【完結】魔王を倒して元の世界に帰還した勇者パーティーの魔法使い♂が持て余した魔力を消費するために仲間の僧侶♂を頼ったら酷い目に遭っちゃった話

みやこ嬢

文字の大きさ
上 下
32 / 110
第5章 エスカレートする行為

31話・制御出来ない気持ち

しおりを挟む


「や、やだ。創吾そうご……ッ」
「ごめん、もう少しだけ」

 涙目の諒真りょうまを組み敷いて腕を押さえ、無理やり身体に触れる。何度も繰り返すうちに接触に慣れてきたが、羞恥心までなくなるわけではない。服の中に手を差し込まれ、上半身を撫で回されながら、諒真は嫌だと訴え続けた。

 諒真の魔力はとっくに上限値を超えている。今までは触れればすぐに暴発していたのに、今日は何故か何の魔法も発動しない。

「また我慢してますね」
「だ、だって」

 限界を超えても何も起こらないのは、無意識のうちに諒真が精神力で抑え込んでいるからだ。

「オレの攻撃魔法を防ぐ時おまえも魔力を使い切ってるだろ。もし少しでもオレの魔力が上回ったら防げなくなるかもしれない」
「……ああ、そういうことですか」

 確かに、これまでほぼ同時に魔力を使い果たしていた。今のところ、ふたりの魔力量は均衡しているが、何度も使った魔法は省エネ効率化により少ない魔力での発動が可能になる。
 諒真が恐れているのは、現在のバランスが崩れてしまうこと。

「大丈夫ですよ。僕は心配性なので強めの防御と回復の魔法を使っているんです。多少諒真くんの攻撃魔法が強まっても何なく抑えられますから」
「そ、そうか」

 創吾の説明に、諒真は明らかにホッとした表情になった。万が一そんな事態になった場合でも創吾を傷付けずに済むと分かって安堵したのだ。
 安心した途端、張り詰めていた緊張の糸が切れ、身体が素直に感覚を拾うようになった。

「え、あっバカ、どこ触っ」
「さっきからずっと触ってましたけど」

 捲ったシャツから覗く薄い身体を撫でる。指先が胸を掠め、諒真の身体が僅かに揺れた。これくらいの接触は以前にもしたからか慣れている。魔力を暴発させるにはまだ刺激が足りない。

「我慢強いのも考えものですね。それとも、僕の触り方がヌルいのかな」
「そんなこと……ッ」

 いつもと変わらぬ調子で喋りながら、創吾の指が胸から腹を伝って下に降り、ベルトの金具を外しに掛かった。片手で器用にベルトを緩め、ファスナーを下ろす。そのまま手を突っ込んで下着越しに触れるが、そこはまだ柔らかいままだった。

「下は触るなって!」
「じゃあ抑え込むのをやめてください」
「そんなの、制御コントロール出来ないから……ッ!」

 キスされたり身体を触られていても、諒真は性的に興奮することはない。無理やり押し倒されているだけなのだから当たり前だ。

「まだ意識してくれないんですか」
「え?」
「なんでもないです」

 下着の上から握り込み、上下に軽く擦る。直接的な刺激を与えれば嫌でも身体は反応を示す。仲間であり同性の友人である創吾から一方的に触られて勃たされ、諒真の羞恥は我慢の限界を超えた。

 前回より多くの攻撃魔法が発動したが、事前の宣言通り創吾は完全に防ぎ切った。
しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する

あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。 領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。 *** 王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。 ・ハピエン ・CP左右固定(リバありません) ・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません) です。 べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。 *** 2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

ブラッドフォード卿のお気に召すままに~~腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する~~

ゆうきぼし/優輝星
BL
異世界転移BL。浄化のため召喚された異世界人は二人だった。腹黒宰相と呼ばれるブラッドフォード卿は、モブ扱いのイブキを手元に置く。それは自分の手駒の一つとして利用するためだった。だが、イブキの可愛さと優しさに触れ溺愛していく。しかもイブキには何やら不思議なチカラがあるようで……。 *マークはR回。(後半になります) ・ご都合主義のなーろっぱです。 ・攻めは頭の回転が速い魔力強の超人ですがちょっぴりダメンズなところあり。そんな彼の癒しとなるのが受けです。癖のありそうな脇役あり。どうぞよろしくお願いします。 腹黒宰相×獣医の卵(モフモフ癒やし手) ・イラストは青城硝子先生です。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜

天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。 彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。 しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。 幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。 運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。

【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】

彩華
BL
 俺の名前は水野圭。年は25。 自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで) だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。 凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!  凄い! 店員もイケメン! と、実は穴場? な店を見つけたわけで。 (今度からこの店で弁当を買おう) 浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……? 「胃袋掴みたいなぁ」 その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。 ****** そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました

及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。 ※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19

処理中です...