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追加エピソード
第2話:独りの夜
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*同居開始~本編最終話ラストに至るまでの話*
出張当日、いつもより早い時間に謙太は家を出た。それに付き合って龍之介も早起きして玄関先で見送った。
「さて、と」
久しぶりの一人の時間だ。
謙太の帰宅時間に合わせて夕食を作る必要もない。たまには手抜きをして三食コンビニ弁当で済ませてみるかと考えながら、龍之介は部屋の掃除を始めた。
同居する際に謙太が持ち込んだのは衣装ケース二つとトランク、タブレットやカバンなどの仕事道具のみ。それと、額に入った陽色の写真。額はキッチンカウンターに置かれているが、それ以外の荷物は全て龍之介の仕事部屋のクローゼットに仕舞われている。
陽色の写真が無ければ一緒に暮らしていることを忘れてしまいそうになるほど謙太の私物は少なかった。他に増えたのは食器や箸、洗面道具くらい。余分な物を増やさないのは恐らく部屋の主人である龍之介に気を遣っているからだろう。
だから、こうして昼間に一人でいると同居した事実すら夢だったのではと思えてしまう。
謙太の出張は二泊三日。
「……うるさい奴がいなくて清々する」
寂しい気持ちを誤魔化すように、龍之介はわざと声に出して強がった。
コンビニ弁当は二食目で早くも飽きた。
一人で買いに行き、一人で食べる。以前は好んで食べていたものが物凄く味気なく感じた。温め直してもどこか冷たい。それは、やはり一緒に食べる相手がいないからだ。
謙太と話しながら食べる食事はなんでも美味しく感じられた。手料理だとかコンビニ弁当だとか惣菜だとかは関係ない。他愛ない話をしながら食べる時間が楽しかったのだ。
同居を始めて半月。
思った以上に謙太の存在は大きくなっていた。これまで一人でどうやって生活していたのか、何故平気でいられたのか分からなくなる。
夜。
夜更かしをする気力もなく、アルコール度数高めの缶チューハイで晩酌をしてからベッドに入る。
いつもは狭いだの何だのと文句を言いながら二人で寝ているが、今夜は一人。龍之介はベッドのど真ん中で大の字になった。
でも寒い。
足先から冷えていくような感覚があり、龍之介は身体を縮こまらせた。せっかく広々と寝られるのに、無意識のうちに片側を空けてしまう。
謙太の枕を抱き寄せようとしたところで龍之介は我に返り、ベッド脇に投げ飛ばした。
出張当日、いつもより早い時間に謙太は家を出た。それに付き合って龍之介も早起きして玄関先で見送った。
「さて、と」
久しぶりの一人の時間だ。
謙太の帰宅時間に合わせて夕食を作る必要もない。たまには手抜きをして三食コンビニ弁当で済ませてみるかと考えながら、龍之介は部屋の掃除を始めた。
同居する際に謙太が持ち込んだのは衣装ケース二つとトランク、タブレットやカバンなどの仕事道具のみ。それと、額に入った陽色の写真。額はキッチンカウンターに置かれているが、それ以外の荷物は全て龍之介の仕事部屋のクローゼットに仕舞われている。
陽色の写真が無ければ一緒に暮らしていることを忘れてしまいそうになるほど謙太の私物は少なかった。他に増えたのは食器や箸、洗面道具くらい。余分な物を増やさないのは恐らく部屋の主人である龍之介に気を遣っているからだろう。
だから、こうして昼間に一人でいると同居した事実すら夢だったのではと思えてしまう。
謙太の出張は二泊三日。
「……うるさい奴がいなくて清々する」
寂しい気持ちを誤魔化すように、龍之介はわざと声に出して強がった。
コンビニ弁当は二食目で早くも飽きた。
一人で買いに行き、一人で食べる。以前は好んで食べていたものが物凄く味気なく感じた。温め直してもどこか冷たい。それは、やはり一緒に食べる相手がいないからだ。
謙太と話しながら食べる食事はなんでも美味しく感じられた。手料理だとかコンビニ弁当だとか惣菜だとかは関係ない。他愛ない話をしながら食べる時間が楽しかったのだ。
同居を始めて半月。
思った以上に謙太の存在は大きくなっていた。これまで一人でどうやって生活していたのか、何故平気でいられたのか分からなくなる。
夜。
夜更かしをする気力もなく、アルコール度数高めの缶チューハイで晩酌をしてからベッドに入る。
いつもは狭いだの何だのと文句を言いながら二人で寝ているが、今夜は一人。龍之介はベッドのど真ん中で大の字になった。
でも寒い。
足先から冷えていくような感覚があり、龍之介は身体を縮こまらせた。せっかく広々と寝られるのに、無意識のうちに片側を空けてしまう。
謙太の枕を抱き寄せようとしたところで龍之介は我に返り、ベッド脇に投げ飛ばした。
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お付き合いはお試しセックスの後で。
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