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出会い編
弐 花子さんの場合
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学校の七不思議の一つ『花子さん』。
花子さんは白いワイシャツに赤い釣りスカートを着て、おかっぱ頭の少女だという。
花子さんを呼ぶ方法は、学校の3階の女子トイレの個室の前で三回回り、(ブレイクダンスのほうが効果があるらしい)ドアを三回叩き、「花子さん、遊びましょ」と、言う。これを奥の個室まで三回やると三番目の個室から微かな声で「はい」と、返事が返ってくる。返事が返ってきた個室を開けると花子さんがいる。話しかけると戦闘になる。倒すとラバーカップが貰える。
これは、ネットなどで流れている情報。
そもそも、女子トイレで急にブレイクダンスを踊ろうとする人は滅多にいないだろう。いや、いないだろう。いたらいたでキチガイだ。それに、戦闘になるのも理解できないのに、倒してラバーカップ貰うとか、必要ないじゃん。何に使うんだよ。ラバーカップ。多分要らないよ。要るのは独り暮らししてる人ぐらいだよ。
花子さんを呼び出す方法は、黒炎の通っている瑞獣学校は少し違う。まぁ、ほとんど同じだが。
「はーぁーい」
「………」
無言で扉を閉めた。
「ちょっと、何で閉めるのよ!
トイレに引きずり込むわよ!」
と、閉めた扉を開けて、白いワイシャツに赤い釣りスカートを着て、おかっぱ頭の小学生低学年ぐらいの女の子──花子さんが黒炎の手をつかんだ。
「遠慮させていただきます」
「丁寧っ!
じゃ、なくてそんなことを言われても連れていくわよ!」
「遠慮させていただきます。
まだ、義務教育で学校に通わないと行けないので」
流石に中卒ならぬ小卒はまともな職業にすらつけなくなるだろう。
「いや、それはそうだけれども、わたしのこと呼んだでしょう!」
「えっ、呼んでいませんが……」
全く身に覚えがないとでも言うように困ったような顔で眉を少し下げた。
「『はーなこさんあっそびっましょっ』
って、私を呼んだわよね」
「しっかり聞いていたんだから」とでも言うように黒炎を小さい指で指差して言った。
「いえ、私は
『まーいこさんあっそびっましょっ』
と、言いました」
首をふるふると横にふりながら黒炎は花子さんの言ったことを否定した。
「いや、まいこさんって誰よ!」
確かに。『まいこさん』とは誰なんだろうか。そもそも、人なのかさえも分からない。
「この子です」
と、花子さんの目の前に長い耳が二本生えている人形を置いた。
どうやらウサギの人形だったらしい。
「…………怖っ!!
なによ、その人形!
何でウサギがそんな歯剥いてて、血みどろなのよ!」
…ただし血みどろでホラー映画に出てきそうな歯を剥いている怖いウサギの人形だったが。
「……っえ。
可愛くありませんか?」
黒炎は、花子さんが言ったことが心外だとでも言うようにやや目を大きく開かせ言った。
「いや、怖いわよ!!」
それが普通の反応である。
多分、この人形を見た十人中十人が怖いと答えるだろう。決して、決して『可愛い』とは答えないだろう。
「お母様から、誕生日に貰ったプレゼントです。お兄ちゃんもこのピンクの舞子さんの色違いのブルーの舞君を持っています」
黒炎は、どこか目を逸らしている花子さんに舞子さんを見せながら言った。
「いや、まいこって『舞子』って書くの!?」
人形に名前を付ける人はいるだろうが漢字まで決める人はそうそういないだろう。
「はい、なんだか舞っているように見えたので……」
…名前の由来が何気に怖い。
「いや、舞っているというか、呪いのダンスを今にも踊りだしそうよ!!
ほら、今もすごいオドオドした空気発してるから!その人形!」
確かに、呪いのダンスを踊り始め、七不思議の一つである花子さんも呪いそうな感じの雰囲気だ。
と、いうか舞子さんの周りだけ空気が何か違う。こう、黒いどろどろとしたもの……呪いを纏っているようだ。
「えー、こんなにかーわいいのに、ですか?」
気でも狂わない限り多分これを可愛いとはコメントできないだろう。いや、気が狂ったとしても多分……いいや絶対に言わないだろう。
「いや、どこからどう見ても怖いわよ!
それ、誰がどう見ても呪いの人形だと思うわよ!
感覚どうなってるの!」
確かに。口裂け女も言っていたが、少し…いや、かなり黒炎は他の人(妖怪も含む)とずれているようだ。
「普通ですよ。お兄ちゃんも可愛いといってくださいますし……」
いや、絶対に普通じゃないだろう。
「兄妹揃ってかよ!!」
一体どんな兄妹なんだか……。
「…どうして、その人形に
『まーいこさんあっそびっましょっ』
って言っていたのよ。お陰で聞き間違えて出て来ちゃったじゃない!」
最後の言葉は明らかに花子さんの八つ当たりに近いだろう。
「だって、遊ぶときってそう言うもんじゃないんですか?」
当たり前だとでも言うように微かに首をかしげて言った。
「いや、そうなんだけれども、そうなんだけれども、普通ね、人形にそう言わないわよ!」
そうだ。普通は言わない。
「いや、人形と言えども遊んで頂くので一応いっておいた方がいいかと……」
普通の人ならば人形には、そんなことは言わない。
「………友達とはそうやって言って遊ばないの?
人形じゃなくて」
「悪いこと言ったかも…」とでも言うように花子さんは聞いた。
「…なぜか皆さんわたしのこと避けるんですよね。
なので、教室や運動場では邪魔になるのでトイレでは…と、思いまして……」
もはやボッチである。
「悲し!何があったのよ!」
「それが、私にも心当たりがなくて……」
多分、そうなった理由が必ずあるはずだが、黒炎には心当たりはないらしい。
「…トイレの扉を三回叩いたのは?」
「誰かが用を足していたら迷惑だと思ったので…」
「いや、普通、トイレだとノックするの二回でしょ!」
ノックするのが三回だった場合は、入室するときの合図で二回は空いているかという合図である。ついでに言うと四回だった場合は、「国際儀礼」、「世界基準マナー」と言われている。面接とかの場合はノックの回数は四回である。
「…そうなんですか」
まぁ、あまり知られていないし、黒炎が知らないというのも頷ける。
「……わかったわ。
これは、私の聞き間違いとあんたの変わった性格のせいでおこったことなのね。
でも、なんでよりによって私のいる三番目の個室を選んだのよ」
『変わった性格』とは、本人に向かって少々失礼な気がする。
「そこしか、トイレットペーパーがなくて…。
他のところ全部きれていたんですよ。
でも、ここだけ『花子さんが出る』って、皆用を足さないから、きれていないんですよ。
でも、本当に花子さんって居たんですね……」
どうやら、花子さんの噂が生徒の間で意外と広まっていたらしい。
「何故、普通、人形遊びするのにわざわざトイレットペーパーのあるところにはいるの?」
「途中で用を足したくなった時にトイレットペーパーがないと困るじゃないですか」
「人形遊びをしながら、用を足すな!」
花子さんの意見はもっともである。と、いうかそれ以前に女の子がそんなんで大丈夫なのか?
「大丈夫ですよ。
用を足していたら手をしっかりと洗って、もう一度個室に戻って、舞子さんと遊びますから」
全然、大丈夫ではない。
「そーゆー問題じゃない!」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「すみません。五時間目が始まるので失礼します。久しぶりに舞子さん以外とまともに話しました。
ありがとうございました。また、話しましょう。
……ほら、舞子さんもお礼」
ペコリと礼をし、まるで生きているかのように舞子さんに話しかけ、花子さんの前に置いた。
『アリガトウ、タノシカッタ』
ゾッとするほどのするほどの声だ。
一応言っておく。舞子さんは人形だ。
大事なことだ。もう一度言っておこう。舞子さんは人形だ。
………人形は喋らない…はずだ。
「では」
もう一度礼をし、黒炎はトイレから出て行った。
「えっ!舞子さんって喋るの!?」
花子さんの声に答えるものはいない。
「本当、何だったのよ。あの子……」
花子さんは白いワイシャツに赤い釣りスカートを着て、おかっぱ頭の少女だという。
花子さんを呼ぶ方法は、学校の3階の女子トイレの個室の前で三回回り、(ブレイクダンスのほうが効果があるらしい)ドアを三回叩き、「花子さん、遊びましょ」と、言う。これを奥の個室まで三回やると三番目の個室から微かな声で「はい」と、返事が返ってくる。返事が返ってきた個室を開けると花子さんがいる。話しかけると戦闘になる。倒すとラバーカップが貰える。
これは、ネットなどで流れている情報。
そもそも、女子トイレで急にブレイクダンスを踊ろうとする人は滅多にいないだろう。いや、いないだろう。いたらいたでキチガイだ。それに、戦闘になるのも理解できないのに、倒してラバーカップ貰うとか、必要ないじゃん。何に使うんだよ。ラバーカップ。多分要らないよ。要るのは独り暮らししてる人ぐらいだよ。
花子さんを呼び出す方法は、黒炎の通っている瑞獣学校は少し違う。まぁ、ほとんど同じだが。
「はーぁーい」
「………」
無言で扉を閉めた。
「ちょっと、何で閉めるのよ!
トイレに引きずり込むわよ!」
と、閉めた扉を開けて、白いワイシャツに赤い釣りスカートを着て、おかっぱ頭の小学生低学年ぐらいの女の子──花子さんが黒炎の手をつかんだ。
「遠慮させていただきます」
「丁寧っ!
じゃ、なくてそんなことを言われても連れていくわよ!」
「遠慮させていただきます。
まだ、義務教育で学校に通わないと行けないので」
流石に中卒ならぬ小卒はまともな職業にすらつけなくなるだろう。
「いや、それはそうだけれども、わたしのこと呼んだでしょう!」
「えっ、呼んでいませんが……」
全く身に覚えがないとでも言うように困ったような顔で眉を少し下げた。
「『はーなこさんあっそびっましょっ』
って、私を呼んだわよね」
「しっかり聞いていたんだから」とでも言うように黒炎を小さい指で指差して言った。
「いえ、私は
『まーいこさんあっそびっましょっ』
と、言いました」
首をふるふると横にふりながら黒炎は花子さんの言ったことを否定した。
「いや、まいこさんって誰よ!」
確かに。『まいこさん』とは誰なんだろうか。そもそも、人なのかさえも分からない。
「この子です」
と、花子さんの目の前に長い耳が二本生えている人形を置いた。
どうやらウサギの人形だったらしい。
「…………怖っ!!
なによ、その人形!
何でウサギがそんな歯剥いてて、血みどろなのよ!」
…ただし血みどろでホラー映画に出てきそうな歯を剥いている怖いウサギの人形だったが。
「……っえ。
可愛くありませんか?」
黒炎は、花子さんが言ったことが心外だとでも言うようにやや目を大きく開かせ言った。
「いや、怖いわよ!!」
それが普通の反応である。
多分、この人形を見た十人中十人が怖いと答えるだろう。決して、決して『可愛い』とは答えないだろう。
「お母様から、誕生日に貰ったプレゼントです。お兄ちゃんもこのピンクの舞子さんの色違いのブルーの舞君を持っています」
黒炎は、どこか目を逸らしている花子さんに舞子さんを見せながら言った。
「いや、まいこって『舞子』って書くの!?」
人形に名前を付ける人はいるだろうが漢字まで決める人はそうそういないだろう。
「はい、なんだか舞っているように見えたので……」
…名前の由来が何気に怖い。
「いや、舞っているというか、呪いのダンスを今にも踊りだしそうよ!!
ほら、今もすごいオドオドした空気発してるから!その人形!」
確かに、呪いのダンスを踊り始め、七不思議の一つである花子さんも呪いそうな感じの雰囲気だ。
と、いうか舞子さんの周りだけ空気が何か違う。こう、黒いどろどろとしたもの……呪いを纏っているようだ。
「えー、こんなにかーわいいのに、ですか?」
気でも狂わない限り多分これを可愛いとはコメントできないだろう。いや、気が狂ったとしても多分……いいや絶対に言わないだろう。
「いや、どこからどう見ても怖いわよ!
