63 / 86
追加エピソード
第29話:代替行為 *
しおりを挟む
*同居開始~本編最終話ラストに至る迄の物語*
今回ほんの少しR指定です、ご注意ください
龍之介の風邪が完全に治り、マスクなしで一緒に寝るようになった途端、今まで以上に謙太はくっ付いてくるようになった。
三日ほど何も出来なかった分を取り戻すように、何度もキスを繰り返す。身体を繋げることが出来ない代わりにこれくらいは、と龍之介はそれに応えていた。
しばらく唇を重ね、互いの息が上がってくる頃になると、毎回謙太が寝室から出て行く。抱き合って口付けするうちに興奮して勃ってしまうからだ。
龍之介とはキス以上の行為が出来ない。従って、トイレで抜いてくる他ない。
しかし、それも何回か続くうちに可哀想に思えてきて、龍之介は謙太を引き止めた。
「抜いてやろうか」
「は???」
ベッドから降りようとする謙太の背中にそう投げ掛けると、ものすごい勢いで振り向いた。
有り得ない言葉を聞いた、といった顔だ。
「今なんて???」
「だから、俺が抜いてやるって」
「いやいやいや、いいよ一人でやるし」
「なんでそこだけ遠慮すんだよ」
いつもは積極的な謙太が慌てふためくのが面白くて、龍之介は意地でもやってやろうと決めた。
腕を掴んで再びベッドの上に転がす。
「おまえ、いつも風呂で出してんじゃねーの」
「そう、だけど」
「それなのに、俺とキスしただけでこんなになるんだ?」
仰向けに転がる謙太の上に覆い被さるようにして、龍之介が服の上から股間を撫でた。大きくなっているのが布越しでも分かる。
触れる度にビクッと身体が反応する様子を楽しむ。
「リュウ、ちょっ、あッ」
「……うわ。やば」
服の隙間から手を差し込むと、トランクスの中で勃ち上がっているものに直接触れた。熱を持つそれは先走りで濡れている。勃起した男性器など、自分のもの以外に触れたことはない。指先から伝わる生々しい感触。
切なげな吐息を漏らす謙太を見て、龍之介は更に手を動かしてみた
「なあ、ちょっとホントに待って」
「ホントにヤバいな。びくびくしてる」
「い、言うなって」
そう言いながら大した抵抗はない。
男同士だからどこを責めれば佳いか分かる……と言いたいところだが、やはり自分のものとは勝手が違う。反応を見ながら触り方を変え、徐々に追い詰めていく。
「リュウ、……ッ」
「ん、」
達する直前、謙太は龍之介の顔を引き寄せて唇を重ねた。声を上げてしまうのを防ぐためだ。舌を絡める余裕もなく、そのまま龍之介の手のひらの中に吐精した。
唇を離して乱れた呼吸を整える。
すっかり脱力した謙太は、恥ずかしさのあまり両手で顔を隠した。
「毎日抜いてる割に早くね?」
服を汚さぬように引き抜き、手のひらについたものをティッシュで拭き取る。その後、謙太にも箱ごと投げて渡す。
「……仕方ないだろ。好きな奴に触られてんだから興奮するに決まってんじゃん」
「ふーん」
「ふーんってなんだよ。それより、なんで急にこんなこと……」
これまで性的な接触を嫌がってきた龍之介が初めて自分から触れてきた。どういう心境の変化だと尋ねられているのだ。
「いや、セックスの相手は出来ないから、せめてこれくらいはと思って」
「じゃあ、リュウのも抜く?」
「俺は勃ってないもん」
「そっかぁ~~」
それを聞いて、謙太は残念そうに溜め息をついて枕に顔を埋めた。
手を洗いに一人洗面所に来た龍之介は、自分の股間をちらりと見下ろした。さっきはああ言ったが、わずかに反応を示している。謙太が気持ちよさそうに息を乱している様を見たからだ。
「……まずい」
親友相手に興奮するようになってしまった。
今回ほんの少しR指定です、ご注意ください
龍之介の風邪が完全に治り、マスクなしで一緒に寝るようになった途端、今まで以上に謙太はくっ付いてくるようになった。
三日ほど何も出来なかった分を取り戻すように、何度もキスを繰り返す。身体を繋げることが出来ない代わりにこれくらいは、と龍之介はそれに応えていた。
しばらく唇を重ね、互いの息が上がってくる頃になると、毎回謙太が寝室から出て行く。抱き合って口付けするうちに興奮して勃ってしまうからだ。
龍之介とはキス以上の行為が出来ない。従って、トイレで抜いてくる他ない。
しかし、それも何回か続くうちに可哀想に思えてきて、龍之介は謙太を引き止めた。
「抜いてやろうか」
「は???」
ベッドから降りようとする謙太の背中にそう投げ掛けると、ものすごい勢いで振り向いた。
