33 / 57
カウドゥール
【※BL】べそ泣きG様、今日も元気
しおりを挟む
「Kちゃぁぁぁぁ~~~ん! どこぉ~~???」
約180cmの高身長・整った顔立ち・サラサラの金髪をなびかせながら、南魔界魔王G・Sdが前記した豊富なイケメン要素を台無しにするが如く、子供のようにベソベソしながら城中を闊歩する。
トランクスパンツ・前開き全開の薄いコートを羽織っただけ・サンダル履きの姿でパタパタヒラヒラと、魔王の威厳ゼロで闊歩する。
「ねぇ、Kちゃん知らない?」
従者らにそう訊いてまわるが、誰からも「知りません」としか返ってこず、その度にGは「知ってろし! バカァァァ!!」と従者らを殴っていく。
従者の1人であるJgが、オドオドしながら「また外出したのでは?」とGに訊ねる。
「だって、この前4日間の外出をして『じゃあ、今度はボクのそばに2日はいてね』って、約束した、のにっ。手足を鎖でつないどいたのに、一体どうやって逃げ出して……あひゅん」
そこまで言って、Gは感極まって更に泣き出した。
───これさえなければ……。
Gの周りの誰もが、そう思う。そう願う。
“愛しのKちゃん”さえ絡まなければ、本当に魔王G様は優秀で威厳たっぷりで世界の誇れる“魔王”なのだ。……だったのだ。
それが、今はどうであろうか。
KちゃんKちゃんとベソをかき、そのKちゃんの為に編み物&料理(どちらも、まさかのすごい腕前)をし『恋のドキドキ黒魔術☆』に載っていたからと、民の心臓を徴収する……。
見事なまでの傍若無人な暗愚魔王に成り下がった(ちなみに、近くに仕えている者らは事情を知っているが、民草は「賢王・G様が人間の少年に骨の随までたぶらかされた」と思っている)。
「Kちゃ……」
顔をぐしゃぐしゃにしたイイ年こいた男が、ノロノロと自室に戻っていく。
と、いきなり真上の天井板がパゴンと外れ、Gの脳天を直撃した。
「死にくされやぁ! Gァ!!」
厚い天井板と共に、鋭い目つきの黒髪の少年がGの上に落ちてきた。
少年───G様の“愛しのKちゃん”は、ダガーを手にGに馬乗りになり、Gの腕に切りつけた。割と肉をえぐったらしく、辺りにGの血が飛び散る。
「ふぁあ! Kちゃんだ! ワーイ!」
命を奪られかけているというのに、先程までのしょんぼり顔はどこへやら。Gの顔はぱあっ、と輝いた。
KはGの胸元まっすぐダガーを構え、そのまま垂直に突き刺そうとする……が、Gはふぬけた顔のまま、全力でその“ダガーを握るKの小さな手”を抑える。
「こんなん刺さったら死んぢゃうよぉ、Kちゃん! ……どうせ“刺す”のなら、あの、ボクにKちゃんのおちんち……」
「きんめぇぇぇぇ!!!」
Kが、叫びながらダガーを握る手に力を込める。だが、Gもメソメソしながら全力ガードの力をゆるめない。
その乱闘をそばで見守りながら、Jgは「やっぱり、あんな野生児の何がいいのだろう……」と、ぼんやり考えた。
“少年”が好きなのなら、もう少しかわいげのある、従順なコでいいではないか。なんで、よりによってあんな凶暴なガキを……。
Jgが“何回思ったかわからない考え”をしているうちに、2人の勝負がついた。
Gが、自分に馬乗りしていたKを上体を捻って振り落とし、Kがバランスを崩したところで素早くKの黒髪を掴み、そのまま顔から固い床に叩きつけたのだ。「愛している」と言う割には容赦なく、その相手の体を破損させる事がGは出来た。
床に、Kの鼻血と歯の欠片がこぼれる。
今度は、GがKの上に馬乗りになった。
Gが「ごめんね、大丈夫?」と優しくKに訊くも、Kが額から血を流しながら「うるせぇ、黙れ、死ねっ」と暴れるので、Gはめそめそ泣きながらKの頬を殴った。
殴るか、服を掴んで軽く浮かせた上半身を思いきり床に叩きつけた。
床に叩きつけられる度にひぅ、と声にならない声をあげ続けたKは、しまいには涙声で「やめろやめろ」と懇願を始めた。
その懇願が聞こえているのかいないのか、Gは息も絶え絶えなKの服を引っ張り、頭を自分の方に向かせ、唐突に唇を重ねた。
近くに突っ立っていたままのJgが、2人から軽く目を逸らす。Gは暴れるKを抑えつけながら、そのまま口付けを続けた。悲鳴をあげようとするKが開けた唇の隙間から、舌先をねじ込んで更にKを味わう。
