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第17話:依存
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*同居開始~本編最終話ラストに至る迄の物語*
翌朝、先に目を覚ましたのは龍之介だった。
間近に謙太の顔があって驚いたが、体勢から見て、どうやら自分から抱きついたようだと理解する。これまで後ろから抱きしめられて眠ることはあったが、今回はそれ以上に身体は密着していた。左腕は謙太の首の下に、右腕は肩を抱くように回されている。
謙太は目覚ましのアラームが鳴るまで起きない。
目だけでヘッドボードに置かれた時計を見れば、いつもの起床時間より十五分ほど早かった。
規則正しい寝息と温もり。
腕に感じる程良い重み。
あと少しだけ、と回した腕に力を込める。
『相手との関係に自信ないだけじゃない?』
『単なる同棲じゃなくて、婚約とか結婚とか、関係が確定しちゃえば多少マシになるんじゃないかなあ』
不意に、妹から言われた言葉が頭に浮かんだ。
その時は妙に納得させられたが、こうして本人を目の前にすると何も出来ないことを実感してしまう。
──これ以上の関係なんかあるか。
他人には一歩退いて壁を作る龍之介が、血の繋がった家族以外に本心を言えるのは謙太だけ。
ズカズカと領域に入り込んでくるから、そうせざるを得なくなった。図太くて鈍感だからこそ、龍之介の都合も考えずに距離を詰めてくる。それくらいしてようやく心の奥底の部分に触れられるのだ。
世話をしているようで自分が一番依存している。
いつ離れていくか分からない不安を抱えているのに、現状を変えるような勇気もない。今はただ、この日々が一日でも長く続くことを願うのみ。
目覚ましが鳴る直前に身体を離し、背中を向けて寝たふりをする。あたたかいはずの布団が冷たく感じて、龍之介は身体を小さく震わせた。
翌朝、先に目を覚ましたのは龍之介だった。
間近に謙太の顔があって驚いたが、体勢から見て、どうやら自分から抱きついたようだと理解する。これまで後ろから抱きしめられて眠ることはあったが、今回はそれ以上に身体は密着していた。左腕は謙太の首の下に、右腕は肩を抱くように回されている。
謙太は目覚ましのアラームが鳴るまで起きない。
目だけでヘッドボードに置かれた時計を見れば、いつもの起床時間より十五分ほど早かった。
規則正しい寝息と温もり。
腕に感じる程良い重み。
あと少しだけ、と回した腕に力を込める。
『相手との関係に自信ないだけじゃない?』
『単なる同棲じゃなくて、婚約とか結婚とか、関係が確定しちゃえば多少マシになるんじゃないかなあ』
不意に、妹から言われた言葉が頭に浮かんだ。
その時は妙に納得させられたが、こうして本人を目の前にすると何も出来ないことを実感してしまう。
──これ以上の関係なんかあるか。
他人には一歩退いて壁を作る龍之介が、血の繋がった家族以外に本心を言えるのは謙太だけ。
ズカズカと領域に入り込んでくるから、そうせざるを得なくなった。図太くて鈍感だからこそ、龍之介の都合も考えずに距離を詰めてくる。それくらいしてようやく心の奥底の部分に触れられるのだ。
世話をしているようで自分が一番依存している。
いつ離れていくか分からない不安を抱えているのに、現状を変えるような勇気もない。今はただ、この日々が一日でも長く続くことを願うのみ。
目覚ましが鳴る直前に身体を離し、背中を向けて寝たふりをする。あたたかいはずの布団が冷たく感じて、龍之介は身体を小さく震わせた。
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お付き合いはお試しセックスの後で。
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