40 / 58
40話・囮作戦 1
しおりを挟む 洞窟に戻ると、マナが座って俯いていた。顔を真っ赤にしている。
腹の音が鳴ったぐらいで可愛いものだと苦笑しながらも、ゼーウェンは彼女に食事をさせるべく荷物から食料を取り出した。
ゼーウェンが持ってきているのは干し肉とパン、それに水である。
両方とも水分が少ない為日持ちがするものだ。
食料は万が一の事を考えて多めに持ってきてはいるが、それでも二人分になると厳しいものがある。水もまた、グルガンに載せられる許容範囲と値段を考えると、予備としての分量はそう多く無い。
乾燥した死の大地に近い集落では、水こそが一番高価であったからだ。マナを連れて死の大地を出るまで、食料も水も切り詰めなければ、と思う。
――食事配分と飛行配分を考えなければ……。
そんな事を考えながらマナに少し多めに、自分は少し控えめに食料を振り分ける。自分は男だし、少々の無理は大丈夫だろう。
マナのような良い育ちと思われる娘ならば、この過酷な環境では体力を落とさせてはいけないとゼーウェンは思っていた。
干し肉を鉄串に刺し、少し火を通す。パンは二つに割って大きい方を彼女に渡した。
硬いパンを齧っていると、マナは受け取ったパンと焼けた干し肉を暫く交互に眺めていた。干し肉を少し齧ってみてから、パンを口にしかけ――たところで止めていた。
パンを指で揉むようにして硬さを見ている。彼女は恐らくこのような硬いパンは食べた事が無かったのだろうと思う。
――食べられるのだろうか。
ゼーウェンが心配そうに見ていると、マナは徐に火に近づいて、パンを翳して炙り出した。パンが温められて、パン釜から取り出した時のような香ばしい匂いが漂い始める。
マナがパンをもう一度指で揉むと、多少は柔らかくなっていたようだ。
パンを食べ始めるマナ。興味があった為、そして、同じ事をして見せる事で親近感を彼女に抱いてもらう為に、ゼーウェンは彼女の真似をしてみる事にした。
――成る程。
一口齧ってそう思う。パンも火で炙ると硬さが緩和されて確かに食べやすい。
男一人旅では干し肉こそは火で炙っても、パンにそんな手間をかける事はなかったな、と思う。
マナがこちらを見ていたので、笑んで見せた。これから賢神の森に帰るまで、旅をずっと共にするのだ。お互い、言葉は通じなくとも仲良くしていかねば、と思う。
マナが少し微笑み返してくれたので、ゼーウェンはこれなら大丈夫そうだな、と安心していた。
ゼーウェンはパンの最後の一口を食べてしまった後。干し肉を食べる前に、水をマナに渡そうとした。
コップは一つしかないので、買うまでは共有になる。だが、マナは食べかけのパンを手に持ったまま、呆けたように自分の頬を抓っている。
謎の行動を訝しく思いながらも、ゼーウェンはコップに水を注ぐとマナに手渡す。彼女は反射的にそれを受け取って、一口飲んだ。
しかしそれきりコップとパンを持ったまま、動かない。
「マナ?」
――もしかして気分が悪いのか?