さんざ殴った直後の口づけなど、血の味しかしないだろうに何がいいのだろうか、とJgは床に落ちている砂利を見つめる。たまに「砂利になりたいな」とすら羨ましく思う。
数分程、Kの口内を熱情的にひとしきりねぶりきってから、Gがぼんやりとした顔でようやく唇を離した。
「…………ふつかかん、ずっといいコトしてあげる」
恍惚とした表情で目を細めながら、犯行予告をする。
Gは、まだ精通がきていないKに未だに“挿入までは”していなかった。精通してから挿入する、という謎の自分ルールを遵守していた。
その代わり、前戯……挿入までの下準備は何度も何度もKに行使してきた。触り、舐め、しゃぶる……指で肛門の部位を柔らかくして、慣れさせておくほどで止めていた。
その『焦らし寸止め愛撫地獄』を二日間──。Kは鳥肌が立った。Gの事は嫌い……憎悪の対象だったが身体は正直なのが憎かった。Gの大きく、温かい手から繰り出される接触・愛撫は日頃のものとは真逆で、リラックス効果も高い。触られると心地よくて若干落ち着いてしまい、挙げ句の果てには甘い吐息を漏らしていることもあ……。
そこまで考えてから、Kは急に羞恥心に襲われて体が熱くなった。それを振り払うように、眼前の変態美男の顔面に頭突きする。
「でばぁ?!」
鼻を殴打されたGが、謎の声を出して泣く。
「クソがぁ!! やらせるかぁ!!! 死にくされぇ!!」
勢い良く立ち上がったKは品のない罵倒を叫び散らしたそのまま、廊下の窓から飛び降りて逃げた。ここは3階だったが、着地後の骨折など根性で秒で治すKには何の問題もない。
「あぁっ、Kちゃ……」
鼻血を垂らしたGが追いかけようとするも「もうこれは無理だ」と悟って、追いかけるのを控えた。
なりふり構わず全力逃走するKは、万全の状態でないと追うのは難しい。Gは廊下にしゃがみこんで泣いた。
Jgは、愛憎騒動直後のGに八つ当たりされるのが怖い……面倒だったので、とりあえず窓から見える流れる雲を穏やかな目で見つめ続けた。
約180cmの高身長・整った顔立ち・サラサラの金髪をなびかせながら、南魔界魔王G・Sdが前記した豊富なイケメン要素を台無しにするが如く、子供のようにベソベソしながら城中を闊歩する。
トランクスパンツ・前開き全開の薄いコートを羽織っただけ・サンダル履きの姿でパタパタヒラヒラと、魔王の威厳ゼロで闊歩する。
「ねぇ、Kちゃん知らない?」
従者らにそう訊いてまわるが、誰からも「知りません」としか返ってこず、その度にGは「知ってろし! バカァァァ!!」と従者らを殴っていく。
従者の1人であるJgが、オドオドしながら「また外出したのでは?」とGに訊ねる。
「だって、この前4日間の外出をして『じゃあ、今度はボクのそばに2日はいてね』って、約束した、のにっ。手足を鎖でつないどいたのに、一体どうやって逃げ出して……あひゅん」
そこまで言って、Gは感極まって更に泣き出した。
───これさえなければ……。
Gの周りの誰もが、そう思う。そう願う。
“愛しのKちゃん”さえ絡まなければ、本当に魔王G様は優秀で威厳たっぷりで世界の誇れる“魔王”なのだ。……だったのだ。
それが、今はどうであろうか。
KちゃんKちゃんとベソをかき、そのKちゃんの為に編み物&料理(どちらも、まさかのすごい腕前)をし『恋のドキドキ黒魔術☆』に載っていたからと、民の心臓を徴収する……。
見事なまでの傍若無人な暗愚魔王に成り下がった(ちなみに、近くに仕えている者らは事情を知っているが、民草は「賢王・G様が人間の少年に骨の随までたぶらかされた」と思っている)。
「Kちゃ……」
顔をぐしゃぐしゃにしたイイ年こいた男が、ノロノロと自室に戻っていく。
と、いきなり真上の天井板がパゴンと外れ、Gの脳天を直撃した。
「死にくされやぁ! Gァ!!」
厚い天井板と共に、鋭い目つきの黒髪の少年がGの上に落ちてきた。
少年───G様の“愛しのKちゃん”は、ダガーを手にGに馬乗りになり、Gの腕に切りつけた。割と肉をえぐったらしく、辺りにGの血が飛び散る。
「ふぁあ! Kちゃんだ! ワーイ!」
