彷徨えるジパング～蒙古襲来編～

第28章 復讐戦開始

武藤と光月のモンゴル帝国軍への復讐戦が始まった。

逃げてるモンゴル帝国軍の兵を見つけると矢を次々と打ち掛け港へ迫ったが、二人の身体も手負い傷を負い足が重くなった。
「光月さん、大丈夫？あともう少しで港へ着くよ。」
「私は大丈夫。けど、右頬に傷がついちゃった。こんな私でも（武藤）公嗣さんのお嫁さんになれるかな～。」
「（復讐戦が）済んだら、（光月）和希の御両親へ会いに行かないと。」
二人で笑い合い、手を取り合って一歩一歩と港へと進んだ。

港へ横付けしているモンゴル帝国軍の船に郭と同志４人が乗っていた。
壱岐の島の内陸から次へ次へと大きな荷物を背負ったモンゴル帝国軍の兵が船へと向かって来ていた。
郭は作戦が失敗に終わりイラつき、周りにいるモンゴル帝国軍の兵達を足蹴にする等当たっていた。
「奴ら（モンゴル帝国軍の兵達）は馬鹿か。あんな多くの略奪物を捕って来て船に載せるつもりかー。身一つで逃げるのが先だろう…。同志達よ。俺と一緒に銃を持ち、こっちへ逃げてくるモンゴル帝国軍の兵を皆殺せ。」
「承知しました。」
バン・バン・バン・バン・バン…。
埠頭を目掛け走っているモンゴル帝国軍の兵が一人また一人と倒れて行った。

「和希、敵の将が見えたよ。あっ。しまった。さっきのモンゴル帝国軍の兵を倒す（殺す）のに矢を使い切ってしまった。」
「私に任せて。」光月が弓を構えて鋭い矢を放った。「たうん～。ビユーン。」
船が揺れていて矢は郭の急所には当たれず右頬を切って行った。
「貴様、小童め。」郭は右頬の切り傷を拭った後、銃口を光月に向け引き金を引いた。
「バーン。」

「ぅう。」
「和希ーい。」