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第24話~1600年7月15日 細川家の屋敷での非業~
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「小斎(小笠原秀清)、よいか。明日は家康様に従い上杉征伐に参るが、もしではあるが、遠征の隙をついて、(石田)三成めが挙兵し、各大名の家族を人質に取ろうとすることが考えられる…、その時は玉(ガラシャ)をあの世に見送った(殺した)後、郎党、侍女含め全員で自害してくれ。名家としての誇りを守るように。よいか。頼んだぞ。」
「ははぁ、殿(細川忠興)、分かり申した。」
1582年、明智光秀が謀反をおこし、逆賊(明智光秀)の娘(玉)、とは離縁するよう周り(諸大名や身内)から大層言われたが、忠興は玉を守り通した。
その忠興が玉に死ねと言うこと…。
小笠原が忠興の横顔を仰ぎ見た。
表情は平素と変わらないが…。あっ、唇からうっすらと血がにじみ出ていた。
忠興は部屋を出て行ったが、畳にぽたぽたと血の跡が点々と残っていた。
忠興の右手の爪が手のひらを突き破り血の基となっていたようだった。
1600年8月25日、三成の手勢が細川家の屋敷を取り囲んでいた。
細川家の家臣がガラシャが居る部屋の前で座り、襖越しに報告をした。
「失礼します。ガラシャ様、三成様の多くの手勢が参り、ガラシャ様の投降を呼びかけております。」
「わかりました。小笠原とめのこ(侍女等)達を全員至急、呼んできてたもう。」
「ははぁ。承知いたしました。」
小笠原は平然の顔をし、めのこ達は青ざめた死と向き合った表情をしていた。
「三成様の兵が取り囲んでいます。目的はわらは(私)を?まえることだけですので、わらはだけであの世に参ります。」
「お供します。」「私も。」と多くのめのこたちが懇願した。
「できません。(自殺は)してはいけないもの。皆よ、天命を全うしてください。」
めのこたちは泣き崩れた。
「さっさ。みな、早うお逃げ。」と玉が促した。
めのこたちは玉に最後の別れの挨拶をし屋敷を立ち去って行った。
玉は辞世の句を詠んだ後、
「小斎(小笠原)、わらは(私)は宗教上(自殺は)出来ないので、(私の首を)刎ねて下され。」と言い、膝をつき神に祈った後に正座をしたが、ガラシャの横顔は強張っていた。
小笠原は長剣を前に置き、「ガラシャ様、失礼。」と言った後、「ひゃ・ひゃ・ひゃくひょん・うん・がー。」と変なくしゃみをした。
それを見てガラシャは思わず笑った刹那、小笠原は腰に差していた脇差から刃を瞬時に抜き、ガラシャの心臓を違わず刺した。
「ガラシャ様。貴方様の強張った顔の首を刎ねるのは、わし(私)には出来もうさん。綺麗なままあの世に逝って下されい。」。
ガラシャは微笑みながら苦しくもなく天国へと旅立った。
小笠原はガラシャをゆっくりと畳に仰向けに寝かせ、ガラシャが首から下げていた十字架を守るような形でガラシャの両手を組ませた。
まるで、すやすやと寝ている様だった。
小笠原は脇差の刃についた血を拭いて、鞘に納め玉のご遺体の前にそっと置いた。
その後、玉に深く礼をした後、長剣を持ち「おさらばでございます。」と言い部屋から出ていった。
部屋の外では細川家の家人が玉の辞世の句(の短冊)を待っていた。
「これを殿(忠興)にお渡しするよう。」と小笠原が家人に頼んだ。
その頃、細川の家臣達はガラシャ様と同じ場所で果てるのは恐れ多いと離れた部屋で切腹をしていた。
小笠原が屋敷の部屋々に火をつけて回ると、二人が死にきれず苦しんでいた。
小笠原は素早く念仏を唱え、「ごめん。そうらえ。」と言い二人の首を持っていた長剣で次々刎ねた。
「ここがいいかな。」小笠原は、忠興が向かっている東の方向へ深く礼をし、玉が亡くなった方向にも礼をした後、三成がいる方向を向きながら着物の前を広げ腹を出した。