命を奪られかけているというのに、先程までのしょんぼり顔はどこへやら。Gの顔はぱあっ、と輝いた。
KはGの胸元まっすぐダガーを構え、そのまま垂直に突き刺そうとする……が、Gはふぬけた顔のまま、全力でその“ダガーを握るKの小さな手”を抑える。
「こんなん刺さったら死んぢゃうよぉ、Kちゃん! ……どうせ“刺す”のなら、あの、ボクにKちゃんのおちんち……」
「きんめぇぇぇぇ!!!」
Kが、叫びながらダガーを握る手に力を込める。だが、Gもメソメソしながら全力ガードの力をゆるめない。
その乱闘をそばで見守りながら、Jgは「やっぱり、あんな野生児の何がいいのだろう……」と、ぼんやり考えた。
“少年”が好きなのなら、もう少しかわいげのある、従順なコでいいではないか。なんで、よりによってあんな凶暴なガキを……。
Jgが“何回思ったかわからない考え”をしているうちに、2人の勝負がついた。
Gが、自分に馬乗りしていたKを上体を捻って振り落とし、Kがバランスを崩したところで素早くKの黒髪を掴み、そのまま顔から固い床に叩きつけたのだ。「愛している」と言う割には容赦なく、その相手の体を破損させる事がGは出来た。
床に、Kの鼻血と歯の欠片がこぼれる。
今度は、GがKの上に馬乗りになった。
Gが「ごめんね、大丈夫?」と優しくKに訊くも、Kが額から血を流しながら「うるせぇ、黙れ、死ねっ」と暴れるので、Gはめそめそ泣きながらKの頬を殴った。
殴るか、服を掴んで軽く浮かせた上半身を思いきり床に叩きつけた。
床に叩きつけられる度にひぅ、と声にならない声をあげ続けたKは、しまいには涙声で「やめろやめろ」と懇願を始めた。
その懇願が聞こえているのかいないのか、Gは息も絶え絶えなKの服を引っ張り、頭を自分の方に向かせ、唐突に唇を重ねた。
近くに突っ立っていたままのJgが、2人から軽く目を逸らす。Gは暴れるKを抑えつけながら、そのまま口付けを続けた。悲鳴をあげようとするKが開けた唇の隙間から、舌先をねじ込んで更にKを味わう。
さんざ殴った直後の口づけなど、血の味しかしないだろうに何がいいのだろうか、とJgは床に落ちている砂利を見つめる。たまに「砂利になりたいな」とすら羨ましく思う。
数分程、Kの口内を熱情的にひとしきりねぶりきってから、Gがぼんやりとした顔でようやく唇を離した。
「…………ふつかかん、ずっといいコトしてあげる」
恍惚とした表情で目を細めながら、犯行予告をする。
Gは、まだ精通がきていないKに未だに“挿入までは”していなかった。精通してから挿入する、という謎の自分ルールを遵守していた。
その代わり、前戯……挿入までの下準備は何度も何度もKに行使してきた。触り、舐め、しゃぶる……指で肛門の部位を柔らかくして、慣れさせておくほどで止めていた。
その『焦らし寸止め愛撫地獄』を二日間──。Kは鳥肌が立った。Gの事は嫌い……憎悪の対象だったが身体は正直なのが憎かった。Gの大きく、温かい手から繰り出される接触・愛撫は日頃のものとは真逆で、リラックス効果も高い。触られると心地よくて若干落ち着いてしまい、挙げ句の果てには甘い吐息を漏らしていることもあ……。
そこまで考えてから、Kは急に羞恥心に襲われて体が熱くなった。それを振り払うように、眼前の変態美男の顔面に頭突きする。
「でばぁ?!」
鼻を殴打されたGが、謎の声を出して泣く。
「クソがぁ!! やらせるかぁ!!! 死にくされぇ!!」
勢い良く立ち上がったKは品のない罵倒を叫び散らしたそのまま、廊下の窓から飛び降りて逃げた。ここは3階だったが、着地後の骨折など根性で秒で治すKには何の問題もない。
「あぁっ、Kちゃ……」
鼻血を垂らしたGが追いかけようとするも「もうこれは無理だ」と悟って、追いかけるのを控えた。
なりふり構わず全力逃走するKは、万全の状態でないと追うのは難しい。Gは廊下にしゃがみこんで泣いた。
Jgは、愛憎騒動直後のGに八つ当たりされるのが怖い……面倒だったので、とりあえず窓から見える流れる雲を穏やかな目で見つめ続けた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる