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第5章 エスカレートする行為
27話・負い目
しおりを挟む「ほら、学生は早く寝ろよ!明日は学校だろ」
『はーい』
『おやすみなさーい』
毎週日曜日は勇者一行がSNSで集合する決まりだ。なんだかんだで盛り上がって午後十一時を回った頃、ようやく四人のSNSでの会合はお開きになった。由宇斗と将子がログアウトしたのを確認してから、諒真もログアウトしようとした。
しかし、創吾が止めた。
『諒真くん、少しだけいいですか?』
「……あ、うん」
ふたりだけのトークルームに入り直すのは、由宇斗たちにログを見せないため。魔力持ちにしか分からない苦労や仕事の愚痴など、若い彼らは知らなくて良い。
今はそれだけじゃない。どうやって魔力を消費しているか知られたくないから。
『あのふたり、遠距離恋愛だというのに相変わらずラブラブでしたね』
「ラ……、そうだな。SNSで毎日やり取り出来てるからかな?」
『そんなものですかね。僕だったら、恋人とは直接会いたいですけど』
「だよなあ、離れてたら何にも出来な……」
そこまで言って、諒真は言葉を詰まらせた。
前回創吾からキスされたことを思い出したからだ。トラウマや心理的要因で魔法がうまく使えなくなった諒真のために、芝居で襲う真似をした。創吾の迫真の演技に呑まれ、諒真はまんまと強力な魔法をブッ放した。作戦は成功したと言えるだろう。
『それはそうと、明日の夜は七時半くらいからで大丈夫ですか?』
「分かった、残業にならないようにする」
『早く終わらせて、また外に食べに行きましょうか』
「そ、そうだな」
早く終わらせてと言われた瞬間、諒真の脳裏にあの時のことが浮かんだ。
押し倒されて無理やりキスされた時の感覚を思い出すと、自分が情けなくて堪らなくなる。仕方のないこととはいえ、仲間の創吾にそんなことまでさせてしまい、申し訳なさを感じていた。
更に、魔力の消費に付き合わせるだけでなく、その後の時間も縛っている。このままで良いはずがない。
「あ、あのさ、オレ、ひとりで……」
せめて帰りの転移ぶんの魔力が溜まるまでの数時間くらいは創吾を解放してやりたい。ひとりでネットカフェやビジネスホテルで時間を潰せば済む、と提案しようとするが──
『何が食べたいか考えておいてくださいね。後で良さそうな店をピックアップしてメールしますので。……楽しみです』
「わ、わかった」
嬉しそうな創吾の様子に、諒真はそれ以上なにも言えなくなった。
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