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学園パロ
K先生の好意からくる“ひいき”評価を喜ばないマジメR
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………あれ?
K先生から、たった今返されたテストでRは採点ミスを見つけた。ミスをしているのに丸がついており、そのぶん点数も入っていたのだ。
RはK先生のいる教壇に行き「ここ、採点ミスしていますよ」と、その箇所を指差した。
「お前は素行がいいから、サービスだ」
Kはぶすっとした表情で言い放った。
Rは、その言葉にどう返答していいものかわからなかった。
*******
返された通知表にも、不可解な点があった。
………オール5。まさかのオール5だったのである。
Rは、オール5を取れるほどテストで点を取っていない。どの教科も60~90点そこそこしか点を取っていない。そして、備考欄には『イイこ』。たった一言であった。
Rは、悲しくなった。
確かに、生徒1人1人の長所・欠点・様子について、いちいち言及するのは大変な事かもしれない。
しかし、適当に“過大評価”の嫌がらせはいかがなものだろうか。“過小評価”されるのなら気楽なものだが、逆はつらい。
RはK先生の教壇に近づき「過大評価しすぎです」と訴えた。
「私は、こんなに出来た人間ではありません。生徒を数字で評価するのは大変だと思いますが……だからといって、この適当さはひどいです」
それを聞いたK先生が驚き、困ったような表情を浮かべて多少みじろいだりと挙動不審になったが、最終的には冷笑した。
「………あぁ、そーかいそーかい。Rさんはオール5がご不満ですか……わかったよ、お望み通りオール1にしてやんよ」
KはRから通知表を取り上げて、修正テープで数字評価の部分を修正しようとした……が、不器用すぎてうまくテープが貼れなかった。
見かねたRが自ら修正テープを手に取って“せっかくのKからのプレゼントである5”を消した。
******
喜ぶと思って、良かれと思ってやったのだが、何故か拒否された。何故だ。
Kは自己嫌悪に襲われて、男子トイレにこもって便器を抱きながら忍び泣きした。
K先生から、たった今返されたテストでRは採点ミスを見つけた。ミスをしているのに丸がついており、そのぶん点数も入っていたのだ。
RはK先生のいる教壇に行き「ここ、採点ミスしていますよ」と、その箇所を指差した。
「お前は素行がいいから、サービスだ」
Kはぶすっとした表情で言い放った。
Rは、その言葉にどう返答していいものかわからなかった。
*******
返された通知表にも、不可解な点があった。
………オール5。まさかのオール5だったのである。
Rは、オール5を取れるほどテストで点を取っていない。どの教科も60~90点そこそこしか点を取っていない。そして、備考欄には『イイこ』。たった一言であった。
Rは、悲しくなった。
確かに、生徒1人1人の長所・欠点・様子について、いちいち言及するのは大変な事かもしれない。
しかし、適当に“過大評価”の嫌がらせはいかがなものだろうか。“過小評価”されるのなら気楽なものだが、逆はつらい。
RはK先生の教壇に近づき「過大評価しすぎです」と訴えた。
「私は、こんなに出来た人間ではありません。生徒を数字で評価するのは大変だと思いますが……だからといって、この適当さはひどいです」
それを聞いたK先生が驚き、困ったような表情を浮かべて多少みじろいだりと挙動不審になったが、最終的には冷笑した。
「………あぁ、そーかいそーかい。Rさんはオール5がご不満ですか……わかったよ、お望み通りオール1にしてやんよ」
KはRから通知表を取り上げて、修正テープで数字評価の部分を修正しようとした……が、不器用すぎてうまくテープが貼れなかった。
見かねたRが自ら修正テープを手に取って“せっかくのKからのプレゼントである5”を消した。
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喜ぶと思って、良かれと思ってやったのだが、何故か拒否された。何故だ。
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