三成よ。お前は(大将の度量が)無さ過ぎた。何故、大名の家族を人質に取ろうとする。応用に(大名の家族を)見逃がすことが出来なかったのか。でなければ、有無を言わさず大名家に押込み殺戮をしなかったのか。(織田)信長様であれば直ぐにしたであろう。天下を二分するような戦では、大将となる仁(人)が、とっさの判断が出来る仁か否か大名達は見ていることを…。お前はこの時点で(家康様に)負けているな。
小笠原は立ったまま、筋肉隆々とした肉体の腹を目掛け長剣を刺し入れた。
ギリギリと(横縦と)十文字に腹を切り、最後に首の頸動脈を切って、突っ伏しながら小笠原は果てた。
それと同時に仕掛けておいた多量の爆弾に火が回り轟音と共に屋敷を廃墟と化した。
小笠原は前世を全て思い出した。
「そう言う、縁(えにし)があったのか。」
病室のベッドに寝ていた老人(長岡)の姿はいつの間にか消えていた。
小笠原の目の前が暗くなった途端、急に夕暮れに染まった大海原が見えた。
遠くの沖の方には鋼鉄を纏った超大型の安宅船(桔梗丸)が、ゆったりと桔梗紋(明智家)、九曜紋(細川家)の旗を翻していた。
小笠原が目を細めて見ていると船首のデッキの上には細川忠興、ガラシャ夫妻、九鬼船頭が小さく見えた。
その後ろで、紙で出来た人間の倍以上もある人形灯籠が2体対峙してるのが映し出された。
1体は悍ましい鬼で肌は白く瞳はブルー、ウシャンカ帽子(ロシア帽子)を被り大きな鋸で沢山の日本人を殺そうとしてる人形。
もう1体の人形はその鬼を退治に来た桔梗丸と言う若い武者だった。
人形の周りでは、中村がねぶた囃子の笛を弾き、福士が大太鼓、豊田と三浦が手振り鉦を叩いていた。
その曲に合わせ、「らっせーら。らっせーら。らっせ・らっせ・らっせーら。」海賊(船員)達は歌い狂ったように跳ね(踊り)回っていた。
「殿~。姫~。」小笠原は船(桔梗丸)へ向かって手を大きく振り叫んでいた。
「ピシュユゥ~。ドン・ドン・ドン…。パラ・パラ・パラ…。」桔梗丸より花火が打ち上げられた。何回も。何十回も。その花火の光に合わせて忠興、ガラシャ、九鬼、跳ねている海賊達が照らし出された。
「ははぁ、殿(細川忠興)、分かり申した。」
1582年、明智光秀が謀反をおこし、逆賊(明智光秀)の娘(玉)、とは離縁するよう周り(諸大名や身内)から大層言われたが、忠興は玉を守り通した。
その忠興が玉に死ねと言うこと…。
小笠原が忠興の横顔を仰ぎ見た。
表情は平素と変わらないが…。あっ、唇からうっすらと血がにじみ出ていた。
忠興は部屋を出て行ったが、畳にぽたぽたと血の跡が点々と残っていた。
忠興の右手の爪が手のひらを突き破り血の基となっていたようだった。
1600年8月25日、三成の手勢が細川家の屋敷を取り囲んでいた。
細川家の家臣がガラシャが居る部屋の前で座り、襖越しに報告をした。
「失礼します。ガラシャ様、三成様の多くの手勢が参り、ガラシャ様の投降を呼びかけております。」
「わかりました。小笠原とめのこ(侍女等)達を全員至急、呼んできてたもう。」
「ははぁ。承知いたしました。」
小笠原は平然の顔をし、めのこ達は青ざめた死と向き合った表情をしていた。
「三成様の兵が取り囲んでいます。目的はわらは(私)を?まえることだけですので、わらはだけであの世に参ります。」
「お供します。」「私も。」と多くのめのこたちが懇願した。
「できません。(自殺は)してはいけないもの。皆よ、天命を全うしてください。」
めのこたちは泣き崩れた。
「さっさ。みな、早うお逃げ。」と玉が促した。
めのこたちは玉に最後の別れの挨拶をし屋敷を立ち去って行った。
玉は辞世の句を詠んだ後、
「小斎(小笠原)、わらは(私)は宗教上(自殺は)出来ないので、(私の首を)刎ねて下され。」と言い、膝をつき神に祈った後に正座をしたが、ガラシャの横顔は強張っていた。