有り得ない言葉を聞いた、といった顔だ。
「今なんて???」
「だから、俺が抜いてやるって」
「いやいやいや、いいよ一人でやるし」
「なんでそこだけ遠慮すんだよ」
いつもは積極的な謙太が慌てふためくのが面白くて、龍之介は意地でもやってやろうと決めた。
腕を掴んで再びベッドの上に転がす。
「おまえ、いつも風呂で出してんじゃねーの」
「そう、だけど」
「それなのに、俺とキスしただけでこんなになるんだ?」
仰向けに転がる謙太の上に覆い被さるようにして、龍之介が服の上から股間を撫でた。大きくなっているのが布越しでも分かる。
触れる度にビクッと身体が反応する様子を楽しむ。
「リュウ、ちょっ、あッ」
「……うわ。やば」
服の隙間から手を差し込むと、トランクスの中で勃ち上がっているものに直接触れた。熱を持つそれは先走りで濡れている。勃起した男性器など、自分のもの以外に触れたことはない。指先から伝わる生々しい感触。
切なげな吐息を漏らす謙太を見て、龍之介は更に手を動かしてみた
「なあ、ちょっとホントに待って」
「ホントにヤバいな。びくびくしてる」
「い、言うなって」
そう言いながら大した抵抗はない。
男同士だからどこを責めれば佳いか分かる……と言いたいところだが、やはり自分のものとは勝手が違う。反応を見ながら触り方を変え、徐々に追い詰めていく。
「リュウ、……ッ」
「ん、」
達する直前、謙太は龍之介の顔を引き寄せて唇を重ねた。声を上げてしまうのを防ぐためだ。舌を絡める余裕もなく、そのまま龍之介の手のひらの中に吐精した。
唇を離して乱れた呼吸を整える。
すっかり脱力した謙太は、恥ずかしさのあまり両手で顔を隠した。
「毎日抜いてる割に早くね?」
服を汚さぬように引き抜き、手のひらについたものをティッシュで拭き取る。その後、謙太にも箱ごと投げて渡す。
「……仕方ないだろ。好きな奴に触られてんだから興奮するに決まってんじゃん」
「ふーん」
「ふーんってなんだよ。それより、なんで急にこんなこと……」
これまで性的な接触を嫌がってきた龍之介が初めて自分から触れてきた。どういう心境の変化だと尋ねられているのだ。
「いや、セックスの相手は出来ないから、せめてこれくらいはと思って」
「じゃあ、リュウのも抜く?」
「俺は勃ってないもん」
「そっかぁ~~」
それを聞いて、謙太は残念そうに溜め息をついて枕に顔を埋めた。
手を洗いに一人洗面所に来た龍之介は、自分の股間をちらりと見下ろした。さっきはああ言ったが、わずかに反応を示している。謙太が気持ちよさそうに息を乱している様を見たからだ。
「……まずい」
親友相手に興奮するようになってしまった。
0
お付き合いはお試しセックスの後で。
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか
Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。
無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して――
最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。
死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。
生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。
※軽い性的表現あり
短編から長編に変更しています

雪を溶かすように
春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。
和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。
溺愛・甘々です。
*物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています
旦那様と僕
三冬月マヨ
BL
旦那様と奉公人(の、つもり)の、のんびりとした話。
縁側で日向ぼっこしながらお茶を飲む感じで、のほほんとして頂けたら幸いです。
本編完結済。
『向日葵の庭で』は、残酷と云うか、覚悟が必要かな? と思いまして注意喚起の為『※』を付けています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる