メルティ✕ギルティ〜その少女はやがて暗夜をも統べる〜

それは少女を象り、闇夜を駆ける。
それは妖しげなマフラーを舞わせ、道行く人を魅了する。
それは渦巻く瞳を雪肌に嵌め、墨染め髪の奥からひっそりと覗かせるーーー。

良民曰く、「かの娘は救世の英雄」。
悪鬼曰く、「やつは真宵の道標」。

しかし、だがしかし。彼女はその度に言言い残していったそうだ。

ーーーわたしの名は、メルティ・ギルティ。と。


……と、そんなメルティが英雄になるまでの道のりを、これからお話ししよう。

メルティ。
本名、メルティ・イノセント。

彼女には、大切な人がいなかった。守るべきものもなかった。
ただひたすらに、いつの間に身につけていた体さばきと、悪を「装着する」魔法道具ーーー「悪役カード」でモンスターを倒して、日々を過ごしていた。

そんなある日、依頼をこなしている間に、彼女は思わぬ出会いをする。彼女の人生の錆びた歯車が、ついに動き出したのだ。

出会って、別れて。笑って、泣いて。
それが何時しか、大切なものへと昇華していくーーー。

メルティとは一体何者なのか。
悪役カードはどこから生まれたのか。
悪とは一体、なんなのかーーー。

物語が進むたびに、真実は花ひらいていく。
ようこそ、新たな世界へ。


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