小笠原は長剣を前に置き、「ガラシャ様、失礼。」と言った後、「ひゃ・ひゃ・ひゃくひょん・うん・がー。」と変なくしゃみをした。
それを見てガラシャは思わず笑った刹那、小笠原は腰に差していた脇差から刃を瞬時に抜き、ガラシャの心臓を違わず刺した。
「ガラシャ様。貴方様の強張った顔の首を刎ねるのは、わし(私)には出来もうさん。綺麗なままあの世に逝って下されい。」。
ガラシャは微笑みながら苦しくもなく天国へと旅立った。
小笠原はガラシャをゆっくりと畳に仰向けに寝かせ、ガラシャが首から下げていた十字架を守るような形でガラシャの両手を組ませた。
まるで、すやすやと寝ている様だった。
小笠原は脇差の刃についた血を拭いて、鞘に納め玉のご遺体の前にそっと置いた。
その後、玉に深く礼をした後、長剣を持ち「おさらばでございます。」と言い部屋から出ていった。
部屋の外では細川家の家人が玉の辞世の句(の短冊)を待っていた。
「これを殿(忠興)にお渡しするよう。」と小笠原が家人に頼んだ。
その頃、細川の家臣達はガラシャ様と同じ場所で果てるのは恐れ多いと離れた部屋で切腹をしていた。
小笠原が屋敷の部屋々に火をつけて回ると、二人が死にきれず苦しんでいた。
小笠原は素早く念仏を唱え、「ごめん。そうらえ。」と言い二人の首を持っていた長剣で次々刎ねた。
「ここがいいかな。」小笠原は、忠興が向かっている東の方向へ深く礼をし、玉が亡くなった方向にも礼をした後、三成がいる方向を向きながら着物の前を広げ腹を出した。
三成よ。お前は(大将の度量が)無さ過ぎた。何故、大名の家族を人質に取ろうとする。応用に(大名の家族を)見逃がすことが出来なかったのか。でなければ、有無を言わさず大名家に押込み殺戮をしなかったのか。(織田)信長様であれば直ぐにしたであろう。天下を二分するような戦では、大将となる仁(人)が、とっさの判断が出来る仁か否か大名達は見ていることを…。お前はこの時点で(家康様に)負けているな。
小笠原は立ったまま、筋肉隆々とした肉体の腹を目掛け長剣を刺し入れた。
ギリギリと(横縦と)十文字に腹を切り、最後に首の頸動脈を切って、突っ伏しながら小笠原は果てた。
それと同時に仕掛けておいた多量の爆弾に火が回り轟音と共に屋敷を廃墟と化した。
小笠原は前世を全て思い出した。
「そう言う、縁(えにし)があったのか。」
病室のベッドに寝ていた老人(長岡)の姿はいつの間にか消えていた。
小笠原の目の前が暗くなった途端、急に夕暮れに染まった大海原が見えた。
遠くの沖の方には鋼鉄を纏った超大型の安宅船(桔梗丸)が、ゆったりと桔梗紋(明智家)、九曜紋(細川家)の旗を翻していた。
小笠原が目を細めて見ていると船首のデッキの上には細川忠興、ガラシャ夫妻、九鬼船頭が小さく見えた。
その後ろで、紙で出来た人間の倍以上もある人形灯籠が2体対峙してるのが映し出された。
1体は悍ましい鬼で肌は白く瞳はブルー、ウシャンカ帽子(ロシア帽子)を被り大きな鋸で沢山の日本人を殺そうとしてる人形。
もう1体の人形はその鬼を退治に来た桔梗丸と言う若い武者だった。
人形の周りでは、中村がねぶた囃子の笛を弾き、福士が大太鼓、豊田と三浦が手振り鉦を叩いていた。
その曲に合わせ、「らっせーら。らっせーら。らっせ・らっせ・らっせーら。」海賊(船員)達は歌い狂ったように跳ね(踊り)回っていた。
「殿~。姫~。」小笠原は船(桔梗丸)へ向かって手を大きく振り叫んでいた。
「ピシュユゥ~。ドン・ドン・ドン…。パラ・パラ・パラ…。」桔梗丸より花火が打ち上げられた。何回も。何十回も。その花火の光に合わせて忠興、ガラシャ、九鬼、跳ねている海賊達が照らし出された。
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