それ、誰がどう見ても呪いの人形だと思うわよ!
感覚どうなってるの!」
確かに。口裂け女も言っていたが、少し…いや、かなり黒炎は他の人(妖怪も含む)とずれているようだ。
「普通ですよ。お兄ちゃんも可愛いといってくださいますし……」
いや、絶対に普通じゃないだろう。
「兄妹揃ってかよ!!」
一体どんな兄妹なんだか……。
「…どうして、その人形に
『まーいこさんあっそびっましょっ』
って言っていたのよ。お陰で聞き間違えて出て来ちゃったじゃない!」
最後の言葉は明らかに花子さんの八つ当たりに近いだろう。
「だって、遊ぶときってそう言うもんじゃないんですか?」
当たり前だとでも言うように微かに首をかしげて言った。
「いや、そうなんだけれども、そうなんだけれども、普通ね、人形にそう言わないわよ!」
そうだ。普通は言わない。
「いや、人形と言えども遊んで頂くので一応いっておいた方がいいかと……」
普通の人ならば人形には、そんなことは言わない。
「………友達とはそうやって言って遊ばないの?
人形じゃなくて」
「悪いこと言ったかも…」とでも言うように花子さんは聞いた。
「…なぜか皆さんわたしのこと避けるんですよね。
なので、教室や運動場では邪魔になるのでトイレでは…と、思いまして……」
もはやボッチである。
「悲し!何があったのよ!」
「それが、私にも心当たりがなくて……」
多分、そうなった理由が必ずあるはずだが、黒炎には心当たりはないらしい。
「…トイレの扉を三回叩いたのは?」
「誰かが用を足していたら迷惑だと思ったので…」
「いや、普通、トイレだとノックするの二回でしょ!」
ノックするのが三回だった場合は、入室するときの合図で二回は空いているかという合図である。ついでに言うと四回だった場合は、「国際儀礼」、「世界基準マナー」と言われている。面接とかの場合はノックの回数は四回である。
「…そうなんですか」
まぁ、あまり知られていないし、黒炎が知らないというのも頷ける。
「……わかったわ。
これは、私の聞き間違いとあんたの変わった性格のせいでおこったことなのね。
でも、なんでよりによって私のいる三番目の個室を選んだのよ」
『変わった性格』とは、本人に向かって少々失礼な気がする。
「そこしか、トイレットペーパーがなくて…。
他のところ全部きれていたんですよ。
でも、ここだけ『花子さんが出る』って、皆用を足さないから、きれていないんですよ。
でも、本当に花子さんって居たんですね……」
どうやら、花子さんの噂が生徒の間で意外と広まっていたらしい。
「何故、普通、人形遊びするのにわざわざトイレットペーパーのあるところにはいるの?」
「途中で用を足したくなった時にトイレットペーパーがないと困るじゃないですか」
「人形遊びをしながら、用を足すな!」
花子さんの意見はもっともである。と、いうかそれ以前に女の子がそんなんで大丈夫なのか?
「大丈夫ですよ。
用を足していたら手をしっかりと洗って、もう一度個室に戻って、舞子さんと遊びますから」
全然、大丈夫ではない。
「そーゆー問題じゃない!」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「すみません。五時間目が始まるので失礼します。久しぶりに舞子さん以外とまともに話しました。
ありがとうございました。また、話しましょう。
……ほら、舞子さんもお礼」
ペコリと礼をし、まるで生きているかのように舞子さんに話しかけ、花子さんの前に置いた。
『アリガトウ、タノシカッタ』
ゾッとするほどのするほどの声だ。
一応言っておく。舞子さんは人形だ。
大事なことだ。もう一度言っておこう。舞子さんは人形だ。
………人形は喋らない…はずだ。
「では」
もう一度礼をし、黒炎はトイレから出て行った。
「えっ!舞子さんって喋るの!?」
花子さんの声に答えるものはいない。
「本当、何だったのよ。あの子……」
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