ゼーウェンは心配になり、少し屈むようにしてマナの顔を覗き込む。
彼女の目がみるみる内に潤み出す。マナは悲痛な声で何事かを言うなり、大粒の涙を流し始めたのだった。
***
本当に参った、と思いながらもゼーウェンは干し肉はとりあえず後回しにして、マナの傍に座った。
言葉の通じないゼーウェンが彼女にしてやれることは、傍に居て、泣きたいだけ泣かせてやることだけである。
今まで森で師と二人きりの生活だったのもあって、こういう時女性に対してどうしていいか分からない。
まだ子供だったならば、と思う。
それなら苦い薬を嫌がる村の子供の相手をした事があるから、対処のし様もあるのだが。
それでもぐずる子供にしたように、マナの背中や頭をさすったり撫でたりしている内にようやっと眠ってくれた。
人体に及ぼす魔術を使いすぎるのもいろいろ良くない影響が出る、と言われているので眠らせるのは止めて自然に任せる事にした。
眠ってしまった彼女を焚き火の傍に寝かせて毛布を掛けてやった。
そして食べ損なった干し肉を食べてしまうと、簡単に片付けをする。
少し休憩した後、火を挟んでマナと反対側へ移動する。壁にあぐらをかいて姿勢を整えると、ゼーウェンは精神統一に入った。
心術の簡単なものとはいえ、心話にはある程度精神を要する。さらにそれが遠隔地であると尚更だ。
――……先ずはマナの事を師に報告しないとな。試練に失敗した事については気が重いが。
意識の段階を徐々に上げていく。
だが、心話を可能とするある一定の段階に到達する寸前。ゼーウェンはふと何者かの視線を感じた。
疑うような、推し量るような――そして、明確な殺意。
――誰だ?
ゼーウェンはそれまで高めていた意識を戻すと今度は周囲に飛ばした。
まるで靄がかかっているように見えない。何かの防御をしていることが分かった。そして感じる強い魔力。
――魔術師か!
何者かは分からないがこちらに明確な殺意を向けてきている以上、あまり歓迎されない客である事は明白だった。
――賊だというだけでも厄介なのに! ましてや、今は――
マナは静かに眠っている。
「グルルルルル……」
洞窟の外の暗闇から、危険を感じ取ったグルガンの唸り声が風に乗って伝わってきた。
――来る!
ゼーウェンは魔力の込められた愛用の湾曲刀を手にとると洞窟を出た。
グルガンを洞窟の入り口に来させ、大気や大地を流れる力場を探り当てると体の中に魔力を温存し始める。
予期していた大きな羽音がしたかと思うと、グルガンより一回り大きい飛竜が現れた。
ゼーウェンの目の前に降り立つと、その背から黒いフードを被った人物が降りてくる。
その人物は、顔も目だけ除いてこれもまた黒い布で覆っていた。
「わざわざお出迎えして頂いて、痛み入ります」
深みのある声でその者が男だと分かった。
「あんたは……」
「多くは言いません。あなたが持ち去った『フォーンの花』を渡して頂きましょう」
腹の音が鳴ったぐらいで可愛いものだと苦笑しながらも、ゼーウェンは彼女に食事をさせるべく荷物から食料を取り出した。
ゼーウェンが持ってきているのは干し肉とパン、それに水である。
両方とも水分が少ない為日持ちがするものだ。
食料は万が一の事を考えて多めに持ってきてはいるが、それでも二人分になると厳しいものがある。水もまた、グルガンに載せられる許容範囲と値段を考えると、予備としての分量はそう多く無い。
乾燥した死の大地に近い集落では、水こそが一番高価であったからだ。マナを連れて死の大地を出るまで、食料も水も切り詰めなければ、と思う。
――食事配分と飛行配分を考えなければ……。
そんな事を考えながらマナに少し多めに、自分は少し控えめに食料を振り分ける。自分は男だし、少々の無理は大丈夫だろう。
マナのような良い育ちと思われる娘ならば、この過酷な環境では体力を落とさせてはいけないとゼーウェンは思っていた。
干し肉を鉄串に刺し、少し火を通す。パンは二つに割って大きい方を彼女に渡した。
