せません。
(魔法を真似されたのでしょうか?)
ずしり。
また一歩、大きな影がにじり寄ってきました。
ピンチです。
致し方ありません。
私はいつもの青いパネルを開き、男を追跡させました。
(よし、捕まえました……!)
相手が魔法を真似する前に、仕留めるしかありません。
一か八かです。
「ーーー【人格・凍結】……です!」
禁止マークが、一瞬にして大男を拘束しました。
先生が言っていたように、私はこの世界を「そしゃげ」なるものと同じように魔法が使えます。
そして「そしゃげ」の管理人になりつつある私は、他人の「アカウント」を拘束することができます。
アカウント。
つまりその人の人格。
捕まえてしまえば、人格がある限り、私に束縛できない人はいません。
……。
いない、はずでした。
「え……」
私は固まってしまいました。
なんと、その男はさも何もなかったかのように、あたりをキョロキョロし始めたのです。
なんで……?
人格のある相手なら、万能なんじゃなかったのですか、先生⁉
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