【完結】侯爵家令息のハーレムなのに男しかいないのはおかしい

みやこ嬢

文字の大きさ
69 / 78
本編

最終話:祝福の言葉

しおりを挟む


 隣国の代表者を決める話し合いは遅々として進まなかった。特使の権限で、王族と主だった貴族をみんな処刑してしまったからだ。
 もし王になったとしても、待っているのは戦争で荒れた地域の復興と制度の立て直し、国民からの信頼回復、貴族の在り方の根本的な改革。名誉より義務のほうが遥かに多い。

 そこで、こんな話が持ち上がってきた。


「──カイン様を次の王に!?」


 招かれたアレッティ家の応接室で、アデルは思わず聞き返した。向かいに座るアレッティ家当主は困り顔で頷き、深い溜め息をついている。


「あちらのどの貴族も及び腰でな、上に立つ覚悟を持つ者がおらんのだ」

「あー……脅し過ぎたかもしれません」


 どれだけ表面を取り繕っても、こちらには心を読むラグロがいる。少しでも後ろ暗いところのある貴族は処刑を恐れて名乗り出ない。


「まあ、あれくらいせねばあの国は変わるまいよ。問題は、気概と実力と人望を兼ね備えた人材がおらんというところだ」

「それでカイン様を、と?」

「うむ」


 要は『北の英雄』の人気で国民からの反発を抑えたいのだろう。どのみち王国の支配下になるわけだから、代表もこちらから出してほしいのかもしれない。

 だが、本人はそれをキッパリ断った。


「私は爵位も持たぬ一介の騎士に過ぎない。国を背負う器ではありません」

「そうは言ってものぉ……」


 この話に、アレッティ家当主はやや乗り気でいた。カインが王になり、そこへ身内の令嬢を嫁がせれば隣国の王族と縁戚になれるからだ。そうでなくとも、北の英雄とは縁を結びたいと常々思っている。

 問題は、本人にその気が全くないことだ。


「私の名声など戦時下での一時的なもの。人気取りではなく、真に国を思い、国民のために尽くす者を擁立すべきです」


 これが本心から出る言葉なのだから、カインは高潔な騎士として両国の国民から支持を得ているのだ。


「それはさておき、そろそろ妻を迎えてみたらどうか」


 その話が出た瞬間、アデルの表情が僅かに曇った。
 アレッティ家当主との会話は必ず最後はこの話題に行き着く。何としてもカインと縁を結びたいと願う強い意志を感じた。

 しかし。


「申し訳ない。私には既に伴侶がおりますので」

「あ、えっ、カイン様?」


 そう言って、カインは隣に座るアデルの肩を抱き寄せた。突然人前でそう宣言され、アデルは混乱した。今まで外では必要以上に接触したり関係を公言するようなことはなかったからだ。


「なんと、そうであったかラディウス殿」

「はい。閣下にはお世話になっておりますので真実を申し上げました。私は彼と生涯を共にするつもりですので、今後はそういった話はしないでいただきたい」

「え、あの」

「……なるほど。それで何十回申し入れても断られたのだな」


 目を丸くしながらも、アレッティ家当主はそれをすぐに理解して受け入れた。

 カインが北に来てから、それこそ戦争の真っ只中の頃から、アレッティ家当主は縁談を持ち込んできた。カインの実力と人柄を高く評価しているからこそだ。


「ラディウス殿が嘘をつくような人物ではないのはよく知っておる。それに特使殿がお相手ではな。残念だが、それは諦めよう」

「ご理解いただきありがとうございます」


 混乱したままのアデルをよそに、二人はそのまま和やかに歓談を続けた。








「さっきはびっくりしました」

「すまない。ああでも言わねばまた縁談を持ち込まれてしまうからね。……嫌だった?」

「い、いえ。驚いたけど、……しょ、生涯を、共にって言って下さったのは、嬉しかったです」


 男同士ということもあり、大っぴらに出来ない関係だとアデルも分かっていた。それでもいいと覚悟を決めてはいたものの、やはり目の前でカインに見合いの話をされれば不安になってしまう。
 それをキッパリと断り、自分との関係を堂々と話してくれたことに、アデルは素直に感動していた。


「本当は国中に自慢したいくらいだが」

「それはちょっと」

「私より君の方が心配だ。君は私のものだと宣言しておかないと」








 それから数ヶ月後、ようやく隣国の代表者が決まった。両国の会談の前に、主な顔触れが集められた。新たな代表が信頼に足る人物かどうかを判断するためだ。

 まず、一番重要な役割を担うのがラグロ・ディギウム。彼の『目』で対象の心を読んでもらう。

 ラグロの目を制御するのはディレン。先代隣国王の落胤だが、身分を隠して参加する。

 カナン・ザプリエンドはディレンの監視役として同行。法律家として隣国の新政府樹立に助言する立場でもある。

 アシオン・オラーティオは新代表を占うために。彼には両国の行く末を見てもらう。

 アルタリオ・ヴォーモストは高齢の大司教の代理で両国の話し合いを見守る。王国側の最有力貴族としての立場もある。

 リトアール・アレッティは家族と共に戦争の当事者として立ち会うが、恐らく何も考えていない。

 ルシアス・ジェラルドは話し合いの場の抑止力として。彼の魔術に敵う相手は隣国にはいない。

 ヴィレオ・ラクトゥスは記録係として同席する。全ての発言をまとめ、公式の議事録を残すためだ。

 カイン・ラディウスは中立の立場を取っている。隣国の安定のため、新たな代表が皆に認められた場合には、その後ろ盾となって支える予定である。

 話し合いの場を仕切るのは、アデル・ヴィクランド。この件の全権を任された特使である。隣国との関係改善と戦場跡地の復興を目的としている。


 選出に時間を掛けただけあって、隣国が出した代表候補は文句のつけようのない立派な人物であった。貴族としての序列は低く、粛正以前であれば国の中枢に関わることすらないくらいの身分だが、志は高く、人望もある。
 ラグロが視ても嘘や誤魔化しは一切ないという。アシオンの占いでも彼に任せておけば安泰と出た。
 カインが後見につき、アデルも特使として力添えをすることとなった。


 話し合いを終えた後、アデルの屋敷で食事会が開かれた。招かれているのは同級生組とカインである。


「ようやく何とかなりそうだね~」

「みんなのおかげで助かったよ、ありがとう」

「アデル君もお疲れ様でした」

「ふふ、これからだけどね」


 そう、ようやくスタート位置に立っただけ。まだやるべきことはたくさんある。完全に隣国に平和と安定が訪れるまで、アデルの役目は終わらない。


「それで、えーと、その……」


 アデルはみんなを前にして口籠った。
 カインがアレッティ家当主に明かしたように、自分もカインを伴侶だと紹介しようとしたのだ。だが、なかなか言い出せない。

 見兼ねたラグロが助け舟を出す。


「とっくにみんな知ってるぞ」


 それを聞いて、アデルは驚きを隠せなかった。
 自分から話したことはなかったからだ。ラグロには心を読まれて知られていたが、他の友人たちには何も言っていない。


「……北部に来てから、毎日毎日目の前でイチャつかれたら嫌でも分かります」

「エッ、僕そんなにイチャついてた?」

「もうこの辺りの住民はみんな知ってますよ」

「嘘!!」


 アルタリオは以前リトアールとの関係を疑っていたが、ここに来て実際の相手を知った。それが、かつてヴィクランド邸の庭園で牽制し合った騎士であると気付き、全てに合点がいった。


「ボクは占いで見ちゃった……」

「アシオン君まで」


 貴族学院卒業前、軽い気持ちで恋占いをした結果、アデルに想い人がいることが判明した。今は離れていても、いつか成就するということも。


「俺は図書室で顔を合わせる度に視てたからな」


 図書室で二人きりの時、ラグロはアデルの目を見て言葉を交わした。まだ力を制御出来ていない時のことだ。その時からアデルの気持ちが誰に向いているのかを知っていた。


「そうだったんだ……」


 既に知られていたという事実に、アデルはただただ驚いていた。特に、アルタリオとアシオンからは好意を寄せられており、その気持ちを利用して協力してもらったことも多い。


「それでも、私はずっと貴方が好きですよ」

「ボクも!」


 だからこそ今回も手を貸してくれたのだ。


「それにお相手が元騎士団長ならば、私たちにもまだチャンスはありますからね」

「ボクたちの方が若いからね!」

「…………あと五十年くらい死ねない」


 アルタリオたちは持久戦に持ち込む気でいた。年の差が大きいぶん、カインが先に身罷る可能性が高い。それを見越して待つつもりなのだ。

 年齢だけはどうにもならない。カインはアデルを奪われないために、出来るだけ長生きしようと心に決めた。


「もっとも、その前にアデル君を蔑ろにしたり嫌われるようなことをしたら遠慮なく奪いにいきます」

「絶対泣かせないでよね」


 略奪を匂わせてはいるが、これはアデルとカインへの祝福の言葉であった。幸せにならなければ許さない、という激励でもある。
 アルタリオもアシオンも、アデルの幸せを一番に願っている。例えその相手が自分でなくても。


「ああ、肝に銘じよう」

「二人とも、ありがとう」


 こうして、友人たちからも二人の仲は認められた。
 これまで隠していたことを全て明かし、アデルの心は軽くなった。


「良かったな、アデル」

「うん、ラグロ君もありがとう」

「俺もアイツらと同じ意見だ。少しでも幸せじゃなさそうだったら全力で奪いに行く」

「え」

「俺も、おまえのことは気に入ってるんだよ」

「そ、そうなの……?」


 ラグロは誰より早く想い人の存在を知りながら、それでもアデルに惹かれていた。閉ざされた学院生活の中で、アデルだけが彼の光だったからだ。


「俺はたまに褒めてもらえればそれでいい」


 カナンもアデルに好意を抱いているが、自分では釣り合う相手になれそうにないと最初から諦めていた。だから彼のために役立ち、認めてもらうことだけを目標にしている。
 しかし、いつか自分に自信を持てるようになれば堂々と想いを伝えるだろう。







「……これは気合いを入れて幸せにならないといけないね、アデル君」

「ふふ、そうみたいですね」




 
 




『侯爵家令息のハーレムなのに男しかいないのはおかしい』 完
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います

緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。 知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。 花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。 十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。 寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。 見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。 宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。 やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。 次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。 アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。 ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

処理中です...