硬いパンを齧っていると、マナは受け取ったパンと焼けた干し肉を暫く交互に眺めていた。干し肉を少し齧ってみてから、パンを口にしかけ――たところで止めていた。
パンを指で揉むようにして硬さを見ている。彼女は恐らくこのような硬いパンは食べた事が無かったのだろうと思う。
――食べられるのだろうか。
ゼーウェンが心配そうに見ていると、マナは徐に火に近づいて、パンを翳して炙り出した。パンが温められて、パン釜から取り出した時のような香ばしい匂いが漂い始める。
マナがパンをもう一度指で揉むと、多少は柔らかくなっていたようだ。
パンを食べ始めるマナ。興味があった為、そして、同じ事をして見せる事で親近感を彼女に抱いてもらう為に、ゼーウェンは彼女の真似をしてみる事にした。
――成る程。
一口齧ってそう思う。パンも火で炙ると硬さが緩和されて確かに食べやすい。
男一人旅では干し肉こそは火で炙っても、パンにそんな手間をかける事はなかったな、と思う。
マナがこちらを見ていたので、笑んで見せた。これから賢神の森に帰るまで、旅をずっと共にするのだ。お互い、言葉は通じなくとも仲良くしていかねば、と思う。
マナが少し微笑み返してくれたので、ゼーウェンはこれなら大丈夫そうだな、と安心していた。
ゼーウェンはパンの最後の一口を食べてしまった後。干し肉を食べる前に、水をマナに渡そうとした。
コップは一つしかないので、買うまでは共有になる。だが、マナは食べかけのパンを手に持ったまま、呆けたように自分の頬を抓っている。
謎の行動を訝しく思いながらも、ゼーウェンはコップに水を注ぐとマナに手渡す。彼女は反射的にそれを受け取って、一口飲んだ。
しかしそれきりコップとパンを持ったまま、動かない。
「マナ?」
――もしかして気分が悪いのか?
ゼーウェンは心配になり、少し屈むようにしてマナの顔を覗き込む。
彼女の目がみるみる内に潤み出す。マナは悲痛な声で何事かを言うなり、大粒の涙を流し始めたのだった。
***
本当に参った、と思いながらもゼーウェンは干し肉はとりあえず後回しにして、マナの傍に座った。
言葉の通じないゼーウェンが彼女にしてやれることは、傍に居て、泣きたいだけ泣かせてやることだけである。
今まで森で師と二人きりの生活だったのもあって、こういう時女性に対してどうしていいか分からない。
まだ子供だったならば、と思う。
それなら苦い薬を嫌がる村の子供の相手をした事があるから、対処のし様もあるのだが。
それでもぐずる子供にしたように、マナの背中や頭をさすったり撫でたりしている内にようやっと眠ってくれた。
人体に及ぼす魔術を使いすぎるのもいろいろ良くない影響が出る、と言われているので眠らせるのは止めて自然に任せる事にした。
眠ってしまった彼女を焚き火の傍に寝かせて毛布を掛けてやった。
そして食べ損なった干し肉を食べてしまうと、簡単に片付けをする。
少し休憩した後、火を挟んでマナと反対側へ移動する。壁にあぐらをかいて姿勢を整えると、ゼーウェンは精神統一に入った。
心術の簡単なものとはいえ、心話にはある程度精神を要する。さらにそれが遠隔地であると尚更だ。
――……先ずはマナの事を師に報告しないとな。試練に失敗した事については気が重いが。
意識の段階を徐々に上げていく。
だが、心話を可能とするある一定の段階に到達する寸前。ゼーウェンはふと何者かの視線を感じた。
疑うような、推し量るような――そして、明確な殺意。
――誰だ?
ゼーウェンはそれまで高めていた意識を戻すと今度は周囲に飛ばした。
まるで靄がかかっているように見えない。何かの防御をしていることが分かった。そして感じる強い魔力。
――魔術師か!
何者かは分からないがこちらに明確な殺意を向けてきている以上、あまり歓迎されない客である事は明白だった。
――賊だというだけでも厄介なのに! ましてや、今は――
マナは静かに眠っている。
「グルルルルル……」
洞窟の外の暗闇から、危険を感じ取ったグルガンの唸り声が風に乗って伝わってきた。
――来る!
ゼーウェンは魔力の込められた愛用の湾曲刀を手にとると洞窟を出た。
グルガンを洞窟の入り口に来させ、大気や大地を流れる力場を探り当てると体の中に魔力を温存し始める。
予期していた大きな羽音がしたかと思うと、グルガンより一回り大きい飛竜が現れた。
ゼーウェンの目の前に降り立つと、その背から黒いフードを被った人物が降りてくる。
その人物は、顔も目だけ除いてこれもまた黒い布で覆っていた。
「わざわざお出迎えして頂いて、痛み入ります」
深みのある声でその者が男だと分かった。
「あんたは……」
「多くは言いません。あなたが持ち去った『フォーンの花』を渡して頂きましょう」
104
お気に入りに追加
364
あなたにおすすめの小説

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。

教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!
海空里和
恋愛
王都にある果実店の果実飴は、連日行列の人気店。
そこで働く孤児院出身のエレノアは、聖女として教会からやりがい搾取されたあげく、あっさり捨てられた。大切な人を失い、働くことへの意義を失ったエレノア。しかし、果実飴の成功により、働き方改革に成功して、穏やかな日常を取り戻していた。
そこにやって来たのは、場違いなイケメン騎士。
「エレノア殿、迎えに来ました」
「はあ?」
それから毎日果実飴を買いにやって来る騎士。
果実飴が気に入ったのかと思ったその騎士、イザークは、実はエレノアとの結婚が目的で?!
これは、エレノアにだけ距離感がおかしいイザークと、失意にいながらも大切な物を取り返していくエレノアが、次第に心を通わせていくラブストーリー。

「白い結婚の終幕:冷たい約束と偽りの愛」
ゆる
恋愛
「白い結婚――それは幸福ではなく、冷たく縛られた契約だった。」
美しい名門貴族リュミエール家の娘アスカは、公爵家の若き当主レイヴンと政略結婚することになる。しかし、それは夫婦の絆など存在しない“白い結婚”だった。
夫のレイヴンは冷たく、長く屋敷を不在にし、アスカは孤独の中で公爵家の実態を知る――それは、先代から続く莫大な負債と、怪しい商会との闇契約によって破綻寸前に追い込まれた家だったのだ。
さらに、公爵家には謎めいた愛人セシリアが入り込み、家中の権力を掌握しようと暗躍している。使用人たちの不安、アーヴィング商会の差し押さえ圧力、そして消えた夫レイヴンの意図……。次々と押し寄せる困難の中、アスカはただの「飾りの夫人」として終わる人生を拒絶し、自ら未来を切り拓こうと動き始める。
政略結婚の檻の中で、彼女は周囲の陰謀に立ち向かい、少しずつ真実を掴んでいく。そして冷たく突き放していた夫レイヴンとの関係も、思わぬ形で変化していき――。
「私はもう誰の人形にもならない。自分の意志で、この家も未来も守り抜いてみせる!」
果たしてアスカは“白い結婚”という名の冷たい鎖を断ち切り、全てをざまあと思わせる大逆転を成し遂げられるのか?

王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。

【コミカライズ決定】婚約破棄され辺境伯との婚姻を命じられましたが、私の初恋の人はその義父です
灰銀猫
恋愛
両親と妹にはいない者として扱われながらも、王子の婚約者の肩書のお陰で何とか暮らしていたアレクシア。
顔だけの婚約者を実妹に奪われ、顔も性格も醜いと噂の辺境伯との結婚を命じられる。
辺境に追いやられ、婚約者からは白い結婚を打診されるも、婚約も結婚もこりごりと思っていたアレクシアには好都合で、しかも婚約者の義父は初恋の相手だった。
王都にいた時よりも好待遇で意外にも快適な日々を送る事に…でも、厄介事は向こうからやってきて…
婚約破棄物を書いてみたくなったので、書いてみました。
ありがちな内容ですが、よろしくお願いします。
設定は緩いしご都合主義です。難しく考えずにお読みいただけると嬉しいです。
他サイトでも掲載しています。
コミカライズ決定しました。申し訳ございませんが配信開始後は削除いたします。

旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる